- 「船員さんの秘密について知りたい」
- 「船で働く人たちの体験談を聞きたい」
- 「船員になるための基礎的な本を知りたい」
この記事はそんな方へ向けて書いています。
『船員さんのひみつ』は小学生向けに、船員の仕事内容を紹介する本です。
読むきっかけは「漫画で書かれいているのでわかりやすく読みやすそう」と思ったからです。
本記事は「船員さんのひみつ」のグッときたところ5箇所を引用した書評です。
この記事を読むことで「船員とはどんな仕事か、船員になるにはどうすればいいか」がわかります。
<注意>このシリーズは本屋さんでは扱っていません(非売品)
Contents
【書評】『船員さんのひみつ』船員の仕事&体験談のインタビュー3つ
5つを引用します。
- 船員のやりがいとは
- 船員さんへの道
- 航海士にインタビュー
- 機関長にインタビュー
- 船長にインタビュー
1.船員のやりがいとは
たくさんの人の役に立っていることは、やりがいと感じるね。
船に乗っていると自然を感じることができるんだ。海は雄大で、クジラやイルカを見ることもできる。夜になれば空いっぱいの星が見える。グリーンフラッシュ(夕日が沈む瞬間に、一瞬だけ、緑色の光が見える。日の出の時に見えることもある)を見ると、幸せになれると言われている。船に乗っているとたまに見ることもあるんだ。シーマンシップ
船に関する知識や技術、つねにベストをつくす姿勢、安全を守るという意識、ルールを守ること、そして、チームワークを重んじること。
グリーンフラッシュやシーマンシップという言葉を初めて聞きました。
船にはロマンがあります。
周りには船員になっている人はいないですが、体験談を聞いてみたいものです。
飛行機のパイロットとは違う魅力があると感じました。
世界一周クルーズをしてみたいものです。
2.船員さんへの道
外航・内航で働く航海士や機関士になるには、船員としての国家資格が必要です。
特に外航船員になるには、主に、商船系高等専門学校か商船系大学に進み、乗船実習を経て、三級海技士という国家試験に合格する必要があります。
このほかに、一般の大学や高等専門学校、短期大学などを卒業後に外航船員をめざすこともできます。
外航、内航という言葉を初めて聞きました。
- 内航海運・・・国内の港と港を結んで、食料品、日用品、産業基礎資材や石油などの貨物を運ぶのが内航海運
- 外航海運・・・日本と外国との間で船で物や人を運ぶのが外航海運
3.航海士にインタビュー
●航海士をめざすきっかけは何でしたか。
両親とも実家が海の近くなので、小さいころから海に親しみを感じていました。カーフェリーに乗った時の風の心地よさは記憶にあります。船なら世界のどこにでも行けるんだと思いました。
それで、高校生の時は、海に関係した仕事につきたいと思っていました。港での作業者とか、水族館の職員とかですが・・・。じつは、大学に入って初めて航海士という仕事があることを知ったんです。実習が楽しかったこともあって、航海士を選びました。外国に行きたいとも思っていたので、外交の方に行ける会社をめざしました。
●航海士という仕事について、どんなやりがいを感じましたか。
初めての乗船までは、大きい船に乗った経験がなかったので緊張していましたが、船長さんはじめ、周りの人に気をつかってもらい、フィリピン人の部員も陽気でやさしかったので、すぐに緊張はとけました。
初めてひとりで当直(ワッチ)に立った時は、こわさも感じる反面、大勢の命や高価な資産を自分ひとりに任されることで、認めてもらえたんだという気がしました。
●女性が少ない職場ですが、困ることなどはありますか。
周りの人が気をつかってくださるほうがかえってたいへんだなと思います。仕事上や設備などで特に困ることはありません。女性がいることで、仕事場のふん囲気がすこしなごんでいるのかなあという気もします。
●船員さんには、どんな能力があるとよいと思いますか。
コミュニケーション力ですね。雑談でもいいので、みんなと話すことで、体調の変化などに気づくこともあります。初めて会う人と何ヶ月もいるわけですから、そういう力がないとつらいかもしれませんね。
●船員になるのに、つけておくとよい力は何でしょう。
楽しく英語を話そうとする気持ちがあるといいかもしれませんね。船員に限らず、これからは英語は必要になるでしょうし・・・。それと、船では、ちょっと変わった食事が出ることもあるので、何でも食べられるようになっておくといいですね。
小さい頃の育った環境で将来の職業を決めることはあることです。
船でもコミュニケーション能力は必要なのです。
船という限られたスペースだからこそ、お互いが意識してコミュケーションしていく必要性を感じました。
4.機関長にインタビュー
●機関士にはどんな仕事がありますか。
船にある主機(エンジン)をはじめ、発電機、ボイラーから、補機と呼ばれる機械類、エアコンなど、あらゆる機会がスムーズに動くようにするのが、機関士の役割です。
船が出航するときは、エンジンを運転させ、時間通りに運航させる作業があります。もしトラブルが起これば、原因を調べ、調整や修理をして、できるだけ計画に沿って運航できるようにします。
外洋の航海中は、エンジンなどの点検とメンテナンス(保守や維持)をします。
●機関士は、1日をどのように過ごしますか。
通常の場合は、一般の会社員のように、朝7時か8時から夕方5時までの間の8時間仕事をして、それ以降は自由時間で、機関室はだれもいなくなります。ただし、夜中でも天候が悪くなったりして異常が起こるとアラーム(警告音)が鳴り、当直の人と機関長が点検に行く体制をとっています。
●機関長というのはどんな立場ですか。
