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旅行業界の年収とキャリアとしての可能性【3つのデメリット】

2020年2月10日

旅行業界の年収とキャリアとしての可能性【3つのデメリット】
  • 「旅行業界の年収はどれくらい?」
  • 「旅行業は儲かるの?」
  • 「これから伸びるの?」

この記事はそんな方へ向けて書いています。

 この記事でわかること

  • 旅行業界の年収の一例
  • キャリアの考察
  • 旅行業界の3つのデメリット
  • 旅行業界をおすすめする3つの理由

 本記事の信頼性

  • 経歴:新卒で旅行社に入社し19年8ヶ月、出張手配×法人営業×添乗
  • 保有資格:総合旅行業務取扱管理者、総合旅程管理主任者
  • 添乗経験:国内・海外計100本ほどで、一般団体・教育旅行・視察旅行

本記事では、旅行業界の年収とキャリアの可能性について書いています。
旅行業界に19年8ヶ月どっぷりと浸かった経験から解説します。

以下も参考にしています。

旅行業界の年収とキャリアとしての可能性

旅行業界の年収とキャリアとしての可能性

中規模(社員数250名ほど)の旅行会社で18年、法人営業を担当しました。

うちの会社の年収をざっくりと公開します。

旅行会社の年収【実体験を公開】

残業含まない額面となり、手取りではありません。

 年収の一例

役職年収
専門卒250万
新卒300万
主任325万
係長350万
マネージャー400万
課長450〜500万
担当部長500〜600万
部長600〜700万
取締役800〜1,000万

マネージャー以下は残業手当がつきます。
課長以上は「店長」などのポジションにより「役職手当て」が加算されるため幅を持たせています。

年収1,000万を目指すには、取締役以上になる必要があります。

旅行業界の年収は高くない

旅行業界の年収は他業種より高くないです。
コミッション商売の薄利多売だからです。

下記サイトによると平均年収は500万前後です。

 他業界の平均年収

「もっとガッツリ稼ぎたい」なら成果報酬のある旅行会社に転職、または、他業種に行くべきです。

成果報酬の会社なら「稼いだ金額の10%を支払う」も可能です。

他旅行会社の年収もだいたい感覚的にわかりますが、大手がちょっと多いくらい。
うちは中規模でしたが、某大手旅行社より賞与(年間3ヶ月前後)はもらっていました。

旅行会社の賞与額は「トラベルビジョン」に掲載されています。
「賞与や給与」などのも春闘結果なども出てきます。

安く旅行に行けるメリットがある

旅行業界は給与は高くありませんが、安く旅行できます。

  1. パッケージ代金の割引
  2. トラベルビジョンなどの優待
  3. 添乗の下見で宿泊代や見学代が安くなる

1.パッケージ代金の割引

旅行会社の中にはパッケージ商品を自社で予約すると10%割引などの制度があります。

自社商品を作っている旅行会社であれば、もっと割引率は大きいはず。

2.トラベルビジョンなどの優待

トラベルビジョンなどのサイトで旅行会社の社員向けにホテルや航空券の優待情報が出ています。

通常では考えられないような安い値段で提供しています。
優待情報からプライベート旅行の行き先を決めるのもありです。

旅行会社ならではのメリットですね。

3.添乗の下見で宿泊代や見学代が安くなる

旅館やホテルのほとんどには「下見料金」の設定があります。

団体案件で予約して、事前に下見に行くと「下見料金」で安く泊まれるのです。

これにハマり「下見料金」以外では旅行しなくなりました。
以前は友人や家族を連れて、コースの下見も兼ねて宿泊したものです。

18,000円の高級旅館が8,000円になったこともありました。

安く旅行に行けるのは、旅行会社のメリットです。

給与の額に目を奪われず、メリットを考慮するのもありです。

旅行業界はキャリアとして、ありなのか?3つのデメリット

旅行業界

「旅行業界はキャリアとしてあり」です。

食ベていけない給与ではないので、お金の面で心配はありません。

旅行業界で必要な2つのこと

法人営業18年の経験から言えますが、旅行業界で必要なことは2つです。

  1. 人への興味
  2. 旅への興味

旅行はあくまでサービス業です。
人に興味がなければ、お客さまを喜ばせられません。

旅は好きでなくてもOKですが、旅に興味はあったほうが良いです。
興味があれば仕事が長続きしやすいからです。

これから伸びる業界なのか?

わかりません。

  • AIの進化
  • コロナウィルス
  • 若者の社員旅行の離れ
  • ネット普及による個人予約増加
  • 動画技術によるバーチャルツアー

不安材料を考えると、伸びるかどうか疑問です。

振り返ると旅行業界は国際情勢が変わるたびに影響を受けています。

  • 1991年:湾岸戦争
  • 2001年:同時多発テロ
  • 2003年:イラク戦争
  • 2003年:SARS
  • 2009年:新型インフルエンザ
  • 2020年:コロナウィルス

他にも消費税増税やオリンピック、有給休暇の義務化などちょっとしたニュースで影響を受ける業界です。

ただ旅行はなくなりません。

人は動くからです。
人が動くところに旅行のビジネスチャンスがあります。
お金が発生するのです。

ゲーテは「Travel Gives Life(旅は人に生きる喜びを与える)」といいます。

旅行は楽しいです。
おもしろいです。
リフレッシュできます。

人間の「色々なものを食べたい、見たい、体験したい」という欲求はなくなりません。

 良い情報もあります

  • 休暇取得促進
  • インバウンド増加
  • 少子高齢化によるシニア層の高品質旅行
  • 2020年オリンピック→コロナのため2021年

JTB 2020年の旅行動向の見通し」もわかります。

業界が伸びるかどうかは「JTBの企業理念」を見ると面白いです。
JTBの経営理念には「旅行」の言葉がないからです。
「従来の旅行業」から「新しい事業」への転換です。

