- 「添乗員とはどんな職業だろう?ちょっと興味あるから、仕事内容をざっくり知りたい」
- 「添乗員になるにはどうすればいいのかな?必要な資格や語学力とか、給料など網羅的に知りたいな」
この記事はそんな方へ向けて書いています。
この記事でわかること
- 添乗員とはどんな職業なのか、仕事内容
- 添乗員を目指す人の10の質問&回答
- 添乗員とバスガイドの5つの違い【仕事内容】
本記事の信頼性
- 旅行会社の営業マンとして19年8ヶ月、法人営業・出張手配・添乗
- 添乗回数(社員旅行や視察旅行)は、国内・海外問わず100本ほど
- 他社と差別化するために、添乗前には自腹で下見に行きました
本記事では現役の旅行会社社員が「添乗員とはどんな職業なのか」を解説します。
この記事を読むことで、添乗員という職業がわかります。
添乗員になりたかった過去の自分に向けて書いていきます。
記事後半では「添乗員とバスガイドとの違い」をまとめました。
なお添乗業務の本質は「添乗の基本業務のたったの2つだけ【数えること、確認すること】」にまとめています。
添乗員とはどんな職業なのか【究極のサービス業】
添乗員とは究極のサービス業です。
究極のサービス業の理由:接客時間の長さ
お客さまと一緒にいる時間が長いです。
たとえば、海外添乗の場合、長いツアーだと7泊9日などがあります。
9日間もお客さまと一緒に過ごし、寝食をともにするのです。
こんなサービス業は他にはありません。
ツアー中は行程を円滑に進め、安全を確保し、楽しい旅を演出する。
添乗員の全人格が問われる仕事なのです。
今まで読んできた本、出会ってきた人、努力してきたことが滲み出ます。
隠しても隠せるものではありません。
厳しくもやりがいのある仕事です。
自分のすべてが問われるからです。
添乗員とは
添乗員とはツアーに同行して、お客さまの旅行が安全で円滑に進むようお世話をする仕事です。
要するに「旅行の幹事」です。
旅行業法第12条の11では、以下です。
企画旅行に参加する旅行者に同行して、国土交通省令で定める措置を講ずるために必要な業務を行う者として旅行業者に選任される者。
添乗員の仕事は2つだけ
- 旅程管理
- 安全確保
1.旅程管理
添乗員の最重要な仕事です。
旅行会社が企画・販売するパッケージツアーや団体旅行に同行して、行程を円滑に進めます。
行程をスムーズにするために、交通機関やホテル、各施設などの各種手続きと対応・調整をします。
旅程管理とは
旅行業法で定められた企画旅行の義務の1つが「旅程管理」です。
旅行業法第12条の10では、以下のように定めています。
旅行業者は、企画旅行を実施する場合、旅行者に対する運送等サービスの確実な提供、旅行に関する計画の変更を必要とする事由が生じた場合における代替サービスの手配その他の当該企画旅行の円滑な実施を確保するため国土交通省令で定める措置を講じなければならない。
上記の文中にある、旅行業法施行規則第32条で定める措置は4つです。
- 旅行に関する計画に定めるサービスの旅行者への確実な提供を確保するために旅行の開始前に必要な予約その他の措置
- 旅行地で旅行に関する計画に定めるサービスの提供を受けるために必要な手続の実施その他の措置
- 旅行に関する計画に定めるサービスの内容の変更を必要とする事由が生じた場合における代替サービスの手配及び当該サービスの提供を受けるために必要な手続の実施その他の措置
- 旅行に関する計画における2人以上の旅行者が同一の日程により行動することを要する区間における円滑な旅行の実施を確保するために必要な集合時刻、集合場所その他の事項に関する指示
4つの措置を抽象化します。
- 徹底した準備、事前・途中での確認の実施
- 確実にサービスを受けるための業務遂行
- トラブルを未然に防ぐ準備、トラブル発生の対処
- ツアーを円滑に進めるために、お客さまへの適切な案内
2.安全確保
もうひとつ大事なのが安全の確保。
