- 添乗員に向いているかどうか知りたい
- 添乗員はどんな人が向いているのかな
この記事はそんな方へ向けて書いています。
本記事では、添乗員の適正をチェックする28の項目を紹介します。
この記事を読むことで、添乗員に向いているかどうかを客観的にわかります。
本記事の信頼性
- 経歴:新卒で旅行社に入社し19年8ヶ月、営業×手配×添乗
- 資格:総合旅行業務取扱管理者、総合旅程管理主任者
- 添乗:国内・海外計123本(一般団体、教育旅行、視察旅行)
Contents
- 添乗員に向いている人がわかる質問28個【ツアーコンダクターの実態】
- 1.旅行の話をするのが好き
- 2.しゃべり出すと、ついつい止まらなくなる
- 3.人からよく頼りにされ、相談を受けることが多い
- 4.どんな場所でも眠れる
- 5.人のお世話をするのが苦にならない
- 6.歩くのが速い
- 7.よく人からおせっかいだと言われる
- 8.メモを取るのが得意
- 9.人が疲れていたり、具合が悪そうだと敏感に気づくほうだ
- 10.物おじしない性格だと思う
- 11.イヤなことはすぐ忘れる
- 12.人と接するのが好き
- 13.トラブルに遭遇すると、あわててしまう
- 14.どんな人とでもすぐ仲良くなれる
- 15.時間には少しルーズだ
- 16.何ごともポジティブに考えられる
- 17.誘われるとどんなことにも参加してしまう
- 18.パッケージツアーに参加したことがない
- 19.何でもいろいろと調べるのが好き
- 20.言葉遣いや態度など、礼儀はわきまえていると思う
- 21.クイズや本などで雑学を仕入れるのが得意
- 22.英語が得意なので、できるだけ外国に行って英語を使いたい
- 23.体力と健康には自信がある
- 24.おなかが空けば、何でもおいしいと思う
- 25.荷物を持つのが嫌いで、手ぶらが最高
- 26.移動中の車や飛行機では、すぐ寝てしまう
- 27.買い物や観光には興味がない
- 28.人の好き嫌いが、顔に出てしまう
- ツアーコンダクターの実態とは
- 添乗員の適正よりも、やりたいという気持ちが大事
添乗員に向いている人がわかる質問28個【ツアーコンダクターの実態】
添乗員に向いているかどうかの「適正調査の質問28個」があります。
質問は「ツアーコンダクターになろう」を参考にしています。
1.旅行の話をするのが好き
NOと答えた人が、添乗員に向いています。
旅行の話は話術が巧みでない、他人が聞いても面白くありません。
お客さまに聞かれた時や、何かを説明するときの体験談として話すのが良いです。
2.しゃべり出すと、ついつい止まらなくなる
NOと答えた人が、添乗員に向いています。
意味のないおしゃべりは、うるさいだけです。
添乗員は話し上手より聞き上手のが良いです。
人間は話を聞いてもらいたい生き物です。
うるさい、うざい、むかつく添乗員の具体例は「【むかつく添乗員24選】協力機関や旅行会社から好かれる添乗員8選」にまとめました。
3.人からよく頼りにされ、相談を受けることが多い
YESと答えた人が、添乗員に向いています。
人から頼りにされる資質は、悪くありません。
注意すべきはお客さまへ諭す話し方や態度です。
相談には謙虚に聞きましょう。
4.どんな場所でも眠れる
YESと答えた人が、添乗員に向いています。
眠れるときに寝ておかないと添乗員は体が持ちません。
どんな国のどんなホテルでも、バス、飛行機でも眠れる添乗員が強いです。
5.人のお世話をするのが苦にならない
YESと答えた人が、添乗員に向いています。
お客さまの面倒を見られる資質が大事です。
良い人だけでなく、陰湿なクレーマーの面倒を見られるようになって1人前です。
6.歩くのが速い
NOと答えた人が、添乗員に向いています。
年配の方が多いツアーでは、周りと歩調を合わせられるのが良いです。
初めての場所でも、ゆっくり堂々と歩けば、頼りがいのある雰囲気が出ます。
おどおどしていては、お客さまが心配されます。
必要に応じて急げること、走れることも大事です。
7.よく人からおせっかいだと言われる
YESと答えた人が、添乗員に向いています。
1歩間違えると、無用な干渉ですので注意です。
お世話をするのと、おせっかいを焼くのは違います。
8.メモを取るのが得意
YESと答えた人が、添乗員に向いています。
どんな時でもこまめにメモを取ることです。
