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添乗員を辞めたいと思ったことは何度もある話【下見で解決できる】

2019年7月2日

添乗員辞めたい
  • 添乗が辛いから辞めたい
  • 添乗員に興味があるけれど辛い仕事なのかな

この記事はそんな方へ向けて書いています。

添乗員を辞めたいと思ったことがあります。

1回どころではありません。
何回もです。
「神様はなぜこんなにもしんどい仕事をさせるのだろう」と天に向かってつぶやいたものです。
どんな仕事もキツイですが、添乗はこの世にある仕事で1番キツイ仕事と感じていました。

取るべき行動は1つだけで「刑期が満了するまで一生懸命やる」です。

手を抜けば抜くほど刑期が延びます。
そう思って仕事に取り組みました。
結果、休職できました。
また添乗に戻るかもしれません。

最近、添乗関連のブログ記事を書いていて思うのです。
「また添乗員に戻るために書いてない?」と。

 本記事の信頼性

  • 経歴:新卒で旅行社に入社し19年8ヶ月、出張手配×法人営業×添乗
  • 資格:総合旅行業務取扱管理者、総合旅程管理主任者
  • 添乗:国内・海外計123本(一般団体、教育旅行、視察旅行)

本記事では、添乗員を辞めたいと思った理由を解説します。
この記事を読むことで、添乗員は辞めたいときの解決策がわかります。

お金の問題もありますが、下見で解決できます。
記事後半では、添乗員から他業種へ転職する一例を解説します。

添乗員を辞めたいと思ったことは何度もある話

添乗員辞めたい

添乗員を辞めたいと思ったことは何度もあります。

理想と現実の間にはギャップがあるからです。
添乗員になって10年以上も仕事を続けていれば、国内添乗だけではなく海外添乗もこなせます。
旅行会社からもお客さまからも信頼され、リピーターを獲得している人もいます。

ただ華やかに見える反面、途中で挫折してしまう人もいます。

添乗に行くと時々「辞めたい」と思っていた

添乗はキツイ仕事です。

休職しているのは添乗のせいではありません。

休職している理由

  • クレーマー
  • 会社の上司からのパワハラ
  • 会社の先輩からのパワハラ
  • ボランティアの組合活動
  • 親子関係
  • 家族関係

休職の原因は、添乗ではないことを前置きしておきます。

神様が与えてくれた仕事

添乗に行くと、ときどき思っていました。
「なぜ神様はこんなにも辛い仕事をさせるのだろう」と。

添乗の種類により、辛いときがあるのです。

  • 先輩と同行して、こき使われる海外修学旅行
  • 睡眠時間の少ない教育旅行
  • 社長の一言で理不尽な対応をさせられる社員旅行
  • 何もかも初めての海外で1人で気が休まらない添乗
  • 宴会で飲まされる添乗
  • 予想できないトラブル
  • わがままで無神経なお客さま
  • 労働の割には低い賃金
  • タチの悪いドライバー
  • 男性客からのセクシャルハラスメント(女性の場合)

添乗から自宅に戻り、あまりの消耗にダウンしたこともあります。
お客さまから感謝されずに涙したこともあります。

華やかな印象とは真逆で、泥臭い一面もあるのが添乗です。

水面下では必死にもがいているのが、添乗の実態なのです。
添乗員は笑顔を絶やさず、お客さまと向き合わなければなりません。

添乗員は1人でたくさんのお客さまを相手にする接客業です。
旅行中はどんなに心身が疲れていても、トラブルにあっても、いつもお客さまには笑顔で接することが大事です。

下記のメリットだけの考えでは、続けるのは難しいです。

  • 海外旅行に無料で行ける
  • マイレージがたまる

数回の添乗で吹き飛びます。

ツアーコンダクターの激務は「【ツアーコンダクターは激務】旅行会社と添乗員派遣会社のエピソード」で書いています。

添乗から脱出するためには、全力でやること

「いつまでこの仕事をすればいいのだろう」と自問自答する時もありました。

私は法人営業職なので、添乗専門職ではありません。
添乗回数は2ヶ月に1回です。

これから添乗とどう向き合うか考えた時に、思いついた方法は次の2つです。

  • 手を抜く
  • 改善して、全力でやる

「手を抜いても、添乗という宿題は一生ついてまわるだろう」と考えました。
「手を抜いて逃げられることはないな」と。

残された道は「改善して全力でやる」です。

本気でやることが刑期満了の近道

嫌なことだからと、サボっていると、どんどん刑期が延びます。
再度やってくるのは「嫌なことでも、やっておいたほうがいい」という神様のアドバイスです。
一生懸命やっていると、つらい刑期は短くなります。
イヤイヤやっていると、刑期はもっと長くなるだけです。

