- 「『派遣添乗員ヘトヘト日記』の内容を知りたい」
本書は「派遣添乗員の仕事内容を知りたい」という方に最適です。
本記事を書いている私は、旅行会社で19年8ヶ月勤務後、派遣添乗員になりました。
本書は添乗員として共感できる内容が多いです。
加えて、目頭が熱くなるところが2箇所あります。
本記事は「派遣添乗員ヘトヘト日記」のグッときたところ3つを解説した書評です。
この記事を読むことで、派遣添乗員の日常や仕事内容、クレームの辛さ、仕事の苦しさ・面白さなどがわかります。
添乗員は毎日が非日常です。
Contents
【書評】『派遣添乗員ヘトヘト日記』でわかる添乗員の苦しさ、面白さ
グッときたところベスト3
- 1位:リーダーは、学者、医者、易者、役者、芸者の心を持たなければいけない
- 2位:人の喜ぶ顔を見て、自分もまたうれしい心持となる
- 3位:自分のせいではない、などと思っていても仕方ないのだ
1位:リーダーは、学者、医者、易者、役者、芸者の心を持たなければいけない
駆け出しの添乗員のころ、お客さまを見ずに行程表ばかり見ていました。
お客さまに対峙すると面倒なことばかり言われるからです。
クレーマーほど面倒なことを言ってきます。
相手にしたくなかったので「行程表ばかり見て」仕事のフリをしていました。
こんな姿勢は仕事はこなせても「役者、芸者」の域に達しません。
お客さまに喜ばれるのは「自分から歩み寄っていく姿勢」です。
添乗員は究極のサービス業。
肉体的にも精神的にもスーパーハードです。
どんな時も「お客さまを喜ばせ、楽しませ、満足させる」のです。
笑いをとることばかり考えていたツアー
肉体的にも精神的にも余裕のあるツアーでした。
バス車中ではいつも「どうやってお客さまを笑わせようか」と考えていました。
ツアーが終わり、お客さまから「めっちゃ楽しかったです」と言われたときは死ぬほど嬉しかったです。
喜ばせようとする気持ちが通じたのです。
余裕がないと、笑わせるのは難しいです。
段取りと体力で「余裕」を生み出すことが大事ですね。
2位:人の喜ぶ顔を見て、自分もまたうれしい心持となる
添乗の良いところは「お客さまの反応がダイレクトに返ってくる」です。
お客さまのための行動が、そのまま返ってくるのです。
ブログとは違います。
ブログは読者の反応を感じられません。
アナリティクスの数字ではアナログの反応はわからないのです。
あくまでデジタルな数字のみです。
無機質な「ページビューや滞在時間、収益」です。
ブログで食べていくことを目指すのはありですが、正直「これでいいのか」と思います。
引きこもって、パソコンをカタカタして、生身の人間との触れ合わずに完結してしまうからです。
本書から「ブログだけでいいの?」という言葉が聞こえてきます。
もちろん、添乗のサービスがお客さまに手応えがなく「のれんに腕押し」もあります。
それでも本書を読むと「派遣添乗員も捨てたもんじゃない」と思えます。
「これこそ人間味あふれる、人間臭い、感動ある物語じゃないのか」
そんなことを著者は教えてくれます。
改めて「私は素晴らしい職業についた」と感じました(もちろん苦しいこともありますが)。
3位:自分のせいではない、などと思っていても仕方ないのだ
著者がクレームに対して身につけた「3つの法則」はすぐに試してみたいです。
- 1つ目:トラブルに際しては、落ち着いた態度を取る
- 2つ目:自分のせいではなくても不満を受け止め謝る
- 3つ目:起こった出来事に対して、迅速に対処する
「自分が悪くなくても、不快感を与えてしまった事実には頭を下げるべき」という考えに賛成です。
「天気が悪くて申し訳ございません」とまでは言わなくていいですが「笑い」が取れそうならアリです。
なんでもかんでも謝ると、つけ込んでくるクレーマーもいますのでさじ加減が難しいです。
