- 「会社命令で飛び込み営業をすることになってしまった」
- 「旅行会社の営業マンの飛び込み営業の手順を知りたい」
- 「旅行会社の営業マンの飛び込み営業のコツ、営業トーク例はなんだろう?」
この記事はそんな方へ向けて書いています。
この記事でわかること
- 飛び込み営業の3つのコツ
- 飛び込み営業の8つの手順
- 営業トーク例
本記事の信頼性
- 経歴:新卒で旅行社に入社し19年8ヶ月、出張手配×法人営業×添乗
- 飛び込み営業経験:週1回30社×50週×5年間。
正直なところ、飛び込み営業はおすすめしません。
成功率がセンミツ(1,000件中3件の成約=0.3%)と言われるように、効率が悪すぎるからです。
- 「少しでも売り上げを上げたい」
- 「新しいお客さまと接して、現状を変えたい」
- 「どうしても飛び込み営業をしなくてはならない」
このような方は、この記事で紹介する「飛び込み営業のコツ・手順」を使えば、試行錯誤の時間を節約できます。
本記事で、旅行会社の営業マン向けの飛び込み営業について解説していきます。
Contents
【旅行会社の営業マン向け】飛び込み営業の3つのコツ
飛び込み営業の3つのコツ
1.期待しない
2.時間の有効活用
3.情報提供を目的にする
コツは売らないことです。
順番に解説します。
1.期待しない
期待すると心が折れます。
期待したくなる気持ちもわかりますが、心が折れては意味がありません。
期待せずに、淡々と訪問数を増やすことです。
ガツガツする気持ちはお客さまにも伝わります。
売らないことが大事です。
2.時間の有効活用
効率の悪い飛び込み営業を繰り返すよりは「既存企業へ訪問したついでに周辺企業へ飛び込み営業をする」と時間の有効活用になります。
飛び込み営業先が「既存企業」を知っていれば、親近感を持ってもらえます。
同ビル内であれば、興味を持ってもらえる可能性もあります。
「ついでに伺う感じ」でセールス色を消しましょう。
3.情報提供を目的にする
商品成約にギラギラするよりも「情報提供」を目的にすることです。
ギラギラすると売れません。
商品の成約を目的にしないことです。
情報提供するためのゴールは「名刺をもらうこと」。
成約よりも名刺をもらうことに注力しましょう。
名刺がもらえれば、名前・連絡先・メールアドレスがわかる。
↓
名前・連絡先・メールアドレスがわかると、メールアドレスで情報提供ができます。
↓
情報提供ができると、当社を印象づけられます。
役立つ情報をコツコツと発信すれば、お客さまに喜んでもらえます。
営業は情報発信です。
飛び込み営業の8つの手順
飛び込み営業の8つの手順
① 飛び込む
② お客さまと接触
③ 名刺をもらう
④ メールでアポイント
⑤ 電話でアポイント
⑥ ヒアリング
⑦ 改善案を提案
⑧ 深耕営業
順番に解説します。
手順① 飛び込む
重要なのは、飛び込む件数を増やすことです。
飛び込み営業は「せんみつ」と呼ばれています。
1,000件に3件の成約なのです。
飛び込み営業の成功率は低いです。
確率を上げるには、飛び込む件数を増やすこと。
成功率=飛び込み件数×アポイント数×問題解決数
慣れてくれば少しずつ確率を上げていけます。
手順② お客さまと接触
受付から総務部や秘書室などへ内線をします。
担当者が出てきてくれない場合は、受付に資料を置いてもいいかを確認。
担当者が出てきてくれる場合は、以下の手順で進めます。
キーマンかどうかの確認
大事なのは「出てきてくれた人がキーマンかどうか」です。
何の権限もない人と話していても意味がないです。
出張に旅行会社を使用しているか確認
・旅行会社を使っている → 出張があるので、資料を渡す
・旅行会社を使っていない → 自分で手配している可能性あり
・JRの駅から近い、遠い → JR出張はどうしているのか確認する
インハウス系の旅行会社を使っていても、相見積もりなどで他旅行会社を使用しているケースがあります。
また、受付の胡蝶蘭は移転したばかりの証拠です。
旅行会社を変えるかもしれないのでチャンスです。
名詞と資料を渡す
資料を渡すときに名刺交換ができると、後日の連絡や定期的な情報提供がしやすいです。
