- 「添乗員の仕事内容について知りたい」
- 「添乗員の仕事のやりがいはどんな感じだろう」
この記事はそんな方へ向けて書いています。
本記事では、添乗員の仕事内容について解説します。
この記事を読むことで、添乗員の大まかな仕事内容を知ることができます。
本記事の信頼性
本記事を書いている私は新卒で旅行社に入社して、19年8ヶ月、法人営業として勤務してきました。
添乗回数は国内、海外を合わせて計100回ほどで、一般団体・視察旅行・教育旅行の添乗経験があります。
添乗員の仕事内容とは?【添乗歴18年のツアーコンダクターが解説】
添乗員の仕事内容は2つです。
添乗員の仕事内容
- 旅程を管理する
- 安全を確保する
添乗員の呼び名から、ざっくり解説していきます。
団体旅行の指揮者
人気のカタカナ職業のひとつ「ツアーコンダクター」
これを略した「ツアコン」、「コンダクター」という呼び名もありますが、旅行業界の現場では三字熟語の「添乗員」という呼び名が最も多く使われています。
ツアーコンダクターの「ツアー」は、もちろん英語で「旅行」のことです。
単にそれだけの意味ではなく日本独自の「団体旅行」を指し、「コンダクター」は英語の「指揮者、案内人」です。
ツアーコンダクターは「団体旅行の指揮者」「団体旅行の案内人」という実際の仕事を表す和製英語なのです。
「ツアーコンダクター」という呼び名
海外旅行が一般的になってくるにつれて広く使われるようになり、特に若い人たちの間でカッコいい職業名として定着するようになりました。
しかし、ほとんど毎年、海外旅行者数の最高記録が更新されるほど海外旅行が活況を呈していても、海外旅行のパンフレットや新聞広告で使われているのは「ツアーコンダクター」ではなく、大半が「添乗員」のほうです。
「添乗員」という呼び名は、もともとは、国鉄(JRの前身)やバス会社などの乗り物で、運転手以外に乗客のお世話をする人を称したものでした。
それが、異なる職種の「団体旅行に付き添って旅程(旅行の行程)を管理し、旅行社をお世話する人」を称した呼び名になり、世間で広く使われ、今なお広く使用されています。
国鉄時代の名称が、理屈抜きで慣用語として使われているわけです。
旅行業界では「添乗員」という呼び名が主流
雑誌やTVのトレンディドラマなどに登場するときや、若い人たちの会話では、俄然「ツアーコンダクター」や「ツアコン」が主流です。
旅行業界では、依然「添乗員」という呼び名が主流になっています。
このように「ツアーコンダクター」と「添乗員」とは、どちらも同じ職種の名称なのです。
本記事では「添乗員」という呼び名で話を進めていくことにします。
ちなみに、欧米でよく使われるのは、ツアーリーダー、ツアーマネージャー、ツアーディレクターなどです。
日本のツアーコンダクターと仕事内容の違いもあります。
- Tour Conductor
- Tour Escort
- Tour Leader
- Tour Manager
- Tour Director
スムーズで楽しい旅行を演出する
ツアーコンダクターは、文字どおり「団体旅行の案内人」「団体旅行の指揮者」です。
その立場は、旅行業法では「旅程管理業務を行う者」(=旅程管理者)と表されています。
どんな仕事かを大まかにいうと、「ツアーに同行して、出発から帰着まで旅程を管理し、旅行者が安全で、楽しい旅ができるようにお世話すること」です。
基本となる仕事は「旅程の管理」
旅程とは「旅行の日程」で、募集用パンフレットに掲載された「○月○日航空を利用して○○都市に行き、○○遺跡と○○美術館を訪れ、昼食は○○レストランで○○料理、宿泊は○○ホテルのオーシャンビューの部屋…」といったスケジュール、サービス内容のことです。
旅程の管理とは、この内容を管理することです。
具体的には、飛行機・鉄道・バス・などの交通機関、ホテルなどの宿泊施設、レストラン、観光施設などが、旅行会社が予約、依頼してあるとおりにサービスを提供しているかどうかのチェック。
日程どおりに旅を進行させることです。
パンフレットで約束したサービスを提供する手配をしたり、臨機応変な対処が必要です。
