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添乗員の失敗談:お客さまの積み残し3回【人数確認のコツは1人1人】

2019年12月25日

添乗員の失敗談:お客さまの積み残し3回【人数確認のコツは1人1人】
  • 「添乗員の失敗談について知りたい」

この記事はそんな方へ向けて書いています。

添乗員が忘れてきてはいけないものは、お客さまです。
私は過去3回、置き忘れてきました。

告白 お客様の積み残しは3回あります。
お客さまの積み残しとは、お客さまがバスや飛行機などの乗り物に乗れず、置いていかれることを言います。
添乗員の人数確認ミスで発生します。
1番やってはいけないことですね。
失敗ばかりの添乗で、1つ1つが勉強です。
置いてかれたことは1回。

本記事を書いている私は、新卒で旅行社に入社し19年8ヶ月、出張手配×法人営業×添乗をしました。
国内・海外計100本ほどで、一般団体・教育旅行・視察旅行を担当しました。

そんな背景の私が本記事では、添乗員の失敗談の「お客さまの積み残し」を解説します。
この記事を読むことで「添乗員の積み残しは自分だけじゃないんだ」と安心でき、失敗を予防できます。

お客さまの積み残しは「避けて通れない道」です。

添乗員の失敗談:お客さまの積み残し3回の体験談

添乗員の失敗談:お客さまの積み残し3回の体験談

お客さまの積み残し3回の体験談を語ります。

【失敗談】1回目の積み残し=伊豆畑毛温泉・大仙家

お客さまは30名様ほどの企業団体の協力会。

伊豆畑毛温泉・大山家で宴会・宿泊をして、翌日はゴルフです。

ゴルフの出発時に、悲劇は起こりました。

私の仕事は、朝食後、お客さまをバスへ誘導し、バス車内で人数確認して、ゴルフ場へ出発させること。
ゴルフ場には先輩社員が待機しているので、人数確認して見送るだけです。

朝、お客さまをバスへ誘導し、車内で人数を数えていると1名さま足りません。

「あれ、おかしいな」と思いながら、もう1回数えていたところに幹事様の「もう揃ったので出発します」という声が聞こえました。

幹事様も数えていたのです。

「いや、1名足りない。変更があったのかな」と思いましたが、自信がなく何も言えません。

2回目の人数確認の途中でしたがバスを降り、出発していくバスに「いってらっしゃい」と手を降り続けました。

バスが見えなくなるとき、後方から「俺を置いてくなよ〜」と言いながら、走ってくる取締役の姿が。

やはり人数は1名、足りなかったのです。
取締役はすぐタクシーを拾い、ゴルフ場に直行。

「なんてことをしてしまったんだ。よりによって取締役とは」と泣きそうになりました。

いくら幹事様が出発OKを出したとはいえ「1名足りない」と思っていたことを伝えるべきでした。

あとで先輩には叱られませんでしたが、反省です。

以降、人数確認は納得するまで、何回も数えるようになりました。

【失敗談】2回目の積み残し=アメリカ・ダラス

アメリカ・ダラスで悲劇は起こりました。

サブ添乗でアメリカ視察ツアー(ロサンゼルス・ダラス・シアトル)7泊9日に同行。
任された仕事は、バス車内の人数確認です。

生まれて初めてのアメリカ、生まれて初めての流通視察、すべてが新鮮でした。

流通視察ツアーは、ひたすら店舗視察です。

・スーパーマーケット
・ディスカウントストア
・ショッピングセンター
・ドラッグストア
・ホームセンター

30分刻みで次々と見てまわります。

人数確認の回数も、今までの添乗とは比べものにならないほど多くなりました。

「アメリカ」と「人数確認」に慣れてきて疲れが出始めるツアー中盤で、ミスを犯しました。

人数確認は毎回バス車内を往復して計2回数えます。
お客さまは25名さまほど。

ツアー中盤のダラスでは、疲れと気のゆるみから、なぜか1回しか数えないときがあったのです。
手を抜いたその1回が命取りでした。

バスを出発させ、次の視察先のディスカウントストアで人数確認すると1名様、足りません。

何回数えても、15分ほど待ってみても、状況は変わらないのです。
そのうち他の参加者が「あの人、前の場所を出発するときに車内にいなかったかも」と言いました。

前の視察場所にバスで戻ってみることにしました。
バスで戻ること約15分、気持ちは「心配と不安」だけです。

前の視察場所に到着すると、お客さまはお店の入り口で立って待っていました。

「時間よ、戻ってくれ」です。

完全な私のミスです。

バスが到着するやいなや、お客さまに土下座するように謝罪。
お客さまも同行の上司も怒りませんでした。

結果的にスケジュールが狂い、予定していた店舗1ヶ所の見学が無くなりました。
私のミスで全員に迷惑をかけたのです。

その日の夜、ホテルロビーで上司から「良い経験をしたね」と言われて、泣きました。

心にしみる優しさが涙に変わります。
叱ってくれれば泣くことはなかったはず。

失った時間を取り戻せないのが怖いです。

【失敗談】3回目の積み残し=福島県・土湯温泉

2度あることは3度あるもの。

福島県・土湯温泉で悲劇は起こりました(ホテル名は失念)

