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添乗員として求められる7つの能力【いつもお客さまのことを考える】

2019年6月27日

添乗員として求められる7つの能力【いつもお客さまのことを考える】
  • 添乗員の仕事に興味があるけれど、求められる能力について知りたい
  • 添乗員に必要な能力を知り、自分に向いているかどうか知りたい

この記事はそんな方へ向けて書いています。

この記事でわかること

  • 添乗員として求められる7つの能力
  • 添乗員として求められる5つの条件

 本記事の信頼性

  • 経歴:新卒で旅行社に入社し19年8ヶ月、出張手配×法人営業×添乗
  • 資格:総合旅行業務取扱管理者、総合旅程管理主任者
  • 添乗:国内・海外計123本(一般団体、教育旅行、視察旅行)

添乗員として多くの失敗をしてきました。
添乗員として求められる能力を磨くために「ランニングや読書」を継続してきました。

本記事では、添乗員として求められる能力について解説します。
この記事を読むことで、添乗員の7つの必要な能力がわかり、自己啓発の指針にできます。

添乗員として求められる7つの能力【いつもお客さまのことを考える】

添乗員として求められる7つの能力【いつもお客さまのことを考える】

 添乗員として求められる7つの能力

  1. 体力
  2. 気配り力
  3. 段取り力
  4. 決断力
  5. 知識
  6. 聞く力
  7. 接客マナー、身だしなみ、言葉づかい

行程どおりにツアーを進め、お客さまにご満足いただき、無用な出費が発生する事態を避け、トラブルが起きても冷静に対処する、という能力が添乗員には要求されます。

1.体力

添乗は一にも二にも体力です。
理由として、体力がなければ何もできないからです。

体力が必要な具体的なシーン

  • 観光地の入り口へ誰よりも先回りして走る
  • どんな疲れても、笑顔を絶やさない
  • 声を張って、案内する
  • スーツケースや荷物を運ぶ
  • 長距離移動でもへこたれない
  • 海外添乗時の時差ボケ
  • 大人数の人に気を使い続ける
  • 暑さ、寒さにも負けない
  • 睡眠不足
  • 初めての場所でも物怖じしない度胸と勘
  • クレーマーに何を言われても、場合によりスルーできる
  • どこでも眠れる

色々な場面で体力が必要となるのです。

添乗員は1人で出発から到着までツアーの面倒を見るわけですから、添乗員が体調を崩してしまえば旅行になりません。
お客さまに迷惑をかけます。
添乗員が疲れを見せていれば、お客さまが心配し、信用も失います。
常にとは言わなくても、明るさでグループの空気を変えることも必要です。

体力がなければ何もできないのです。

体調管理能力が必要です。
»【ランニングに飽きた】継続に大切なこと2つ/飽きさせない工夫18個

 初添乗の体験談

初めての添乗は都内の日帰りツアーで、バス3台口でした。
先輩添乗の応援のために2台目のバスを任されたのです。
初添乗の感想は「何もできなかった日帰りツアーでこんなにも疲れるのか」です。
大した仕事はできなかったにも関わらず、感じたことのない疲労感を覚えました。
バスに乗っているだけでも、知らず知らずのうちに体力を消耗していくのです。
「添乗は一にも二にも体力」
そう思えた1日でした。