手順③ 名刺をもらう
お客さまとお話ができたら、名刺交換です。
「名刺をもらえる、もらえない」で、成約の確率が変わります。
名刺がもらえるメリット
・次回のアポイントが取りやすい
・メールで定期的に情報提供ができる
名刺がもらえない場合は、可能であれば「名前」だけでも教えてもらいます。
名前がわかれば、次回訪問ができます。
手順④ メールでアポイント
アポイントを取るときは電話でなく、メールを送ります。
理由は、電話は相手の仕事を中断するため嫌がられるからです。
メールでアポイント希望の連絡を送り、無視されたらラッキーです。
相手に罪悪感を与えると同時に、電話できる口実ができるからです。
電話をして次回のアポイントが取れれば、ヒアリングができます。
ヒアリングして提案ができれば、成約率は上がります。
アポイントが取れなければ、メールで定期的な情報提供に徹します。
手順⑤ ヒアリング
ヒアリングシートを使って、お客さまの現状を伺います。
ヒアリングは問題発見です。
小さな問題でもいいので、発見することが大事。
問題がない場合もあります。
問題がないなら、ないでOKです。
料金にとらわれず改善案を出してみましょう。
ヒアリングシートのテンプレは「旅行会社のヒアリングシートのテンプレート3つ【出張とMICE】」に掲載しています。
手順⑥ 改善案を提案
問題を解決できる提案をすることです。
ヒアリング内容とズレている改善案は、意味がありません。
「話を聞いていました?」となりますので、適切な改善案を出しましょう。
お客さまの出張状況は、企業により千差万別。
お客さまが何に一番困っているのか発見しましょう。
・BTMシステム提案
・ビジネスパック提案
・チケットデリバリー提案
・海外出張の相見積もり参加
・MICE案件の相見積もり参加
どこにニーズがあり、どこに重みがあるか、です。
「契約手続きが面倒」と思っているお客さまも多いので、契約手続きのハードルを下げるのもポイントです。
手順⑦ 受注契約
受注できたら、以下を進めます。
・契約書
・与信審査
直近の出張や、団体案件がないか、さりげなく確認します。
取引がスタートしたら、お礼の連絡をします。
手順⑧ 深耕営業
深耕営業で大事なことは2つ
1.聞くこと
2.紹介してもらうこと
順番に解説します。
1.聞くこと
各部署ごとに問題がないか、しらみつぶしに確認していきます。
・国内出張
・海外出張
・国内MICE
・海外MICE
エクセルなどのシートを使って、「お客さまとのトーク内容」を記録していきます。
理由は以下のとおり。
・次回の話のネタになる
・会話を覚えているアピール
・1年タームで見れば、企業の年間の流れや案件の有無がわかる
・引き継ぎが楽になる
お客さまとのトーク内容で記録すること
・日時
・担当者
・話した内容
・課題や次回の提案など
・渡したもの
担当企業の引き継ぎは、記録したトーク内容(エクセルシート)を送信するだけです。
新しい担当者はエクセルシートを見ることで営業の流れがわかるだけでなく、年間の案件の有無も見えるようになります。
問題発見・問題解決のために聞く姿勢に徹します。
定期的な情報提供を心がけ、セールス感を消すことも大事です。
2.紹介してもらうこと
営業の目的を「紹介」にします。
お客さまから「他のお客さま」を紹介してもらうのです。
理由は、売り込み感が消えるからです。
・売り込みを目的にするのではなく、紹介を目的にします。
・紹介してもらえれば、有益な情報提供ができます。
紹介してもらった人には、何を目的にするか。
紹介です。
ひたすら紹介で輪をつなげていくのです。
詳しくは下記記事でまとめています。
» 旅行会社の営業マンに必要な2つのスキル【聞く力/紹介してもらう力】
【旅行会社の営業マン向け】飛び込み営業のトーク例
飛び込み営業時のトーク例
飛び込み営業の手順②③です。
トーク内容は以下のとおりですが、時間をかけずに済ませます。
いつも大変お世話になっております。
○○トラベルの○○と申します。
弊社は国内・海外出張の手配をさせていただいております旅行会社ですが、ご担当の方はいらっしゃいますでしょうか?
