- 「雑談が上手くなりたい」
- 「雑談が苦手でいつも困っている」
この記事はそんな方へ向けて書いています。
本記事は『雑談の達人に変わる本』を読んだ読書感想文・書評です。
この記事を読むことで、雑談のコツがわかり、雑談が上手くなります。
「自分に合った雑談の具体例」が得られるのです。
Contents
雑談上手になるには「何を話すか」にこだわらない【データより体験談】
概要
本書は「苦手意識を活かした、良質な雑談をするにはどうすればいいのか」を62の具体例にもとづいて書かれています。
私は「なんでもない会話」が苦手で、黙っているのが得意です。
旅行会社に勤務していた時も、お客さまに積極的に話すよりは聞くほうの営業マンでした。
何を話していいかわからないし、話す前に考えすぎてしまうことが多いのです。
いつも楽しそうに雑談している人はうらやましく見え、魅力的に見えます。
本書は5つの章で構成
目次
第1章.「できない、モテない、オヤジ」の雑談パターンにはまっていない?
第2章.モテる人は、口説き文句を言わずに、雑談で口説く。
第3章.できる人は、プレゼンをせずに、仕事を勝ちとり、人を動かす。
第4章.誰も教えてくれない、雑談の達人に変わるコツ。
第5章.日常生活でできる雑談トレーニング。
『雑談の達人に変わる本』は、こんな人におすすめ
こんな方におすすめ
- 雑談で、仕事を成功させたい人
- 雑談で、恋人とすぐ仲良くなりたい人
- 雑談で、アイデアをポンポン出したい人
著者のプロフィール
中谷彰宏
1959年4月14日、大阪府堺市生まれ。早稲田大学第一文学部演劇科卒。
博報堂で8年間CMプランナーの後、株式会社中谷彰宏事務所設立。
書名 | 『雑談の達人に変わる本』 |
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著者 | 中谷彰宏 |
単行本 | 149ページ |
出版社 | 全日出版 |
発売日 | 2004/5/8 |
『雑談の達人に変わる本』のグッときたところベスト3
グッときた順に3つを引用して、解説します。
【第1位】「何を話すか」にこだわると、話せなくなる
雑談が上手になりたくて悩んでいる人は、「何を話せばいいですか」と言います。
「何を話せばいいですか」という発想から間違っています。
「何を話せばいいか」という発想は捨てることです。
「何かを話す」のです。
なんでもいいのです。
「何を」と「何かを」は全然違います。
「何かを」は、なんでもOKです。
「何を」で悩む人は、100個のうち、正解は1個で、99個は間違いだから話さないことになります。
今はスピードの時代です。
その1個はなかなか思いつかないのです。
何かを話せばいい場合、正解はありません。
100個中100個、何を話してもいいことになります。
お見合いパーティーでは、どんなにいい人でも、フリータイムで話をしていない人は選ばれません。
理由は、「気のきいたことを言ってくれなかったから」ではありません。
「お話しなかったから」です。
お話をしなかったことは、その後に1つもつながりません。
雑談が、人と知り合うスタートラインになるのです。
これを聞くと「なんだ、会話ってなんでもいいのか」と思います。
よく考えれば当たり前のことです。
「雑談とはこうでなくてはならない」は、ないのです。
「なんでもあり、Everything OK」の世界です。
私の会社では毎日朝礼があり、月に1回くらい当番がまわってきます。
その度に社員の前でなんでもいいから一言スピーチをしなくてはなりません。
どうしても良いことを言おうとして緊張してしまいます。
聞いている人の貴重な時間を人数分奪うので、ためになる話や聞いて得になる話をしたい気持ちから、つい力んでしまう自分がいるのです。
会話は朝礼とは違うので緊張はしませんが、初めての人やお客さまと話をするときは、何を話すかどうかしても考えてしまいます。
「何を話すか」を、選択をして話をするのです。
本書を読んで「もう少し力みをとり、内容にあまりこだわらず話をした方が良い」と考えが変わりました。
そのほうがもっと自分のことを知ってもらえそうな気がします。
今までの雑談の仕方から変化してみる”きっかけ”になりそうです。
モテる人は共通して雑談がうまいです。
当ブログも「もっと肩の力を抜いて、気楽な軽い感じの記事があってもいいかな」と思い直しました。
【第2位】「データ」よりも「体験談」のほうが面白い
データは、雑談のネタというより、プレゼンの本題になります。
雑談では「世の中で何%」という数字よりは、自分調べの方が大切なのです。
当社比に相当する「自分比」にするのです。
根拠は、自分の体験です。
「それ、何のデータ?資料は何?」と聞く人は、体験よりもデータ重視です。
