- 「美術館に興味がある」
- 「美術に関する本を読みたい」
この記事はそんな方へ向けて、「美術館へ行こう」と思える本を紹介します。
この記事でわかること
- 『なぜ美術館に通う人は「気品」があるのか』中谷彰宏【著】のグッときたところベスト3
- 概要、口コミ
本記事を書いている私は中谷彰宏歴27年2ヶ月です(1996年4月から)、著作はすべて読みました。
美術に興味はありませんが「中谷彰宏さんの本」という理由で本書を買いました。
著者の中谷彰宏さんは月30件、年間で365件、美術展に行っています。
著者の学生時代の「1日映画3本、月間で100本のノルマ」を思い出します。
本記事は、『なぜ美術館に通う人は「気品」があるのか』の書評です。
美術館に行くことで「上には上がいる」がわかります。
美術に興味がなくても楽しめる1冊でした。
Contents
【書評】『なぜ美術館に通う人は「気品」があるのか』のグッときたところベスト3
グッときたところベスト3
- 1位:自分の仕事よりも、もっと大変な仕事があることに気づける
- 2位:キャパが広がり、多様性に寛大になる
- 3位:明日古くなる情報より、一生使える知識を持つ
順番に解説します。
1位:自分の仕事よりも、もっと大変な仕事があることに気づける
気品のない人は
「自分が世の中で1番忙しい」
「ほかのヤツらは自分よりはるかにラクな仕事をして、ラクに収入を得ている」
「なんで自分だけがこんなに苦労しなければいけないんだ」
と怒っています。
これが気品のなさにつながります。
美術館に行くと、「こんな凄いことをする人がいる」ということを目の当たりにします。
建築家・安藤忠雄さんは、「『こんなん、ようやるなあ』というところからが建築」と言います。
まさに、それが芸術です。
「これはできないよね」と思うぐらいビックリするようなことをするのです。〜中略〜
工芸品は、1ミリの花びらなんて、どうやってつくるんだと驚かされます。
「それに比べたら、自分の仕事はまだラクだな」という気持ちになります。
「自分より大変な仕事をしている人がいる」という謙虚さが、気品につながるのです。
一流に触れることの大切さは、北野武さんも言っています。
北野武さんが女優の菅野美穂さんに「一流の美術館に行って、一流のものに触れたほうがいい」とアドバイスしました。
菅野美穂さんはすぐにパリのルーブル美術館へ行ったというエピソードがあります。
一流のものに触れる大切さを北野武さんは知っているのです。
本書からわかる美術館に行くメリット
・一流に触れられる
・キャパが広がり多様性に寛大になる
・美術館に行くことで姿勢が良くなる
・芸術作品を通して、芸術家の生きざまを学べる
・背伸びをして恥をかくことで、気品が身につく
・美しいしぐさは美術館の美しいものを見ることで学べる
「美術館にメリットはない」と思っていましたが間違いでした。
すべては気品に通じます。
本書で下記の気持ちになりました。
「美術館へ行こう」
「美術館へ行ってみようかな」
「少し美術を勉強してみようかな」
「美術館で自分の器が広げてみようかな」
きっかけがもらえたのです。
2位:キャパが広がり、多様性に寛大になる
美術館は、好きなモノを見に行く場所ではありません。
自分が今まで知らなかった好きなモノに出会いに行く場所です。
知っている好きなモノに出会おうとするのは、ネットの検索と同じ感覚です。
ここで食わず嫌いが起こります。
好きなものの幅がどんどん狭まって、美術館に行く習慣がさらになくなるのです。好き嫌いに関係なく、たまたま通りかかったところで何かやっていたから、行ってみることです。
電車の中吊り広告を見て、沿線で何かやっているとわかったら、新幹線に乗って行ってみます。
そんなに期待なしにぶらりと行くとなかなか面白いのです。
「わけがわからない」というリアクションでもいいのです。
わけのわからないものに出会う体験が、その人のキャパをつくります。
美術でキャパができると、人間に対してのキャパも広がります。
自分が理解できない人に出会った時に、「世の中には、いろいろな人間がいるんだな」と、寛容に接することができるのです。
自分の正しさだけが正しいのではありません。
世の中には、いろいろな「正しい」「面白い」「美しい」があります。
「知らなかったけど、なんだろう」というところからキャパが広がって、それがその人の器になります。
興味のある展覧会にだけ行っていると、その人の器はどんどん小さくなるのです。
器は伸び縮みします。
大切なのは、「何かやっているから、行ってみた」という感覚です。
そこから、その人の人生は一気に広がります。
美術館に行って広がるのは、美術の感覚ではなく、その人の人間としてのキャパなのです。
美術館で思うのは「わけがわからない」です。
知識不足もありますが、とにかく理解できません。
過去に美術館へ行きました(下記)。
覚えているのは以下のとおり。
彫刻の森美術館
山の中にあるハイキングができそうな広い美術館。
1番奥にエリアにピカソ作品が展示されていますので、まずはピカソ作品を見学した後、戻りながら見学するのが効率的です。
屋外の所々に大きな彫刻のような作品が展示されています。
散歩しながら作品に触れられるため、天気の良い日にはうってつけの場所。
「予習してからのほうが楽しめる」と感じました。
足立美術館
島根県の有名な美術館で、大きな庭園が印象的です。
旅行モデルコースに掲載の多い観光地のため、どうしても行ってみたかった美術館でした。
「底入れにかなりの手間をかけている」くらいしか理解できなかったです。
他にも展示物は多数あり、軽く2時間は過ごせますが記憶に残っていません。
本書の「足立美術館」の文章を引用
島根県の足立美術館は、外国人が訪れたい庭園の日本一です。
広大な庭園に木がありますが、落ち葉は1つも落ちていません。
開館前に、庭師の人たちが全部きれいに掃き清めているのです。