〜〜〜担当の方が出てくる〜〜〜
【自己紹介】
御社ではご出張の手配はどのようになさっていますか?
【出張がない場合】
他の部署ではないでしょうか?
会議・研修や団体旅行などはありませんでしょうか?
(返答が何であれ)→よろしければ資料だけでもご覧ください。
【出張がある場合】
・旅行会社を使っている(出張がある)→よろしければ資料だけでもご覧ください。
・旅行会社を使っていない(自分で手配している)→よろしければ資料だけでもご覧ください。
〜〜〜担当の方が不在のため、代わりの方が出てくる〜〜〜
改めて伺いますので、どちら様までご連絡すれば良いでしょうか?
名刺・資料をお渡願えませんでしょうか?
〜〜〜最後に〜〜〜
弊社では皆さまのお役に立てる旅行情報をメールで配信しております。
よろしければお名刺などいただけないでしょうか?
不要であれば配信停止と返信していただければストップ可能です。
名刺がもらえれば、アポイント、定期的情報提供がグッと楽になります。
切り返しトーク例
切り返しトークの目的は、お客さまを追い詰めることではありません。
自分が慌てないためです。
切り返しトーク例
✔︎「個人で手配していますので不要です」
→出張者が立替で負担になっていませんか?
→総務部では社員の出張の把握、危機管理はできていますか?
→個人で手配している方を紹介してください。
→BTMシステムなら個人からでも申し込みが可能で、経費削減になります。
→出張費は適正価格ですか?
→調べたり、購入するのは手間ではないですか?
✔︎「既存の旅行会社があり、変更する予定はない」
→利用している旅行会社に不満はないですか?
→相見積もりで比較していただけるとコスト削減できます。
→ムダな手数料(送料、手配手数料)がかかっていませんか?
→不透明な請求はないですか?
→海外航空券は多くの会社が相見積もり(無料)をして、コスト削減しています。
→BTMシステムを入れることで全体のコスト削減に役立ちます。
✔︎「グループ会社を利用しなくてはならない」
→グループ会社利用ですと、出張費が高いとよく伺いますがいかがですか?
→緊急の出張対応はどうなさっていますか?BTMシステムは24時間対応可能です。
✔︎「本社で手配している」
→JR券など本社からの郵送の場合、送料もかかります。緊急の場合はどうなさっていますか?
→担当者のお名前を教えてください。
✔︎「ネットで手配している」
→調べるのが手間になっていませんか?弊社に丸投げしていただければ提案いたします。
→複数人で行く場合、座席指定など手間ではないですか?
→急な出張などで航空券を普通運賃で手配していませんか?
✔︎「総務で手配している」
→BTMシステムを使えば、危機管理、コストの見える化、一括請求が容易です。
→発着時間の調査など細かい確認が手間になっていませんか?
✔︎「EXカードを使用している」
→簡単な審査はありますが、BTMシステムでEXカードのご利用が可能です。
→JR東日本の手配はどうなさっていますか?
✔︎「国内出張がある」
→急な出張が多い場合に役立つ航空券があります。
→決まっている出張が多い場合は、7日前までに予約できるパッケージが手配できます。
→レンタカーや長期宿泊、会議・研修、社員旅行などはありませんか?
✔︎「海外出張をネットで手配している」
→発券手数料はいくらですか?
→複雑なルートの場合は、調べたりするのが大変ではないですか?
→変更手続きに困ったりしていませんか?
→EDカード・税関申告書・査証手配はどうなさっていますか?
✔︎「出張はないです」
→半年に一度もないですか?
→プライベート旅行はないですか?
