- 「肝臓が不調のせいか、体がだるい」
- 「肝臓不調のサインやチェックリストを知っておきたい」
- 「肝臓不調が引き起こす病気を知りたい。若々しく、健康的なカラダを手に入れたい」
この記事はそんな方へ向けて書いています。
この記事でわかること
- 肝臓不調のサイン、症状
- 肝臓不調のチェックリスト
- 肝臓不調が引き起こす4つの病気
- 肝機能を高める3つのコツ
- 肝臓に良い食べ物、飲み物
- 肝機能を高める3つのツボ
本記事の信頼性
- 医学博士「大山 良徳」先生監修「GOOG Life」より抜粋
- 参考図書:肝機能を自力で高める最強療法
本記事は「肝臓が不調になるとどんな病気になるのか」の勉強まとめです。
この記事を読むことで、肝臓不調による4つの病気、肝臓不調のサイン症状、チェックリストがわかります。
肝臓のトラブルは初期では症状が出にくいです。
自覚症状が現れるころには、症状が進んでいる可能性があります。
Contents
肝臓不調のサイン・症状
肝臓は重要器官です。
肝臓が元気でなければ、身体の元気はありえないからです。
肝臓の代謝機能低下の可能性がある3つのサイン
以下は、肝臓の代謝機能が低下しているサインかもしれません。
- 体がだるい
- 足のむくみ
- 産後、疲労が抜けない
1.体がだるい
「なんとなく体がだるい」のサインを無視して、日常生活を送ってしまいがちです。
ただやたらと疲れやすく、だるさが抜けない場合は注意です。
2.足のむくみ
夕方に足がむくむのは生理現象です。
しかし一晩寝てもむくみが取れず、改善されない場合は注意です。
軽く考えないほうが良いです。
3.産後、疲労が抜けない
肝臓にはエストロゲン(女性ホルモン)を調整する働きがあります。
出産によりエストロゲンが急激に増加するため、代謝能力が落ち、肝機能の低下になる場合があります。
肝機能の低下が引き起こす症状
肝臓の働きの代表的なものに「代謝機能」があります。
代謝とは?
肝臓が体の中に入った食物からの栄養素を体に役立つ形に変えて全身に送り出したり、栄養素を必要とするまで蓄えたりする働きのこと。
代謝機能が弱ると、体にエネルギーが行き渡らなくなります。
以下の肝機能低下のサインを発します。
- だるさ
- むくみ
さらに進行すると、以下です。
- 急性肝炎
- 肝硬変
肝機能低下でさまざまな症状が起こるのですね。
肩こり、冷え性も
肝臓の代謝機能がうまくいかず、血液のめぐりが悪くなり、肩こりや冷え性につながります。
肝臓不調のチェックリスト12個
肝臓の健康度をはかるチェックリスト12個
- 胃がもたれやすい
- 足がむくみやすい
- 足が重くてだるい
- 体重が急激に減った
- 手の平が黄色っぽい
- 熟睡が十分にできない
- 手足がいつも冷えている
- 手や足の裏に汗をかきやすい
- イライラして怒りっぽくなった
- 少し食べただけで胃が張って苦しい
- 首筋から前の胸にかけて赤味がある
- 疲れやすく、なかなか疲れが取れない
「肝機能がみるみるよくなる100のコツ」のチェックリストでは合計点数で症状がわかります。
ちなみにブロッコリーの成分「スルフォラファン」が肝機能マーカー(ALT値)を下げる働きがあります。
なおブロッコリーのデメリット・栄養効能は下記記事にまとめています。
» ブロッコリーのデメリット2つ【体臭と胃腸への負担/メリット9つ】
【知っておくべき】肝臓が不調になると4つの病気につながる
肝臓の機能低下で引き起こす4つの病気
- 脂肪肝
- 肝硬変
- 肝炎
- 肝臓がん
1.脂肪肝
肝細胞に中性脂肪がたまっている状態です。
原因は以下の生活習慣です。
- 食べ過ぎ
- 飲み過ぎ
- 運動不足
アルコール性の脂肪肝は「肝硬変」に進行することもあります。
2.肝硬変
慢性的な肝臓の炎症により、硬い繊維組織がつくられた状態です。
肝硬変になると元に戻すことが難しく、合併症、ウイルス感染などのが起こり「肝臓がん」を発症しやすくなります。
3.肝炎
何らかの原因で肝臓に炎症が起こった状態です。
短期間で悪化したものを「激症肝炎」といいます。
日本ではA型・B型のウイルス性によるものが多く、肝硬変や肝臓がんへ移行する危険性もあります。
4.肝臓がん
ウイルス性肝炎が悪化したものと、他から転移したものがあります。
初期では気づきにくく、進行してからしこりや圧迫感として感じることもあります。
肝臓とアルコールの関係について
