想定読者
- 未経験者:他業界からバス運転手に転職を考えている
- 学生:バスドライバーに興味を持ち、業界研究をしている
- 現役のバス運転手:より良い労働条件でキャリアアップしたい
この記事でわかること
- 2024年どらなびEXPOの概要
- どらなびEXPOに参加するメリット、デメリット
- どらなびEXPO東京会場のバス会社5つを訪問
- どらなびEXPOに参加するための準備ガイド
2024年東京「どらなびEXPO」に参加しました。
「企業情報と一次情報」の収穫がありました。
本記事では、5社参加してわかった「どらなびEXPOのメリットとデメリット」を解説します。
この記事を読むことで、どらなびEXPOの魅力と有効活用法がわかり、キャリア形成に役立ちます。
直接バス会社と交流し、情報を得られます。
Contents
【どらなびEXPO体験記】2024年の概要
「どらなびEXPO」は、バス運転手を目指す人が直接バス会社と交流し、就職のための情報を得るイベントです。
企画・運営:リッツMC株式会社(どらなび運営会社)
イベントの目的
参加者にバス業界の最新情報を提供し、就職やキャリアアップの機会を広げることです。
- 多数のバス会社が会場にブースを出展
- 企業説明や求人情報を提供
- 現役運転手のトークセッション
- キャリアコーディネーターによる個別相談
参加者は「リアルな職場環境や必要なスキル」についてわかります。
イベントに参加することで、自分に合ったバス会社を見つけ、キャリアプランを具体化する手助けになるのです。
2024年秋開催のどらなびEXPO
どらなびEXPOのメリット、デメリット
結論「コスパ良く、一次情報が得られる」です。
メリット7つ
- 最新の求人情報
- 企業担当者との接触
- 現役運転手のトークセッション
- キャリアコーディネーターによる個別相談
- ネットワーキングの機会
- キャリアプランの具体化
- QUOカード500円分
1.最新の求人情報
多数のバス会社の求人情報が得られ、比較できます。
資料も持ち帰れます。
2.企業担当者との接触
バス会社の出典ブースで企業の担当者と直接話せます。
質問すれば、疑問解消できます。
3.現役運転手のトークセッション
実際の職場環境や仕事内容についてのリアルな話が聞けます。
4.キャリアコーディネーターによる個別相談
就職や転職に関する具体的なアドバイスを受けられます。
5.ネットワーキングの機会
同じ業界を目指す人たちと交流し、情報交換ができます。
6.キャリアプランの具体化
自分に合ったバス会社を見つけ、将来のキャリアプランを具体的にする助けになります。
7.QUOカード500円分
EXPO入場時に参加者全員にもらえます。
「どらなびEXPO」は「予約なし」でも参加できます。
ただし、QUOカード500円分はもらえません。
デメリット4つ
- 呼び込みがある
- 時間と費用のコスト
- 地理的な制約
- 非公開求人について
1.呼び込みがある
出典ブース前でバス会社が呼び込みをしています。
事前に訪問企業を決めておかないと「呼び込みに流されるままブース訪問して、1日が終了」になる可能性もあります。
バス会社の呼び込みの熱心さは「想定外」でした。
2.時間と費用のコスト
1日がかりなので時間が必要です。
企業ブースの説明内容によっては「何も得られず時間のムダだった」と思うこともありました。
企業選びの参考になりますが。
EXPO参加の2週間後、1社だけメールとDMが来ました。
交通費もかかります。
3.地理的な制約
東京、大阪、名古屋、埼玉だけの開催です。
4.非公開求人について
非公開求人の情報は得られません。
どらなびEXPO参加者だけが得をする求人情報はないです。
以下、5社の具体的体験談をまとめていきます。
どらなびEXPO東京会場のバス会社5つを訪問
「どらなびEXPO」当日は、まず受付で「名前」を伝えて、資料をもらいます。
あとは自由です。
- 各企業ブースを訪問する
- 資料ブースで閲覧する
- トークセッションを聞く
- 個別就職相談をする
- 休憩ブースで休む
入退場は自由です。
途中で目的が達成したら、いつ帰ってもかまいません。
訪問5社の体験談
- はとバス
- 千葉交通
- 京王バス
- 東急バス
- 西東京ばす
1.はとバス
最初に「はとバス」ブースへ訪問した理由は、前職の旅行会社で接点があったからです。