バスに座っているだけでも気を使ったり、先のことを考えたりして、エネルギーを使っているものです。

当時からランニングする習慣を持っていましたが、初添乗の苦しい体験からより体力増強のためにランニングを継続する気持ちになりました。

常にベストコンディションであり続けましょう。

時差ボケ対策は「時差ボケ対策の3つのコツ【おすすめアプリTimeShifter】」で解説しています。

2.気配りする力

添乗は気を使う仕事です。
お客さまと長時間接するサービス業なので、常にお客さまの健康状態や、心情を気にかけなくてはなりません。

団体旅行には色々なシーンがありますが、常にお客さまと一緒です。

  • バスに乗る
  • 飛行機に乗る
  • 観光をする
  • 視察をする
  • 食事をする
  • ホテルに泊まる

食事をしたり、ホテルに泊まったりするときは目の前にお客さまがいるわけではありませんが、添乗員はお客さまに何かあったらいつでも動けるようにしておく必要があります。

完全に気が休まるのは、お客さまが家に着いたときなのです。
お客さまが家に着くまでが添乗なのです。

気が使うだけでなく、気が利かなくては意味がありません。
無意味に気を使っているだけでは、お客さまには痛々しく、うっとおしいだけです。
添乗員も消耗していきます。

気を使うときは、気を使う。
休むときは休む。

メリハリが大事です。

体験談

入社当初は気の使い方がわからなくて、先輩社員によく叱られました。
先輩社員の「気を使えるようになりなさい」という言葉は忘れられません。
気を使うことは苦手です。

経験上、慣れである程度、気配りはできるようになるものです。

  • お客さまがどうすれば気持ちよく旅行ができるか
  • 満足していただけるか
  • 喜んでいただけるか

考え続けることが大事です。

「何をすべきか、どう行動していくべきか」がわかるからです。

  • 団体の空気をつかみ、お客さま同士の調整をする
  • 宴会でお酒をついでまわったり、カラオケを歌う
  • 元気のないお客さまに気づいて、声をかける

コミュニケーション力より「気を使う力」が必要なのです。
何も言わないお客さまもいらっしゃるからです。

逆にお客さまが声をかけにくい添乗員であってはいけません。
お客さまに気を使わせてはいけないのです。

 印象が悪い添乗員

  • 暗い
  • 動かない
  • 手抜きが見える
  • 不公平
  • 知識がない
  • 確認しない
  • ごまかす
  • 言葉づかいが悪い

ものが頼みやすい、親しみやすい添乗員が理想です。

3.段取りする力

添乗員の仕事は「行程管理」です。
行程が円滑に進行させ、旅行サービスを受けられるようにする。

添乗の必須資格「旅程管理主任者」の名前のとおり、旅程を管理するのです。

大切なのは、二手、三手先を読んだ段取りです。

場面、場面での対応では円滑な進行は難しいからです。

先のことを考えればキリがありません。

  • 昼食場所や宿泊施設に到着時間を連絡する
  • 食事場所の飲み物を注文しておく
  • 観光地のマップを用意しておく
  • 天気を見て、傘の貸し出しサービスがあるか事前に確認しておく
  • 参加者に誕生日の人がいないか確認しておく
  • トイレや喫煙所の場所を確認しておく
  • 観光地のショーやイベントの開始時間を確認しておく
  • 参加者に食べ物のアレルギーを確認しておく

できること、やることは、たくさんあるのです。

社員旅行や親睦旅行などでお客さまと事前打ち合わせがある場合は、確認事項は膨大です。
ただ事前確認をすればするほど、当日が楽です。

スムーズに行程を台本通りに進められれば合格点です。

段取りする力が必要なのです。
»【書評】先走ることで段取り上手になる『ダンドリの達人に変わる本』

4.決断力

決断した後で、微調整することもあります。
重要なのは速い決断です。

決断しないことはチャンスの放棄です。
決断の先延ばしは「機会の損失」です。
決断は行動です。
行動して初めてチャンスが現れます。

間違った決断をしても死にません。
一発で正解する方が珍しいです。
間違えて当然です。
間違えるために決断します。
別の道が正しいかもしれないことに気づけます。
早く決断して、早く間違えます。
試行錯誤の時間がとれます。
間違えても死にはしません。

添乗員は判断して、考え、決める力が必要です。

イレギュラーな事態では、決めないといつまも動けず、時間ばかり過ぎていくからです。
決断するから動けるようになり、対応策が取れます。
判断力も大事ですが、それ以上に決断力が必要です。

添乗員は決断するために「ハッタリ、勘、度胸」も大事なのです。
決断力とはトラブル対応力です。

トラブルに慌てふためく添乗員は不要です。
冷静にひとつひとつ対応していきましょう。

5.知識

経験に裏付けられた豊富な業務知識が必要です。
お客さまは添乗員はなんでも知っていると思って接してくるからです。

よく知っているお客さまや、何も知らないお客さまでも質問があります。
マイナーな知識はともかく、広く浅い知識は必要です。
聞かれたことを「一言でも答えを返せるだけ」で印象は違うものです。
詳しくなくても、断片でも知識があればいいのです。