忘れられない言葉
忘れられない言葉があります。
- 気を使えるようになりなさい
- 決断できるようになりなさい
できないからこそ、刺さりました。
著者の「旅行会社のベテラン担当者に言われた言葉」もできないからこそ刺さったに違いありません。
できていないことや、図星は刺さります。
忘れられない言葉はヒントですね。
『派遣添乗員ヘトヘト日記』はこんな人におすすめ
添乗に興味があり、泣きたい人へ
- 添乗員
- 添乗に興味のある人
- 募集型ツアーに興味のある人
本書には目頭が熱くなるエピソードもあります。
ちょっと泣きたい人にも向いてます。
文章が秀逸
まえがきを読んだ瞬間に「やられた」と思いました。
文章が面白かったからです。
もちろん「派遣添乗員の体験談」も終始惹きつけられます。
しかしそれ以上に途中から「文章そのもの」に魅力を感じるようになりました。
「人と違う文章を書く」という姿勢が感じられます。
一語一語、一文一文、入念に言葉を選んでいる気迫が感じられるのです。
「文章そのもの」に魅力を感じたのは、村上春樹さんや奥田英郎さん以来です。
「まえがき」から「本書は他と違う」と思いました。
»【村上春樹の文章力】文章は何度も「読み直し、書き直し」でうまくなる
募集型企画旅行の世界が見える
私の仕事は旅行会社の営業マンであり、ときどき添乗に行く添乗員です。
添乗に行くのは、いわゆる社員旅行や修学旅行などの「受注型企画旅行」と呼ばれるもの。
筆者が添乗に行くのは、新聞広告やメディアで参加者を集める「募集型企画旅行」と呼ばれるもの。
受注型と募集型では「添乗員の旅館の部屋や食事にも差がある」と初めて知りました。
添乗員の世界がわかる本です。
5つの章と著者プロフィール
目次
第1章.団体ツアーって、どんな感じ?
第2章.ひとり参加の楽しみ方
第3章.団体ツアーの掟
第4章.旅は道連れ、世は情け
第5章.団体ツアーのお気に入り
書名 | 『派遣添乗員ヘトヘト日記』 |
---|---|
著者 | 梅村 達 |
単行本 | 204ページ |
出版社 | フォレスト出版 |
発売日 | 2020/2/20 |
派遣添乗員の関連動画
Twitterの口コミ10個
Amazonの口コミは7つで、約7割が5つ星です(2020年3月19日現在)。
»『派遣添乗員ヘトヘト日記』の口コミを見る
Twitterの口コミ10個を集めました。
本日の、この一冊。2月20日
隠れたベストセラー
『交通誘導員ヨレヨレ日記』(難波店2月イチオシ商品)
待望のシリーズ第二弾、
『派遣添乗員ヘトヘト日記』
ー謝るのが仕事だよ… pic.twitter.com/5FJOxJ7EPl— ジュンク堂書店難波店公式ツイッター (@junkunamba) February 20, 2020
梅村達『派遣添乗員ヘトヘト日記』という本を見つけたので手に取る。著者は、様々な職種を転々とした後、50歳時に辿り着いた「派遣添乗員」の労働に、15年以上従事する66歳男性。人々の非日常(旅行)と向き合う著者の日常(労働)のエピソードからは、蓄積する鈍痛と微かな喜びが感じられた。 pic.twitter.com/Ls48UB8SSs
— 本ノ猪 (@honnoinosisi555) March 2, 2020
城村さん@Jomura_Fumiko さんに推薦された『交通誘導員ヨレヨレ日記』まだ売れてるやん。類書で『派遣添乗員ヘトヘト日記』も出たようだ。転職王もこの流れで何か書けそうなんだけどな。 pic.twitter.com/Eyj9qPubGZ
— お喋りモンスターまさみん・臼井正己@無印本命 (@usuimasami) February 29, 2020
派遣添乗員ヘトヘト日記 梅村達著購入。66歳で日雇い派遣で添乗員した人のドキュメント。めっちゃ面白い。🤣🤣🤣。 pic.twitter.com/xHfHE9uN0a
