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添乗員、現地係員、現地添乗員の違いとは【バスガイドとの5つの違い】

2020年2月22日

添乗員、現地係員、現地添乗員の違いとは【バスガイドとの5つの違い】
  • 添乗員、現地係員、現地添乗員の違いを知りたい
  • バスガイドとは、どう違うの?

この記事はそんな方へ向けて書いています。

 この記事でわかること

  • 添乗員、現地係員、現地添乗員の違い
  • 添乗員とバスガイドの5つの違い

 本記事の信頼性

  • 経歴:新卒で旅行社に入社し19年8ヶ月、出張手配×法人営業×添乗
  • 資格:総合旅行業務取扱管理者、総合旅程管理主任者
  • 添乗:国内・海外計123本(一般団体、教育旅行、視察旅行)

旅行パンフレットの日程表に「添乗員、現地係員、現地添乗員」と書かれていても、違いがわかりません。
私は旅行業界に入ったときは違いがわかりませんでした。

本記事では、添乗員、現地係員、現地添乗員の違いを解説します。
添乗員とバスガイドとの違いもわかります。

添乗員、現地係員、現地添乗員の違いとは

添乗員、現地係員、現地添乗員の違いとは?

添乗員、現地係員、現地添乗員の違いを解説していきます。

添乗員:日本出発から帰着まで同行してくれる人

添乗員は「ツアーコンダクター」とも言います。

パッケージツアーや団体旅行に同行して、日本出発から到着までの旅程を管理し、旅行者が安全で楽しい旅ができるようにお世話をする人です。

仕事内容は「行程管理」と「安全確保」が2大業務

細かく言えば、ホテルやバス、レストランなどの予約確認の連絡から、バスの座席割、ホテルの部屋割、ツアー当日の受付、人数確認、簡単なガイド、トラブル予防・対応など、多岐にわたります。

行程をスムーズに進行させるために、旅行者同士の潤滑油になったり、気配りやコミュニケーション能力で団体をまとめていきます。

ツアーのハイライトでは雰囲気を盛り上げたり「楽しい旅の演出」も仕事です。
旅行中のあらゆる相談(たとえば自由行動での過ごし方やレストラン、ショッピングなど)にのってくれる人が添乗員です。

国内・海外を問わず、パッケージツアーや団体旅行に参加する旅行者の先頭に立ち、旗を持って先導している人です。

現地係員:現地でお世話をしてくれる人

旅行先の現地でのみ、お世話をしてくれる人です。

 仕事内容

  • 空港での出迎え
  • 乗り継ぎのお手伝い
  • 現地での簡単な観光ガイド
  • 現地での注意事項の説明
  • ホテルチェックインのお手伝い
  • 飛行機の搭乗手続きのお手伝い

「スポットで合流してサポートしてくれる人」という認識です。

1日ごとの割り振りのため「出迎えと見送りの人が違う」こともよくあります。

現地添乗員:現地空港到着から出発まで同行してくれる人

現地添乗員とは、現地空港到着から現地空港出発まで同行してくれる添乗員です。

日本人ではなく、現地人であることがほとんどです。

海外の添乗員付きパッケージツアーで一般的なのは、添乗員が日本から同行し、現地係員が空港で出迎えるスタイル。
しかし料金重視や海外旅行慣れしているお客さま向けに、日本からの添乗員同行を無くし「現地添乗員」を使うケースが増えました。

添乗員は日本の空港出発から帰国までフルサポートしますが「現地添乗員」は現地空港に到着してから現地空港を出発するまでが仕事。

1番大きな違いは、本格的なツアーガイドであることです。

語学力、観光地の歴史、文化にも精通しています。

プライベートで初めて香港に行ったときに「現地添乗員」にお世話になりました。
日本人ではなく日本語ができる香港の方でした。
香港空港に到着してから、香港空港を出発までをフルサポート。
行程管理からバス車内のガイド、食事のアテンド、観光地の案内など、すべてパーフェクトです。

例えるなら、日本国内の添乗員とバスガイドが合体したイメージです。

現地添乗員は資格取得の必要がありません。
代わりに海外で働くための就労ビザが必要。
就労ビザの取得が難しいときはワーキングホリデー制度のある国でアルバイト募集を探すのが多いようです。