そこに何かがないことに気づけるのが気品です。
あるものは誰でも気づけます。
落ちているはずの落ち葉がないことに気づけることが気品です。
深いです。
藤子・F・不二雄ミュージアム
プライベートで行ったミュージアム。
室内と室外の組み合わせです。
混んでいて、入るまでに30分くらい並びました。
ドラえもん好きな方は楽しめます。
どの美術館も自分の意思というよりは、「何かのきっかけで行った」という感じです。
「食わず嫌いせずに、行ってみる」が、キャパを広げるのに大事です。
3位:明日古くなる情報より、一生使える知識を持つ
情報化社会は、ネットで調べれば情報はいくらでも手に入ります。
「情報」と「知識」とは違います。
美術に関しての知識は、一生使えます。
古くならないのです。
ネットで仕入れた情報は、明日には古くなります。
本なら瞬間ベストセラーでもロングセラーにはなりません。
ネットで得た知識は、みんなが手に入れることができます。
美術に関する知識は、その人の体験や教わった先生によって変わります。
知識には、自分しか持てないオリジナリティーがあります。情報では、人間はワクワクしたり、燃えたりしません。
美術は、人を燃えさせることができます。
「こんなものは芸術じゃない」と怒っている人も、ある意味、燃えているのです。
「なんでこんなものが!」と叩き割ろうとして、警備員に捕まっている人は、ある意味、興奮しているわけです。
特に現代アートは、なかなか理解できない部分があります。情報は、時にはだまされることがあります。
美術は、だまされることも面白味として味わえます。
ブログと同じです。
できるだけ古くならないものを書く。
トレンド記事を書くよりは、資産になる記事を書く。
美術の知識も古典のように使える知識なのです。
ネットで得る知識は、誰にでも手に入る同じものです。
美術は体験や先生からの知識で、自分だけのオリジナルです。
知識があると楽しめるのが美術です。
『なぜ美術館に通う人は「気品」があるのか』で、美術館の楽しみ方を知る
美術館に行くことで得られるものがある
読み終わったときの感想です。
美術とはほぼ無縁の世界で生きてきましたが、今後、美術館に行くときは再読します。
美術館の楽しみ方、作品の味わい方が書いてあるからです。
美術作品を見るのにも、予備知識がある・ないで楽しみ方が変わります。
- 知識がある
- 知識がない
美術作品を見るにもマナーがあります。
- マナーがある
- マナーがない
知識があって、マナーがある人が、美術館を1番楽しめます。
そんなことを気づかせてくれる本です。
「家族で美術館に行くのもあり」と感じました。
美術のある人生も良さそうです。
気品がある人は何が違うのか、知りたい人におすすめ
こんな方におすすめ
- 気品のある人は何が違うのか、知りたい人
- どうしたら気品を身につけられるか、知りたい人
- 芸術を日常生活に取り入れて、楽しみたい人
下記の人にはおすすめできません。
- 芸術が嫌いな人
- 気品を身につけたくない人
- おすすめ美術館情報を知りたい人
おすすめ美術館などの情報の載っていません。
著者:中谷彰宏のプロフィール
1959年、大阪府生まれ。早稲田大学第一文学部演劇科卒業。84年、博報堂に入社。
CMプランナーとして、テレビ・ラジオCMの企画、演出をする。
91年に独立し、株式会社中谷彰宏事務所を設立。
ビジネス書から恋愛エッセイ、小説まで、多岐にわたるジャンルで、数多くのロングセラー、ベストセラーを送り出す。
「中谷塾」を主宰し、全国で講演、ワークショップを行っている。出典:中谷彰宏公式サイト
5つの章、書籍情報
目次
第1章.なぜ美術館に行く人は気品があるのか。
第2章.気品がある人は、イライラしない。
第3章.気品がある人は、暗闇を味わうことができる。
第4章.日常生活で、気品を磨く。
第5章.気品とは、学ぶ姿勢にある。
書名 | 『なぜ美術館に通う人は「気品」があるのか』 |
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著者 | 中谷彰宏 |
単行本 | 182ページ |
出版社 | 水王舎 |
発売日 | 2020/3/2 |
『なぜ美術館に通う人は「気品」があるのか』の口コミ
Amazonの口コミ1つ
要約します。
美術館へ行くとなぜ気品が?
- 絵を観ているときの姿勢が正しくなる
- 神社へ行った時のような謙虚な気持ちになれる
- 静けさを味わうことで気品が出る
メモしておきたい言葉がたくさんあります。
Twitterの口コミ1つ
読んでみました。#読書
中谷彰宏著「なぜ美術館に通う人は気品があるのか。品格を身につける57の工夫」読書をするようになってから多方面の事に興味を持つようになりました。只、その反面以前好きだった漫画やドラマに興味がなくなってしまいました。中には気色悪くなるものも。 pic.twitter.com/bQyBI6EhEM— 爆音2 (@bakbfUEEKFiyPYf) August 22, 2022
まとめ:「なぜ人は美術館に行くのか」の答えは、美術で人生が広がるから
まとめ:グッときたところベスト3
- 1位:自分の仕事よりも、もっと大変な仕事があることに気づける
- 2位:キャパが広がり、多様性に寛大になる
- 3位:明日古くなる情報より、一生使える知識を持つ
どんなことからも学ぶ姿勢が、気品を生み出します。
人生に美術を取り入れるのもあり
本書を読むと「美術館へ行ってみようかな」と思えます。
自分の人生に「美術」を取り入れるきっかけになる本です。
美術を取り入れることでキャパが広がります。
新しい視点を取り入れて、人生をもっと楽しみたい人へ本書を捧げます。
以上です。
P.S. 自分の人生を広げていくのが、美術なのですね。
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