添乗は森羅万象を扱う仕事

様々な知識が必要です。

知識の分類

  1. 旅行内容に関する知識(宿泊施設、運送機関、観光地、食事などの内容)
  2. お客さまに関する知識(お客さま層、年代、趣味・嗜好、教育旅行であれば学校の沿革など)
  3. 地域に関する知識(名物・飲み物、歴史、文化、乗り物の乗り方など)
  4. 添乗業務の知識(団体航空券や乗車券の取り扱い方、団体入場・受付・精算方法など)

行き先もお客さまもさまざまです。
「歴史、文化、地理、その他の最新情報など」いつも勉強している必要があります。
幅広い一般教養も必要です。

知識は一朝一夕には身につきません。
常日頃から新聞や本・雑誌などを大量に読んでおく必要があります。

フランスに観光に行くとき、フランスの歴史の知識だけあれば良いというものではありません。
イギリス、ドイツ、オーストリア、スペイン、ベルギーその他周辺諸国、アフリカの旧植民地の歴史・経済と関わっているからです。
観光についても、ファッション、美術、建築、食事など、いずれも歴史と伝統をバックに持った文化であり、それにできるだけ触れ、楽しんでいただく手伝いをするのが添乗員です。
そのため幅広い知識と教養が望まれます。

お客さまの質問にネットで検索して答えるよりは、即答できた方が信頼につながります。
お客さまはネットでは調べてきて、わからないことを添乗員に聞いているのです。
即答できない場合は、確認してから回答です。

具体的な体験談で引き出しを増やして、説得力をつけていきます。
流動的な知識もありますので、つねに勉強です。

私は勘違いしていましたが「博学=評判のいい添乗員」ではないです。

誠実さを持ってお客さまに対応できる添乗員が、1番評判がいいです。
いつも「お客さまのことを考える」が大事です。

トラブルに対応するにも専門知識が必要

不測の事態が発生したときに、どんな判断をして対応できるかが大事です。
理由をお客さまに説明し、信頼を得られるかが重要なのです。

そのためには専門的な業務知識が必要です。

  • 航空便の変更に伴い日程変更を余儀なくさせられた場合の、航空運賃や予約システムの知識
  • ホテルのオーバーブッキングの対処方法

専門知識があるかないかで、ツアーの成否は変わります。
専門知識があれば、トラブルを素早く処理でき、お客さまの信頼を得られます。

「災い転じて福となす」です。

» 年間300冊を読む私がおすすめする血肉化する読書方法【読書のメリットも3つ解説】

6.聞く力

  • お客さまと雑談をする
  • お客さまの質問を聞く
  • お客さまのご希望を聞く
  • お客さまの潜在的な欲求を聞く
  • クレームを聞く

聞く際に大事なのは、知ったかぶりをしないことです。
わからないことは素直に聞きましょう。
知ったかぶりがバレると、信頼を失います。

わからない場合は、確認してから回答すればいいのです。
即答できるのがベストですが、わからないことは無限にあります。
確認して誠意ある姿勢を見せましょう。

  • 素直に聞く
  • メモをしながら聞く

メモもコミュニケーション能力の1つです。
メモすることは大事な力です。

わがままなお客さまのために、消耗してしまうこともあるので聞き流す力も必要です。
» 雑談上手になるには「何を話すか」にこだわらない【データより体験談】

7.接客マナー、身だしなみ、言葉づかい

接客マナー

添乗員はいつも接客をしています。
下記に注意して第一印象を良くします。

  • 気持ちの良い挨拶
  • 丁寧な言葉づかい
  • 明るい笑顔

腕組みやポケットに手を入れたり、片足に重心をかけて立つなどは厳禁です。
柔らかい常識ある物腰を心がけましょう。

身だしなみ

清潔感です。

下記に注意してお客さまから信頼感を得ましょう。

  • 派手な服装や化粧ではない
  • 洋服の汚れ、しわ、ほつれがない
  • 髪の乱れていない
  • 爪が綺麗
  • 靴の綺麗さ、ベルトや時計が地味

お客さまの中には、ノーネクタイを気にする人もいます。
外見で判断されますので注意です。
第一印象を良くする労力を惜しまないことです。

「おしゃれは自分のため、身だしなみは相手のため」です。

» 添乗員の服装で失敗しないためのポイント【男女身だしなみ、腕時計】

言葉づかい

  • はっきりとした口調
  • ゆっくりとした口調
  • 大きく、元気の良い声
  • 分かりやすい表現
  • 短く簡潔な表現

ふだんから「丁寧な言葉づかい、敬語」を使うことが大事です。
軽率な言葉遣い(流行語、ダジャレ、美辞麗句、乱暴な言葉など)はお客さまに誤解を与えるもとですので注意が必要です。
下記などの言葉づかいをマスターします。

