- 「ブログで4000文字が書けるようになりたい」
- 「原稿用紙10枚を書く力を身につけたい」
- 「齋藤 孝の『原稿用紙10枚を書く力』の書評・要約を知りたい」
この記事はそんな方へ向けて書いています。
この記事でわかること
- 『原稿用紙10枚を書く力』齋藤 孝【著】の書評【グッときたところベスト3】
- おすすめの人、おすすめしない人、目次、口コミ7つ
本記事の信頼性
- ブログ歴:2019年1月にブログ開設
- ブログ記事:600記事 × 4,000文字 = 240万字以上
- ブログ実績:過去最高は月62,000PV、月54,000円(確定)
ブログで4000文字=原稿用紙10枚を書くのは怖いです。
私はブログを始めたころは、2000文字がやっとでした。
しかし今では4000文字は怖くありません。
「訓練次第」で原稿用紙10枚は書けるようになります。
本書のメリットは「原稿用紙10枚×400字=4000文字を書くのが怖くなくなる」です。
本記事は「原稿用紙10枚を書く力」の書評です。
この記事を読むことで、ブログで4000文字が書けるようになります。
書くことで、考える力が鍛えられ、自分独自の視点が持てます。
さらに言えば、書くことより「文字をいかに削るか」が大事です。
ちなみに思考力を高める本は「【感想】考えるとはどういうことかがわかる本『思考中毒になる!』 」で解説しています。
Contents
【書評】ブログで4000文字が書ける本『原稿用紙10枚を書く力』のグッときたところベスト3
グッときたところベスト3
- 1位:引用のポイントを外さないコツ
- 2位:「書く」ことは構築すること
- 3位:生命力と構築力
引用して、順番に解説します。
1位:引用のポイントを外さないコツ
一冊の本の中で好きなところを3つ取り出してみると、選んだ人のオリジナリティがそこに出てくる。
子どもに、「この作品の中で好きな部分はどこか。1つあげなさい」と聞くと、好きな部分が重なることが多い。しかし3つあげさせると、2つまでは重なっても、3つすべてが重なることはほとんどない。その3つをつなげると、それぞれのオリジナリティが出てくる。〜中略〜
まず、作者が何を言いたいのかというポイントをとらえることが大切である。赤線を引く部分は、だれが読んでも、「ここが重要なのだ」という意味で、ほぼ一致するはずだ。それを取り出した上で、自分がおもしろいと感じた部分、どこで自分が反応したかという部分ーー緑線を引く部分ーーをどう取り出すかである。
その作品について書く場合、ポイントである赤線の部分をきちんと入れた上で、そこに自分がおもしろいと感じた緑線の部分をどう配列して書いていくかによって、その人の個性、作品のとらえ方が出てくる。つまり、赤線の部分と緑線の部分をいかにうまく組み合わせて書いていくかによって、書いたものがおもしろいものになるかどうかが分かれる。
緑線の部分を選ぶとき、あまりにも些末なために他の人がおもしろいとは思わないような部分にひっかかるのか、読んだ人が「なるほど、そういうおもしろいとらえ方があるのか」という切れ味のある部分を取り出せるのかは、書く人のセンスにかかってくる。このセンスを磨くのが、書く力をつける上で重要なポイントになる。そのセンスを磨くのは、基本的に読書しかない。
引用する3つとは「作者と読者と自分」です。
引用のポイントは3つ
1.作者の言いたいところ
2.読者がハッとするところ
3.自分がおもしろいと思ったところ
私は今まで「何を引用するのか」という視点が抜けていました。
書評の引用には「作者と読者」の2つの視点がなかったからです。
あくまで「自分がグッときたところ」を3つ、引用していたのです。
作者視点もなく、読者視点もなく、あるのは「自分がどう思うか」の視点だけだったのです。
それだけでは4,000文字は書けても、おもしろい文章は書けません。
「自分がおもしろい」と思ったところも重要ですが「作者」「読者」も重要なのです。
「グッときたところだけでも、グイグイ書くには重要ではないか?」という意見があるかもしれません。
たしかに文章を書く推進力です。
ただ自分主体の文章が続くと飽きます。
引用は「作者×読者×自分」を組み合わせるのが、バランスが取れています。
引用をどう組み合わせるのかが、オリジナリティであり書き手の個性なのです。
