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海外添乗のアクシデント事例と対策方法【『ツアーコンダクター私の仕事』より引用】

2020年2月6日

添乗員アクシデント対策

親愛なる君へ

  • 「海外添乗のアクシデント事例と対策を知りたい」

この記事はそんな方へ向けて書いています。

本記事では、アクシデントだらけの添乗記録を書籍『ツアーコンダクター』より引用して解説します。

この記事を読むことで、添乗時のアクシデントの対策方法を知ることができ、添乗で役立てることができます。

 本記事の信頼性

本記事を書いている私は新卒で旅行会社に入社し、18年間、法人営業を担当。
添乗回数は国内・海外合わせて100本ほどで、一般団体・教育旅行・視察旅行の添乗経験があります。

残念ながら本を読んだだけでは、添乗のアクシデントを切り抜けることはできません。
本を読んで実際に経験して、行動して乗り越えて、初めて自分のスキルとして引き出しが増えます。

書籍『ツアーコンダクター』は1989年に発売された本です。
「内容は古くても参考にしたい」という向上心のある方だけ、続きをご覧ください。

こーいち
こんなにトラブルばかりの添乗は稀です。
トラブルを網羅的に解説していきます。

目次

海外添乗のアクシデント事例と対策方法【『ツアーコンダクター私の仕事』より引用】

添乗員アクシデント事例と対策

日程表『ドイツ・スイス+三大都市 13日間』

日時内容
1日目NH376便 名古屋07:50→成田08:50、JL562 新千歳15:00→成田16:35 LX163 成田21:00→
2日目チューリヒ06:05 チューリヒ07:20→ローマ08:50 着後、ローマ市内観光 ローマ2泊
3日目終日自由行動
4日目LX603 ローマ09:45→チューリヒ11:25、チューリヒ13:00→フランクフルト14:10 ハイデルベルク泊
5日目ロマンチック街道 フュッセン泊
6日目ルツェルンへ ルツェルン泊
7日目ユングフラウヨッホ観光 インターラーケン泊
8日目TGV924 ジュネーヴ13:01→パリ16:38 自由行動 パリ2泊
9日目パリ市内観光、午後は自由行動
10日目AF814 パリ14:30→ロンドン14:30 ベルサイユ宮殿観光、ロンドン市内観光 ロンドン2泊
11日目終日自由行動
12日目バンコク経由で帰国の途へ ロンドン09:50→チューリヒ12:50、チューリヒ14:05→
13日目バンコク06:40、バンコク11:15→成田19:00 空港にて解散
14日目NH375 成田09:40→名古屋10:40、JL565 成田17:55→新千歳19:25

引用して、解説します。

海外添乗のアクシデント事例と対策 ① 飛行機の遅延

アクシデント
LX163便がエンジントラブルのため2時間遅延。
成田発23時になるとチューリヒ着が8時頃になる。予定ではチューリヒ発07:20のLX610便に乗り継がなければならないが、不可能となる。

対策
まずLX610便にわれわれの到着を待っているように強く交渉したが不可能とのこと。そこでチューリヒからの便を他のフライトにエンドースさせる交渉をしたがすぐにOKは出ない。そこで予定通りであればバッゲージをローマまでスルーで流すが、ロストバゲージの可能性があるのでとりあえずチューリヒで止める。なおエンドースの件はチューリヒに到着しないとわからない。

大事な点は3つです。

1.乗り継ぎ便が確定していないときは、バゲージをスルーチェックインしない
2.お客さまにきちんと「航空会社の責任」ということを説明すること
3.添乗員は不安でも、お客さまに不安な気持ちを見せないこと

バゲージについては言うまでもありません。

お客さまにはきちんと事情を説明するのは、添乗員の責務です。
添乗員に非はないのですが、責任の所在を明らかにしておきます。

お客さまも不安ですが、添乗員は堂々としていることです。
添乗員が不安な気持ちを前面に出すと、信頼してもらえなくなります。

航空会社に責任があるので後続便に振り替えてもらえるのは当然ですが、不安な気持ちのまま長時間のフライトを過ごすのはキツいはず。

こーいち
早くチューリヒ空港に到着して、対応したいところです。

海外添乗のアクシデント事例と対策 ② 航空会社との交渉

アクシデント
チューリヒのLXのトランジットカウンターにて確認をしたが、まだローマまでの代替のフライトは取れていない。

対策
カウンターの係員ではらちがあかないので、マネージャーを読んで交渉したところやっとのことで予定より3時間遅れのアリタリア航空にエンドースが出来た。荷物はチューリヒ止めにしているので、その旨を伝え、AZに積み換えてもらう。

誰に交渉するかが大事です。

決定権のある人に交渉すると、すんなり解決することがあるからです。

私の経験は下記記事で解説しています。

海外添乗のアクシデント事例と対策 ③ ひったくり

アクシデント
自由行動日に一人のPAXが2人乗りのバイクの男にバッグごとひったくりにあう。その中にはパスポート、現金US$300、マスターカード等が入っていた。

対策
まず最寄りの警察署へ出向き盗難証明書を発行してもらう。次にローマの日本大使館へパスポート再発給の申請をする。そしてカード会社へ紛失届けをして使用不能の手続きをする。なおパスポートの再発給まで3日間かかるとのことなので、PAXの世話をランドオペレーターに依頼し、その後の合流までの案内も依頼する。