企業担当者は好印象でした。
- 終始笑顔
- 質問にも親身
- 仕事ができそうな雰囲気
流れは「ブースで説明を聞く→質問タイム」です。
所要時間20分です。
求人内容
- 路線バス
- 観光バス
契約社員からスタートします。
養成制度はありません(要大型二種免許)。
研修所で1ヶ月ほど研修を行う(事業研修や実車研修など)。
試験に合格すれば、バス運転手としてデビューでる。
労働時間は7時間30分で、5日間勤務+2日間休みです。
その他の条件
- 正社員登用制度あり(最短1年で、落とすための試験ではない)
- 給与:197,700円〜254,850円(手当ては家族構成による)
- 路線バスの運転手と観光バスの運転手を兼務する制度はない
赤字の「はとバス」を立て直した
3つの新しい取り組みです。
- 挨拶運動:バス出発前に乗り込み、お客様に挨拶。4時間で400台のバスを訪問。全ドライバー、ガイドの名前を覚えた
- ツアー参加:月3回、はとバスのツアーに自腹で参加。お客様の声を直接聞き、ツアー体験を通じて改善点を見つける
- 現場重視の組織づくり:現場の声を聞き、改善点を取り上げる
- 日当たりの良い綺麗な控室を提供し、ボーナスや商品券(1万円)で還元
- バスガイドは初日に3回泣くという3大泣かせ話
- 社長室を廃止し、社長車を辞めて電車・バスで通勤
- バスの椅子を5cm上げ、視座を上げる(185cmの人までは快適にバス通路を歩ける)
- 新車を導入し、CS研修に20万円×40回、踏み台に50万円×150台の予算をかける
- クレームには万年筆で自宅住所を記載して返事を書く
感想は以下です。
- 率先垂範:動いてもらいたければ、まず自分が動くこと
- 叱責の不要:叱る場面はなかった(社長だからこそ叱る必要がない)
- 孤独:取締役などの記述はなく、社長の孤独を感じる
- 行動の変革:人を変えられず、結果も変えられない。自身の行動のみを変えられる。愚直なまでの現場主義が重要
素晴らしい取り組みです。
2.千葉交通
「千葉交通」ブースに訪問した理由は3つです。
- 千葉県在住
- ブース前で声かけがあった
- 担当者の方が親しみやすそう
好印象です。
- 求人内容:路線バス
- 2ヶ月で正社員になれる
- 養成制度あり:3年働けば、免許費用は返金不要
- 寮あり
- 入社祝い金あり
所要時間15分です。
3.京王バス
「京王バス」ブースへ訪問した理由は、京王グループが有名だからです。
担当者の方は、熱がありました。
「一緒に働きたい」と思えました。
- サービス内容:路線バス
- 担当スタッフの印象:親身で熱心、好印象を持ち、一緒に働きたいと感じた
- 担当スタッフとの交流:家族構成や内部事情についても少し話した
- 住居条件:中野富士見町駅から徒歩1分のマンションあり(2LDK)、月6万円。中野営業所へ徒歩1分
- 勤務地:京王沿線など
- 養成制度あり:養成期間中は時給1120円
- 3ヶ月間は回送勤務で安心
- キャリアアップ制度がある(路線バス、高速バス、運行管理者など)
訪問シートの「回送ドライバー」のキーワードから関連して「運転に大事なことはなんですか?」と質問をいただきました。
以下の回答をしたところ「十分です」とのお返事でした。
- 車間距離をあける
- 前の車よりゆっくり走る
- 何かあったら、まず止まる
所要時間25分です。
4.東急バス
「東急バス」ブースへ訪問した理由は、1対1ではなく、グループで説明を聞くスタイルだったからです。
印象に残っていません。
資料を読み上げるだけだからです。
- 求人内容:路線バス
- プレゼン内容:A4サイズ1枚の配布用紙を読むのみ(20分がムダに感じられた)
- スタッフ印象:待機中の私語が気になった
- 感想:働きやすい職場認証制度の最高「3つ星」だっただけに残念
以下、資料まとめです。
労働条件
- 労働時間:1日7時間、1ヶ月単位の変形労働制
- シフト:早番(06:00〜12:30)、中番(10:00〜20:00)、遅番(16:30〜23:00)
- 休日:週休2日制、4週6休、土日休みは固定ではなく交代勤務
- 有給休暇:1年目10日、以降年1〜2日増加、勤続5年6ヶ月で21日、調整休暇3日
- 特別休暇:結婚休暇、忌引休暇、配偶者出産休暇
給与
- 初年度年収見込み:420〜450万円
- 月給:215,000円からスタート