今後の旅行会社に求められることは「企画力」「コンサルティング力」はもちろん、他の旅行会社にない「専門特化」です。

旅行業界の3つのデメリット

  1. トラブルが多い
  2. 薄利多売
  3. 二流の意識

 1.トラブルが多い

「トラベルはトラブル」と言われます。

飛行機が欠航、ホテルがオーバーブッキング、ガイドが来ない、など上げたらキリがありません。

営業マンは会社携帯を休日も持たされ、お客さまからの連絡に対応することもあります。

政情不安や天災、ウィルスなどの影響を受けやすい業界です。

2.薄利多売

旅行商品は薄利多売の傾向があります。

格安ツアーが良い例です(内容重視の高品質な旅行もありますが……)

出張手配などはコミッション商売であり、ネットで独自手配するお客さまとも競争しなければならないため薄利は避けられません。

3.ニ流の意識

独立系以外の鉄道系やメーカー系の旅行会社には、単に出向で来た社員が経営するケースがあり、旅行知識に欠けます。

大企業の子会社である旅行会社が多く、なかには二流意識の会社もあります。

旅行業界をおすすめする3つの理由

  1. 人間的に成長できる
  2. 変化が激しく刺激がある
  3. 転職しやすい職業である

旅行業界に19年8ヶ月いました。
ポジショントークに聞こえるかもしれません。
過去の自分を肯定したい気持ちがあります。

1.人間的に成長できる

森羅万象の知識が必要です。

  • 旅行知識
  • 旅行業界の情報
  • 担当企業の業界情報
  • 流動的な日々の情報

たくさんの人に出会えます。

  • 営業
  • 添乗
  • カウンター

「人間的に成長できない仕事って何?」という反論もあるかもしれません。

確かにそのとおりです。

やる気と努力さえあれば、どこでも人間は成長できます。
何もしなくても昨日より成長し続けるのが人間です。

ただ最初の結論に戻りますが、どの業界でも成長できるなら、少しでも興味のある業界が良いです。

  • 人への興味
  • 旅への興味

2つの興味を持っているなら、人間的に成長できる旅行業界はありです。

2.変化が激しく刺激がある

旅行業界は変化が激しいです。
変化に対応できない会社は生き残れません。

思いつくだけでも、下記の変化がありました。

  • 社員旅行の激減
  • シニア向けツアー
  • インバウンドの増加
  • ライフスタイルの変化
  • インターネットの脅威(ネット予約)
  • 定年延長により団塊の世代の旅行増えず
  • 航空券販売のメリット低下(ゼロコミッション)
  • BTMシステムへの転換(セルフ予約、危機管理、精算一括)
  • 販売商品の多様化(JR、航空券、ホテル、車、ホテル、Wi-Fi、保険、レンタカー、パッケージツアー、査証代行、パスポート代行、BTMシステム、MICEシステムなど)

キリがありませんが、変化に合わせて仕事のスタイルも変わっていきます。

「毎日、単調な仕事はしたくない」と思っている方に向いています。

海外に出ても物怖じしない度胸もつきます。
実践的な語学力も身につきます。

それでも毎日のルーティンはあるので多少の単調さもあります。

3.転職しやすい職業である

下記スキルのどちらかがあれば、転職は難しくはありません。

  • 営業スキル
  • 手配スキル

営業スキル」とは聞くことです。
お客さまの問題を発見する力です。

問題が発見できれば、解決方法を考えて提案するだけ。
さらに他にも問題を抱えているお客さまや企業を紹介してもらえればベストです。

営業スキルを武器にうちの会社に転職してきた人、または、他の会社に転職した人がたくさんいます。
営業スキルを武器に、他業界の営業に転職していく人もいます。
» 旅行会社の営業マンに必要な2つのスキル【聞く力/紹介してもらう力】

次に国内・海外出張の手配スキルです。

各種端末の操作を覚えなくてはなりません。

  • 国内JR端末(マルス)
  • 国内航空券端末(AXESS=JAL手配)※2021年3月31日終了予定
  • 国内航空券端末(able=ANA手配)
  • 海外航空券予約システム(アマデウス)
  • 海外航空券予約システム(インフィニ)

国内端末は基本的な操作であれば、どれも3ヶ月で覚えられます。
細かいルールまで加味すると半年くらい。

海外航空券予約システムは奥が深いですが、半年〜1年で一通りの手配はできるようになります。
「海外航空券の自社発券」までできる人は少ないので、できるようになれば重宝されるはず。

以上の手配スキルがあれば(国内、海外どちらかでも)、募集があればどこへでも転職できます。

業界が自由でのびのびしていて、女性の活躍の場も多いです。

まとめ:旅行業界の年収は高くないが、キャリアとしての可能性はあり

旅行業界の年収とキャリア

 ポイントをまとめます。

  • 「旅行業界の年収はどれくらい?」→下記の年収一例
  • 「儲かるの?」→薄利多売のコミッション商売のため、儲からない。
  • 「これから伸びるの?」→わからないが、新しいことをしていかないと伸びないのは確か。

 旅行業界の年収一例

役職年収
専門卒250万
新卒300万
主任325万
係長350万
マネージャー400万
課長450〜500万
担当部長500〜600万
部長600〜700万
取締役800〜1,000万

旅行業界にはサービス業として、お客さまを喜ばせる仕事として存在しています。

変化のある、新しいことにチャレンジしていく企業で自分を成長させていくキャリアもありです。

以上です。

P.S. 旅行業界の年収を知り、キャリアの可能性を考えてみよう。

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