- 「添乗が辛いから辞めたい」
- 「添乗員に興味があるけれど辛い仕事なのかな」
この記事はそんな方へ向けて書いています。
「添乗員を辞めたい」と思ったことは何度もあります。
下記ツイートをしました。
取るべき行動は一つだけです
・刑期が満了するまで一生懸命やること
手を抜けば抜くほど刑期が延びます
そう思って仕事に取り組みましたその結果、休職することができました
また添乗に戻るかもしれません最近、添乗関連のブログ記事を書いていて思うのです
「また戻るために書いてない?」— Koichi (@KoichiBlog) July 1, 2019
添乗員を辞めたいと思ったことがあります。
1回どころではありません。何回も思いました。
「神様はなぜこんなにもしんどい仕事をさせるのだろう」と天に向かってつぶやいたものです。
どんな仕事もキツイですが、添乗はこの世にある仕事で1番キツイ仕事だと感じていました。
取るべき行動は1つだけです
・刑期が満了するまで一生懸命やること
手を抜けば抜くほど刑期が延びます
そう思って仕事に取り組みました
その結果、休職することができました
また添乗に戻るかもしれません
最近、添乗関連のブログ記事を書いていて思うのです
「また戻るために書いてない?」
本記事の信頼性
- 経歴:新卒で旅行社に入社し19年8ヶ月、出張手配×法人営業×添乗
- 保有資格:総合旅行業務取扱管理者、総合旅程管理主任者
- 添乗経験:国内・海外計100本ほどで、一般団体・教育旅行・視察旅行
本記事では、添乗員を辞めたいと思った理由を解説します。
この記事を読むことで、添乗員は辞めたいと思った理由と、解決方法がわかります。
Contents
添乗員を辞めたいと思ったことは何度もある話

添乗員を辞めたいと思ったことは何度もあります。
理想と現実の間にはギャップがあるからです。
添乗員になって10年以上も仕事を続けていれば、国内添乗だけではなく海外添乗もこなせるようになります。
旅行会社からもお客さまからも信頼され、リピーターを獲得している人もいるほどです。
ただ華やかに見える反面、途中で挫折してしまう人もいます。
添乗に行くと時々「辞めたい」と思っていた
添乗はキツイ仕事です。
前置きとして現在、休職しているのは添乗のせいではありません。
休職している理由は下記のとおりです。
- クレーマー
- 会社の上司からのパワハラ
- 会社の先輩からのパワハラ
- ボランティアの組合活動
- 親子関係
- 家族関係
休職の原因は、添乗ではないことを前置きしておきます。
神様が与えてくれた仕事
添乗に行くと、ときどき思っていました。
「なぜ神様はこんなにも辛い仕事をさせるのだろう」と。
添乗の種類により、辛いときがあるのです。
- 先輩と同行して、こき使われる海外修学旅行
- 睡眠時間の少ない教育旅行
- 社長の一言で理不尽な対応をさせられる社員旅行
- 何もかも初めての海外で1人で気が休まらない添乗
- 宴会で飲まされる添乗
- 予想できないトラブル
- わがままで無神経なお客さま
- 労働の割には低い賃金
- タチの悪いドライバー
- 男性客からのセクシャルハラスメント(女性の場合)
添乗から自宅に戻り、あまりの消耗にダウンしたこともあります。
お客さまから感謝されずに涙したこともあります。
華やかな印象とは真逆で、泥臭い一面もあるのが添乗です。
水面下では必死にもがいているのが、添乗の実態なのです。
それでも添乗員は笑顔を絶やさず、お客さまと向き合わなければなりません。
添乗員は1人でたくさんのお客さまを相手にする接客業です。
旅行中はどんなに心身が疲れていても、トラブルにあっても、いつもお客さまには笑顔で接することが大事です。
下記のメリットだけの考えでは、続けるのは難しいです。
- 海外旅行に無料で行ける
- マイレージがたまる
数回の添乗で吹き飛びます。
ツアーコンダクターの激務は「【ツアーコンダクターは激務】旅行会社と添乗員派遣会社の添乗員を比較」で書いています。
添乗から脱出するためには、全力でやること