企業の40名さまほどの親睦会旅行。
宴会・二次会まで段取りよく進めていましたが、三次会でやらかしました。

宴会・二次会が終わったあと、幹事様が「三次会は外に出て、ラーメンでも食べに行こう」という流れに。

ラーメン屋がどこにあるのか、わからなかった私はフロントで確認。
ラーメン屋は車で10分ほどの場所にありました。

ホテルが気を利かせてくれ「20名さまくらいならマイクロバスで往復送迎しますよ」と言ってくださいました。

22時過ぎの往復送迎は有難いサービスです。

幹事様に報告すると、「それじゃあ希望者だけ集めて、マイクロバスで行こう」となりました。
お客さまの中には、すでに客室へ帰っている人たちもおり、全員に声をかけることは時間的に不可能。

周りにいる人たちに声をかけて、15分後くらいに集合時間を設定し、遅れた方は置いていく段取りになりました。

集合時間に合わせてマイクロバスを配車し、お客さまをロビーで待ちます。
結果、マイクロバスに15名ほどが乗車しました。

「何人集まるか」はわかりませんので、人数確認のしようがありません。
集合時間になったら出発するだけです。

集合時間になりましたが、参加を予想していたお客さまが来ていません。
「もう少し待ったほうが良いかもしれない」と思ったので、3分ほど待ちました。

待っても来られないところを見ると、幹事様が「もう行こう」とおっしゃり、スッキリしないまま出発です。
ラーメン屋では盛り上がり、私も一緒に食べ、飲みました。

頃合いを見はからって、マイクロバスの迎えを呼び、無事にホテルに帰着。
ホテルに到着すると幹事様の意向で、四次会は部屋で飲むことに。

部屋に行くと「少し待っても来なかったお客さま」がいました。

そこからは悲惨です。

翌日、2日目の行程が終わるまで、私の顔を見るたびにネチネチと「ラーメン食べたかったなぁ〜、あぁ〜ラーメン」と嫌味を言い続けられるハメになったのです。

お客さまに「少し待ったんですよ」と言ってもダメでした。
延々と嫌味を言い続けられ、2日目は消耗していきました。

食べ物の恨みは恐ろしいです。

幹事様に報告しましたが苦笑い。

人数確認は難しい状況でした。
そのために集合時間を設定して、置いていく方式をとったのです。

置いていかれたお客さまは、そんなことはどうでもいいことです。
「ラーメンを食べれなかった」という残念な気持ちがすべてです。

気持ちはわかります。
私も同じ立場だったら「せっかく旅行に来て、貴重な機会にラーメンを食べれなかった」なら残念です。

思うのは「5分だけ待ってみる」選択肢もあったことです。

他のお客さまも待っているので難しいですが、あの状況であれば待てたはず。
「15分待ったんですよ」と言えたはずです。

食べ物に関することは注意ですね。

添乗員の積み残しTwitterまとめ

Twitterの声をまとめました(5個)

お客さまの積み残しは獣道【人数確認のコツは1人1人】

お客さまの積み残しは登竜門【人数確認のコツは1人1人】

積み残しは誰もが通る道です。

人数確認の損失はとてつもなく大きい

できて当たり前だからです。

ただみんな自分から口にはしませんが、裏ではやらかしてます。

3回は多いほうかもしれませんが。

旅にトラブルはつきものですが、「お客さまの積み残し」はダメージが大きいです。

「人数確認」は簡単そうに見えますが、失敗のリターンはとてつもなく大きいです。
「スケジュールと時間と信頼」を、一瞬で失うからです。

添乗の基本動作:人数確認が最重要

何よりも気が抜けない仕事なのです。
ゆえに添乗を成功させるコツは「人数確認を間違えないこと」です。

先輩方に積み残しの失敗があるかどうか聞くと、たいてい1回はやらかしてます。
積み残しの失敗をした人は気にすることはないです。

みんな、似たようなことを何かしらやらかしているのです。

失敗しないに越したことはありませんが、失敗したら乗り越えるだけ。
笑い話に変えるために、成長していくだけです。

みんなが自然と通るため「獣道」と呼ばれています。

人数確認の解決策:1人1人数えること

1人1人、丁寧に数えることです。
納得いかなければ、不安が少しでもあるならば、3回でも4回でも数えるのです。

失敗する方法は、以下のとおり。

  • 「にー、しー、ろー、やー」とまとめて数える
  • 1列ごとに「4、3、4」とまとめて数える
  • 子どもを数え忘れる
  • 人数変更になったことを忘れて、数える
  • 目で見える範囲で数える(車内を歩かない)
  • 時間に追われているからといって焦って数える
  • 1回しか数えない(最低2回は数えること)

上記に気をつければミスは防げるはずです。

最後に添乗で役立った書籍を3本、紹介します。

みなさん、失敗していますので大丈夫です。

以上です。

P.S. 添乗員の仕事は「数える」ことです。

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