安全を確保するために、事前に「注意事項」をお伝えしてトラブルを予防します。
交通機関の遅延や欠航、ホテルのオーバーブッキングなどのトラブルがあれば対応します。
安全あってこそ楽しい旅行なので、安全確保は大事な仕事です。
以上の2つ「行程管理」と「安全確保」があってこそ、楽しい旅行が成り立ちます。
そのうえで大事なスパイスが「楽しい旅の演出」です。
旅行を楽しんでもらえるよう工夫をして、ツアーを思い出に残るものにするのです。
ただし、あくまで行程管理と安全確保があってこそです。
詳しくは「添乗員の仕事内容は2つだけです【旅程を管理する/安全を確保する】 」で解説しています。
添乗員と旅行会社との関係とは
大きく分けて2つです。
- 添乗員派遣会社に雇用され、旅行会社との契約により派遣されて添乗をする
- 旅行会社に直接雇用され、添乗をする
① 添乗員派遣会社の添乗員
添乗を専門にする人です。
添乗員派遣会社と旅行会社間で契約を結びます。
旅行会社や営業所から派遣会社へ要請が来ます。
どの旅行会社や営業所に派遣されるかは、その都度決まります。
旅行会社から指名されることもあり、派遣会社が適性を考えて決めることもあります。
毎回、異なるツアーを添乗することが多いので、その都度旅行会社との打ち合わせが必要です。
② 旅行会社の添乗員
2通りです。
- 旅行会社に所属する選任ツアーコンダクター
- 他の業務を行いながら、添乗業務もする人
後者はさらに2つに分かれます。
- 法人営業担当者で、企業、学校、自治体などのツアーに添乗する人
- 内勤担当者(手配、カウンター、総務など)で、営業担当者からの要請で添乗する人
③ 受注型企画旅行に添乗する添乗員
添乗員の業務は、ツアーの仕上げという重要な仕事です。
受注型企画旅行(社員旅行、視察旅行、報奨旅行など)の添乗は、営業担当者が添乗したり、添乗員派遣会社に依頼したり、さまざま。
BtoBなので、失敗すると以下の影響があります。
- これまでの営業努力が水の泡になる
- 今後の営業活動が困難になる
逆にお客さまから高い評価を受ければ、以下の好影響が望めます。
- 次のツアーの受注
- 他のお客さまの紹介
私は法人営業一筋だったので、よくわかります。
④ 募集型企画旅行に添乗する添乗員
募集型企画旅行は、旅行会社が不特定多数のお客さまにメディアやパンフレットなどで宣伝し、募集するツアーです。
BtoCなので、失敗すると以下の影響があります。
旅行会社へのクレームとなり、マスコミやSNSで大問題になる可能性がある
逆にお客さまから高い評価を受ければ、以下の好影響が望めます。
- 次のツアーにリピートしてくれる
- 紹介や口コミで広めてくれる
余談
添乗員のほとんどは女性です。
添乗員の9割は添乗員派遣会社の所属で「内訳は女性が約75%、男性が約25%」です。
旅行会社に所属している添乗員は、経験上、男性の割合が多いです(営業マンは男性が多いため)。
なおバスガイドの99.9%は女性です。
添乗員の仕事内容とは【例:海外添乗の流れ】
「添乗員派遣会社の添乗員」の海外添乗を例に解説します。
添乗業務の大まかな流れは以下です。
1.仕事の依頼
メールや電話で所属している添乗員派遣会社から連絡がきます。
2.打ち合わせの準備
行程を読んで、調べます。
3.打ち合わせと確認
ツアー内容の確認など、細かく打ち合わせます。
旅行会社の担当、現地ランドオペレーター、添乗員の3者で打ち合わせすることも。
4.旅行会社により参加者全員に電話
- 挨拶
- 質問や不安なことを聞く
- 不明点の確認をする
5.出発前の準備
- 調べたものをノートにまとめる
- 図書館で資料をコピーする
- 現地で流すご当地音楽の調達
6.出発当日
お客さまを空港でお迎えします。
スーツで最初の印象を大事にします。
機内に入るまで気が抜けません。
集合後
- そのまま個別に機内に乗り込む
または - ロビーで再集合して、挨拶する
7.搭乗中の機内