- 残業:月20時間程度
- 賞与:年2回(4〜9月、10〜3月)
- 手当: 時間外勤務、休日出勤、深夜勤務、年末年始手当、家族手当
- 退職金:ポイント制、25年間勤続で半額支給
福利厚生
- 社会保険、労災保険、雇用保険、健康保険、厚生年金
- 東急共済組合加入、関連施設利用
- 通勤費支給、職務乗車証発行(東急電鉄、東急バス無料利用)
- 社宅:田園都市線沿い(たまプラーザ、高津駅近く)
- 引越し支援制度:最大20万円補助(2年未満で退職の場合全額返還)
- 借り上げ寮制度:費用の3万円補助
採用条件
- 大型二種免許所持者:偶数月入社、正社員として採用
- 免許未所持者:奇数月入社、提携自動車学校で取得後入社
- 教育期間:2ヶ月の研修、3ヶ月の実地研修(費用会社負担、5年以内退職で全額返還)
選考試験
- 筆記試験、プレゼン、実技試験(必要に応じて)
- 2次選考:最終面接と健康診断
- 結果通知:2〜3週間以内
- 配属営業所:教育センターでの研修後に決定、欠員状況や居住地を考慮
追加情報
- 年配の方にも家賃補助や社宅利用が可能
- 合宿研修や個別対応の選択肢あり
- 電話での質問対応、平日も対応可能
- 養成制度あり:5年勤務で返金不要
所要時間20分です。
5.西東京バス
もし5社の中で入社するなら「西東京バス」です。
働く条件が合っていたからです。
公休日の回し方が親切で、2連休が固定されているのです。
ブースへ訪問した理由は、東急バスと同じくグループで説明を聞くスタイルだったからです。
個々の会話が不要なので、気楽です。
説明会の感想
- 参加状況:参加者6人でスライドを見ながら説明を聞く
- 音声問題:女性スタッフの声が小さく聞き取りづらかった
- 安心感:多人数で聞くため安心感があった
企業情報
- 京王グループの傘下
- 従業員数:約820名
- 車両保有数:380両
シフトと働き方
- 1年後の仕事内容が予測しやすい
- 早番週のシフト例:1日目、2日目に夜勤あり
- 仕事の予定は事前に確認。自分で働き方を決められる場合もある
以上です。
出展ブースを回り続けると疲れます。
適度な休憩が必要でした。
どらなびEXPOトークセッションも訪問
ステージイベントスケジュール
- 12:00 公益社団法人日本バス協会 ご挨拶
- 12:10 「バスのお仕事」基礎知識と今後の展望
- 12:30 現役バス運転手によるトークセッション①
- 13:30 国土交通省 関東運輸局ご挨拶
- 13:40 バス会社の選び方
- 14:00 移住歓迎!自治体ステージ
- 14:40 希望のバス会社に受かる方法
- 15:00 現役バス運転手によるトークセッション②
- 15:50 人事担当者によるトークセッション
- 16:20 信州駒ヶ根自動車学校 大型二種免許取得講座
2つ、お話を聞きました。
13:30 国土交通省 関東運輸局ご挨拶
以下がお話の具体部分です。
雇用対策と地域の説明
- 全国に10カ所の事業所、7局が参加
- 許認可、監査、指導、安全対策が主な業務
バス事業の社会的意義
- 乗り合いバスの重要性(特に高齢化社会で)
- 都市計画でのバスの役割
- 観光振興でのバスの重要性
- 安全管理の強化
- ドライバー確保のための広報活動や二種免許取得支援
働き方改革と対策
- 労働時間の短縮とドライバー不足
- 広報活動や補助金による対策
- ドライバー名の表示廃止、賃上げの取り組み
運賃体系と職場環境
- 運賃体系の簡素化と迅速な許可手続き
- 観光バス運賃の見直し
- 職場環境の改善と認証制度の導入
バスの魅力PR活動
- パンフレットの作成と配布
- 若者へのPR活動(高校での説明会)バスドライバーの採用促進
- バスドライバーを選択肢として考えることの重要性
- 今が最適なタイミング
13:40 バス会社の選び方
「どらなび」運営のリッツMC株式会社の中嶋社長のプレゼンでした。
以下の印象を持ちました。
- エネルギッシュ
- わかりやすい
- 聞きやすい、良い声
聞く価値があります。
ムダな言葉がなかったです。
関東局の方のお話より良かったです(参加者も同じ気持ちの人は多いのでは)。
講演の要点
- 自分に合った会社を探す
- そのためにたくさんの会社を回る
- どらなびEXPOは良い機会、いろんな一次情報が1回の訪問で手に入るから