  • いらっしゃいませ
  • いたしかねます
  • できかねます
  • 承知いたしました
  • かしこまりました
  • お待たせいたしました
  • ありがとうございます
  • 申し訳ございません
  • 恐れいります
  • ご配慮願えませんでしょうか
  • すぐまいります
  • ご乗車ください
  • わかりかねます
  • お願いできますでしょうか
  • いかがでございましょうか

あげたらキリがありませんが、気持ちを込めていきましょう。

全体に説明する力も必要

添乗員がお客さまに何かを説明することは多々あります。
集合場所や集合時間、各種変更などをお客さまに記憶してもらい、行動してもらうよう「口頭」での説明があるのです。

聞き間違い、聞き取れないといったことがないように、ゆっくり、わかりやすく、はっきりした説明が大事です。
大事なことは何回でも繰り返し案内します。
掲示が必要な場合は、掲示も併用するのです。

要点を明快に案内していきましょう。
»【説明が上手くなる本】おすすめは『説明の達人に変わる本』3つの考え

添乗員に求められる5つの条件

まとめ:添乗員の能力に正解はないが、人間力は必要

 添乗員に求められる5つの条件

  1. 体力があり、健康である
  2. 明るく公平なサービス精神
  3. 想定外のトラブル対応能力
  4. 旅行を演出する知識と能力
  5. わかりやすい説明や案内

ツアーコンダクターになろう」と「添乗経験」から、5つの条件を解説します。

1.体力があり、健康である

健康で病気にかかりにくい心身の持ち主であることが条件です。

添乗員の仕事はハードです。
勤務時間も規定では8時〜20時と決められていますが、いつも時間内に行程が終わるとは限りません。

ホテルに到着するのが20時を過ぎたからと言って、ホテルのチェックインをしないわけにはいきません。
お客さまの夕食や翌日の案内をせずに、仕事を終了することはできないのです。
19時スタート、21時終了の宴会があれば、最後までお付き合いするのは当然です。
事前に二次会があれば、二次会が終了するまでは二次会場付近に待機することもあるのです。
場合により同席して一緒に歌うこともあります。

規定の終了時間20時は、あってないようなものです。
どんなに遅い時間でも笑顔で接する仕事ですから、体が元気で丈夫でないと務まりません。

最高のコンディションを維持する

添乗員も人間です。

旅行先の食べ物や水が合わなくて体調を崩す。
高地で高山病になったりする。

添乗員が旅行を率先して進める大事な役目を一身に担っていることに変わりありません。
お客さまより先に倒れるわけにはいかないのです。
体調を崩してしまったら、旅行日程に支障をきたし、お客さまに心配をかけたりすれば、旅行会社の信用問題になってしまいます。

体調を崩してしまったら、お客さまに気づかれる前に体調を整え、回復させなくてはなりません。
そのためには、お客さまの夜の遊びなどに無理に付き合い過ぎないことも重要です。

お客さまには色々な人がいます。

  • 陰湿なクレーマー
  • 心ない言葉で添乗員を傷つける
  • わざと無理難題を言ってくる

その度にショックを受けて、落ち込んでいればキリがありません。
心も強くなくてはいけないのです。

添乗員は心身ともに強靭でなければなりません。

2.明るく公平なサービス精神

添乗員は究極のサービス業です。

どんな時でもどんなお客さまでも、いつも明るく笑顔でいるサービス精神が大事です。

  • 疲れやイライラが顔に出る
  • 人の好き嫌いが表情や態度に出る

上記の人は添乗員に向いていません。

逆にどんな状況下でも、元気で明るい添乗員なら、たいていのお客さまは好感を持っていただけます。
添乗員の明るさや笑顔がお客さまに安心感を与えるからです。
安心感を心の余裕につながります。
心に余裕ができると、旅行を楽しめるのです。