そういう人の話は、データばかりで体験をしていません。
吉野家の牛丼がなくなる時も、情報だけ集めて、行っていない人がTVの映像をそのまま自分の体験のように話していました。
その話は、体験した人には、どこまで行っても勝てません。
体験していない人は、最後に「行ったの?」と聞かれて、「いや、行ってないけど、人から聞いたら・・・」と、しぼみます。
ほとんどの自慢話は、よく聞いていくと、本人の体験談ではないことが多いのです。
体験談は、そんなに大きくなくていいのです。
小さい体験のほうが妙に身近で面白いのです。
話が面白い人を思い浮かべると、共通しているのは雑談に体験談の割合が多いことです。
「こんなところに行って、こんなことがあってとか、最近こんな本を読んで」などの体験談ばかりです。
オチまでついているとなれば、面白いに決まっています。
私の旅行の仕事もお客さまに得意げに観光地を説明して「実際は行ったことがありません」となると、もはやコントです。
「百聞は一見に如かず」で実際に体験している人には、説得力ではかなわないのです。
実際に行ったことがあれば、思い出しながら、その場で地図も描けます。
思い浮かべたシーンをそのまま話せばいいので、楽で説得力もあり、聞いている方はワクワクもするのです。
私は添乗が決まった時は、初めての場所に行く場合は下見に行きます。
下見に行くことで当日の負担がまったく違うものになり、気持ちも落ち着けます。
お客さまにも「行ったことがあります」と胸を張って言えるのです。
下見に行った時ほど、お客さまからは「行ったことがありますか?」とは聞かれません。
下見したことが自分に落ち着きをもたらし、態度に出るからです。
逆に下見に行けなかった場合は、無理にでも落ち着いているようにふるまう必要があります。
添乗員にはハッタリも必要です。
【第3位】遠くの話より、ココの話をする
得意先のプレゼンでは、「今、アメリカでこういうのが流行っています」という話よりも、「ここへ来る途中、玄関に◯◯が置いてありましたね。あれはなんですか」という雑談をした方が面白くなります。
「ここへ来る途中、面白い看板があったんですよ。ごらんになりましたか」という話も引き込みます。
関心を引くのは、遠くの話よりも、ココの話です。
特に、地方の講演では、東京やニューヨークで流行っているという話より、ココの話のほうが喜ばれます。
「さっき駅で珍しいものがあったので買ったんですけど」という話をするのです。
同じ昔の話でも、遠くの話より、ココの歴史の話のほうが引き込みます。
「僕は堺の出身です。堺出身の与謝野晶子がココへ来たことがあるんです。ココに与謝野晶子が泊まったという碑があります」と続けることで、ココの話に近づきます。
聞き手が一番好きなのは自分の話です。
自分の土地の話が、一番好きなのです。
自分の出身地の話をされると嬉しいです。
自分の出身地に「遊びに行ってみました」と聞くと嬉しい。
褒められているわけでもないのに、その人に好感を抱いてしまいます。
その人の出身地の話になると盛り上がって、急速に仲良くなることがあります。
本書の通り、人間は自分の出身地の話が好きなのです。
「お客さまへプライベートな出身地を聞くのはタブーかな」とも思ったことがありましたが、自分の出身地の話から始めて反応を見るのもありかなと感じます。
雑談では「今、ココ、私と相手が大事」と、気づかされました。
まとめ:相手とも自分とも向き合い、雑談しよう
中谷彰宏さんの「成功する人のすごいリアクション」から引用します。
話し手の話を「聞く」ということは、質問することではありません。
話し手が自然に話したくなるような展開に話が転がっていくのが「聞く」ということです。
一番上手な人は、質問をしないのに話し手がとうとうと話し始めたくなります。〜 中略 〜
質問するなら、自己開示をします。
中には、「自分の話をしたらいけないと言ったじゃないですか」と言う人がいます。
自分の話と自己開示は違います。
自分の話は、自慢です。
自己開示は、自分の恥ずかしい話です。出典:『成功する人のすごいリアクション』
自分の考えや感じたことを話すと「笑われたり恥をかいたりしないか」と自信がなくなりがちです。
言いたいことも言えなくなってしまうことが多いのです。
それは自分を否定していることと同じで苦しいです。
そんな自分を解きほぐすように、「もっと気楽に」と語りかけてくるのが本書です。
雑談の根っこにあるのは1対1のやりとり、大事なのは相手と自分と向き合うこと、自己開示をすること。
そんな印象を受けました。
以上です。
P.S. 雑談の達人になろう。
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