— なまはげこ (@kurumiaris0507) February 24, 2020
【おすすめ新刊入荷】
梅村達『派遣添乗員ヘトヘト日記』フォレスト出版
『交通誘導員ヨレヨレ日記』が異例の大ヒットを遂げた、シリーズ第2巻目は現役の派遣添乗員さんによるエッセイ!生活と痛みのドキュメント、という帯も文章も切なおもしろい、、、1階でも大きく展開中! pic.twitter.com/jKPxTCxmrG— ジュンク堂書店池袋本店 文芸文庫担当 (@junkuike_bunbun) February 19, 2020
はてなブログに投稿しました #はてなブログ 【たしかに添乗員サイドから言わせてもらえば、観光バスに40人の参加者が乗っていたとして、1人や2人は尋常でない人がいるのがふつうなのだ。】
【読書感想】派遣添乗員ヘトヘト日記 ☆☆☆ …https://t.co/ZqOSrmWtn0— FUJIPON (@fujipon2) March 8, 2020
私も添乗員のバイトしてた。学生時代に中高生の修学旅行の。「添乗員って、旅行会社の社員なのだとばかり思っていたのですが、いまは派遣で働いている人が多いそうです」。
>【読書感想】派遣添乗員ヘトヘト日記 ☆☆☆ - 琥珀色の戯言 https://t.co/YsKNzXu9tO— motoji (@motoji_etoile) March 9, 2020
梅村達『派遣添乗員ヘトヘト日記』を読んだ。半年で二度の欧州の旅で、添乗員さんに大変お世話になった。その上で、「ヘトヘト」まで消費する自分。しかし、「涙のペッパー警部」を読んで、思わずもらい泣きをしてしまった。学んでいるのは彼らだ。ああ、次の旅が楽しみだ。https://t.co/sCd3N6RMNA
— Hironao KUBO (@CookinGarden) March 6, 2020
派遣添乗員ヘトヘト日記
梅村達
クレームをつける人つけない人は、表情、雰囲、気目つきでほぼ100%見分けられるようになった。
ほとんどの人が潜在能力を埋もれさせたまま死んでしまう。
スーパーという組織にも様々な部署がある。
その中で一番イヤな奴が多いのが、仕入部だと言う。— arz (@arz95437461) February 24, 2020
【文芸より】ベストセラーとなった「交通誘導員ヨレヨレ日記」に続く第2弾「派遣添乗員ヘトヘト日記」が発売になりました。
普段あまり知ることのない添乗員の実態を、現役の日雇い派遣添乗員が生々しく語ります。
添乗員の気持ちを少しでも知ることで、ツアーの参加も楽しくなるかもしれませんね。 pic.twitter.com/TDoiEOnDM2— 丸善・多摩センター店 (@tamacenterten) February 21, 2020
まとめ:派遣添乗員ヘトヘト日記は添乗員の日常がわかる本
まとめ:グッときたところベスト3
- 1位:リーダーは、学者、医者、易者、役者、芸者の心を持たなければいけない
- 2位:人の喜ぶ顔を見て、自分もまたうれしい心持となる
- 3位:自分のせいではない、などと思っていても仕方ないのだ
添乗は誇りを持てる仕事
読んで良かったです。
改めて「添乗」の仕事に誇りが生まれました。
「休職期間を終えたら、私も著者のように添乗員をやりつつ、ブログを書き続けたい」
そんな気持ちになれたのです。
今後の人生の方向が、大まかに定まる本でした。
転機に『派遣添乗員ヘトヘト日記』に出会えたことに感謝します。
以上です。
P.S. 続編「旅行業界グラグラ日誌」をAmazonの中古本1円で買いました。
関連記事【添乗員のメリットとデメリット】派遣会社と旅行会社の軸で比較
関連記事添乗員になるには2つの方法【添乗員派遣会社に登録/旅行会社に入社】