- 「旅行会社の営業マンに必要なスキルは何だろう?」
- 「旅行会社の営業マンに旅行知識は必要なのかな?」
この記事はそんな方へ向けて書いています。
必要なスキルは2つだけです。
- 聞く力
- 紹介してもらう力
本記事の信頼性
- 経歴:新卒で旅行社に入社し19年8ヶ月、出張手配×法人営業×添乗
- 保有資格:総合旅行業務取扱管理者、総合旅程管理主任者
- 添乗経験:国内・海外計100本ほどで、一般団体・教育旅行・視察旅行
この記事を書いている私は「聞く+紹介してもらう」の2つを実践してから、予算達成できるようになりました。
トップセールスも何度か経験しました。
本記事では「旅行会社の営業マンに必要な2つの力」を解説します。
この記事を読むことで、営業マンに必要なスキルを知り、お客さまから仕事を受注できる営業マンに変われます。
Contents
旅行会社の営業マンに必要な2つのスキル【聞く力/紹介してもらう力】
旅行会社の営業マンは、仕事を獲得しないといけません。
場合により、営業から手配、添乗までやります。
旅行知識や手配力、情報収集力なども重要ですが、「営業力」が必要です。
どんなに豊富な知識があっても、売り上げが上がらないと意味がありません。
仕事を獲得するために必要なスキルは2つ
① 聞く力
② 紹介してもらう力
順番に解説します。
その①:聞く力
なぜ聞く力が必要なのか?
理由は、お客さまの問題を発見するためです。
営業マンの仕事は問題解決です。
問題解決するには、問題を発見しなければいけません。
問題発見に必要なことは、聞くことです。
売れない営業マンは、問題やニーズのないところでひたすら売っています。
問題やニーズのない場所で売っても売れません。
需要がないからです。
どこに需要のあるかは、お客さまに聞くことが最適解です。
営業マンの仕事は、問題が発見できれば8割完了なのです。
ヒアリングシートのテンプレは「旅行会社のヒアリングシートのテンプレート3つ【出張とMICE】」に掲載しています。
豊富な知識があっても、売れないのは当たり前
「豊富な旅行知識」や「素晴らしいトークスキル」を持っている人がいます。
彼らがトップセールスマンかどうか?
いいえ、違います。
旅行知識やトークスキルで差別化はできません。
旅行知識はググれば解決します。
お客さまは細かいところまで調べています。
お客さまは流暢なトークを求めていません。
時間を奪うトークは不要です。
重要なのは聞く力です。
ヒアリングです。
まずはヒアリングしないと、検討はずれの提案をしてしまいます。
提案の精度を上げるために、「聞くスキル」を上げていく必要があるのです。
その②:紹介してもらう力
重要な力です。
理由は、紹介のお客さまのほうが、新規のお客さまより信頼してもらえるからです。
信頼のハードルが下がっているのです。
仕事獲得には信頼関係が大事です。
信頼していない人から物は買いません。
信頼している人から物を買います。
紹介してもらったお客さまからは信頼してもらえる可能性が高いです。
信頼してもらえると売れやすいです。
信頼をコツコツを積み上げていくのが、営業マンの仕事
例えるなら、富士山の麓から山頂まで愚直に登っていくのが営業マンです。
コツコツと山頂まで信頼を積み上げていくのです。
ただし、紹介は別です。
紹介してもらう人によりますが、一気に5号目や山頂までショートカットできるのが紹介の良さです。
コツコツ積み上げなくても、仕事獲得までの距離を縮めてくれるのです。
先輩から既存企業の引き継ぎをして、そのまま仕事をもらえるのは前任者の信頼の蓄積があるからです。
「紹介してもらうまでが大変なんです」という意見があるかもしれません。
確かにそのとおりです。
信頼関係がないと紹介してくれないからです。
どうやって紹介してもらうか?