2位:「書く」ことは構築すること
「書く力」をつけるためには、「文章とは構築物である」ということをしっかり認識することが必要だ。
文章を構築するという意識で、発送の段階から実際に書くまでを行なえば、だれにでもあるレベル以上の文章が書けるようになる。
「キーワードを見つける」「キーワードから3つのキーコンセプト(言いたいこと)をつくる」「3つのキーコンセプトを結びつけて文章を構築する」という方法を紹介していく。
この方法は、多くの人が書く機会の多い小論文や企画書、評論などの論理的・客観的な文章に非常に有効である。さらにそれを基礎にすれば、小説のような感情的・主観的・芸術的側面が強い文章にも応用できる。〜中略〜
まず頭の中に書くべきことを構築して、きちんと創作メモをつくり、それに基づいて書いていく。創作メモをつくらない作家もいるが、それは頭の中での構築がよほどしっかりしている場合であろう。書き慣れている人ほど、書きはじめる前に、きちんと作業しているものだ。
プロの作家の多くは、構築作業をしてから書きはじめる。ましてや書くことに慣れていない人がいきなり書きはじめて、ちゃんとしたものが書けるなどと思っているなら大間違いである。
書くことは無から有を生み出すことではなく、頭の中で構想したものを形にしていくこと、すなわち構築することなのだ。
本や素材を読みながら「キーワードの抽出」です。
私は本を読みながら「キーワードに線を引くだけ」だったからです。
キーワードをメモすることで、文章を書くための土台ができます。
「つなげ方、グループ分けの仕方、キモの3つ」は後の作業です。
まずは「キーワードの抽出をしなければ良い文章は書けない」と認識しました。
ブログ執筆でも、まずは土台を構築する
土台構築に時間をかけるべきです。
いきなり書かないことです。
土台を作るためには素材(本、キーワード)が必要です。
本をいかに調理して、ガッチリとした土台を作るか。
そのための引用であり、気づきであり、結び付けるための論理が必要になるのです。
書くことは構築すること。
書くことは設計をすること。
構築さえできれば、原稿用紙10枚は書けるのです。
3位:生命力と構築力
書くことを図式化すると、1つにはだれにも見せない日記のように、対自分ーー自分に向けてだけ書かれたものがある。その対極にあるのが、白書のように、まったく自分がなく、対他人に向けられた文章である。
この2つの領域を生命力系と構築力系とに分けることもできる。
どちらの領域にも、質のいいものと悪いものがある。両方の領域にまたがっている文章の1つの例が、よい自伝であろう。
自伝とは、人に向けて自分のことを語るのだが、単に自己満足だけの文章では、人に読んでもらうことはできない。語るべき内容があり、しっかりした構築がなされていなくては読むに耐えるものにならない。
対他人の意識のない自伝は、自分のその場その場の感情を吐き出すだけで、構築がなされていない。それでは、その人がどう感じていたのかという生命力が十分に読み手に伝わらない。
生命力を読み手に伝えるためには、そこに構築が必要だ。自己に埋没してしまうと人には伝わらない。そのバランスが難しいところである。
実際にはなかなかわかりにくいだろうから、例をあげてみよう。
美輪明宏の自伝『紫の履歴書』の冒頭の部分は、自分が生まれた環境がどのようなところだったのか、当時の長崎の町を描写しながら、きちんと自分と向き合って、美輪明宏という存在をくっきりと示す生命力あふれた文章である。
「おもしろい」と思った引用文です。
齋藤先生の言う「文章の領域」を図式化すると、以下のとおり。
最終的に目指すべきは、「構築力×生命力=スタイルのある文章」です。
齋藤先生は「文章の生命力とは、他人がその文章を読んだときにおもしろいと感じさせる力、文章の魅力、個性など」といいます。
さらに「文章の生命力とは文体から生まれていくる」と畳みかけます。
とどめは、「しっかりと構築された文章が書けるようになったら、次は文章に生命力を持たせる文体を身につける」と締めます。
まとめると次のとおり。
- 構築力のある文章を目指す
- 生命力のある文体を目指す
他人に読ませるために必要な「文章の構築力」、他人が読んでおもしろいと思わせる「文章の生命力」を身につけるのです。
どうやって構築力、生命力を身につけるのか?