添乗員とバスガイドの5つの違い

添乗員とバスガイドの違いを「5つの視点」から解説します。

 5つの視点

  1. 仕事内容
  2. 所属
  3. 資格
  4. 性別
  5. 国内と海外

1.仕事内容

添乗員は「行程管理」、バスガイドは「観光案内」が主な仕事です。

添乗員の仕事内容

  • 行程管理
  • 安全管理
  • 人数確認
  • バス座席の決定
  • チケットの受け渡し
  • 幹事さんとのやりとり
  • ドライバー、バスガイドへの指示出し
  • 各施設へのサービス内容の確認、精算業務
  • サービス内容に不備があった場合は代替案の提案
  • 時間管理(出発時間、集合時間、集合場所、休憩場所などの決定・案内)
  • 各施設への連絡・調整(バス会社、航空会社、ホテル、観光地、レストランなど)

添乗員の仕事は「行程管理」です。
旅行が行程通り進むように準備をするのが仕事。

添乗員は「マイクを持って案内する」というイメージかもしれませんが、あくまで「行程を円滑に進める」ためにマイクを持ちます。

観光案内はほとんどせず「行程の管理」のために集合場所・集合時間・注意事項・今後の流れなどを案内します。

バスガイドの仕事内容

  • 観光案内
  • ドライバーのサポート
  • バス車内のこと(お茶出し、ゴミ袋設置、車内清掃、バック誘導、カラオケやDVD操作など)

バスガイドの仕事は「観光案内」です。

観光地にまつわる情報提供、車窓から見える景色の案内など、お客さまを楽しませる仕事です。

他にも下記の役割もあります。

  • 車内点検
  • ゴミ袋設置
  • バス車内の清掃
  • お茶出しサービス
  • バスのバック誘導
  • 左折時の確認などドライバーをサポート

バスの関することは、バスガイドの仕事なのです。

唯一、バス座席を決定するのは添乗員の仕事です(募集型企画旅行の場合)
社員旅行など(受注型企画旅行)であれば、座席をどうするか決めるのはお客さまです。

社員旅行などで添乗員なしで、バスガイドだけのケースもあります。
この場合、行程の管理をするのはバスガイドではなく、幹事さんの役割。

バスガイドは必要な観光時間や集合時間、集合場所のアドバイスはしますが、行程管理はしません。
行程管理には資格が必要だからです。

バスガイドが観光地の中まで同行して観光案内をすることは「ガイドのサービス」です。
現地の観光スポットの案内は、バスガイドの仕事ではないからです。

同じように添乗員がバス車内で観光案内をすることは「添乗員のサービス」です。
添乗員がガイドを兼ねるツアーもありますが、稀です(特化した視察ツアーなど)

2.所属

おもに添乗員は「添乗員派遣会社」、バスガイドは「バス会社」に所属しています。

添乗員の所属先

  • 添乗員の派遣会社
  • 旅行会社の正社員(営業マン)
  • フリーランス
  • アルバイト

添乗員の9割は「添乗員派遣会社」に所属しています。

JTB、クラブツーリズム、エイチ・アイ・エスなど様々な添乗員付ツアーがありますが、添乗員のほとんどは添乗員派遣会社から来ています。

まれに旅行会社の営業マンの添乗もありますが、主流は添乗員派遣会社への依頼です。
旅行会社の営業マンが添乗すると、営業の時間が減るからです。

ただ社員旅行や視察旅行など営業で受注した仕事には、自分で添乗することもあります。
お客さまには「打ち合わせからツアー実施」まで一貫してやりとりする営業マンが安心だからです。

他にはフリーランスで活躍している方もいて、指名添乗が入るスキルを持っている方もいます。

バスガイドの所属先

  • バス会社
  • 派遣会社
  • フリーランス
  • アルバイト

バスガイドはバス会社に所属しています。

バス会社の正社員です。

派遣社員のバスガイドもいます。
バス会社はいくつか派遣会社と契約をして、バスツアーにバスガイド割り当てていく感じです。

フリーランスのバスガイドもいます。

私が添乗していたとき、フリーランスの方がいらっしゃいました。
その方はもともとバス会社所属のバスガイドでしたが、育児などでいったん辞めてからフリーランスになり、元のバス会社から指名されるようになりました。