肝臓はアルコールを分解する器官です。
肝臓がアルコールを1時間に処理できる能力
肝臓がアルコールを分解する時間は、1時間に4分の1合です。
3合飲むと12時間稼働です。
二日酔いになるわけです。
肝臓がアルコール分解の正常範囲を超えると
多量のアルコールが入ってくると、肝臓はアルコールを無毒化するまで長時間処理を続けます。
処理に追われてしまい、生成した中性脂肪が貯まってしまいます。
処理能力を超える飲酒とは
- 男性:1日に約2合
- 女性:1日に約1合
※日本酒換算
肝臓内の中性脂肪が30%以上になると「脂肪肝」の状態です。
アルコールを分解する酵素を持つ人、持たない人
遺伝や人種でどのくらい酵素を持っているかで決まります。
肝臓はカラダで1番重い臓器です(1.2〜1.5kg)。
3,000億個の肝細胞があり、その中で働く酵素は2,000種以上です。
- AA型:お酒が飲めない下戸タイプ。モンゴロイドにのみ約5%存在
- AG型:酒に弱いタイプ。モンゴロイドにのみ約45%存在
- GG型:酒に強いタイプ。コーカソイド(白人種)、ネグロイド(黒人種)はほぼすべてこのタイプ
日本人(モンゴロイド)の約半数はお酒が弱い、または飲めない人です。
白人、黒人はほとんどがお酒に強いタイプです。
NASHとは?
アルコールを飲まなくても発症する肝炎です。
第3の肝臓病と言われる非アルコール性脂肪肝「NASH」です。
カロリー過多な食事や肥満などで脂肪肝が進行してしまったというケースで女性にも多く見られています。
コレステロールや中性脂肪との関係
肝臓の中性脂肪が30%以上で脂肪肝
肝臓にはコレステロールを作る働きと、分解して排出する機能もあります。
- 健康な肝臓の中性脂肪は3〜5%
- 中性脂肪30%以上になると脂肪肝
何かの要因で肝臓の働きが崩れるとコレステロールや中性脂肪が高くなります。
いずれは「脂肪肝」になる場合もあります。
脂肪肝は肝臓の中に脂肪が入り込んでいる状態です。
肝細胞の機能低下の原因です。
コレステロール値の目安
✔︎ GOT
肝臓のほか心臓や手足の筋肉、血液の中にも存在する酵素。
肝機能の炎症度合いで数値が高くなる。
正常値は10〜40IU/L。
✔︎ GPT
肝臓の細胞の中だけにある酵素。
GOTと同じく、肝機能の炎症度合いで数値が高くなります。
正常値は5〜45IU/L。
数値が高くなると、脂肪肝の疑いもあります。
脂肪肝をそのままにすると心筋梗塞、狭心症に
脂肪肝は生活習慣病と言われています。
脂肪肝の主な5つの原因
- カロリー過多
- 大量の飲酒
- 糖尿病
- 脂肪の代謝機能低下
- 栄養バランスのない食事
脂肪肝はなかなか気づかないため、健康診断の血液検査の結果、GOTやGPTの上昇から偶然発見されることが多いです。
軽い脂肪肝でも、以下の合併症の発症率が健康な人より高くなるので注意。
- 心筋梗塞
- 狭心症
✔︎ 心筋梗塞
動脈硬化が悪化して、血管内の脂肪(プラーク)の塊が破れ、血栓ができてしまうこと。
胸に激痛があり、血圧低下によるショック状態や、重篤になる危険性もあります。
✔︎ 狭心症
発作的に胸の痛みや圧迫感をくりかえす病気。
痛みは心臓に十分な血液が送れないために起こります(軽いものから激痛まで)。
心筋梗塞に移行するものあり要注意です。
肝機能を高める3つのコツ【代謝、解毒、担汁】
肝臓の主な3つの働き
- 代謝機能:栄養素を分解、合成しエネルギーとして蓄える
- 解毒機能:有害な物質を分解し、無害なものに変える
- 担汁の生成・分泌:脂質の消化吸収を助け、血中のコレステロール濃度の調整
3つの機能を高めるコツを、順番に解説します。
1.代謝機能を高めるコツ
肝臓に良い食品を取り入れ、代謝機能をアップさせること。
健康な肝臓を保つための食品・成分6つ
- レバー
- EPA・DHA
- ウコンエキス
- しじみエキス
- 紫蘇油
- ビタミンB2・E
1.レバー
豚レバーが効果的です。
- 肝機能を活発にする
- 肝細胞を修復する作用
良質なタンパク質やビタミンB2が豊富です。
2.EPA・DHA
体内に抗酸
イワシやサバなどの青魚に含まれています。
動脈硬化などの成人病予防に役立ちます。
3.ウコンエキス
ウコンに含まれるポリフェノール類(クルクミン)がアセトアルデヒドの分解速度を速めてくれると言われています。
消化系・肝臓の症状改善の作用・効果があります。
アセトアルデヒドとは?