添乗員の明るさや笑顔は大事なのです。

特定のお客さまと仲良くすることは注意

自分にはそのつもりがなくても、特定のお客さまと仲良くしてはいけません。

  • 注文の多いお客さま
  • 添乗員に甘えたいお客さま

どうしても手がかかります。
他のお客さまと比べると気づかないうちに接触回数が増えます。

他のお客さまには「同じ人とばかり仲良くしている」と誤解します。

いつもお客さまには、公平な配慮が必要です。

  • レストランの座席
  • 乗り物の座席

上記などにはお客さまに不公平感を与えないよう、常に目配りをすることも大切です。

基本は公平な気持ちと態度

長い期間を一緒に旅行するので、お客さまとは自然と親しくなります。
悪いことではありません。

大事なことはツアーに参加したお客さまひとりひとりに公平な気持ちと態度で接することです。

公平さを保てないなら、過度に親しくしないほうが無難です。
不公平はお客さまの気分を害します。

なおお客さまと親しくなったとしても言葉遣いには気をつけましょう。
あくまでお客さまです。
きちんとした挨拶、言葉遣いを最後まで貫きましょう。

3.想定外のトラブル対応能力

トラブルには、的確に敏速に処理する能力が、添乗員には必要です。

旅行中はどんなことが起こるか見当がつきません。
旅行にトラブルはつきものです。

トラブルが起きた場合、お客さまには添乗員が頼りです。
トラブル処理は添乗員が責任を持ってするのは当然です。

こんなトラブルは初めてだから、どうしたらいいのかわからないでは済みません。
自信を持った態度で臨まなければ、お客さまの信頼を失います。

初めてのトラブルであっても、うろたえずに冷静に対応です。
時には勘、ハッタリで対応することも必要です。

独断でトラブル処理は禁物

独断で対応してはいけない場面もあります。

  • 必要に応じて関係者の判断を仰ぐ
  • お客さまにご協力をいただく

上記のように柔軟に対応する能力も大事です。

また、トラブルや事故の当事者に、時として1歩も引かない毅然とした態度で臨む必要もあります。
交渉力やある程度の語学力も身につけていなければなりません。

普段でも、添乗員は旅行のリーダーです。
トラブルや事故に遭遇しても、必要に応じて安全でスムーズな旅行ができるようにお客さまを引っ張っていくリーダーシップも必要な要素です。

4.旅行を演出する知識と能力

添乗員は、お客さまに旅先の知識を説明します。

  • 歴史
  • 文化
  • 地理
  • 習慣
  • 観光名所

お客さまの旅心をくすぐり、添乗した国への興味をかきたて、旅行が面白いと思っていただけるよう演出するのが添乗員の腕の見せ所です。

普段から旅行先に関するあらゆる資料を集めて、読み込んでおくことが必要です。
そのうえで、自分なりの説明や案内ができるように準備するのです。
こうした知識をひけらかすことなくお客さまへ提供できれば、評価も高まり、やりがいも生まれます。

興味のある分野を勉強しておく

興味のある分野は、色々と勉強しておくことも苦にならないです。
積極的に情報収集して準備しておきましょう。

旅行でも趣味的な要素を持ったツアーもあります。

  • 音楽
  • スポーツ
  • トレッキング
  • 植物
  • 料理
  • 歴史

その分野に精通した添乗員は需要が高まります。
何か得意分野をもち、専門的な知識もある添乗員は活躍の場が広がります。

現地の人々との出会いや交流する演出

現地の人々に溶け込める能力も、旅行を楽しく演出するのに欠かせない要素です。

現地の人々との出会いや交流は、お客さまの印象に残ります。

鍵られた旅行という時間だからこそ、たとえ少しでも現地の人々とふれあえた時の喜びがあります。
機会を作るように配慮し、最初は億しがちなお客さまに代わり、現地の人々の中に率先して入り込むのです。
楽しい雰囲気を作って、お客さまをお誘いするのです。