現地のスケジュールや観光地のおさらい、お客さまの特徴を頭に叩きこみます。
8.現地到着
入国審査 → スーツケース受け取り → 税関と進みます。
ホテルまでの移動中のバスで、挨拶をして、注意事項を案内します。
ホテル到着後
- チェックイン
- ルームキーを配る
- 部屋の説明や朝食、今後のスケジュールなど
- 注意事項の案内
次に2日目以降の観光などです。
9.出発前
事前にガイド、ドライバーと打ち合わせをします。
お互いのスケジュールが合っているか、行程を再確認します。
安全の確保です。
10.バス移動
次の観光地の説明をしたり、音楽を流したり。
11.観光地
ガイドにまかせます。
添乗員はサポートです。
- 時間の管理
- 写真を撮ってあげる
- バスの乗り降りのたびに人数確認
12.食事
- 朝食 → お客さまより先に名物やおすすめを確認、誘導
- 昼食 → お客さまと一緒に食事をすることも
- 夕食 → 夕食なしの場合はホテル周辺レストランをチェックして案内
13.その他
- 誕生日や記念日の人にケーキやプレゼントの用意
- 病人が出たら病院や休めるところの手配
緊急時はメールやFAX、携帯で日本に連絡します。
14.夕食後
お客さまの要望に対応します。
トラブルなど急な呼び出しもありますので、22時まではシャワーを控えることも。
15.日報や精算
- 日報(会社へ)
- 旅日記(お客さまへ)
- 精算用の計算をする
旅日記は添乗員が書くお客さま用のものです。
人気があるので実行している旅行会社もあります。
16.帰国
空港へ向かうバス車中です。
- お別れの挨拶
- 最後の注意事項
- 荷物の最終チェック
空港では免税品の手続き、アンケート回収をします。
アンケートはできるだけ回収して次のツアーのヒントにします。
17.後日の会社訪問
- 日報
- 精算
- アンケートの提出
会社によりお客さまや代理店にお礼の電話や、団長、営業担当と後日主催者にお礼訪問などもあります。
以上です。
より詳しい内容は、国内、海外のそれぞれのマニュアルでわかります。
添乗員を目指す人の10の質問に答えます
添乗員を目指す人から想定される10個の質問に答えていきます。
その①:どんな能力、資質が必要?
いちばん必要な能力は「体力」です。
ハードな仕事だからです。
気を使い、ときには走り回り、食事は短くすませ、トラブルに対応し、睡眠時間も少ない日もあります。
他には以下の能力があると良いです。
- 判断力
- 気配り
- 自己管理能力
- リーダーシップ
- 語学力(英検2級程度)
具体的には以下です。
- 判断力:トラブルに冷静に対処する
- 気配り:お客さまに公平に気配りする
- 自己管理能力:繁忙期には健康管理も必要
- リーダーシップ:多くのお客さまを引率し、さまざまな場面で必要
- 語学力:海外添乗に出られる要件が「英検2級」の添乗員派遣会社が多い
体力がなければ何もできません。
体力さえあれば、英語力はあとからでも身につけられます。
詳しくは「添乗員に必要な英語力とは【おすすめアプリ・教材を解説】」で解説しています。
その②:どうやれば添乗員になれるの?
添乗員になるには2つの方法があります。
- 旅行会社に入る
- 添乗員派遣会社に入る
旅行会社の店頭や新聞・旅行雑誌などで募集しているツアーの場合、添乗員のほとんどは添乗員派遣会社からの派遣添乗員です。
旅行会社からの社員の場合もありますが、ごくまれです。
旅行会社の中には添乗はすべて派遣会社に任せるところもあります。
ゆえに添乗員になるには添乗員派遣会社に入るのが近道です。
詳しくは「添乗員になるには2つの方法【添乗員派遣会社に登録/旅行会社に入社】」で解説しています。
「旅行会社の添乗員」と「添乗員派遣会社の添乗員」のそれぞれのメリットとデメリットは「【添乗員のメリットとデメリット】派遣会社と旅行会社の軸で比較」で解説しています。
その③:日当はどのくらい?社会保険は?
