親愛なる君に
- 「歯科衛生士に興味があるけれど、女性ばかりの職場だしちょっと不安」
- 「歯科衛生士の仕事内容や悩みなど、リアルな本音を聞いてみたいです」
この記事はそんな方へ向けて書いています。
この記事でわかること
・歯科衛生士へインタビュー【10の質問】
・歯科衛生士になるための転職サイト3選
インタビューしている人
こーいち(@KoichiBlog):
歯科衛生士について何も知らない。

インタビューに答えている人
リエさん:
歯科衛生士歴は11年7ヶ月。

「歯科衛生士に興味はあるけれど、女性ばかりの職場だしどうなのかな?」と思う人が少なくないようです。
たしかに女性ばかりの職場だと「ちょっと面倒くさい」と感じることはありそうです。
とはいえ、国家資格が必要な歯科衛生士は「仕事に困らない」というメリットもあるはず。
そこで本記事では、そんな歯科衛生士にインタビューした本音を紹介します。
この記事を読むことで、10の質問に対するリアルな本音がわかり、歯科衛生士の実態がつかめます。
インタビューの結論は「仕事には困らない。コミュニケーションが必要な仕事」の印象です。
目次
【告白】歯科衛生士に本音をインタビュー【仕事内容、給料、悩み、あるある、いじめ、メリット、デメリット】
今回は歯科衛生士歴11年7ヶ月のリエさんにお時間をいただき、インタビューしてみました。
※インタビューは原文のまま掲載しています。
しかし、読みやすさのために語尾など少し変更しています。
質問1.歯科衛生士になるには

短期大学の歯科衛生士(DH=デンタルハイジニスト)学科や専門学校など(3年間 ※昔は2年間)を卒業して、国家試験に合格するとなれます。
ただ、私の学年では1年生の夏休み明けには、何十人という人が学校を辞めていました。
理由は、以下があげられます。
・髪の色を注意される
・毎日授業が6限まであり、実習もある
・解剖学や栄養学、生理学など歯以外にも学ぶことが多い
・4年制大学に通う友達は選択授業などで、授業が午後だけの日がある
「まぁ、医療を目指す人にとっては当たり前かな」と思う部分もありますが、思っていたのとギャップがありました。


短大・専門学校に入学して国家試験に合格すれば、何歳からでも歯科衛生士になれます。
実際に下記のような人がいました。
・まったく違う仕事をしていたが、短大に入り直した人
・歯科助手として働いていたが、仕事内容も待遇も違うので歯科衛生士を目指すという人
私の同級生にも、社会人経験のある年上の人もいましたし、学年によっては10歳以上も離れていました。


合格点は60%以上で、合格率は95%です。
国家試験は年に1回行われ、マークシート形式で実技試験はありません。
質問2.歯科衛生士の退職理由、目指した理由

クリニックが閉院したからです。

以下などです。
・妊娠、出産
・院長の方針が合わない
・医院の雰囲気が合わない
1~2年目の新人の時に「院長と合わない」などの理由で、転職を繰り返す同級生が何人かいました。
私も1年目は院長と合わず、先輩もすぐに辞め、新しく入った人も続かず、「辛い」と思うこともしばしば。
しかし、院長が「雇われ」だったこともあり、途中で院長が変わりました。
その結果、働きやすくなったのです。
「同じ職場で同じ仕事内容なのに、スタッフが変わるだけでここまで変わるんだな」と、人間関係の大切さを実感しました。

目指した理由
・歯科衛生士は国家資格のため、結婚や出産をしても再就職しやすい
・口のケアを通して、患者さまの健康を守れ、地域・社会貢献できる
きっかけは、高校生のときに母との会話で「歯科衛生士」という職業を知ったことです。
当時は歯科衛生士と歯科助手の違いもわかっていませんでした。
しかし、歯科衛生士について調べるうちに「目指してみよう」と思うようになったのです。