お酒を飲んだときに発生する有害物質。
体内の「ALDH(アルデヒド脱水素酵素)」により分解されます。
ALDHには、アルデヒドが低濃度のときに働く「ALDH2」と、高濃度にならないと働かない「ALDH1」があります。
» 参考:お酒の代謝能力の違い
4.しじみエキス
二日酔いに効く食品です。
しじみに含まれる「オルニチン」が肝臓に作用し、鉄分が多い
旅館でお酒を飲んだ翌朝の「しじみ味噌汁」が思い出されます。
5.紫蘇油
シソの実から抽出される油には
代謝を高め、成長を促すビタミンB2も豊富です。
6.ビタミンB2・E
タンパク質などの代謝を高め、成長を促すとと
ビタミンEには体の酸化を防いで血圧を下げ、疲労を和らげる効
代謝とは?
栄養素は小腸などの消化器官から吸収されます。
そのままではエネルギーとして使えないため、肝臓で取り入れやすい形に分解・合成です。
これが「代謝」です。
代謝に伴い、体温の維持・調整が行われています。
2.解毒機能を高めるコツ2つ
- 果物や野菜の酵素、発酵食品
- 亜鉛(牡蠣・豚レバー)
1.果物や野菜の酵素、発酵食品
酵素は、生命の維持や活動に不可欠です。
生物が物質を摂取してから排泄にいたるまで、整体内で怒る化学反応の多くに関与しているから。
しかし以下で酵素バランスがくずれると分解できず体調不良です。
- 脂肪分の多い食事を摂り続ける
- アルコールを多量に摂取する
「加齢により体内の酵素の量も低下する」と言われています。
対策は、野菜や果物に含まれる「酵素や発酵食品」を摂ることです。
2.亜鉛(牡蠣・豚レバー)
肝細胞の再生を促し、脂質の過酸化を抑える働きがあるミネラルです。
亜鉛を豊富に含む食品例です。
- ほや貝
- カニ缶
- 牡蠣(生)
- 牛肉(肩)
- 豚肉(レバー)
牡蠣や豚レバーは、肝臓のアルコール分解機能にも期待できます。
お酒を飲む人は摂取しておきたい成分です。
解毒とは?
アルコールやアンモニアなど体に有害な物質を代謝・分解して無害なものに変える働きのこと。
食品添加物や農薬、病気の治療のための薬物などの有害物質も、無毒化して排出します。
3.担汁の生成機能を高めるコツ
肝臓では、コレステロールを原料にして「担汁」を生成します。
担汁は胆のうを経て十二指腸内で分泌され、脂肪を消化・吸収しやすいかたちに変える手助けをしています。
また、コレステロールの生成・分解・排出にも欠かせない存在です。
担汁の主成分「脂肪酸」には、余分なコレステロールを排出する働きがあります。
魚介類などに含まれる「タウリン」の補充で、担汁酸の分泌が増え、血中のコレステロール値の低下にもつながります。
アルコールの分解促進をはじめ、さまざまな働きがあるので、積極的に摂取したい成分ですね。
牡蠣エキス
ビタミン、ミネラル、アミノ酸などがバランスよく含まれた栄養食品です。
タウリン、亜鉛、グリコーゲンの含有量が多く、肝臓に元気を与えます。
タウリンの有用性
- 肝臓の細胞を保護
- アルコールの分解促進
- アミノ酸としてタンパク質の合成を改善
- 細胞を傷つける活性酸素を消去し、脂肪肝を予防
- 担汁の分泌を促し、過剰なコレステロールを排出
担汁は脂肪の消化・吸収を助けてくれます。
» 参考:本当はコワイ脂肪肝 | 不調改善ヘルスケア | サワイ健康推進課
肝機能を高める食べ物、飲み物【料理レシピ2つ】
肝臓に良い食べ物、飲み物
- 枝豆
- 豆腐
- 納豆
- 牛乳
- カキ
- みそ汁
- しじみ
- 梅干し
- 海藻類
- かぼちゃ
- にんにく
- キャベツ
» 参考:栄養に関する情報『肝臓に良い食べ物』をご紹介します
梅干しについては「【梅干しのデメリット4つ】選び方のポイント3つ、栄養素、健康効果」解説しています。
【参考】料理レシピ2つ
レバーペースト
材料
- 豚レバー 300g
- 玉ねぎ すりおろし半分
- ニンニク すりおろし1片
- ブイヨン 100cc
- 赤ワイン 100cc
- 香草(ローリエ)2枚
- 香草(タイム)適宜(生の場合は葉だけ)
- 塩コショウ 適宜
- 牛乳 適宜(レバーがひたひたになるくらい)