機械関係の最終責任者です。何かトラブルがあれば、機関士から情報を集め、自分の経験に基づいて適切な指示を出します。報告された情報だけでは足りない場合は、さらに点検して情報を集めるような指示も出します。機関士は、どうしてもひとつの機械に目がいってしまいがちなので、全体を見て判断するようにする立場だと思います。
●機関長としていちばん心がけていることは何ですか。
しっかりコミュニケーションをとることです。なやみを持っている部下がいるような場合にも、相談できるような雰囲気をつくるようにしています。レクリエーションでみんなでわいわいやるのも効果があると思います。
●機関士になりたいと思った理由は何ですか。
父が漁師だったので、小さい頃から船は身近でした。自分も船に乗りたいと思っていましたが、中学生の時に外航船のポスターを見てあこがれました。模型などをつくるのが大好きだったこともあり、船の機関士の道を選びました。
●機関士に必要なものは何でしょうか。
機械にまじめに向き合い、きめ細かい心配りで接することができることだと思います。そして、愛情を注ぐことです。
たとえば、発電機の部品を交かんして組み立て、回った時の音を聞き、においをかいで、「ああ、よくがんばっているな」と思うような姿勢です。そうすることで、機械を最大限に生かしながら、運転させることができるのだと思います。
先ほどの航海士さんのインタビューと同じで、小さい頃の環境が将来の職業に影響を与えています。
自分の子どもにも色々な職業があることを教えておきたいです。
機関長にはコミュニケーション能力も必要です。
一般のサラリーマン社会と同じです。
船上は異空間です。
5.船長にインタビュー
●船長さんには、どんな仕事がありますか。
船の運航の責任を負い、船の指揮官という立場です。船が港を出る時や入る時は、先頭に立って指示を出すなどの仕事があります。また、寄港地の役人への対応や、荷主さんとの話など、対外的なやりとりという仕事もあります。
●航海がうまくいくように、いちばん心がけていることは何ですか。
船員みんなのチームワークができるようにということです。みんながひとつになるということですね。多少未熟な人がいてもチームワークがいいと、周りが補ってうまくいきますが、そこそこできるような人がそろっていてもチームワークができていないと、アクシデントが起こってしまうものです。
みんながひとつになれるよう、食事を充実させることや、パーティなどを開いて親ぼくを深めることもしています。
特に今の船は、日本人と外国人がいっしょに乗っているので、より強く心がけなければいけないと思っています。
●船員をめざすきっかけは何でしたか。
おじが船員でしたが、高校までは特に船員になろうとは考えていませんでした。高校で進路を決める時に、機械系のことが好きだったことや、商船系大学に進むと帆船に乗れることを魅力に思ったことなどで決めました。
●船員さんの仕事にはどんな魅力がありますか。
まず、自然のダイナミックさをはだで感じられること。天気が良い夜は、月や星の明るさを感じます。「星って、こんなにたくさんあるんだ。」と思ったり…。
赤道近くの海では、発光するプランクトンがいて、海が青く光り、空を飛んでいるような気分がします。そのほかにも、クジラやペリカンやアシカなどの動物を見ることもあります。
それから、通勤時間がゼロであることや、休みが長いこともいいですね。
●船員をめざす場合、身につくておくとよいことは何でしょうか。
チームのために協力する気持ちですね。相手の話をよく聞き、自分も伝える。コミュニケーションをとることを大切に考えてほしいです。
上記引用からの気づきは下記です。
みんなの気持ちをまとめること。
そのために働きやすい環境をつくること。
コミュニケーションをはかること。
改めて「コミュニケーションの大切さ」を教えてもらいました。
人間関係はコミュニケーションで解決できることが多いのです。
インタビューから生の声を聞くことができグッときました。
『船員さんのひみつ』はこんな人におすすめ
おすすめの人
こんな方におすすめ
- 船員さんの仕事に興味がある人
- 船で働く人たちの体験談を聞いてみたい人
- 船員になるにはどうしたらいいか知りたい人
船員さんのことが図解されていて、わかりやすいです。
ほとんどのページには、船員さんや外航海運の豆知識が書いてあります。
知りたかったこと
「船で働く人たちのことや船での仕事」です。
以下がわかります。
- 船員さんについて
- 船員さんになるには
- 船員さんの休日について
- 航海士は何をしているのか
- 機関士は何をしているのか
- 船長の仕事は何か
- 船での食事内容は何か
- 階級章について
書籍情報
書名 | 『船員さんのひみつ』 |
---|---|
単行本 | 127ページ |
出版社 | 学研プラス |
発売日 | 2016/5/1 |
まとめ:船員とはどんな仕事か知ろう
広く浅い知識をつけるのに最適です。
127ページに情報がつまっていて有益です。
マンガ形式のため、すぐ読み終えられます。
ほとんどのページに掲載されている豆知識を引用します。
- 船長が直接指揮をとるのは、あらしやきりなどの悪天候の時、入出港の時、せまい海峡や水路を通る時など
- 船員は、非常事態に備え、航海中や停泊中に、防火訓練、防水訓練、救命艇訓練などいろいろな訓練を定期的に行っている
- LNG船1せきが運ぶ天然ガスは、約240万けんの家で1か月に使う量に当たる
「海上輸送と航空輸送の割合」が印象的です。
船で運ぶ割合は全体の99.7%を占めているのです。
日本の貿易はこれだけ船に頼っているのです。
「船員のお休み」も驚きです。
「8ヶ月働き、4ヶ月休み」という例もあるのです。
以上です。
P.S. 働き方に魅力を感じますね。