- 会社説明会と営業所見学より、どらなびEXPOでたくさんのバス会社ブースを回る
- 情報を得る、比較する、営業所見学ツアーがあれば参加してみる
具体的な部分は以下です。
講座開始と概要
- どらなび運営リッツMC株式会社の中島代表による講座
- 参加者には大型2種免許を持っている人と持っていない人がいる
- バス会社の選び方についての講座
バス会社選びのポイント
- 大手が必ずしも良いわけではなく、自分に合う会社を選ぶことが重要
- 給料が良くても、雰囲気が合わないと辛い
- 家から近い、給料が良いなどの理由で選ぶと、後でギャップを感じることがある
大型2種免許とバス会社
- 大型2種免許が必要だが、一部の会社は1種免許でも可能
- 免許を持っていると研修期間が短く、早くデビューできる
- 自分で免許を取るか、会社がサポートするかを選べる
養成制度と支援制度
- 養成制度:免許を取らせてくれる会社が増えている
- 支援制度の内容を確認が重要(会社が全額負担するか、給料から天引きする、など)
各タイプ別のアドバイス
- Aタイプ(大型2種免許を持ち、経験がある):即戦力としてステップアップできる会社を選ぶ
- Bタイプ(大型2種免許を持っているが経験がない):研修制度が整った会社を選ぶ
- Cタイプ(免許も経験もない):まず免許を取得する必要がある
バス運転手のキャリアパス
- 路線バスから観光バスや高速バスにステップアップする流れは今はない
- いきなり観光バスや高速バスに乗ることも可能
- 各バス会社の特徴を理解し、自分に合った会社を選ぶことが重要
定年と再雇用
- 定年と再雇用の年齢の確認が重要
- 健康寿命が延びているため、60歳を過ぎても働ける会社を選ぶ
どらなびEXPOに参加するための準備ガイド
「どらなびEXPO」に参加する前には、以下の準備をしておくと良いです。
持ち物
- 飲み物
- メモ帳とペン
昼食は入場前に軽く食べておくのが良いです。
時間の節約になるからです。
服装について
ビジネスカジュアルが良いです(スーツでノーネクタイ)。
無難だからです。
参考までに、東京会場の参加者の服装は以下でした。
- 5割:私服
- 3割:スーツ(ノーネクタイ)
- 2割:スーツ(ネクタイ)
ネクタイは不要です。
出展企業の担当者もほとんどネクタイはしていません。
気にしなくてOKです。
参加者の割合
男女比率
- 97%:男性
- 3%:女性
年齢層
- 40〜50代:多い
- 30代:ちらちら
- 20代:いない
事前準備
時間を有効活用するためにも事前調査が必要です。
- 質問リストの作成
- 会場の回り方の計画
- 参加企業についての情報収集
準備をすると、当日の得るものが増えます。
バス会社ブースを回れれば回るほど、比較でき、気づきがあります。
「質問リスト」を作っておくメリットは、説明に集中できるからです。
リストがないと、頭のどこかで「質問すること」を考えてしまいます。
集中できず「上の空」になり、得るものが少なくなります。
なんとなく参加すると1日が徒労に終わります。
「行けばなんとかなる精神」の参加は、おすすめしません。
時間がもったいないからです。
まとめ:どらなびEXPOで得られた総合的な感想
「どらなびEXPO」は、バス運転手を目指す人々にとって貴重な機会です。
イベントを通じて、多くの人が新たなキャリアをスタートさせています。
必要なのはやる気だけ
理由は3つです。
- 学歴不問
- 未経験でもなれる
- 大型二種免許がなくてもOK
大型二種免許がなくても、いつでもなれるのがバス運転手です。
適正やスキルは必要ですが、学歴は不問です。
バス会社は人手不足です。
新卒で「バス運転手になろう」と思う人は少なく、中途採用がほとんどです。
バス会社はどこも元気です。
訪問した5社に「ブラック企業のにおい」なかったです(1社微妙)。
5年前に身体を壊して旅行会社を辞めた身としては「パワハラだのセクハラだの横行していた企業体質は旧態依然のものになったのだな」が、感じとれた空気でした。
バス運転手は「お客さまと接しながら、身体を使う」ハードな仕事です。
社会貢献性のある仕事でした。
参考
以上です。
P.S. どらなびEXPOの魅力とメリット、デメリットの理解を深めていただければ幸いです。
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