- 「モラハラを受けている」
- 「支配する母親に苦しんでいる」
- 「母親にコントロールされている」
この記事はそんな方へ向けて書いています。
この記事でわかること
- 『母を棄ててもいいですか? 』のグッときたところベスト3
- 支配する母親と縛られる娘の体験談
本記事を書いている私は「母親に束縛されて生きてきた」という感覚があります。
母親と普通に会話ができません。
本記事は「母を棄ててもいいですか? 支配する母親、縛られる娘」を読書感想です。
この記事を読むことで、書評や母親に苦しんでいる人の体験談、本書の口コミがわかります。
母親との関係に悩んでいる人は多いのです。
Contents
モラハラ母親の支配から逃れる『母を棄ててもいいですか?』グッときたところベスト3
グッときたところベスト3
- 1位:閉じ込めてきた感情に向き合う
- 2位:相手に合わせるという「横着」をやめたい
- 3位:自分を傷つけないために
順番に解説します。
1位:閉じ込めてきた感情に向き合う
エリさんは今、母との生活で身についてしまった「自分を殺すことが正しい」という行動の基準を捨てて、”自分の育て直し”を始めようとしている。蓋をしてきた自分の感情と向き合っているのである。子どもの頃から心の底に仕掛けられていた時限爆弾の存在に、エリさん自信がようやく気づいた。
母に対しては憎しみの感情はまったくない。あるのは静かな「怒り」と、大きな「悲しみ」だ。エリさんは、自分の悲しみや、心の奥底に閉じ込めておかなければならなかった怒りを引っ張り出して、なぜ自分はそう思い、そういう行動をとったのかをひとつひとつ洗い出している。
ACは真面目なのだ。彼女たちはいつも完璧を目指して努力する。ちゃらんぽらんになるときですら、事前に本を読み、計画を立て、完璧なちゃらんぽらんになろうとする。そしてひとつ実行した後はこれでよかったのかと反省する。休むことや遊ぶことに罪悪感がつきまとう。そういうところが、ACの長所でも短所でもあるだろう。
エリさんは、相手に合わせること、相手の要望に応えることが癖になっていたので、今は一生懸命に「相手との距離感はこれでいいか」「私の要求をきちんと相手に伝えられたか」「不必要に譲歩しなかったか」をチェックし、反省点を見つけている。
カウンセラーからは「自分を守るには、自分を傷つける相手から離れること、相手に怒りを感じることが重要だ」と言われた。ある日、夢の中で母への怒りを表していたエリさんは、今、心の中で母との決別を進めている。
エリさんは私に似ています。
相手のために自然な感情を押し殺す
子どもの頃から「いい子」になるよう努めてきました。
- 母親に心配をかけてはいけない
- いい子にならなくてはいけない
- 人には優しくなければいけない
そう思いながら、育ってきました。
理由は、いつも姉が母親に心配をかけていたから。
詳しくは書けませんが、子どもの頃から「これ以上、親に心配かけないようにしよう」と思って生きてきました。
気づいた時には、すでに「行動の基準」は自分の中にはありませんでした。
- 高校、大学は親が喜ぶところに行く
- 親が心配するようなことはしない
- 親の期待に応える
「行動の基準=親」になっていたのです。
いつも親の顔色を見て、自然な感情を押し殺すようになっていました。
幼少期にどうやって育てられたのかが、人格形成に影響を与えます。
こうなると簡単には戻れません。
いつでも休めない
ムダな時間が過ごせません。
「何もしない」ができないのです。
一時期は休職しても常に「スーツ」を着用していました。
朝4時に起きて、自分のために勉強(英数国)も始めました。
休職しても罪悪感で「休めない」のです。
休職とは「休む」ことなのに、「休めない」のです。
休職して最初の2ヶ月は、1分も休んだ記憶がないです。
ACは真面目
完璧な休職生活を送ろうとします。
ダラダラ生きれません。
「月曜日の朝4時起きが辛い」という理由で、週末もがんばって早起きしています。
「もっと頑張らなくては」といつも思っています。
「休まずに頑張る自分」をどう扱えばいいのかわかりません。
»【休職生活を公開】朝4時起きの平日スケジュール【土日は気分転換】
2位:相手に合わせるという「横着」をやめたい
小さな頃から母の支配にがんじがらめにされていたハルカさんは、多くのACがそうであるように、常に相手に合わせ、コロコロと考えを変えられる適応能力を身につけた。