- 構築力は第2章で約70ページ
- 生命力は第3章で約45ページ
上記で身につける方法が解説されています。
ひと言で言うならば、以下です。
・構築力は、キーワードを抽出し組み合わせる
・生命力は、良い文章を音読する
「構築力×生命力=スタイルのある文章」の例文(美輪明宏氏)も引用して、解説しています。
好きな人の作品を毎日読み、その世界に浸り、文体から思考様式まで真似るのも、オリジナリティを出すのに効果的です。
『原稿用紙10枚を書く力』は、ブログで4000文字を書きたい人におすすめの本
おすすめの人、おすすめしない人
こんな方におすすめ
- 考える力をつけたい人
- 書く力を身につけたい人
- 原稿用紙10枚=4000文字が書けるようになりたい人
本書は、400字詰め原稿用紙10枚を書く力が身につく方法が解説された本です。
「書く力を身につけるメリット」も述べられています。
書く力を身につける2つのメリット
① 読む力が上がる
② 考える力が上がる
① 読む力が上がる
書くことを意識すると、より上質な読書ができます。
アウトプットを意識して読むと、インプットが格段に活性化するのです。
たとえば、本を読むときに「どうやって書いたんだろう」と書く側に立って読めます。
いちばん理解が進む読み方です。
さらに本書は「読書術の本」としても読めます。
下記の「著者の読書法」が具体的に書いてあるからです。
- こなす読書
- 制限時間で読む
- 問題意識を持って読む
② 考える力が上がる
書く作業は脳をフル回転させる必要があるからです。
齋藤先生は「きちんとまとまるのある文章を書くには、何を書くか、文章をどう組み立てるか、どうすれば自分なりの角度のある見方を表現できるか考えなくてはならない」といいます。
順を追って論理を組み立てる必要があるのです。
ゆえに書くことで考える力が上がるのです。
下記の人にはおすすめしません。
- 文章の型を知りたい人
- セールスライティングを知りたい人
- 細かい文章テクニックを知りたい人
最適解は以下のとおり。
【文章の型】
【セールスライティング】
【細かい文章テクニック】
5つの章の目次
目次
プロローグ.書くことはスポーツだ
第1章.書くことは考える力を鍛える
第2章.「書く力」とは構築力である
第3章.「文体」を身につける
第1章では「書く力とは何か」が述べられています。
第2章では「文章を構築する」ための具体的方法の解説。
第3章では「文体を身につける」方法がわかります。
書名 | 『原稿用紙10枚を書く力』 |
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著者 | 齋藤 孝 |
単行本 | 196ページ |
出版社 | 大和書房 |
発売日 | 2004/10/10 |
著者のプロフィール
齋藤 孝
1960年静岡県生まれ。東京大学法学部卒業。
同大学院教育学研究科博士課程を経て、現在明治大学文学部教授。
専攻は教育学・身体論・コミュニケーション論。「斎藤メソッド」という私塾で独自の教育法を実践。
また、NHK教育の人気番組「にほんごであそぼ」の監修を務めるなど多方面で活躍中。
Twitterの口コミ7つ
1.書くことは量をこなすこと
【原稿用紙10枚を書く力 (だいわ文庫)/齋藤 孝】最近ブログを始めたことにより、書く事について知りたくなったのでこの本を読んだ。
書く事は量をこなす事。
量をこなす事で質をあげることができる… → https://t.co/fxHtjk96Wp #bookmeter— ゆーまる (@yumaru0612) December 18, 2019
2.質より量
ナイス 【原稿用紙10枚を書く力 (だいわ文庫)/齋藤 孝】質より量。構築力。推進力となる引用。映画の活用。