「いつまでこの仕事をすればいいのだろう」と自問自答する時もありました。
私は法人営業職なので、添乗専門職ではありません。
添乗回数は2ヶ月に1回ほどです。
これから添乗とどう向き合うか考えた時に、思いついた方法は次の2つです。
- 手を抜く
- 改善して、全力でやる
「手を抜いても、添乗という宿題は一生ついてまわるだろう」と考えました。
「手を抜いて逃げられることはないな」と。
残された道は「改善して全力でやる」です。
本気でやることが刑期満了の近道
嫌なことだからと、サボっていると、どんどん刑期が延びます
またやってくるのは「嫌なことでも、やっておいたほうがいい」という神様のアドバイスです
一生懸命やっていると、つらい刑期は短くなります
イヤイヤやっていると、刑期はもっと長くなるだけです
— Koichi (@KoichiBlog) September 20, 2019
「本気でやればやるほど、早く添乗から解放してくれる」と信じて、添乗に本気で取り組みました。
「もうそこまでやらなくてもいい」と言われるくらいまでやるのです。
真剣にやらなかったら、いつまでたっても解放されません。
時間を浪費するだけです。
添乗を極めて「添乗をさせておくのはもったいない」と思われるくらい全力でやることです。
全力でやることで「添乗員のやりがい」も感じられます。
添乗員のやりがい
- いろんな人に出会える
- いろんな場所に行ける
- いろんなものを食べれる
- いろんな乗り物に乗れる
- お客さまの笑顔を見ることができる
全力で添乗をやり続けていたら、途中で他にやりたいことが見つかりました。
ブログです。
「本当はブログをやりたいけれど、添乗を全力でやる」という姿勢で1年半が過ぎました。
そんな自分の気持ちを見透かしたかのように、添乗員時代の後半は、辛い添乗が多かったです。
神様から「そろそろ添乗から離れて、ブログをやりなさい」と言われているようでした。
結果的に今では添乗を離れ、ブログに没頭しています。
全力で添乗をすれば、添乗を続けるにせよ、辞めるにせよ、道は開けます。
» 添乗員の仕事のやりがいとは何か【5つのポイントを解説】
添乗員は辞めたいくらい辛いこともある仕事【下見で解決できます】

添乗は事前の段取りで、8割が決まります。
»【書評】先走ることで段取り上手になる『ダンドリの達人に変わる本』
下見で解決できることもある
事前の段取りの1番の方法は、下見に行くことです。
下見のメリットは3つです。
下見のメリット×3
- 疑問点が解消できる
- 最適な行程にブラッシュアップできる
- 当日の添乗が楽になる
順番に解説していきます。
1.疑問点が解消できる
添乗が決まると下見に行き、事前に疑問点を解消しました。
下見に行くことでわかることは無限にあります。
- トイレはどこにあるのか
- 喫煙所はどこにあるのか
- バスの停められる位置はどこか
- お客さまの導線は
- 宴会場の広さはどうか
- 目的地から目的地への所要時間は適切か
- 観光の時間配分は適切か
- 現地ガイドは必要か
事前にインターネットや電話で解決できることもありますが、「百聞は一見に如かず」です。
実際に見て、体験するのでは、納得感がまるで違うのです。
身につく知識も変わってきます。
↓
身についた知識が違うと自信になります。
↓
自信は堂々とした添乗を生み出します。
添乗員が堂々としているとお客さまは安心します。
2.最適な行程にブラッシュアップできる
最初の打ち合わせでは、お客さまの満足いく提案ができないことが多いです。
行ったことがないコースの場合、良いかどうかイマイチわからず自信が持てないからです。
【法人の社員旅行や研修旅行、報奨旅行などの受注型企画旅行を想定】
観光地Aと観光地Bがあり、どちらも近い場所にあるが、どちらがお客さまに合っているかわからない。
事前に現地に連絡をして、感じをつかんだうえでお客さまに提案しても「おまかせします」と言われる。
なんとなく観光地Aと思うけれど自信がない。
社内の人に聞いてもイマイチよくわからない。