「ACって、譲るのが得意ですよね。だから、どこに行ってもどんな仕事をしても順応できます。でもそれは、相手を怒らせてはいけない、不愉快にさせてはいけないと思ったら、結局全部丸呑みしてしまうということです。それは自分の長所でもあるからもしれませんが、自分を殺してまで相手に合わせる必要はないと、自然に思えるようになってきました。今まで、相手に合わせることで楽をするという『横着』をしてきたから、自分がなくなっちゃったと思うので」
相手に合わせることは得意です。
会社員時代、「お客さまの希望よりも上回るものを提供したい」とつねに考えて営業していました。
自分を殺すことに慣れていたので、「自分を殺して相手に合わせる」という営業スタイルはそれほど苦にはならなかったです。
悪質なクレーマーを担当した時も、5年ほど耐え続けて、信頼を得るように頑張ってしまいました。
上司の評価も気にして、すべてガマンしていたのです。
今思えば「ガマンのしすぎ」です。
このハルカさんのように、クレーマーの言うことはすべて丸呑みでした。
「断れない。嫌な思いをさせたくない」という、典型的なACの特徴です。
下記の感情から逃げられません。
- 人に嫌な思いをさせたくない
- 人を不愉快にしたくない
親との関係が原因です。
「人」→「親」に変えても、下記のように文章は成り立ちます。
- 親に嫌な思いをさせたくない
- 親を不愉快にしたくない
親との関係をそのままにして、大人になっているのです。
クレーマーはそこに匂いを嗅ぎつけ、つけ込んできます。
ACは大人になっても、支配的な母親から逃げられません。
嫌われることを極度に恐れてきたからです。
「親に嫌われると生きていけない」と思っていたからです。
良かった点は、客観的になれること
他人の体験談で、客観的に自分を見つめられます。
エピソードに共感できるからです。
「ああ、自分と同じ体験だ」
「自分も似た気持ちになった」
「今、同じ行動をとっている」
「相手の体験談」を読むことで、「自分の体験」を違う目で見れるのです。
3位:自分を傷つけないために
モラ母に支配された娘たちは、人生のどこかで深刻なトラブルに見舞われることが多い。サツキさんは娘リカさんの摂食障害があった。キョウコさん、ナナエさん、ハルカさん、エリさんにはモラ男との結婚があり、うちキョウコさん以外は離婚も経験している。イズミさんは娘ミナさんの自殺未遂や引きこもりがあり、自身はうつ病になっていた。
私は、娘たちのこうしたトラブルに、母との関係で身についた「譲ることへの慣れ」「自身のなさ」が多かれ少なかれ関係していると思う。相手の心をつなぎ止めるため、譲ることに慣れてしまっていると、他人の支配を受けやすい。しかも、母からの支配ですでに傷ついている彼女たちは自分の痛みに鈍感になっているので、傷を負ってもそのことになかなか気づけない。だから不幸のループに陥りやすいのだ。
いつもの慣れで譲らずに、つねに自分の行動をチェックすることが大事です。
- 本心からの行動だろうか
- 本当の気持ちから出た言葉だろうか
- この行動は、いつもの慣れで譲っていないかどうか
時間をかけて考えても良いです。
即答すれば譲ってしまうからです。
自分の本心がわからない時は、体を見つめる
ACはいつもの癖で相手に譲りすぎてしまうので、自分の本当の気持ちに気づくことが難しいです。
本心を知るには、体を見つめると良いです。
体が本心だからです。
具体例
- 蕁麻疹が出る → 体が嫌がっている
- 学校に行く前にお腹が痛くなる → 体が嫌がっている
- 会社に行く途中で気分が悪くなる → 体が嫌がっている
- 疲れすぎていて歩くのも辛い → 体が疲労困憊を訴えている
- 心配事や考え事、ストレスが多くて、熱が出る → 体が信号を送っている
その他にも、腰痛、肩こり、頭痛、歯の痛みなど様々です。
すべては、体が教えてくれます。
私は慢性蕁麻疹が出てから、1年半、無視し続けました。
ガマンしてしまったのです。
結果は休職です。
体は声を出せない代わりに、何らかの方法で教えてくれます。
教えたがっているのです。
ガマンすることは、自分を傷つけます。
ガマンしても母親へ復讐はできません。
本当の自分を取り戻すためにも、ガマン厳禁です。
『母を棄ててもいいですか?』の概要、目次
支配する母親から逃げられない
支配する母親とは「子どもを思い通りにしたい」という気持ちから、子どもを縛ってしまう母親です。
無力で小さな子どもは母親の力から逃げられません。
母親に寄り添うことが、唯一の生きる術だからです。
そんな母親の支配に苦しむ7名の女性に、著者が取材を申し込み、まとめたのが本書です。