書く練習をするにあたって良い本だった。ということで映画を見よう。 → https://t.co/YpBFYjv9oc #bookmeter— 明智紫苑@🌈Avaloncity🌈 (@akechi_shion) August 16, 2018
3.映画でグッときたところを3つあげる
【原稿用紙10枚を書く力 (だいわ文庫)/齋藤 孝】映画を見て自分に食い込んできた3つをあげる。その3つに共通するキーワードを見つけまとめあげていく。量が大事だと改めて認識。書くことを習慣化しよ… → https://t.co/rltRMtcKg4 #bookmeter
— Matsumouchakun (@matsumouchakun) October 21, 2019
4.書く人みんなにおすすめ
【書く人みんなにオススメしたい】#齋藤孝 さんの 『原稿用紙10枚を書く力』
書くことが、いかに思考を伴うか改めて気づくことができます。
「読む」とこが「書く」を伸ばす実感はありますが、読むときの視点を明確に与えてくれる一冊。
もっと上手に書けるようになりたい。#読書 pic.twitter.com/yLOGTsYKAd
— ゆこ|担当インタビュアー・ライター (@eeyukoee) December 28, 2018
5.原稿用紙10枚を書く力が身についた
感情と思考の整理がてらブログを綴っていたら、4500字超えた。原稿用紙11枚分。昔、齋藤孝さんの「原稿用紙10枚を書く力」を読んだが、いつの間にか身に付いていたようだ。法学部にいると文章に強くなる。まぁ内容が優れてるかどうかは別の話だが。作文が一番苦手だった青年は成長した。
— 野口貴裕 (@werther0214) September 5, 2017
6.読む力、考える力が身につく
「「書く力」を身につけることで、読書力がつくだけではなく、これからの社会でもっとも必要とされる「考える力」をつけることができる」(齋藤孝『原稿用紙10枚を書く力』だいわ文庫4頁)
— 木山泰嗣(きやま ひろつぐ) (@kiyamahirotsugu) August 19, 2013
7.書き言葉の威力
「話された言葉がその瞬間に消えていくのに対して、書かれた言葉は定着し、時間を超えて残る。それが書き言葉の威力である。文字の永遠性を活用して、不安定なものをその都度確定していき、経験の意味を残すところに、書くことの基本的機能があるのだ」(齋藤孝『原稿用紙10枚を書く力』、大和書房)
— 長久啓太(岡山県学習協) (@okayamagaku) March 16, 2012
まとめ:作者×読者×自分を組み合わせて、構築力×生命力=スタイルのある文章を書こう
まとめ:グッときたところベスト3
- 1位:引用のポイントを外さないコツ
- 2位:「書く」ことは構築すること
- 3位:生命力と構築力
原稿用紙10枚=4000字を書くための要点は、以下のとおり。
キーワードを抽出してレジュメをつくり、文章の構築(設計図)に時間をかける。
引用するときは、以下の3つをバランスよく取り出す。
- 作者が言いたいこと
- 読者がハッとすること
- 自分がおもしろいと感じたこと
文章を書くときは、構築にもとづいて肉付けし、まずは量をこなす。
文体は最後に考えることで「好きな人の作品に浸る、良い文章を読む、音読」で文章の生命力を身につけていく。
最終的に「作者×読者×自分」を組み合わせて「構築力×生命力=スタイルのある文章」を目指すのです。
以上です。
P.S. ムダなページがなく、たくさんの意味がつまった本でした。
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