質問3.歯科医師、歯科衛生士、歯科助手、歯科技工士、看護師の違い

以下のとおりです。
歯科医師(DR)
国家資格が必要。
歯の治療や保健指導を行う。
歯だけではなく、舌や口腔粘膜(口の中)、顎も診る。
歯科衛生士(DH)
国家資格が必要。
DRの指示の元、歯石除去など口腔内を触ることができる。
歯科助手(DA)
資格は不要。
診療のアシストはできるが、口腔内を触ることができない。
診療器具の準備、片付け、受付業務などを兼任することが多い。
歯科技工士(DT)
国家資格が必要。
DRの指示書を元に歯の詰め物や被せ物、入れ歯などを作成する。
クリニックで立ち合いをすることもあるが、患者さま(KR=クランケ)に直接会うことは少ない。
看護師(NS)
国家資格が必要。
口腔ケアをすることはできるが、知識や技術に不安を感じている人も多いと言われている。
口腔ケアをするにあたり、全身状態の把握も大切なので、看護師、歯科医師、歯科衛生士との情報共有が大事。
質問4.歯科衛生士の仕事内容、できること、やりがい

次の3つです。
1.歯科予防処置
2.歯科診療補助
3.歯科保健指導
歯垢や歯石を除去したり、フッ素塗布をして虫歯や歯周病の予防をします。
歯科医師(DR)の治療をサポートします。
歯の磨き方や食生活の指導を行います。

歯科衛生士の多くは、歯科医院に勤務しています。
虫歯や歯周病予防のためにスケーリング(歯石の機械的除去)や歯磨き指導をしたり、診療がスムーズに進むよう診療補助を行います。
最近では、高齢化が進んでいることにより、訪問歯科診療を取り入れる医院も増え、患者さまの自宅や老人ホームで口腔ケアをすることも増えてきています。
今までクリニックに通っていたが通院困難になった方限定で、徒歩や自転車で行ける範囲で口腔ケアや簡単な義歯の調整だけ行っているクリニックも増えてきています。
積極的に「訪問診療」に取り組んでいるクリニックでは、歯を削る機械などを持って行き、クリニックと同じような虫歯治療やスケーリングを行うこともあります。



たくさんあります。
たとえば、以下などですね。
・重度の歯周病で歯肉が腫れていた人が、健康的な歯肉に改善したとき
・患者さまが歯科指導の内容を実践して、口腔内の状態が良くなったとき
・「言われたとおりに歯磨きもしたら出血しなくなった!」と喜んでもらえたとき
・患者さまがクリーニングで歯がキレイになったのをきっかけに禁煙を始めたとき
・患者さまが歯周病の怖さを理解し、予防のために定期的に通院するようになったとき
・虫歯でボロボロの人が治療やメンテナンスを受けて、口腔内に関心を持ってくれたとき

質問5.歯科衛生士の大変なこと、クレーム、あるあるエピソード

歯科衛生士の業務以外に受付業務(PC操作や窓口・電話対応など)も兼任する歯科医院も多いです。
理由は、以下です。
・スタッフの人数が少ない
・受付や歯科助手がいない
具体的な以下のようなケースになります。
・スケーリングの最中でも手を止めて電話対応をする
・衛生士業務はほとんどせず、当番制で受付や片付けメインの日などがある
歯科助手がいる医院は診療器具の準備、片づけや雑務をやってもらえたりします。
しかし、たいていの歯科衛生士は「診療器具の準備、片付け、掃除など」もやる場合が多いです。
「歯科衛生士は離職率が高い」と言われています。
実際に私の同級生も20代後半から、出産を機に仕事を辞め、そのまま再就職していない人が多いです。
離職率の高さから、たいていは歯科衛生士が足りません。
「業務が昼休みに食い込む、残業をしている」などで、すぐにでも人が欲しいというクリニックも多いのです。

具体的に言われたことは、以下です。
・「検査をするだけで、説明がない」
・「スケーリング中に被せ物を外された」
・「スケーリングが終わってからも、出血が止まらない」
クレームを挽回するエピソードもあります。
たとえば、「ちょっと苦手だな」と思う患者さまがいました。
検査結果などの説明はしていましたが、帰りに受付で「説明がなかった」と言って帰られたそうです。
ただ、次の来院時にしっかりと謝罪し、いつも以上に丁寧な説明を心がけたら「これからもあなたに担当してもらいたい」と言われたのです。