たとえば、飛行機が飛ばないトラブルが生じたら、代わりの飛行機か他の乗り物の手配をしなければなりません。
また、スムーズな団体行動で日程を順調に進められるように、旅行者同士の潤滑油になったり、コントロールしたりして、場に応じた気配りと采配で旅行者をまとめていかなければなりません。
旅程の管理で大事な任務は、旅行者の安全を確保すること
旅行者の健康への配慮、衛生・治安などの情報を提供したり、注意を促したりして、アクシデントやトラブルの防止に最大限努めます。
旅行者が病気になったり、交通事故に遭ったりしたときには迅速に、適切な処置を行うよう努めなければなりません。
旅程の管理のほかに、雰囲気を盛り上げたり、旅行者の充実感を高める工夫をする「より楽しい旅づくりの演出」という大切な仕事もあります。
たとえば、それまでにツアーコンダクターが見たり、聞いたり、体験したことや、調べたり、勉強したことを説明に加えること。
すると、旅行者の観光の満足感や味わいがグンと深まります。
次のようなアドバイスでも、旅行者にとっては有益です。
「この位置から撮影すると全体がきれいに撮れます」
「同じものでも、このお店が一番安くて親切です」
「向こうの棟のトイレのほうが空いています」
「楽しい旅づくりの演出」は旅行会社が自信をもって企画・提供している商品を、ツアーコンダクターの力でさらに魅力的な商品に仕上げる仕事です。
また、旅行者にとっての楽しさ、満足感、感動の大きさを、ツアーコンダクターの力でより大きなものにできる仕事でもあります。
やりがいにつながります。
旅行日程の司会進行係を務め、ときには演出もしてツアーを盛り上げます。
宴会の司会進行をすることもあります。
»【添乗員の仕事のやりがいとは】5つのポイントを添乗歴18年が解説
ツアーコンダクターは、単に旅程の管理をするだけでなく、旅を演出する指揮官の任務も担っている
まさに「団体旅行の指揮者」です。
オーケストラの指揮者は、たくさんの演奏者、いろいろな楽器の音色を調和させハーモニーを完成させます。
聴衆に楽しさ、満足感、感動を与えてくれます。
同じオーケストラが同じ曲を演奏する場合でも、指揮者の力量で感動の大きさが変わるように、ツアーコンダクターの力量で旅の感動は大きくなるのです。
やりがいはピカイチ
ツアーコンダクターの舞台は、誰にとっても特別な、楽しいイベント「旅行」
このイベントの最初から最後までが、ツアーコンダクターの職場です。
業務の内容は、欠陥のない商品にするため旅程を管理し、喜んでもらえる商品にするため楽しい旅づくりを演出しながら、商品の作り手の最後の担当者として仕上げることです。
旅行者に「また、この旅行会社の商品(ツアー)にしよう」と思ってもらえるよう、旅行そのものだけでなく、自社ならではの商品のよさをアピール、次回の旅行に自社の商品(ツアー)を選んでもらえるようなセールスを行う「営業担当」という使命も担っています。
ツアーコンダクターは、旅行者の楽しさ、満足、感動に生で触れることができるのです。
»【添乗員の役割5つ】行程管理、お金、演出、営業、情報【本質は2つ】
添乗員の仕事内容まとめ
19年8ヶ月経験してきましたが、辛い添乗もあれば楽しい添乗もありました。
お客さまの層も様々、行き先も様々で、森羅万象を相手にしている仕事です。
お客さまは性別、年齢、職業など様々な人たちですから、それぞれに希望があり、旅行を楽しみたいと思って参加しています。
こうしたお客さま1人1人の希望を出来るだけかなえ、安全に行程が終了し、良い旅の印象が残せるように工夫していくのが添乗員の仕事です。
人間的な資質、成長性が問われる職種です。
困難な分、魅力も兼ね備えているのが「ツアーコンダクター」です。
最後に添乗で役立った本の解説記事を紹介します。
添乗に役立ち、おもしろく、海外添乗の体験談もつまった3冊です。
以上です。
P.S. 添乗員の仕事内容を理解しよう。
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