「本気でやればやるほど、早く添乗から解放してくれる」と信じて、添乗に本気で取り組みました。
「もうそこまでやらなくてもいい」と言われるまでやるのです。

真剣にやらなかったら、いつまでたっても解放されません。
時間を浪費するだけです。

添乗を極めて「添乗をさせておくのはもったいない」と思われるまで全力でやることです。

全力でやることで「添乗員のやりがい」も感じられます。

  1. いろんな人に出会える
  2. いろんな場所に行ける
  3. いろんなものを食べれる
  4. いろんな乗り物に乗れる
  5. お客さまの笑顔を見られる

全力で添乗をやり続けていたら、途中で他にやりたいことが見つかりました。
ブログです。

「本当はブログをやりたいけれど、添乗を全力でやる」という姿勢で1年半が過ぎました。

そんな気持ちを見透かしたかのように、添乗員時代の後半は、つらい添乗が多かったです。
神様から「そろそろ添乗から離れて、ブログをやりなさい」と言われているようでした。
» 旅行業界の内幕がわかる添乗員ブログ10選【旅行系インスタ10選】

結果的に添乗を離れ、ブログに没頭しています。

全力で添乗をすれば、添乗を続けるにせよ、辞めるにせよ、道は開けます。
»【添乗員の5つのやりがい】究極は自分の作ったツアーに添乗すること

添乗員は辞めたい、つらい仕事【下見で解決】

添乗員は辞めたい、つらい仕事【下見で解決】

添乗は事前の段取りで、8割が決まります。

»【書評】先走ることで段取り上手になる『ダンドリの達人に変わる本』

下見で解決できることもある

事前の段取りの1番の方法は、下見に行くことです。

メリット3つです。

  1. 疑問点が解消できる
  2. 最適な行程にブラッシュアップできる
  3. 当日の添乗が楽になる

1.疑問点が解消できる

添乗が決まると下見に行き、事前に疑問点を解消しました。

下見に行くことでわかることは無限にあります。

  • トイレはどこにあるのか
  • 喫煙所はどこにあるのか
  • バスの停められる位置はどこか
  • お客さまの導線は
  • 宴会場の広さはどうか
  • 目的地から目的地への所要時間は適切か
  • 観光の時間配分は適切か
  • 現地ガイドは必要か

事前にインターネットや電話で解決できることもありますが「百聞は一見に如かず」です。

実際に見て、体験するのでは、納得感がまるで違うのです。

身につく知識も変わる

身についた知識が違うと自信がつく

自信は堂々とした添乗を生み出す

添乗員が堂々としているとお客さまは安心します。

2.最適な行程にブラッシュアップできる

最初の打ち合わせでは、お客さまの満足いく提案ができないことが多いです。
行ったことがないコースの場合、良いかどうかイマイチわからず自信が持てないからです。

下記、法人の社員旅行や研修旅行、報奨旅行などの受注型企画旅行を想定します。

観光地Aと観光地Bがあり、どちらも近い場所にあるが、どちらがお客さまに合っているかわからない。
事前に現地に連絡をして、感じをつかんだうえでお客さまに提案しても「おまかせします」と言われる。
なんとなく観光地Aと思うけれど自信がない。
社内の人に聞いてもイマイチよくわからない。

上記ケースは意外とありますが、下見で解決できます。

悩みを持って下見に行きますが、帰るころには答えが出ていました。
観光地Aと観光地Bのメリットとデメリットが浮き彫りになるからです。
下見に行って、解決できないことはありませんでした。
行程を最適化できたのです。

自信がなければ下見に行くべきです。
リターンはあります。

3.当日の添乗が楽になる

下見しているので当日の添乗は楽です。

2ヶ月前に下見していたので、誰よりも現地に詳しいのです。

自信を持ち、添乗にのぞめました。
「どこに何があるのか、導線はどうか、時間配分は最適化」などの疑問は浮かびません。

  • 迷いがなくなる
  • 悩みがなくなる
  • 楽しみに、なる

添乗業務に集中できます。
余計な不安や迷いに、エネルギーを使う必要がないからです。

行程を円滑に進め、お客さまをいかに喜ばせられるか。

この1点に神経を集中できるのです。

「笑いを取ろう」の余裕まで生まれます。
余裕が笑いを生み出すのです。

下見は自分にもお客さまにもメリットしかないです。

お金はかかりますが、身銭を切ることで、体験を血肉化できます。

下見料金を設定している旅館やホテルもあります。
国内だけでなく海外でも現地オペレーターを通したら、安く宿泊できたこともありました。
添乗員のメリットです。
下見以外で、正規料金を払って旅行する気にはなれません。

下見のススメ

もし添乗が辛いなら、下見をおすすめします。
派遣添乗員や添乗を専門職としている人は、下見の時間をとることは難しいかもしれません。
ただ実際に下見に行くように入念な準備で余裕が生まれます。