上記ケースは意外とありますが、下見で解決できます。
悩みを持って下見に行きますが、帰るころには答えが出ていました。
観光地Aと観光地Bのメリットとデメリットが浮き彫りになるからです。
下見に行って、解決できないことはありませんでした。
行程を最適化できたのです。
自信がなければ下見に行くべきです。
リターンはあります。
3.当日の添乗が楽になる
下見しているので当日の添乗は楽です。
2ヶ月くらい前に下見していたので、誰よりも現地に詳しいのです。
自信を持ち、添乗にのぞめました。
「どこに何があるのか、導線はどうか、時間配分は最適化」などの疑問は浮かびません。
- 迷いがなくなる
- 悩みがなくなる
- 楽しみに、なる
添乗業務そのものに集中できます。
余計な不安や迷いに、エネルギーを使う必要がないからです。
行程を円滑に進め、お客さまをいかに喜ばせることができるか。
この1点に神経を集中できるのです。
「笑いを取ろう」の余裕まで生まれます。
余裕が笑いを生み出すのです。
下見は自分にもお客さまにもメリットしかないです。
お金はかかりますが、身銭を切ることで、体験を血肉化できます。
下見料金を設定している旅館やホテルもあります。
国内だけでなく海外でも現地オペレーターを通したら、安く宿泊できたこともありました。
添乗員のメリットです。
下見以外で、正規料金を払って旅行する気にはなれません。
下見のススメ
もし添乗が辛いなら、下見をおすすめします。
派遣添乗員や添乗を専門職としている人は、下見の時間をとることは難しいかもしれません。
ただ実際に下見に行くように入念な準備で余裕が生まれます。
私は下見するようになり、添乗への気持ちが変化していきました。
体力的にはキツい仕事ですが、人間的に成長できます。
下記PDCAのサイクルが、添乗を血肉化させるのです。
「旅行会社の社員」として添乗する場合です。
下見に行く→コースを練り上げる→添乗に行く→お客さまの反応を得る→次回の添乗につなげる
派遣添乗員の場合は、決められた行程なので「練り上げる」はできません。
下見時間もないくらい忙しいときは、下見に行くつもりで準備するのです。
現役添乗員の辞めたいと思った理由【書籍より引用】いい加減は、良い加減

「ツアーコンダクターになろう」から、現役添乗員の辞めたいと思った理由を引用します。
精神的な理由
「自分にはまったく非がないのに、アンケートや電話でクレームをつけられたとき」
「旅行先では楽しく話していたお客さまに、旅行後のアンケートでボロクソ文句を書かれ、人間を信じられなくなったとき」体力的な理由
「自分の体調が悪かったり、疲れがたまっていたりするとき」
「星空のもと、家を出なければならないとき」
思いやりの気持ちが強く、誠心誠意を持ってお客さまに接すればするほど、クレームを受けたときは傷つきます。
生真面目で神経が細やかな人はなおさらです。
たった一言で立ち直れなくなることもあります。
添乗が始まれば勤務時間もあってないようなもの。
遅寝早起きの場合もあり、寝不足で疲れがたまることもあります。
それでも添乗員として、いい加減に良い加減に
「いい加減は、良い加減」
お客さまからの言葉です。
「もっといい加減にやってもいいんだよ。手を抜くところは抜かないと体がもたないでしょ」とアドバイスをいただいたのです。
気持ちを理解してくれた、お客さまが神様に見えました。
神様からの言葉だったのかもしれません。
今、このブログ記事を書いていて「旅行会社には戻れないかもしれないけれど、添乗員のアイデンティティは捨てたくない」と感じています。
いつまでも添乗員なのです。
添乗で役立った本3選
最後に添乗で役立った本の解説記事を紹介します。
「ヘトヘト日記」が文章も際立って最高です。
以上です。
P.S. 下見に行ってから、添乗をしてみよう。
参考図書
関連記事添乗員の失敗談:お客さまの積み残し3回【人数確認のコツは1人1人】
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