「失念しました」では済まされません。
記憶よりも記録です。
9.人が疲れていたり、具合が悪そうだと敏感に気づくほうだ
YESと答えた人が、添乗員に向いています。
ツアー中はお客さまの表情をうかがい、健康状態に敏感でありましょう。
10.物おじしない性格だと思う
YESと答えた人が、添乗員に向いています。
- どんな時でも
- どんな場所でも
- どんな人でも
物おじしない態度が必要です。
挙動不審ではお客さまが不安です。
11.イヤなことはすぐ忘れる
YESと答えた人が、添乗員に向いています。
生真面目すぎる人、物事を引きずってしまう人には、添乗員はシンドイ仕事です。
イヤなことは忘れましょう。
自分に非があった場合は、原因と改善策を考えたら、あとは忘れましょう。
12.人と接するのが好き
YESと答えた人が、添乗員に向いています。
添乗員は究極の接客業です。
いろんな人と長期間にわたり寝食をともにします。
人と接するのが嫌いでは、務まりません。
13.トラブルに遭遇すると、あわててしまう
NOと答えた人が、添乗員に向いています。
どんなトラブルや事故があっても、添乗員は冷静沈着でいなければなりません。
ツアー中、トラブルや問題が起きた場合、お客さまは添乗員の顔を見ます。
慌てふためいていては、添乗員失格です。
平然と「よくあることですよ」の表情で構えましょう。
14.どんな人とでもすぐ仲良くなれる
YESと答えた人が、添乗員に向いています。
お客さまや現地ガイド、旅先で出会った人々など、初めて会う人ばかりです。
仲良くなれたほうが、なにかと旅行はスムーズにいくものです。
加えて、旅が楽しくなります。
15.時間には少しルーズだ
NOと答えた人が、添乗員に向いています。
時間を管理するのが添乗員の仕事です。
時間にルーズだと話になりません。
16.何ごともポジティブに考えられる
YESと答えた人が、添乗員に向いています。
添乗員の明るさはツアー全体の雰囲気を左右します。
どんなときでも明るく前向きに物事をとらえていきましょう。
17.誘われるとどんなことにも参加してしまう
YESと答えた人が、添乗員に向いています。
好奇心にまかせたフットワークの軽さは、森羅万象を相手にする添乗員には必要です。
合わせて、参加するかしないかは、その場の雰囲気や状況を考えることも大事です。
18.パッケージツアーに参加したことがない
NOと答えた人が、添乗員に向いています。
添乗員の仕事を別角度から見るためにも、一度はお客さまになって添乗員を見ることも大事です。
気づきがあります。
19.何でもいろいろと調べるのが好き
YESと答えた人が、添乗員に向いています。
添乗員には幅広い知識が必要です。
自分で調べたことは、忘れにくいです。
20.言葉遣いや態度など、礼儀はわきまえていると思う
YESと答えた人が、添乗員に向いています。
添乗員はいろいろなお客さまを相手にする接客業。
言葉遣いや礼儀はキチンとできるに越したことはありません。
自分だけ間違いに気づかないケースもありますので、慢心は危険です。
21.クイズや本などで雑学を仕入れるのが得意
YESと答えた人が、添乗員に向いています。
雑学も知識のひとつです。
知識が豊富だとお客さまの話も理解できます。
知識が豊富だと、聞き上手になれるのです。
22.英語が得意なので、できるだけ外国に行って英語を使いたい
NOと答えた人が、添乗員に向いています。
英語の通じない国もたくさんありますので、過度の自信は禁物です。
語学はあくまで伝えるための手段です。
23.体力と健康には自信がある
YESと答えた人が、添乗員に向いています。
体力や健康が無くては、仕事になりません。
添乗員の必須条件です。
常にベストコンディションをキープです。
24.おなかが空けば、何でもおいしいと思う
YESと答えた人が、添乗員に向いています。
食べることも健康管理のひとつです。
体力勝負の添乗員はなんでも食べられなくては、体力が持ちません。
病気や疲れに打ち勝つためにも、なんでも食べましょう。
25.荷物を持つのが嫌いで、手ぶらが最高
YESと答えた人が、添乗員に向いています。
添乗員の仕事では、手がふさがってしまうと不便です。
個人的な荷物は、両手が自由に使える分量にすると便利です。
ただし、仕事ではスーツケースを運んだりと、物を運んだり持ったりするシーンはたくさんあります。