たとえば、以下です。
・芸能人の歯が気になる
・会話時に相手の口元(歯)にばかり目がいってしまう
・歯科助手と一緒にされるのがイヤ(※ 歯科助手は無資格で働ける)
・ちゃんとケアしているのか、歯並び、歯が抜けたままとか、気になる
・歯石ガッツリの患者さんが来院すると、スケーリングしたくてウズウズする
・デンタルグッズ、歯をモチーフにしたグッズなどを見つけると気になってしまい欲しくなる
質問6.歯科衛生士のいじめ、悩み、本音

女性の多い職場なので、「合う、合わない」などのもめごとも多かったです。

以下のとおり。
・口腔ケアの大切さを理解してもらえない
・虫歯の治療が終わったらメンテナンスに来ない患者さまが多い
なかには「自分ではうまく磨けないから」とこまめにクリーニングに通ってくれるものの、どんなに磨き方のアドバイスをしてもセルフケアがまったく改善されない人もいました。

なお、歯科衛生士の心の声というか、本音で思っていたことを教えてもらえますか?
「国家資格なら、もう少し給料が高くてもいいのでは…」とは思います。
あとは、女性の多い職場なので人間関係が面倒くさいことも多いですよね。
質問7.歯科衛生士のメリット、デメリット

メリット
・夜勤がない
・就職先が多い
・子育てが落ち着いてからも再就職できる
デメリット
・拘束時間が長い(昼休みも電話当番があってなかなか外出できないなど)
・スタッフの人数が少ない医院も多く、残業が多かったり、有給が取りにくいことも
歯科医院が多いので、就職先は多いです。
子育てが落ち着いてからも再就職できます。
実際に、クリニックでの外来ではなく、訪問診療で働く40〜50代の歯科衛生士も多いです。
また、夜勤がないので、プライベートの時間も作りやすいです。
新人の頃から10年近く同じ医院に勤めている人や、子育てをしながらフルタイムで働ている人も多く、再就職しやすい安定した職業です。
質問8.歯科衛生士の給料について

平均時給は1300円。
月給は25万円くらい。
中には歩合制を取り入れ、頑張り次第でプラスで数万円もらえるクリニックもあります。
年収は330万~390万。
賞与が夏、冬に基本給の1ヶ月分ずつもらえる医院が多いです。
ただ、クリニックによっては賞与に差が出てきます。
なぜなら、月給は同じ金額でも、基本給が低く手当分(衛生士手当や職務手当など)の割合が多い場合もあるからです。
質問9.歯科衛生士に転職するときの志望動機

以下です。
スキルアップのために、もっと専門的な分野(矯正やインプラントなど)に力を入れているところで学びたいからです。
訪問歯科に積極的に取り組んでいるクリニックで、高齢者の口腔ケアの重要性を伝えていきたい。

以下です。
口の中に問題があると、食事や会話をするのもイヤになってしまう。
ゆえに、口腔ケアを通して、健康に過ごすための手助けをしたいからです。
子供の頃の歯科医院での経験を答える人も多い
たとえば、下記など。
・歯医者が怖くて嫌いだったけど、歯科衛生士が優しかった。
・矯正で通っていて、歯科衛生士の仕事を知り、興味を持った。

下記です。
「歯医者が怖い、嫌い」と感じている方にも安心してもらえるようにコミュニケーションが取れる歯科衛生士になりたいです。
子供から高齢者まで、歯磨きの方法だけでなく食生活なども含め、1人1人のライフワークに合わせた提案ができる歯科衛生士になりたいです。
質問10.歯科衛生士に求められる人材、向いてる人・向いてない人