取材を元に母からモラハラを受けた女性が、今までどうやって生きてきたか、これからどう生きたいかが書かれています。
読んだ理由は、支配的な母親との関係が苦しいから
母親が嫌いです。
世間一般では愛すべき存在の母親が嫌いなのです。
- 産んでくれた
- 育ててくれた
「母親が嫌い」と言ってしまうと、バッシングを受けるのが普通です。
- 「いいかげん、許してあげなよ」
- 「いつまで昔のことにこだわっているの」
実際に言われた言葉です。
母親を許そうとしました。
今までのことは忘れて、水に流して、感謝して、許そうとしました。
ムリです。
ムリなものはムリです。
許すことは自分に嘘をつくことです。
母親との関係が苦しいです。
母親には会いたくないです。
できることは自分に正直になり、母親と距離を置くことです。
支配的な母親を持つ人におすすめ
こんな方におすすめ
- 支配的な母親を持つ人
- モラル・ハラスメントに悩んでいる人
- アダルト・チルドレンの特性を持ち、生きづらさを抱えている人
無理に「親を大切にしよう」と思わなくて良いです。
許せないものは許せない。
憎いものは憎いでいいのです。
親と距離をとり、時間が解決することを信じています。
「無理に傷口を広げて、日光にさらすだけが、解決方法ではない」と思っています。
下記の人にはおすすめしません。
- 母親が好きな人
- 人生がうまくいっている人
- 母親との関係がうまくいっている人
得るものが少ないはずです。
著者:熊谷 早智子のプロフィール
1959年生まれ。結婚直後から夫によるモラル・ハラスメント(精神的暴力)を受け続けた経験を持つ。結婚19年目に「モラル・ハラスメント」の概念を知り、半年後に離婚。2003年よりポータルサイト「モラル・ハラスメント被害者同盟」を管理運営し、夫、そして母のモラル・ハラスメントに苦しむ女性たちの支援や情報提供等の活動を続けてい
7つの章、書籍情報
各章ごとに「母から解放されるための3箇条」がまとめられてます。
目次
序章.「支配する母親」って、どんな母?
第1章.自分の娘への連鎖で気づいた「プレッシャー母」の恐ろしさ
第2章.娘で虚栄心を満たそうとする「見栄っ張り母」
第3章.正論が重すぎる「スーパー完璧主義な母」
第4章.「強烈な怒りをパワーに変える「ネグレクト母」
第5章.不安定な自分をコントロールできない「ジェットコースター母」
第6章.不意打ちの暴力が恐ろしい「お金至上主義の母」
第7章.「支配する母親」との決別のために
書名 | 『母を棄ててもいいですか? 支配する母親、縛られる娘』 |
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著者 | 熊谷 早智子 |
単行本 | 226ページ |
出版社 | 講談社 |
発売日 | 2011/11/30 |
『母を棄ててもいいですか?』の口コミ、動画
Amazonの口コミ
Twitterの口コミ3個
自分は母に愛されていなかったのだという気づきによって、娘側に母との決別への意志が生まれる。それは生き直すためのスタート地点である。~『母を棄ててもいいですか?』
— 毒親・毒母 (@mayawhite333) March 18, 2020
母は娘に愛情があるはず、という思い込みを捨てる。母を許す必要はない、ただ離れればよい。~『母を棄ててもいいですか?』より
— 毒親・毒母 (@mayawhite333) March 17, 2020
「母も変わるだろう」と期待しない。母に対して疑問をもつことを恐れない。~『母を棄ててもいいですか?』
— 毒親・毒母 (@mayawhite333) March 13, 2020
親を棄ててもいいと思える動画
まとめ:モラハラの母親とは離れよう
自分以上に苦しんでいる人はいる
「私以上に苦しんでいる人はたくさんいる」と感じました。
かわいそうですが、みんな前を向いて歩き始めています。
本書から勇気がもらえた
勇気をもらえたことがメリットです。
「母親と向き合おう」という気持ちにはなれませんが、「母親は棄てていい」と思えました。
母親は棄てていいのです。
自分だけ犠牲になって、我慢して苦しんでいることはないです。
ACやモラハラ、親子関係で悩んでいる人の気持ちが(自分も含めて)、少しでも楽になるように願っています。
以上です。
P.S. まずは離れることですね。
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