- 生クリーム 50〜100cc
- バター 10g
- フランスパン 適宜
作り方
- 豚レバーを薄切りにして、牛乳に約10分ほど漬けて、臭みを抜く
- すりおろした玉ねぎ、ニンニク、香草、赤ワイン、ブイヨンを鍋に入れ火にかける
- 煮立ったら豚レバーを入れ、塩コショウをする
- 汁気がなくなるまで煮たら、火を止め粗熱を取る
- ローリエは取り除く
- ミキサーに②と生クリームとバターを入れ、滑らかになるまでかける
- 冷蔵庫で冷やしてできあがり
- フランスパンを好みの厚さにスライスし、ペーストを塗る。
簡単に作れます。
豚レバーといんげん豆のトマト煮
材料
- 豚レバー 100g
- ベーコン 1枚
- 玉ねぎ 1/3個(70g)
- ニンニク 1/2片
- セロリ(大) 1/3本
- サラダオイル 大さじ1/2
- ホールトマト缶 200g
✔︎ A
- 白インゲン豆(ゆで) 100g
- 塩 小さじ1/4
- こしょう 少々
- ナツメグ 少々
- タイム 少々
- オレガノ 少々
- チリパウダー 小さじ1/4
- ローリエ 1/2枚
✔︎ B
- 砂糖 大さじ1/4
- しょうゆ 大さじ1/4
- タイム 適宜
作り方
- レバーは7〜8mm角に切る
ベーコン・玉ねぎ・にんにくは粗みじんに切り、セロリはスジを取ってから、粗みじん切りにする - 鍋に油を熱し、まず①のレバーを炒める
火が通ったら残りの①のベーコン・野菜を加え、野菜がしんなりするまでよく炒める - Aを加えてさらに炒め、トマトを加えて実をつぶす
Bを加えて味を調え、時々混ぜながら、汁気がなくなるまで煮る - 器に盛り、タイムを添える
おいしく作るコツは「下ごしらえ時の血抜き」です。
その他に「肝機能を自力で高める最強療法」にも10種類ほど肝機能をイキイキさせるレシピがあります。
肝機能を高めるのは有酸素運動
有酸素運動が有効です。
食べ過ぎや運動不足などが原因で起こる「脂肪肝」です。
ウォーキングなどの有酸素運動を1日30分以上続けると症状が改善することが、筑波大学の研究で明らかになっています。
「やせなくても効果あり」と筑波大学教授が述べています。
» 参考:ウォーキングが脂肪肝を改善 「1日30分以上」の運動が効果的
肝機能を高める3つのツボ
1.脚後跟
肝機能が高められる足の裏のツボは奇穴の1つで「脚後跟(きゃくごこん)」といいます。
ツボのある場所は、かかとの正中線の後縁です。
指の腹で「10回繰り返して押す×2セット」と効果的です。
» 参考:『肝機能がみるみるよくなる100のコツ』
お酒をやめずに肝臓を強化するには
- 1週間に2日お酒を飲まない日をつくる
- 「脚後跟」を押すことを習慣にする
ふだんから「脚後跟」を刺激して、肝臓を強化しておくことが大切ですね。
2.右足の裏のゾーン
肝臓状態がわかる足裏のゾーンは、右足の裏の中央斜め上です(上記写真)。
肝臓が弱ってくると、この肝臓のゾーンを押したりして刺激してみると、痛みやしこりを感じるはず。
ゾーンをこぶしでたたくと、肝臓に栄養を行き渡らせられます。
肝臓の強化にもつながります。
肝臓病予防のために、毎日ゾーンを刺激すると良いのです。
3.太衝
少しでも肝臓の不調を感じたら、早めに太衝のツボを押す。
- 1日に押す回数は「5秒×10回」を朝昼晩の3回
- 症状が改善されたあとも2週間くらいは続ける
慢性化した不調や病気には、継続してこそ効果が得られます。
まとめ:肝臓の不調を見つけて、若々しく健康的なカラダを手に入れよう
「肝心要」という言葉があるくらい、肝臓は重要です。
肝臓は「沈黙の臓器」と呼ばれています。
何かSOSがあっても、気づきにくいのです。
「SOSが聞こえないから気にしなくていい」ではないです。
聞こえないからこそ、こまめに肝臓を気にしてあげたほうが良いのです。
肝臓を気にかけておくことで病気を予防できます。
若々しく健康的なカラダは肝臓から始まります。
以上です。
P.S. 肝機能低下を防いで、ハッピーライフを送りましょう。
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