- 「社員旅行の幹事を任されることになったけれど、まずは添乗員の言葉の意味を知りたいです。」
- 「添乗員の仕事内容はどんな感じかな?添乗員を手配するべきか、しなくてもいいのか、判断したい」
この記事はそんな方へ向けて書いています。
この記事でわかること
- 添乗員の意味
- 添乗員の仕事内容
- 添乗員がいる意味
本記事の信頼性
- 経歴:新卒で旅行社に入社し19年8ヶ月、出張手配×法人営業×添乗
- 保有資格:総合旅行業務取扱管理者、総合旅程管理主任者
本記事を書いている私の添乗経験は、国内・海外合わせて100本ほど。
一般団体・教育旅行・視察旅行の添乗を経験してきました。
一般の方からすれば、添乗員はあまり馴染みのない職業のため、下記のように思われるかもしれません。
- 添乗員は何をする仕事なの?
- 添乗員がいる意味はあるの?
本記事では、添乗員の意味から仕事内容まで解説していきます。
この記事を読むことで、添乗員の意味と、自社の旅行に添乗員をつけたほうがいいのかがわかります。
知っておいて損はしない情報をまとめました。
Contents
【解決】添乗員のいる意味、必要性とは
結論、添乗員の意味は「安心感」です。
添乗員は行程を管理する人
添乗員の意味は、以下のとおり。
お客さまをご案内し、行程管理・安全確保につとめ、旅を演出する人です。
これがすべてです。
三省堂大辞林での意味
他の人に付き添って乗り物に乗ること。
特に旅行社の者が団体旅行などに付き添うこと。
ウィキペディアでの意味
添乗員(てんじょういん)とは、旅行会社のパッケージツアーや団体旅行に同行し、計画に従ってツアーが安全かつ円滑に施行されるように交通機関や各種施設との調整や対応を行って行程を管理するとともに、ツアー客に対する説明や窓口役となる業務を行う者を指す。
やや文言が増えましたが、言っていることは同じです。
「添乗員」とは、行程を管理する人です。
形のない旅行商品を、形のあるものにしてお客さまに満足してもらう最も重要な仕事なのです。
「添乗員とは何か」をざっくり解説した記事は下記です。
» 添乗員とはどんな職業なのか【目指す人の10の質問に答えました】
添乗員は5つの英語で表せる
英語では5通りの言い方があります。
- Tour Escort
- Tour Leader
- Tour Director
- Tour Manager
- Tour Conductor
日本の旅行業界では「ツアーコンダクター」が最も広く使われています。
クラブツーリズムでは添乗員のことをツアーディレクターと呼んでいますね。
添乗員の仕事内容は?
ざっくり言うと、以下のとおり。
・予約の確認
・サービスの受領の手続き
・サービスの代替手配
・団体行動の指示
詳しくは下記記事で解説しています。
» 添乗員の仕事内容とは?【添乗歴18年のツアーコンダクターが解説】
なお添乗員は9割は「添乗員派遣会社」の所属で、内訳は75%が女性、25%が男性です。
添乗員の1割は、旅行会社の営業マンです。
私は旅行会社の営業マンだったので添乗回数は少なかったです。
担当企業の要望を聞き、自分で行程を作り、自分で添乗して、お客さまの反応を見れる喜びがありました。
添乗員派遣会社は50社近くあります。
»添乗員派遣会社35社の完全まとめ【基本情報や特徴、待遇を比較】
専門性が必要とされる添乗業務が分業された結果ですね。
どんなときに添乗員が必要?
添乗員が必要な2つの旅行は、以下のとおり。
- 団体旅行
- 募集ツアー
順番に解説します。
1.団体旅行
受注型企画旅行と呼ばれます。
たとえば、下記のとおり。
- 遠足
- 招待旅行
- 社員旅行
- 視察旅行
- 修学旅行
- 研修旅行
- 宗教団体
お客さまの要望をもとに作るちょっと人数多めのツアーです。
私はよく30名前後の社員旅行、視察旅行の添乗に行きました。
少ない人数のときは15名くらいの海外視察もありました。
企業の接待旅行で慎重な旅行です。
人数にかかわらず、お客さまから添乗員の手配を依頼されれば手配します。
依頼されなければ手配しません。
お客さま次第です。
2.募集ツアー
募集型企画旅行と呼ばれます。
行程や宿泊場所、観光地などは「旅行会社が予め設定した旅行」です。
お客さまはパンフレットやWEBなどを見て、申し込みます。
お客さまはお互い知らない人同士、千差万別。
添乗員はリーダーシップをとり、団体をまとめます。
すべての募集ツアーに添乗員がついているわけではありません。
添乗員がいなくて、現地係員だけがついているツアーもあります。
» 添乗員、現地係員、現地添乗員の違いとは【メリットとデメリット】
添乗員のいる意味は安心感です
添乗員がいると安心です。
社員旅行などで添乗員は必要?