私は下見するようになり、添乗への気持ちが変化していきました。

体力的にはキツい仕事ですが、人間的に成長できます。

下記PDCAのサイクルが、添乗を血肉化させるのです。
「旅行会社の社員」として添乗する場合です。

下見に行く→コースを練り上げる→添乗に行く→お客さまの反応を得る→次回の添乗につなげる

派遣添乗員の場合は、決められた行程なので「練り上げる」はできません。
下見の時間がないときは「下見に行くつもり」で準備するのです。

添乗員から他業種へ転職する一例【辞めたい理由は2つ】

添乗員からの転職

ツアーコンダクターになろう」より添乗員から他業種(エステティシャン)へ転職した一例が、掲載されていました。
華々しく活躍し、仕事を楽しんでいる添乗員がいる一方で、辞めていく添乗員もいます。

本書では下記が語られています。

  • 添乗員を辞めるにいたる本当の理由
  • 辞めたからこそ見えてきた添乗員の適正

人に喜んでもらいたいと思う強い気持ち

本書の添乗員さんは「ストレスで体調不良かつ寝坊が怖くて眠れなくなる」といいます。

辛いです。
私もそうだったからです。

夜中に目が覚めると、もう眠れないのです。
寝坊するのが怖いからです。

「頑張り屋な人」は自分を追い込んでしまいます。

私も頑張り屋さんと言われます。
添乗中、夜中に目が覚めた時は眠れなくなったことがあります。
「寝坊したらどうしよう」と考えてしまうのです。
明け方に目覚めると、まだ寝ていられる時間があっても起きてしまいますね。

この方は素敵です。

辛い時でも2つの気持ちを持っていたからです。

  • 喜んでもらいたい
  • 楽しんでもらいたい

添乗員には気持ちが必要です。
添乗員はエンターテイナーですので、サービス精神を持って仕事に打ち込んでいらっしゃったと想像できます。

この気持ちが強ければ強いほど、自分に厳しくなってしまいます。

辞めたくなる理由なのです。
何事もほどほどで、鈍感が適切かもしれません。

体の不調も辞める理由

「1回添乗を終えると、体も心もグッタリ」に共感です。

添乗は体力勝負です。
トラブル続きの添乗は、体に効きます。

加えて低収入の一面もあれば、辛いです。
» 添乗員に向いている人がわかる質問28個【ツアーコンダクターの実態】

添乗員は勉強する必要があります。

  • 各種の旅行ガイドブック
  • さまざまな資料(美術、芸術、建築や民族、世界遺産などの森羅万象の分野)

会社には資料はありますが、必要であれば身銭を切る必要も出てきます。
お金も労力もかかる仕事に「割に合わない」と感じることもあります。

この方は添乗員を辞めることになりました。
理由は3つです。

  • 旅行が好きじゃなくて人に喜んでもらえることが好き→エステティシャンの学校へ行く
  • ツアーコンダクターになってよかった→自分では行かない場所に行くので視野が広がるから
  • 肩の力を抜いてお客さまと向き合えてら、やり続けられたかも

改善ポイント

  • 肩の力を抜いて、お客さまと接する
  • お客さまの評価にとらわれず、割り切る

改善ポイントが参考になり、共感します。

「何気ないお客さまの言葉」が喉につかえた小骨のように心に引っかかる時がありました。
私と似ています。

目的を持つ人が生き残る

添乗員さんからの気づき

  • 図太さが大事
  • 旅行が好きである
  • 強みを持つ
  • 仕事に目的を持つ

「目的を持って長期的な視点で仕事に取り組んでいなかったなぁ」と反省しました。
目の前の仕事に追われているばかりだったからです。

「とりあえずの成長」を目的にしていた気もします。

メリットとデメリットを理解しておくことが大事

添乗員のメリットとデメリットを理解したうえで、仕事を選んだなら、理想と現実のギャップに苦しむ可能性も低いです。

休職中ですが添乗員の仕事をしたことを後悔したことはありません。
無駄なことは1つもありません。
添乗の経験はすべて私の血肉になり、私を成長させてくれたからです。

新たな1歩を踏み出すとしても、添乗経験は役立ちます。

いい加減は良い加減

お客さまからいただいた言葉です。

「もっといい加減にやってもいいんだよ。手を抜くところは抜かないと体がもたないでしょ」とアドバイスをいただいたのです。

気持ちを理解してくれた、お客さまが神様に見えました。
神様からの言葉だったのかもしれません。

本記事を書いていて「旅行会社には戻れないかもしれないけれど、添乗員のアイデンティティは捨てたくない」と感じています。

添乗員なのです。

最後に添乗で役立った3冊を解説した記事です。

以上です。

P.S.「ヘトヘト日記」の文章が最高です。

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