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【書評・要約】『20歳の自分に受けさせたい文章講義』のレビュー

2020年7月7日

【書評・要約】『20歳の自分に受けさせたい文章講義』のレビュー
  • 「『20歳の自分に受けさせたい文章講義』の内容、書評を知りたい」
  • 「『20歳の自分に受けさせたい文章講義』の口コミ、評判を知りたい」
  • 「一生使える書く技術を身につけたい」

この記事はそんな方へ向けて書いています。

 この記事でわかること

  • 『20歳の自分に受けさせたい文章講義』古賀史健【著】の書評【グッときたところベスト3】
  • おすすめの人、おすすめしない人、目次、口コミ7つ
  • レビュー動画2本

 本記事の信頼性

  • ブログ歴:2019年1月にブログ開設
  • ブログ実績:過去最高は月62,000PV、月54,000円(確定)

文章を書く人であれば、一度は聞いたことがある本が『20歳の自分に受けさせたい文章講義』です。
成果を出しているブロガーのほとんどが、最初に読む文章本として勧めています。

なぜ、おすすめなのか?

理由は、万能に使える「文章の型」と「読者の椅子」です。

本書は「文章についてわかりやすく解説された本」です。
しかし、平易な本ではありません。

今まで30冊以上の文章本を読んできましたが、本書は読めば読むほど味が出ます。
要約しつつ、感想を書いていきます。

【書評・要約】『20歳の自分に受けさせたい文章講義』のグッときたところベスト3

【書評・要約】『20歳の自分に受けさせたい文章講義』のグッときたところベスト3

 グッときたところベスト3

  • 【第1位】導入は「映画の予告編」のつもりで
  • 【第2位】自分の文章に自分でツッコミを入れる
  • 【第3位】「10年前の自分」に語りかける

他の本にはない、本書の「独自の強み」です。

【第1位】導入は「映画の予告編」のつもりで

たしかに日常文で起承転結を気にする必要はない。
しかし、日常文だからこそ大切になる要素がある。それは導入部分の書き方だ。
これは第3講で詳しく論じるテーマになるが、ある文章を読むか読まないかの選択権は、読者にある。
最初の数行を読んでつまらないと思ったら、もう読んでもらえない。
小論文や課題作文であれば読者(教師や評者)にも読み通す責任があるが、一般的な日常文にはそれがない。読者はいつも「読まない」という最強のカードを手に、文章と対峙しているのである。
となれば、導入の目的はひとつしかないだろう。
読者を劇場へと誘導し、まずは、”椅子”に座ってもらうことだ。本編の上映は、そのあとの話である。

導入文が命です。

なぜなら、導入文で「読む、読まない」が決まるから。

どうしても本文に注力してしまいます。
序論、本論、結論の「本論」です。

「本論」は割合が大きいため、力が入るのは仕方がないこと。

しかし、文章は読んでもらえなければ意味がありません。
椅子に座ってもらわなければ、何も始まらないのです。

 紹介されている3つの導入文のパターンは、以下のとおり。

1.インパクト優先型
2.寸止め型
3.Q&A型

導入文の役割は、読者に期待感を持たつつ、本文へ誘導すること。

導入文で読者の心を捉えることがなかったら、離脱されます。

【第2位】自分の文章に自分でツッコミを入れる

どんなタイプの文章であれ、あなたの”主張”をそのまま鵜呑みにしてくれる読者など、ほとんどいない。当然ながら”反論”は出てくる。
議論のテーブルについた読者は、常に考えながら、疑いながら、あなたの”主張”に耳を傾けている。そして少しでもおかしなところがあれば、容赦なく反論してくる。
だが、反論を恐れる必要はない。
もし、あなたが反論の出ないような文章を書いているのだとしたら、逆に危険信号である。あなたは自分の”主張”を述べているのではなく、とるに足らない一般論を述べているだけだと思ったほうがいい。しっかりとした”主張”には反論が出るのは当たり前だし、反論に答えることは、読者との有意義な”対話”なのである。

 文章の王道の型は、以下のとおり。

① 主張
② 理由
③ 具体例
④ 反論への理解
⑤ 主張

引用文は「④ 反論への理解」についての解説です。

・反論に答えていくことで、読者を納得させられる
・反論に先回りすることで、読者の立場に立った文章が書ける

ゆえに、反論への理解は、文章の武器になるのです。

「反論がたくさんある場合はどうすればいい?」という意見もあるかもしれません。

問題ありません。

本書では「数種類の反論に答えていってかまわない」といいます。

 たとえば以下のとおり。

① 主張
② 理由
③ 具体例
④ 反論への理解
⑤ 反論への理解
⑥ 反論への理解
⑦ 主張

上記のとおり。

場合によっては、「②の理由」が3つになることもあります。
臨機応変に対応していくことで、読者とのやりとりが増えていきます。

 「反論への理解の効果」は、以下のとおり。

・文脈上の「転」になる
・文章のリズムを良くする
・文章を面白いものにする

先回りして反論に答えると、メリットばかりですね。

【第3位】「10年前の自分」に語りかける

結局、われわれが本当の意味でその「椅子」に座れる読者は、世の中に2人しかいないとぼくは思っている。
次の2人だ。

① 10年前の自分
② 特定の”あの人”

まずは①の「10年前の自分」から説明しよう。
ここでの10年前というのは便宜上の数字で、別に半年前でも20年前でもかまわない。ともかく「あのとき」の自分だ。
あなたはいま、ある情報を手に入れている。知識かもしれないし経験かもしれない。ともかく有益な情報だ。
そして有益な情報とは、往々にして「もしこれを10年前に知っていたら!!」と思わせるものである。10年前に知っていたら、自分の人生は変わったかもしれない。10年前に知っていたら、あんな苦しい思いをせずにすんだかもしれない。あんなに悩まずにすんだかもしれない。
もし、そんな思いがあるとしたら「10年前の自分」の椅子に座ればいい。「10年前の自分」に語りかけるようにして書けばいいのだ。彼や彼女がどんな景色を見て、どんな悩みを抱えているのか。どんな言葉を嫌い、どんな言葉に耳を傾け、どう伝えれば納得してくれるのか。すべてが手に取るようにわかるはずだ。

こうして書かれた文章は、言葉の強度が違う。

伝える相手は2人だけです。

1.過去の自分
2.特定の”あの人”

順番に解説します。

1.過去の自分に伝える

なぜ過去の自分に伝えるのか?