 添乗員の仕事は2つ

・行程の管理
・安全の確保

「安全の確保」をすることは、「行程の管理」することにつながります。

「安全の確保」のためにトラブル予防の案内を徹底すれば、トラブルが減るからです。
トラブルが減れば余計な時間のロスがなくなり、行程が乱れなくなります。

上記のようにトラブルが発生すると、その対応で時間を取られます。
迷子や集合時間の勘違い、盗難、紛失など、トラブルが行程を狂わせます。

パスポート紛失の対応について下記記事で解説しました。

海外添乗のアクシデント事例と対策 ④ ロストバゲージ

アクシデント
フランクフルトにてロストバゲージが2個出る。

対策
Lost&Foundにて所定の手続きをしてPIRを発行してもらう。その結果、夜になって無事発見されLXよりわれわれの宿泊先に届けられた。

ロストバゲージは経験したことがありませんが、ヨーロッパ方面の添乗は経験している添乗員が多いです。

ロストバゲージの英会話は下記記事で解説しました。

海外添乗のアクシデント事例と対策 ⑤ 夕食場所が取れていない

アクシデント
ハイデルベルグの夕食場所がオーバーブックのため、われわれの席が取れていない。

対策
しつこく交渉をしてももうすでに他の団体が入っていてどうにも出来ない。レストランのマネージャーにプッシュしてそこよりグレードの高いレストランを予約させる。PAXにはお詫びとして飲み物のサービスをする。当然飲み物代はランドオペレーターに請求する。

事前に予約確認の連絡を入れておくことが大事です。

理由は以下のとおり。

・早めにトラブルがわかれば交渉する時間が取れる
・レストランに行ってから交渉すると時間のロスになる

面倒でも予約確認の連絡を1本入れておくことです。

経験談ですが事前にレストランに下見に行って、希望どおり予約が取れていなかったことがあります。
下記記事で解説しました。

他にも実際にレストランに行ったら予約が取れていなかったことがあります。
海外は日本と違い、いい加減なレストランもあるのです。

交渉しても開き直るのでタチが悪いです。

権限のあるマネージャークラスに交渉することが大事です。

海外添乗のアクシデント事例と対策 ⑥ バゲージを持っていかれる

アクシデント
バッゲージダウンをしてロビーで確認した際個数はあったが、出発のときに最終チェックをしたらどうしても1個足りない。

対策
ポーターと手分けして探し回ったが見つからない。恐らく他の団体が間違えて持って行ったと思われる。本日チェックアウトした団体を調べて後で連絡を取るしかないと判断して出発する。

スーツケースにネームタッグをつけるのは、「安全の確保」のひとつです。

ネームタッグをつけていても、バゲージを持っていかれることがあります。

体験談

サイパン空港到着時にスーツケースを間違えて持っていこうとした人がいました。
会社のネームタッグ(目立つ色)をつけていたので、すぐ声をかけ、取り戻すことができました。

下記が大事です。

・ネームタッグは必ずつけてもらう
・ネームタッグは目立つ色にする

白のネームタッグは多いので、避けたほうが良いです。

こーいち
スーツケースがなくなったお客さまは旅行を楽しめなくなります。
荷物管理も添乗員の大事な仕事です。

海外添乗のアクシデント事例と対策 ⑦ バゲージが見つかる。引き取り方法

アクシデント
フュッセンのホテルにチェックインした際、他のグループの添乗員からメッセージが入っていた。やはり間違えて持って行ったとのこと。

対策
お互いの行程を確認したところ相手グループは10日目の3/14にパリに入る予定。われわれはその日にパリアウトなのでCDG空港のエアフランスのカウンターに預けておいてもらうように依頼。なおそれまでの着替えや身の回り品はPAXに購入してもらい、その費用については相手先の添乗員と私との折半にて負担。

スーツケースの引き取り方法として、空港が使えるというのは初耳でした。
一つの方法として覚えておいて損はないです。

海外添乗のアクシデント事例と対策 ⑧ 夕食時のアトラクションの予約ができていない

アクシデント
ルッツェルンでの夕食はヨーデルを聴きながらと日程表にはあるが、実際に行ってみるとランドオペレーターからそういう予約にはなっていないといわれる。

対策
急遽ヨーデルを入れてくれるように依頼したが手配つかず、PAXには謝罪をしてヨーデルの音楽だけを流してもらい、シャンパンのサービスをする。

添乗先でも、常に先々の予定について事前確認をすることです。

到着初日にガイドに全日程の予約再確認をさせるくらいが良いです。

レストランに到着してから手配ができていないことに気づいても、どうしようもありません。
レストランにシンガーを入れたり、演奏を入れたりするのは当日にできる話ではありません。