お礼メールの例
飛び込み営業から帰社したら、遅くとも翌朝までにお礼のメールを送ります。
以下のとおり。
株式会社○○
総務部 ○○様
いつも大変お世話になっております。
本日伺いました○○トラベルの○○です。
本日は突然にも関わらず、貴重なお時間を頂戴し、誠にありがとうございます。
これを機会に今後ともよろしくお願い申し上げます。
資料の件以外でも何かご不明な点やご質問などございましたら、ご遠慮なくいつでもご連絡くださいませ。
以上、取り急ぎではございますが、お礼申し上げます。
アポイントのメール例
アポイントメールは3日以内に送ります。
以下のとおり。
株式会社○○
総務部 ○○様
いつも大変お世話になっております。
先日伺いました○○トラベルの○○です。
先日は突然にも関わらず、貴重なお時間をいただき、誠にありがとうございます。
今回、ご挨拶をかねてご出張の提案に伺いたくメールを差し上げました。
お忙しいところ大変恐縮ですが、下記日時で20分ほどお時間をいただくことは可能でしょうか?
--------------------------
2月19日 12:00〜15:00
2月20日 15:00〜18:00
2月21日 12:00〜15:00
--------------------------
いずれの時間帯も都合が悪い場合は、ご遠慮なくお申し付けくださいませ。
ご都合の良いお日にちがございましたら、お申し付けいただければ幸いです。
何卒よろしくお願い申し上げます。
アポイントの電話例
アポイントのメールをして1週間しても返事がない場合は、電話をします。
アポイントのメールの件は、ふれないで話します。
以下のとおり。
いつも大変お世話になっております。
○○トラベルの○○です。
先日は突然にも関わらず、貴重なお時間をいただき、誠にありがとうございます。
今回、ご挨拶をかねて資料のご説明に伺いたくお電話を差し上げました。
○月○日で20分ほどお時間をいただくことは可能でしょうか?
【日程が合わない場合は】
承知しました。
それではまた改めてご連絡させていただきます。
1〜2週間おいて、アポイントメールを送ってみます。
メールを無視された場合は、時間帯を変えて連絡をします。
お客さまからのQ&Aに備える
お客さまからのQ&Aを作成しておくことは2つのメリットがあります。
・お客さまに渡すだけなので、お互い時間の節約になる
・自社の社員レベルに関係なく、回答を統一できる
以下、準備しておいたほうが良いQ&Aです。
国内出張
Q.営業時間
Q.当日デリバリーの可否
Q.デリバリーの日時指定
Q.デリバリーの料金
Q.JR券以外のデリバリーの可否
Q.JR券の変更可否
Q.JR券のコスト削減の可否
Q.国内航空券のコスト削減の可否
Q.国内航空券のマイレージ管理
Q.ホテルのコスト削減の可否
Q.パッケージの申し込み期限
Q.キャンセル料について(JR、国内航空券、パッケージ、宿泊、レンタカーなど)
Q.個人旅行の手配可否(割引の有無)
Q.見積書作成の可否(無料、有料)
Q.請求書の分割
Q.売掛について
Q.送料
海外出張
Q.回答までのスピード(24時間以内など)
Q.海外航空券のデリバリー可否
Q.海外航空券の強い方面
Q.海外航空券のキャンセル料発生日
Q.海外航空券の座席指定
Q.海外航空券の発券手数料
Q.海外の専用車、査証、ホテル、Wi-Fi、通訳などの手配可否(手配手数料)
Q.海外航空券のマイレージ管理
Q.海外旅行傷害保険
Q.見積書作成の可否(無料、有料)
Q.請求書の分割
Q.売掛について
Q.送料
まとめ:飛び込み営業のコツ・手順・営業トーク例を知り、問題を解決しよう
飛び込み営業とはいえ、営業であることに変わりません。
営業は問題解決です。
お客さまの問題を発見して、解決して、喜んでもらう。
これだけです。
飛び込み営業の成約率は、たしかに高くはありません。
地道な作業で、心が折れることもあります。
それでも営業マンはお客さまの信頼を積み上げ、仕事をとっていかなくてはなりません。
キツいこともたくさんあります。
その気持ちはよくわかります。
お客さまの喜んだ顔を見るために、今日も営業していくのが営業マンです。
喜ばせるために少しずつ成長を積み上げていきましょう。
以上です。
P.S. お客さまの問題を解決します。
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