小さな問題解決の継続です。
信頼がたまりお客さまのキャパシティからあふれ出した分だけが「新しい仕事や紹介」になって戻ってきます。
小さい仕事をおろそかにしてはいけません。
小さい仕事こそ信頼が蓄積されるからです。
経験的にいって、小さい仕事ほど速く丁寧にやるべきです。
誰でも小さい仕事は儲からないので軽視しがちだからです。
小さい仕事こそ差がつくのです。
お客様を紹介してもらうタイミング:購入直後
「不変のマーケティング」から引用します。
あなたの会社が、お客に紹介依頼をしたとする。お客は、あなたの会社が迷惑・強引な営業を行えば、友達を失うという大きなリスクを抱えることになる。だから、お客は購入した商品・サービスに満足し、そして、あなたの会社を120%信頼していないかぎり、友達を紹介することはない。
逆に考えれば、購入した商品・サービスに満足し、あなたの会社を120%信頼するタイミングを狙えば、紹介効率は良くなるはずである。そこで、紹介を依頼するタイミングは、あなたの会社を信頼する瞬間……つまり「購入直後」になる。出典:『不変のマーケティング』
お客さまが喜んでいるときなので、気持ちも高揚しています。
そんなときに「誰か紹介してください」とお願いするのは気が引けます。
ただし、タイミングとしては唯一の「あり」です。
どうでもいいときに「紹介依頼」することはNGです。
お客さまには「面倒な仕事」が増えるだけですから、何のメリットもないのです。
旅行会社の営業マンに旅行知識はいらない?重要なのはニーズがあるかどうか
旅行知識は重要ですが、大事なのはニーズがあるかどうか。
役に立たない知識はゴミです。
ニーズのある旅行情報が重要
たとえば、視察旅行(30名参加)の見積もりを3パターン欲しいお客さまがいて、下記のように思っているとします。
- 「当社の工場に関係のあるマレーシア、タイ、米国へ視察する3パターンの見積もりが欲しい」
- 「視察時期は秋ごろを予定しているが、どこが良いかな?」
上記のお客さまに必要な情報は以下のとおり。
- マレーシア
- タイ
- 米国
上記以外の情報は的はずれです。
お客さまには時間のムダで、迷惑です。
旅行情報はあくまでお客さまにニーズがあるかどうか。
「じゃあ、普段からの情報収集は不要なの?」という意見もあるかもしれません。
普段からの情報収集は必要です。
ただし、あくまでお客さまに聞かれたり、必要なときに情報提供する感じです。
あるいは迷惑にならないようにメールで情報を送ります。
必要とされていない情報を渡すためにお客さまに会うのは「時間を奪う」のでNGです。
総合旅行業務取扱管理者の資格はいらない?
総合旅行業務取扱管理者の資格はあったほうが良いです。
理由は3つです。
- 就職や転職に有利になる
- 必要最低限の知識が得られる
- 名刺に資格名があることで信頼につながる
順番に解説します。
① 就職や転職に有利になる
国家資格なので、就職や転職に有利です。
新卒で旅行会社に入ろうと思っている方は、在学中に「国内旅行業務取扱管理者」だけでも合格しているとポイントは高いです。
「勉強している」という姿勢だけでも重要です。
うちの会社に転職してきた人は、旅行業界未経験の人もいましたが独学で資格取得していました。
資格は「ちゃんと勉強できる」「努力できる」という証拠です。
② 必要最低限の知識が得られる
「総合旅行業務取扱管理者」の資格だけあれば、旅行業界は十分です。
これだけで営業に必要な知識が得られます。
他の知識はその都度、お客さまのニーズに合わせて勉強すれば問題なしです。
やる気のある人は「週刊トラベルジャーナル」で定期的な情報収集をしても良いかもしれません。
自腹で3年ほど購読していましたが、お客さまのニーズに合っていたかは微妙です。
旅行業界の内輪のニュースが多いからです。
業界情報は「トラベルビジョン」をチェックしておけば十分です。
情報で他と差別化したい場合は「週刊トラベルジャーナル」です。
③ 名刺に資格名を書くことで信頼につながる
名刺に保有資格として「総合旅行業務取扱管理者」と記載がある営業マンと、記載のない営業マンだったらどちらが信頼できるか?
資格名が書いてある営業マンです。
他に打ち込んでいる趣味などを書いた「自己紹介カード」も効果的です。
ただし、あくまでお客さまが「営業マンに関心を持ったとき」にそっと渡すものです。
まとめ:お客さまのニーズやリクエストを知り、問題解決をしよう
知識志向になると視野が狭くなりがちです。
知識の先にお客さまがいるなら良いですが、いない場合は自己満足で終わります。
営業マンの仕事は、問題解決です。
問題解決のために何が必要か、考えましょう。
- 知識かもしれません
- 新しい情報かもしれません
- 新しいシステムかもしれません
問題解決のためには、問題発見が必要です。
お客さまに焦点を当てて考えることが重要です。
最後に何度も繰り返し読んだ本を紹介します。
参考図書①:押し売りしない営業のコツが身につく本
参考図書②:紹介営業のコツを知りたい人におすすめ
以上です。
P.S. お客さまの問題を発見します。
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