3.資格

添乗員には「旅程管理主任者」の資格が必要で、バスガイドに資格は不要です。

添乗員の「旅程管理主任者」はバス3台口などの大型団体の場合、1人だけ資格を持っていれば問題ありません。

詳しくは「添乗員資格「旅程管理主任者」の取得方法と難易度【合格率90%】」で解説しています。

バスガイドに資格は不要ですので、添乗員がバスガイドのように観光案内をしても問題ありません。

逆に「旅程管理主任者」の資格を持たないバスガイドが、行程管理はできません。

4.性別の違い

添乗員のほとんどは女性です。
バスガイドの99.9%は女性です。

添乗員の9割は添乗員派遣会社の所属で、内訳は女性が75%、男性が25%がです。
ほとんどが女性なのです。

旅行会社に所属している添乗員は、経験上、男性の割合が多いです(営業マンは男性が多いため)。

バスガイドは99.9%女性です。

経験上、男性のバスガイドに会ったことがありません。

唯一の男性バスガイドは「はとバス」で誕生しました。
» はとバス、初めて男性バスガイドを採用、女性バスガイドが運転士に職種変更も

5.国内と海外

添乗員は国内でも海外でも「行程の管理」「安全の確保」の点では同じです。

バスガイドは、海外と日本国内では役割が少し違います。
※海外では「バスガイド」とは呼ばず「現地ガイド」と呼びます(以下、現地ガイド)

 現地ガイドの役割

  • 観光案内
  • 両替アシスト
  • 添乗員のサポート
  • 空港〜ホテルの送迎
  • 飛行機のチェックインアシスト
  • ホテルチェックイン、チェックアウト

「海外の現地ガイド」と「日本国内のバスガイド」の大きな違いは、添乗員へのサポート比重です。

現地ガイドはバス車内のことよりも、添乗員の行程管理業務に全面的にサポートする姿勢が見られました。
観光案内よりも、添乗員サポートが優先順位は高いのです。

あるツアーでは行程の確認、先々の確認の連続でした。
添乗員の味方になってくれます。

添乗員の出る幕がないツアーもありました。
添乗員は「ツアーが順調に回っているか」を確認しながら、付き添うだけです。
添乗員の存在感ゼロになるので工夫が必要です。

 海外現地ガイドの仕事の一例

お客さまと添乗員の到着に合わせて空港で出迎え、専用車で宿泊ホテルへ向かいます。
車内ではその国の簡単な説明(時差、通貨、両替、電話や郵便ん、飲み水、治安、ショッピングや免税、公共交通機関の利用方法、チップ、注意事項など)、添乗員との行程確認などを行い、到着後はホテルチェックイン。

滞在中は観光地の歴史や文化についてのガイド、買い物の付き添い、レストランや、ショッピングのおすすめスポットなどの案内、お客さまのご希望に応じたサポート。
お客さまが出発するときは、宿泊ホテルでチェックアウトのサポート、スーツケースの積み込み確認をしてから空港まで送迎。
車内では、空港到着後の流れ、フライト時間や到着時間、空港内での免税などについての案内をします。
空港到着後は飛行機のチェックインのサポートをして終了。

添乗員とバスガイドは、ツアーの両輪

2人3脚でうまく回ることで、ツアーの快適さ、楽しさに影響が出てきます。
ドライバーが加わり、三位一体のバランスが取れたとき、ツアーは成功に近づきます。

バスガイドやドライバーは頼りになる味方です。
何度助けられたことか、わかりません。

新人の頃もバスガイドさん、ドライバーさんがいて、心強かったです。

お客さまは、添乗員とガイドの違いを理解できると「どこでどんな場面でどちらに頼ればいいのか」がわかり、旅行を楽しめます。

まとめ:旅は安心安全が確保されてこそ

添乗員、現地係員、現地添乗員の違い

海外旅行に慣れていない人や、初めて行く国の場合は、できるだけ添乗員や現地添乗員付きツアーで行くのが良いです。
海外旅行に慣れてきたら、現地係員のみお世話になる個人旅行にすれば自由度は上がります。

  • 「ビーチリゾートでただのんびりしたいだけ」
  • 「初めての国だけど情報は収集してるから大丈夫」
  • 「臨機応変に対応するから問題なし」

上記のように思う方もいるかもしれません。

しかし、旅は安全が1番です。

以上です。

P.S. 旅のスタイルや目的に合わせて、判断していきましょう。

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