求められる人材は、次の3つ
1.患者さまの意見を聞く人
2.患者さまの不安を取り除く人
3.患者さまのモチベーションを上げる人
双方向のコミュニケーションです。
歯科衛生士のケアだけでなく、患者さまのセルフケアも大事です。
特に歯周病の改善には時間もかかります。
一緒に頑張ってもらえるよう、患者さまのモチベーションを上げ、根気強く向き合えることが大事です。

向いてる人
・コミュニケーション能力が高い人
老若男女対応できるコミュニケーションが必要です。
「先生には言いづらい」ことも聞き出して、先生に患者さまの希望を伝えることも大事。
不安や恐怖を感じている人も多く、子供だと口を開けなかったり、泣き出したりするケースもあるので、笑顔で接し、緊張を解いてあげることも必要です。
向いてない人
・血を見るのが苦手な人
・細かい作業が嫌いな人
重度の歯周病の人は、少し歯肉を触っただけで出血することもあります。
抜歯などの外科処置のアシストに付くこともあります。
学生時代に、オペの動画を見て気分が悪くなった同級生もいました。
ただ、学生時代に実習先として口腔外科に行くので、だんだん慣れてくる人が多いです。
口腔内での作業は、使用する材料など小さいものが多いです。
細かい作業が苦手な人には大変かもしれません。
歯肉などを傷つけないようにするのはもちろんです。

【利用価値の考察】歯科衛生士になるための転職サイト3選
転職サイトには2種類あります。
・サイト型 → 自分で求人を検索する
・エージェント型 → 担当者が求人を紹介してくれる
今回紹介する転職サイト3選は、サイト型・エージェント型の両方を兼ね備えています。
利用価値はあるのか?
人によります。
なぜなら、転職サイトに登録しなくても以下のように求人を探せるからです。
・ハローワーク
・求人サイトやSNS
・求人誌やチラシ
・学校の求人募集
・歯科医院のサイト
手段はいくらでもあるのです。
ムリに転職サイトを使わなくても大丈夫です。
転職サイトはどんな人におすすめなのか?
・幅広く情報収集したい人
・求人を紹介してほしい人
・非公開求人も知りたい人
上記のとおり。
ただ、情報が多すぎて迷ってしまう可能性はあります。
ゆえに、すべての人におすすめできるわけではありません。
転職サイトのメリットは、選択肢を増やせること。
ハローワークや求人誌、学校以外の求人を知り、視野を広げるのもありです。

費用は無料です
歯科衛生士に特化した転職サイトは、下記3社です。
・ジョブメドレー | 祝い金制度あり
求人数12,000件、関東エリア
・メディカルリンケージ | 使いやすい検索機能
求人数300件、全国展開
・ファーストナビ歯科衛生士 | 非公開求人多い
求人数6,600件、全国展開
いずれもサイト型、エージェント型の両方の機能があります。
自分のペースで求人を探すこともできますし、担当者から条件に合う求人を紹介してもらうこともできます。
求人数、求人エリア、特徴など微妙に違います。

転職サイトは使っても、使わなくてもどちらでもいい
どちらでもいいです。
なぜなら、利用価値は人によるからです。
選択肢を増やしたいなら、転職サイトはありです。
自分の手の範囲で探したいなら、転職サイトは不要です。
自分の状況や気持ちに照らし合わせて、行動すればいいだけです。
大事なのは小さく動いてみること。
大きな一歩は必要ありません。

【インタビューまとめ】歯科衛生士の本音を知り、自分のペースで行動しよう
「歯科衛生士はコミュニケーション能力が高い人が向いている」というのが印象的でした。
ふだん何気なく接している歯科衛生士さんも、裏ではいろいろな苦悩があるのです。
本記事のインタビューが、歯科衛生士に興味のある人の参考になれば幸いです。
【無料登録】歯科衛生士に特化した転職サイト3選
・ジョブメドレー | 祝い金制度あり
求人数12,000件、関東エリア
・メディカルリンケージ | 使いやすい検索機能
求人数300件、全国展開
・ファーストナビ歯科衛生士 | 非公開求人多い
求人数6,600件、全国展開
行動できなくても焦る必要はありません。

こーいちより
P.S. 歯科衛生士の本音を知ろう。