日当
- 国内添乗 → 7,000〜13,000円
- 海外添乗 → 8,000〜25,000円
添乗員派遣会社の規定によります。
添乗の経験日数でも変わります。
その他、手当が加算されます。
- 前泊、後泊手当
- 事前打ち合わせ手当
- 精算業務手当
各社の規定により加算されます。
社会保険は労働日数により基準が定められているため、就業条件により異なります。
その④:海外添乗の場合、どのくらいの語学力が必要?
英検2級くらいです。
必要なビジネス会話ができれば仕事に支障はありません。
語学が堪能であることにこしたことはありません。
日常会社と必要な業務会話ができればOKです。
それよりも、お客さまにきちんとした日本語ができるほうが大事です。
- お客さまの話を聞く
- お客さまに説明をする
不満や要望を聞いたり、事前案内や現地案内をしたり、英語より日本語が大事です。
その⑤:他の仕事と何が違うの?
シーズンで労働日数が異なります。
観光の繁忙期、閑散期があるからです。
ゆえに日当計算が基本の派遣添乗員の場合、毎月の収入に差が出ます。
また、事業所内作業は少なく、事業所外労働が基本です。
ハイシーズンは仕事が多くなるため、仕事とプライベートの時間の両立が課題です。
その⑥:どんな資格が必要なの?研修と資格取得にかかる費用は?
添乗員に必要な資格
- 国内のみ添乗ができる → 国内旅程管理主任者
- 国内・海外とも添乗ができる → 総合旅程管理主任者
詳しくは「【合格率90%】添乗員になるための資格試験・旅程管理主任者を解説」で解説しています。
研修受講料などがかかる
(社)日本添乗サービス協会の正会員である派遣会社に所属した場合、同協会が行う「旅程管理研修」の受講料がかかります。
- 国内旅程管理主任者:26,500円
- 総合旅程管理主任者:36,700円
その他、添乗員派遣会社で基礎研修を受講する場合の受講料、実地経験のための実地研修などに参加した場合の費用は別途かかります(費用は会社により異なります)。
その⑦:どうやれば資格は取れる?
資格取得までの流れ
旅行会社や添乗員派遣会社へ入社する
↓
基礎研修の受講
↓
一般もしくは国内の旅程管理指定研修
↓
修了試験に合格
↓
修了証書の交付
↓
添乗実務経験の指導(研修ツアー・サブ添乗)
↓
指定管理業務を行う主任者証の発行
↓
添乗員として1人でツアーに同行できる
修了試験の合格率は90%以上です。
その⑧:添乗員に学歴や年齢制限はあるの?
学歴は不問です。
満18歳以上であれば、旅程管理主任者の資格が取れます。
その⑨:添乗員になって大変だったことは?
3つです。
- トラブル対応
- 人数確認ミス
- 手配ができていない
トラブルが続くとヘトヘトです。
夜はお客さまに付き合い過ぎると睡眠時間が減るので、ときには断ることも大事です。
その他、トラブルなどは下記記事で解説しています。
やめたいと思ったことも、もちろんあります。
» 添乗員を辞めたいと思ったことは何度もある話【下見で解決できる】
その⑩:優秀な添乗員になるには?