26.移動中の車や飛行機では、すぐ寝てしまう
NOと答えた人が、添乗員に向いています。
移動中の車や飛行機、バス車中でも添乗員の仕事はあります。
寝る暇はありません。
ただし、睡眠は体力回復に役立ちますので、臨機応変に対応です。
27.買い物や観光には興味がない
NOと答えた人が、添乗員に向いています。
興味がないとお客さまに案内ができません。
興味がなくても、実際に体験してみること。
百聞は一見にしかずです。
ひとつひとつ引き出しを作っていきます。
28.人の好き嫌いが、顔に出てしまう
NOと答えた人が、添乗員に向いています。
添乗中は、人の好き嫌いや疲れを表情に出してはいけません。
イライラは伝染します。
ツアーを引っ張るリーダーがイライラしていては、旅行の空気が悪くなります。
いつも穏やかに明るさを保ちましょう。
ツアーコンダクターの実態とは
年齢:制限なし
20歳で海外添乗歴10数回の人もいれば、30歳ではじめて添乗に出る人もいます。
資格の取得についても年齢制限はありません。
» 添乗員資格「旅程管理主任者」の取得方法と難易度【合格率90%】
ただし、添乗が体力、精神力を要することは確かです。
- 立っている時間が長い
- 荷物を持っての移動が多い
- 早朝、深夜の出発・到着
- 短い睡眠時間
お客さまに疲れた顔を見せるわけにはいかないのです。
信頼感、判断力、決断力も大事です。
社会経験もウェイトを占めますので、22〜50歳の年齢が適当です。
性別:「向く、向かない」はない
添乗は性別で「向く、向かない」はありません。
客観的に見ても仕事の内容はハードで、責任も重いのが添乗員の仕事です。
資質と能力があり、添乗の仕事が好きであれば性別は関係ないのです。
ツアーの目的地、内容、手配状況、参加者の構成、どれも1本ごとに違っています。
担当添乗員の特性に合致していれば、男女の差は関係ありません。
添乗は性別は関係ありません。
旅行会社の社員の場合
男性社員の添乗が多いです。
また、一般企業の組織強化のための社員研修ツアーでも、企業サイドから男性添乗員の指名が多いです。
以下、体験談です。
旅行会社では、添乗は男性が多かったです。
旅行会社での添乗は、営業担当者が添乗するケースがほとんどです。
「営業は男性、女性は内勤」の構成が多いからです。
女性の営業もいますので、担当企業が必要としていれば女性が添乗することもありました。
ただ「夜遊び」について聞きやすいのは男性添乗員です。
そのため、視察や社員旅行などが多い企業では、男性が重宝されます。
一方、女子高校の修学旅行では、女性添乗員が都合が良いです。
ケースバイケースです。
大手旅行業者では女性社員を添乗に出さない傾向にあるようです。
添乗員派遣会社の場合
添乗員派遣会社に所属しているツアーコンダクターは、75%が女性で、25%が男性という構成です。
構成比は変動がありません。
主流はパッケージ旅行です。
パッケージ旅行の添乗をメインに請け負っているのは、添乗員派遣会社のツアーコンダクターです。
ツアーで活躍しているのは、女性ツアーコンダクターがほとんどなのです。
給与:日当+手当
現役のツアーコンダクターが最も不満に思っていることが「収入(給料)」と「福利厚生制度」です。
添乗員派遣会社の日当
派遣会社により異なりますので、平均値などを挙げていきます。
ほとんどの派遣会社の報酬の構成は2つです。
- 添乗日当
- 付加手当
「添乗日当」は旅行会社から派遣会社に支払う派遣料と、ツアーコンダクターの様々な要素とのバランスで決められます。
「様々な要素」とは「経験、能力、年齢、旅行会社の評価」などです。
昇給の時期も1年1回とは限りません。
- 国内添乗:7,000〜12,000円(1日あたり)
- 海外添乗:8,000〜25,000円(1日あたり)
添乗稼働日数分の添乗日当が支給されます。
「付加手当」は、下記などの報酬です。
- ツアー出発前の打ち合わせ
- 帰着後の精算
- 添乗前日の宿泊
- 帰着後の宿泊
- 説明会
- 反省会
- オプション販売
- 通訳ガイド
- 物品販売
支給されるかどうかは派遣会社やツアー、派遣先で異なります。
付加手当は、派遣会社と旅行会社との契約で決められ、その中からツアーコンダクターに支払われますが、それぞれ1,000〜3,000円程度が多いです。
参考:旅行会社の社員の添乗日当