お客さまの旅行は、思い出深くなります。

5.わかりやすい説明や案内

添乗員の説明や案内が不十分であったり、声が小さくて聞こえなかったりすると、たいていのお客さまは不満に感じます。

  • 集合場所
  • 集合時間
  • 食事の場所

添乗員がお客さまに口頭で案内することは、記憶してもらい、指示に従って行動してもらう必要があります。

案内不足は、お客さまに不安や迷惑をかける原因です。

添乗員の説明や挨拶は重要なのです。

  • ハッキリと
  • 分かりやすく
  • 大きな声で
  • 丁寧に

大切な心得です。

お客さまに聞いてもらえる状況でない場合もある

  • 場所により周囲の騒音がある
  • お客さまの疲れで注意力散漫
  • お客さま同士の話に夢中になっている
  • 高齢者の方

何度でも繰り返して説明したり、紙に書いて渡すなどして、臨機応変に対応する必要があります。
案内不足にならないよう、全員に聞いてもらえるよう最善の策を取るべきです。

案内でトラブルを回避できる

説明や案内はハッキリとした大きな声で何度でも繰り返すことが大事です。

  • 聞き取り不足
  • 聞き間違い

上記が原因で、お客さまが迷子になったり遅刻したりすると行程に支障をきたします。
他のお客さまにも迷惑がかかるのです。

  • 「何かおわかりにならない点がありましたか」
  • 「大事なことなので、繰り返しご案内します」

こういった心配りも必要なのです。

添乗員の土台は「体力+休む能力」

添乗員の土台にあるのは「体力+休む能力」

どれも大事なことですが、痛感しているのは「健康」です。

体力、精神ともにタフでなければ務まらない

67歳の現役添乗員・梅村逹さんも「旅行業界グラグラ日誌」で「添乗員の仕事は、一にも二にも体力勝負である」といいます。

体が資本です。

「丈夫、元気、健康」であれば、他要素は訓練でカバーできます。
何事も慣れです。

体力を維持するために必要なのが「休む能力」です。

休めるタイミングがあれば「全力で休む」が大事です。
添乗員派遣会社の研修で口酸っぱく言われました。

添乗員の能力に正解はないが、人間力は必要

添乗は、お客さまと寝食を共にします。
人間性は隠せません。

要求は多いですが、やりがいのある仕事です。
さまざまなお客さまや旅を通じて、自分を磨けるのです。

添乗は「ここまでやれば合格」「こうサービスすればお客さまが喜ぶ」という正解がありません。

形がない商品の難しさです。
奥が深い仕事なのです。

添乗員になるのは簡単だが、続けるのは難しい

添乗員派遣会社に入ることです。

お客さまに嫌われる人でなければ、受かりやすいです。

添乗員は資格が必要ですが「国内旅程管理主任者」は合格率90%以上です。
海外の旅程管理主任者は英語の試験がありますが、英検準2級レベルです。

添乗はハードです。
続けるのは困難です。

派遣をやってみてわかりましたが、使い捨て派遣のイメージが消えません。

  • 旅行会社に上から目線でやられる
  • 旅行会社、添乗員派遣会社、お客さま、バスドライバー、協力機関に挟まれっぱなし
  • 頻繁に添乗員説明会で募集をしている
  • 添乗員が向かない人を、他の仕事に派遣する

辛いことばかりでした。
おすすめしません。

ただ、すぐに辞められるので「添乗員にどうしても興味がある。1度でもいいからやってみたい」という人は止めません。

人生は1度きりです。
やらずに悔やむより、やって悔やんだほうがスッキリします。

添乗の仕事についてフォローしておくと「やりがい」はあります。
ピカイチです。
これ以上のやりがいは経験がありません。
裏を返せば、それだけ大変なのです。
自分に子どもには勧めません(ほとんどの人は自分の仕事を子どもに勧めないと思いますが)。
»【添乗員の5つのやりがい】究極は自分の作ったツアーに添乗すること

子育てがひと段落した主婦の方や、50歳超えてから添乗員になる方もいます。
日当制の派遣会社が多いなので、給与面は厳しいかもしれません。
ただ副業感覚で取り組めます。

添乗員はワクワクする仕事です。

 添乗員の求人サイト

最後に添乗で役立った本を紹介します。

以上です。

P.S. 添乗員として求められる能力を磨こう。

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