プロ意識を忘れないことです。
- 社会貢献
- お客さま満足
- 自己の成長
この3つが大事です。
どれかに偏ってもいけません。
究極のツアーコンダクターは下記記事で解説しています。
» 3名の究極の添乗員【ツアーコンダクター・オブ・ザ・イヤー】
現実のツアーコンダクター像については下記記事です。
» 現実のツアーコンダクター像【年齢、性別、給料、保険、労働日数、休暇】
添乗員とバスガイドの5つの違い
添乗員とバスガイドの違いを「5つの視点」から解説します。
5つの視点
- 仕事内容
- 所属
- 資格
- 性別
- 国内と海外
1.仕事内容
添乗員は「行程管理」、バスガイドは「観光案内」が主な仕事です。
添乗員の仕事内容
- 行程管理
- 安全管理
- 人数確認
- バス座席の決定
- チケットの受け渡し
- 幹事さんとのやりとり
- ドライバー、バスガイドへの指示出し
- 各施設へのサービス内容の確認、精算業務
- サービス内容に不備があった場合は代替案の提案
- 時間管理(出発時間、集合時間、集合場所、休憩場所などの決定・案内)
- 各施設への連絡・調整(バス会社、航空会社、ホテル、観光地、レストランなど)
添乗員の仕事は「行程管理」です。
旅行が行程通り進むように準備をするのが仕事。
詳しくは「添乗員の仕事内容とは【添乗歴18年のツアーコンダクターが解説】」で解説しています。
添乗員は「マイクを持って案内する」というイメージかもしれませんが、あくまで「行程を円滑に進める」ためにマイクを持ちます。
観光案内はほとんどせず(したとしても概要のみ)「行程の管理」のために集合場所・集合時間・注意事項・今後の流れなどを案内します。
バスガイドの仕事内容
- 観光案内
- ドライバーのサポート
- バス車内のこと(お茶出し、ゴミ袋設置、車内清掃、バック誘導、カラオケやDVD操作など)
バスガイドの仕事は「観光案内」です。
観光地にまつわる情報提供、車窓から見える景色の案内など、お客さまを楽しませる仕事です。
他にも下記の役割もあります。
- 車内点検
- ゴミ袋設置
- バス車内の清掃
- お茶出しサービス
- バスのバック誘導
- 左折時の確認などドライバーをサポート
バスの関することは、バスガイドの仕事なのです。
唯一、バス座席を決定するのは添乗員の仕事です(募集型企画旅行の場合)
社員旅行など(受注型企画旅行)であれば、座席をどうするか決めるのはお客さまです。
メモ
社員旅行などで添乗員なしで、バスガイドだけのケースもあります。
この場合、行程の管理をするのはバスガイドではなく、幹事さんの役割。
バスガイドは必要な観光時間や集合時間、集合場所のアドバイスはしますが、行程管理はしません。
理由は、行程管理には資格が必要だからです。
ちなみにバスガイドが観光地の中まで同行して観光案内を始めたとき、それはサービスです。
現地の観光スポットの案内は、バスガイドの仕事ではないのです。
同様に添乗員がバス車内で観光案内をすることは、添乗員からのサービスです。
なお添乗員がガイドを兼ねるツアーもありますが、まれなケースです(特化した視察ツアーなど)
2.所属
おもに添乗員は「添乗員派遣会社」、バスガイドは「バス会社」に所属しています。
添乗員の所属先
- 添乗員の派遣会社
- 旅行会社の正社員(営業マン)
- フリーランス
- アルバイト
添乗員の9割は「添乗員派遣会社」に所属しています。
JTB、クラブツーリズム、エイチ・アイ・エスなど様々な添乗員付ツアーがありますが、添乗員のほとんどは添乗員派遣会社から来ています。
まれに旅行会社の営業マンの添乗もありますが、主流は添乗員派遣会社への依頼です。
旅行会社の営業マンが添乗すると、営業の時間が減るからです。
ただ社員旅行や視察旅行など営業で受注した仕事には、自分で添乗することもあります。
お客さまには「打ち合わせからツアー実施」まで一貫してやりとりする営業マンが安心だからです。
他にはフリーランスとして活躍している方もいて、指名で添乗が入るほどの相当なスキルを持っている方もいます。
究極の添乗員については「3名の究極の添乗員【ツアーコンダクター・オブ・ザ・イヤー】」で解説しています。
バスガイドの所属先
- バス会社
- 派遣会社
- フリーランス
- アルバイト
バスガイドはバス会社に所属しています。
バス会社の正社員です。
派遣社員のバスガイドもいます。
バス会社はいくつか派遣会社と契約をして、バスツアーにバスガイド割り当てていく感じです。