旅行会社の社員が添乗に行く場合は「添乗日当」が会社から支給されます。
私の所属している会社では、国内添乗の日当が1日3,200円〜、海外添乗の日当が1日5,200円〜です。
他の旅行会社と比べて、低めの日当です。
旅行会社の専属ツアーコンダクターは、基本給が保証されることもあります。
ただ多いのは「添乗日数に応じた手当支給」です。
社会保険
社会保険は所属している派遣会社で加入しているケースが少ないのが実態です。
加入資格が発生しないケースが多いからです。
添乗日数が固定しない、労働日数が少ない添乗員がいる、などで、加入条件を満たさないのです。
- 健康保険
- 厚生年金
- 雇用保険
所属している会社で加入していないツアーコンダクターは、雇用保険以外は個人で加入します。
健康保険は国民健康保険に加入しなければなりません。
収入が少なく、親または配偶者の被扶養者になれる場合は、親または配偶者の健康保険の被扶養者になれます。
年金は、自分で保険料を納める第1号被保険者の国民年金に加入しなければなりません。
配偶者の健康保険の被扶養者なら、国民年金の第3号被保険者となり、保険料は納めなくてすみます。
労働日数と休暇
ツアーコンダクターを専業としている人の添乗稼働日数は、年間200日以上という人もいますが、標準は年間180日程度です。
添乗日以外にも、ツアー出発前の打ち合わせ、帰着後の精算といった業務があります。
この業務日は、国内のみのツアーコンダクターで80日前後、国内・海外のツアーコンダクターで60日前後、海外のみのツアーコンダクターで40日前後あります。
添乗稼働日、添乗日以外の業務日を除いた日が休暇です。
» 参考:日本添乗サービス協会
添乗員派遣会社の主要35社については「添乗員派遣会社34社の完全まとめ【基本情報や特徴、待遇を比較】」で解説しています。
心身ともにハードワーク
収入面、福利厚生面では厳しいのが、添乗員の仕事です。
肉体的にも精神的にもハードな仕事です。
単に「旅行が好きだから」とか「語学を生かしたいから」だけでは務まりません。
添乗中は自分1人で処理しなければならないのです。
「旅先で起こる様々なトラブルからお客さまを守る」という責務もあります。
一方で、それ以上の魅力もあるのが添乗員の仕事です。
普通では行けない所に行き、色々な体験ができ、様々な人たちと出会え、各国の食事ができるという楽しみもあるのです。
収入面、福利厚生面を副業などでカバーしつつ、添乗員の仕事ができるのが理想です。
日本添乗サービス協会の「派遣添乗員のキモチ」で地獄の労働実態が見えてきます。
添乗員の適正よりも、やりたいという気持ちが大事
28の質問を答えていくと、弱点がわかる
弱点は、客観的にとらえておきましょう。
私の弱点は繊細さです。
気持ちの切り替えられないときもあります。
メンタルを引きづりながら旅行会社の社員として19年8ヶ月です。
法人営業を続けながら添乗してきました。
悔いはありません。
1本1本の添乗が「成長」させてくれるからです。
「添乗員になりたい」と思う時点で適正あり
2通りの人しかいません
- 添乗員になりたい人
- 添乗員になりたくない人
「添乗員になりたい」と思った時点で、添乗員に向いています。
向いているか、向いていないかは関係ありません。
「添乗員をやりたい」という気持ちが大事です。
私は「添乗員をやりたい」ではなく「添乗員の仕事が気になる」レベルで添乗の仕事につきました。
大学は理系で情報工学を学んでいましたが、正反対の旅行業界に進んでも問題なしです。
「添乗員が気になる」というレベルで十分。
興味だけあればOKです。
適正は仕事をやりながら、後からついてくるものです。
適正チェックの質問は「自分の気持ち」を確認するためのものです。
結果がどうであれ、ポジティブに考えられるか、興味があるかどうかなのです。
最後に添乗で役立った本の解説記事を3本、紹介します。
添乗員としての選択が正しかったかどうかは後からわかります。
私は「ちょっと気になる」で旅行業界に入りましたが、ダイナミックで変化が絶えず、飽きずに仕事ができました。
以上です。
P.S. 適正チェックの質問で、気持ちを確かめよう。
関連記事添乗員になるには2つの方法【添乗員派遣会社に登録/旅行会社に入社】
関連記事おすすめの添乗員派遣会社3社をランキングで比較【口コミ・評判】