旅行に慣れていない幹事なら必要です。
添乗員の同行で、飛行機や列車の手続きが不要です。
添乗員がいるので、幹事も「旅行手続きの手間や、プレッシャー」が減ります。
旅行に慣れている幹事なら不要?
ケースバイケースです。
旅行会社から飛行機や列車、ホテルでの手続き方法をしっかり教われば問題はないはず。
ただトラブルが起こったときが心配です。
たとえば、海外旅行。
- スリにあった
- パスポートをなくした
- 空港の乗り継ぎがわからなくなった
言葉の壁もあるし、どうしていいのか不安です。
添乗員がいれば上記対応はすべてやってくれます。
たとえば、国内旅行。
添乗員がいれば幹事の役割を全部してくれます。
幹事がやることはバス車中で飲み物を配ったり、宴会の司会をしたり、会の経費を運用したり、添乗員に指示を出したり。
国内旅行でも海外旅行でも、添乗員はトラブル慣れしているので的確な対応ができます。
バスドライバーや宿泊施設、食事施設のやりとりや、各地での導線も格段に慣れています。
安心して任せていればいいのです。
添乗員の最大のメリットは安心感
トラブル対応やトラブルを防ぐための案内など、添乗員がいれば安心感があります。
ただ一般の旅行者から見れば、何もしていないようにみるのが添乗員。
しかし水面下では連絡、確認の繰り返し。
実際に経験があるのでハッキリと言えますが、添乗は気も使い、体力も使うハードワークです。
ちなみに添乗員が忙しそうに見えるツアーは危ういです。
旅行者の目の前でバタバタしている証拠だからです。
お客さまのために必死に仕事をしてくれるのです。
添乗員がいれば安心です。
水面下での添乗員の動きがわかる記事は下記です。
»【海外添乗員のトラブル】貸切レストランが手配できてなかった地獄
予算がないから、添乗員を手配できないけれど大丈夫かな?
事前準備がしっかりしていれば大丈夫です。
実際に添乗員なしの団体旅行はたくさんあるからです。
一例をあげます。
40名で金沢1泊2日の社員旅行を受注しました。
手配を進めると添乗員は不要とのことでした。
出発前に十分な段取りを打ち合わせして、送り出しました。
お客さまが帰ってきてから結果を伺いました。
お客さまいわく「渋滞などがあってホテル到着は遅れたけれど、行程は自由行動が多かったので問題なかった」とのこと。
添乗員がいなくても、普通に回るのが旅行です。
事前準備をすれば大丈夫です。
ただ旅行会社との打ち合わせは必要です。
- チケットやクーポンの使い方
- ドライバー、仲居さんに渡す寸志
- 見学の所要時間、ホテルでの精算の仕方など
- 観光地での見学方法、バスの乗降場所
打ち合わせ事項をあげればキリがありません。
行程に沿い、やることを1つ1つ潰しておくことです。
なお添乗員のマニュアルは下記にまとめています。
添乗員のやることがわかります。
»【国内添乗マニュアル】添乗出発前〜到着まで10シーンを解説
» 海外添乗マニュアル完全まとめ【出発前から帰国までの5つの流れ】
まとめ:添乗員のいる意味を理解して、判断しよう
一般的に20名くらいの旅行なら添乗員は不要です。
25名以上になると行程にもよりますが、「添乗員はいたほうがいいかな」と経験から思います。
よくわからなければ、率直に「添乗員は必要ですか」と旅行会社に聞いてみることです。
誠意ある旅行会社なら親身になって考えてくれるはず。
もし、旅行会社に「添乗員は手配したほうがいい」と言われたら、誰が来るのか確認しておくことです。
旅行会社の中には「添乗員は派遣会社へ委託」もあるからです。
やりとりしている旅行会社の社員が添乗するとは限らないのです。
以上です。
P.S. 予算があれば添乗員がいたほうが安心ですね。
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