フリーランスのバスガイドもいます。
私が添乗していたとき、フリーランスの方がいらっしゃいました。
その方はもともとバス会社所属のバスガイドでしたが、育児などでいったん辞めてからフリーランスになり、元のバス会社から指名されるようになりました。
3.資格
添乗員には「旅程管理主任者」の資格が必要で、バスガイドに資格は不要です。
添乗員の「旅程管理主任者」はバス3台口などの大型団体の場合、1人だけ資格を持っていれば問題ありません。
詳しくは「【合格率90%】添乗員になるための資格試験・旅程管理主任者を解説」で解説しています。
バスガイドに資格は不要ですので、添乗員がバスガイドのように観光案内をしても問題ありません。
逆に「旅程管理主任者」の資格を持たないバスガイドが、行程管理はできません。
4.性別の違い
添乗員のほとんどは女性です。
バスガイドの99.9%は女性です。
添乗員の9割は添乗員派遣会社の所属で、内訳は女性が約75%、男性が約25%がです。
ほとんどが女性なのです。
旅行会社に所属している添乗員は、経験上、男性の割合が多いです(営業マンは男性が多いため)
詳しくは「現実のツアーコンダクター像【年齢、性別、給料、保険、労働日数、休暇】」で解説しています。
バスガイドは99.9%女性です。
経験上、男性のバスガイドに会ったことがありません。
唯一の男性バスガイドは「はとバス」で誕生しました。
» はとバス、初めて男性バスガイドを採用、女性バスガイドが運転士に職種変更も
5.国内と海外
添乗員は国内でも海外でも「行程の管理」「安全の確保」の点では同じです。
バスガイドは、海外と日本国内では役割が少し違います。
※海外では「バスガイド」とは呼ばず「現地ガイド」と呼びます(以下、現地ガイド)
現地ガイドの役割
- 観光案内
- 両替アシスト
- 添乗員のサポート
- 空港〜ホテルの送迎
- 飛行機のチェックインアシスト
- ホテルチェックイン、チェックアウト
「海外の現地ガイド」と「日本国内のバスガイド」の大きな違いは、添乗員へのサポート比重です。
現地ガイドはバス車内のことよりも、添乗員の行程管理業務に全面的にサポートする姿勢が見られました。
観光案内よりも、添乗員サポートのほうが優先順位は高いのです。
あるツアーでは行程の確認、先々の確認の連続でした。
そのくらい添乗員の味方になってくれます。
添乗員の出る幕がないツアーもありました。
添乗員は「ツアーが順調に回っているか」を確認しながら、付き添うだけです。
添乗員の存在感ゼロになるので工夫が必要です。
海外現地ガイドの仕事の一例
お客さまと添乗員の到着に合わせて空港で出迎え、専用車で宿泊ホテルへ向かいます。
車内ではその国の簡単な説明(時差、通貨、両替、電話や郵便ん、飲み水、治安、ショッピングや免税、公共交通機関の利用方法、チップ、注意事項など)、添乗員との行程確認などを行い、到着後はホテルチェックイン。
滞在中は観光地の歴史や文化についてのガイド、買い物の付き添い、レストランや、ショッピングのおすすめスポットなどの案内、お客さまのご希望に応じたサポート。
お客さまが出発するときは、宿泊ホテルでチェックアウトのサポート、スーツケースの積み込み確認をしてから空港まで送迎。
車内では、空港到着後の流れ、フライト時間や到着時間、空港内での免税などについての案内をします。
空港到着後は飛行機のチェックインのサポートをして終了。
添乗員とバスガイドは、ツアーの両輪
2人三脚でうまく回ることで、ツアーの快適さ、楽しさに影響が出てきます。
さらにドライバーが加わり、三位一体のバランスが取れたとき、ツアーは成功に近づきます。
バスガイドやドライバーは頼りになる味方です。
何度助けられたことか、わかりません。
新人の頃もバスガイドさん、ドライバーさんがいて、心強かったです。
お客さまは、添乗員とガイドの違いを理解できると「どこでどんな場面でどちらに頼ればいいのか」がわかり、さらに旅行を楽しめます。
まとめ:添乗員とは何かを知り、小さな行動につなげる
未来を変えるのは行動です。
大きな行動ではなく、小さな行動です。
小さな行動をコツコツ続けることが未来を変えます。
最後に添乗で役立った本の解説記事を3本、紹介します。
以上です。
P.S. まだできていないことも多いですが、未来のために行動していきます。
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