確認、確認、確認が添乗員の仕事なのです。

確認については下記記事で解説しています。

海外添乗のアクシデント事例と対策 ⑨ 天候により列車のダイヤが乱れる

アクシデント
ユングフラウヨッホ鉄道が天候不順のためダイヤが大幅に乱れ予約していた便がとれず、何時の列車に乗れるかまったく見通しがつかず。

対策
この日は幸いにもインターラーケン宿泊なので多少遅れても影響はないが、10人近くの添乗員でごった返していたのでとにかくカウンターの一番前に待機して次の列車にすぐに乗ることが出来た。

天候不順のためなので、添乗員に責任はありません。
交渉しても列車が動くことはないので、カウンターに並ぶ方法は適切な対処法です。

この辺は経験がないと判断できないです。
ガイドも慣れているので協力して判断、決断したいところ。

海外添乗のアクシデント事例と対策 ⑩ 天候により列車のダイヤが乱れる

アクシデント
予定のTGVが指定券があるにもかかわらず、他の団体が座っていた。

対策
われわれのグループも指定席券を持っているのだからコンダクターに何とかするように強く要請する。しかし最初から座っているPAXも指定券を持っていたので結局はダブルブッキングと判明。仕方がないので何とか空いている席を見つけて号車も大分離れてしまったがバラバラに座ってもらう。こちらの誠意を少しでも見せるべく飲物を購入して、それぞれのPAXに配って回る。

他に席がないのであれば、どうしようもないアクシデントです。

体験談

添乗員に責任はないですが、大渋滞にハマってしまった時はサービスエリアで買った「肉まん」を配ったりしたこともあります。
お腹が減ると、お客さまもイライラしがちだからです。

食べ物や飲み物でカバーするのは効果的です。

海外添乗のアクシデント事例と対策 11 渋滞により空港到着がギリギリになる

アクシデント
パリを出発する際に余裕を持ってホテルを出発したが、途中事故で出発時間1時間前に空港到着となる。免税品のRe-taxの手続きをしなければならないが、長蛇の列でとてもしている時間がない。

対策
情報によればEU間であればRe-taxの手続きはどこでも可能と聞いているので、とりあえず次の訪問地ロンドンで手続をしてもらうよう案内する。最悪の場合は成田の税関でスタンプを押してもらいパリへ郵送する方法をとる。

空港に向かう際は十分な余裕を持って向かうよう、出発時間が設定されています。
それでも渋滞などでギリギリになってしまうことはあるものです。

多少、早すぎるかなと思うくらいの出発時間でOKです。

こーいち
間に合わなかったらシャレになりません。

海外添乗のアクシデント事例と対策 12 バゲージにダメージが見つかる

アクシデント
成田到着後、荷物を確認したところダメージバゲージが2つあった。

対策
成田空港南ウィング1階にあるLXのカウンターにて航空券とそのバッゲージを持って行き所定の手続きをとる。修理をした領収書をLXへ送付すれば個人の預金口座へ振り込まれるという案内をする。

成田空港に到着しても、ロストバゲージやダメージバゲージの心配がありますので油断はできません。
最後まで添乗員のケアが必要です。

【まとめ】海外添乗のアクシデント事例と対策方法【他人の経験を自分の経験にしよう】

添乗員アクシデント事例対策

本記事では、海外添乗のアクシデント事例と、その対策方法について解説しました。

アクシデント対策のためのノウハウはいろんなパターンを持っていたほうがいいです。
年数をこなして、場数を踏んで継続していけば、自然と身につきます。
何か事故が起きても、短時間で適切な対処法が出せるようになります。

ツアーは何もなければ、普通に動いていきます。
添乗員は事故があったときに、的確に処理できるかどうかが大事です。

他人の経験は、自分の力になります。
トラブルを乗り越えられる人は、経験豊富な人ですが、「経験談」を知っている人も乗り越えられます。

「失敗の経験」や「失敗談」を知っている人は強いです。

自分が経験しなくても、他人の経験を自らの経験にすることはできます。

下記に添乗で参考になった本を載せておきます。

感動を創造する海外添乗員で世界すべての国を行く働き方【梁瀬 昌宏】

失敗談、経験談を知ることができます。


海外添乗員
感動を想像する海外添乗員
株式会社マンデラのオーナーが書いた海外添乗員の働き方がわかる本【読書感想文・書評】失敗から気づきを得る

続きを見る

本の内容は、下記記事で解説しています。

「日本一の添乗員」が大切にする接客の作法【原 好正】

日本一の添乗員のノウハウを知ることができます。
添乗で一番役立った本です。


日本一の添乗員
日本一の添乗員
日本一の添乗員が書いた接客の作法がわかる本【読書感想文・書評】添乗とは究極のサービス業

続きを見る

本の内容は、下記記事で解説しています。

以上、『海外添乗のアクシデント事例と対策方法【『ツアーコンダクター私の仕事』より引用】』の記事でした。

こーいちより

P.S. 海外添乗のアクシデント事例と対策方法を知ろう。

 一番面白かった派遣添乗員の本


ヘトヘト日記
派遣添乗員の日常がわかる本【読書感想文・書評】添乗員の辛さ、面白さを知る

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