なぜなら、自分の悩みは誰よりも自分が1番わかるからです。

たとえば、当ブログ(Blog Chronicle)は、「3年前の自分」に向けて書いています。

3年前の自分は、文章の書き方は何も知りませんでした。
手持ちの武器と言えば、就職活動で身につけた「結論→理由→具体的体験談」くらい。

なんの武器も持っていなかった自分へ、本書を読んだ内容を伝えたいです。

ゆえに、過去の自分を救うつもりで書くと、似た状況の人に刺さります。

逆に、万人向けに書くことはNGです。
誰にも読まれないからです。

大切なのは過去の自分に向けて書き、過去の自分を救うことです。

2.特定の”あの人”へ伝える

なぜ特定の”あの人”へ向けて書くのか?

読者を絞るためです。

なぜ読者を絞るのか?

読者を絞らないと、多数派に向けて書いてしまうからです。

なぜ多数派に向けて書くのはダメなのか?

読者の顔が見えず、誰に向けて書いているのかわからないから。

八方美人の文章は、誰にも好かれません。
面白くないからです。

たったひとりの「あの人」へ向けて書くからこそ、文章が尖り、刺さるのです。

説得力があるのです。

『20歳の自分に受けさせたい文章講義』は、一生使える書く技術を身につけたい人におすすめ

20歳の自分に受けさせたい文章講義

おすすめの人、おすすめしない人

こんな方におすすめ

  • 正しい文章の書き方を学びたい人
  • 文章を書こうとすると、固まってしまう人
  • 自分の気持ちをうまく文章にすることができない人

本書を読んで変わったことが3つあります。

1.読者を2人意識するようになった
2.反論への理解を盛り込むようになった
3.導入文を3パターンで書くようになった

他にも「主張→理由→具体例→反論への理解→主張」の「主張」を、さらに深掘りしているところも勉強になります。

 さらに読み進めることで、以下もわかります。

・推敲のやり方
・起承転結の使い方
・リズムのある文章の書き方

後述する口コミのとおり、「文章の基本」がつまっています。

逆に、下記の人にはおすすめしません。

・「主張→理由→具体例→反論への理解→主張」以外の文章の型を知りたい人

4つの章の目次【本の情報】

メモ

はじめに.「話せるのに書けない!」のはなぜか?
ガイダンス.その気持ちを「翻訳」しよう
第1講.文章は「リズム」で決まる
第2講.構成は「眼」で考える
第3講.読者の「椅子」に座る
第4講.原稿に「ハサミ」を入れる

書名 『20歳の自分に受けさせたい文章講義』
著者 古賀 史健
単行本 280ページ
出版社 講談社
発売日 2012/1/26

»『20歳の自分に受けさせたい文章講義』をAmazonで読んでみる

著者のプロフィール

古賀 史健
フリーランスライター
1973年福岡県生まれ。かねて映画監督を夢見るも、大学の卒業制作(自主映画)で集団作業におけるキャプテンシーの致命的欠如を痛感し、挫折。ひとりで創作可能な文章の道を選ぶ。出版社勤務を経て24歳でフリーに。30歳からは書籍のライティングを専門とする。以来、「ライターとは“翻訳者”である」「文章は“リズム”で決まる」を信念に、ビジネス書や教養書を中心に現在まで約80冊を担当。編集者からは「踊るような文章を書くライターだ」と言われることが多い。多数のベストセラーを手掛け、インタビュー集『ドラゴン桜公式副読本 16歳の教科書』(講談社)はシリーズ累計70万部を突破。本書は単著デビュー作となる。

Twitterの口コミ7つ

1.ライターなら読んでおきたい本

2.書く力を向上させる本

3.アフィリエイトに使える本

4.初心者ブロガーにおすすめ

5.文章が上手くなりたいなら読むべき本

6.文章力を高める本

7.図解

『20歳の自分に受けさせたい文章講義』のレビュー動画2本

1.【初心者向け】Webライターとして「月5万円」を稼ぐための完全ガイド

動画内で『20歳の自分に受けさせたい文章講義』がおすすめされています。

2.20歳の自分に受けさせたい文章講義

まとめ:書く技術を身につけ、人生を変えよう

まとめ:書く技術を身につけ、人生を変えよう

 まとめ:グッときたところベスト3

  • 【第1位】導入は「映画の予告編」のつもりで
  • 【第2位】自分の文章に自分でツッコミを入れる
  • 【第3位】「10年前の自分」に語りかける

文章を書くとは、以下のとおり。

  • 考えること
  • 過去の自分を救うこと
  • 読者の椅子に座ること

そのために、自分の文章を何度も読み返すことです。

最後にひとつ引用します。

”書く技術”が身につけば、ものの見方が変わる。物事の考え方が変わる。そしてきっと、世界を見る目も変わってくる。

文章が書けるようになると人生が変わるのです。

以上です。

P.S. 書くことはワクワクすることですね。

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