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旅行会社の法人営業の仕事内容【デメリットと魅力を実体験から語る】

2020年4月16日

旅行会社の法人営業の仕事内容【デメリットと魅力を実体験から語る】
  • 旅行会社の法人営業の仕事内容を知りたい
  • 旅行業界に興味があるけれど業務をこなせるかな
  • 心配なので仕事内容を見て、業界研究をしたい

こういった疑問に答えます。

 この記事でわかること

  • 旅行会社の法人営業の仕事内容
  • 法人営業のデメリットとその魅力
  • 最速で営業スキルを身につける方法

 本記事の信頼性

  • 経歴:新卒で旅行会社に入社し、法人営業歴19年8ヶ月
  • 資格:総合旅行業務取扱管理者、総合旅程管理主任者
  • 添乗:国内・海外計123本(一般団体、教育旅行、視察旅行)

本記事を書いている私は、会社員時代に身につけた「法人営業と添乗のスキル」をブログに書いています。

本記事では法人営業には精通している私が、その経験から得た情報をまとめています。
「旅行会社の法人営業の仕事内容」について、具体的な事例を交えつつ、初心者でも分かるように解説します。

旅行会社の法人営業の仕事内容【1日のスケジュール/3つの営業タイプ】

旅行会社の法人営業の仕事内容【1日のスケジュール/3つの営業タイプ】

法人営業の具体的な1日のスケジュール

私の法人営業の1日のスケジュールです。

  • 07:30:出社、デスクワーク
  • 09:30:始業、デスクワーク
  • 12:30:昼食、休憩
  • 14:30:営業(だいたい2時間)
  • 16:30:帰社、デスクワーク
  • 18:30:終業、残業
  • 19:30:退社

法人営業の1日は「営業」と「手配」です。

朝は仕事が捗るので、07:30から仕事開始です。
» 早朝に仕事をするメリット7つと残業のデメリット3つ【前業のススメ】

営業は、仕事の能率の下がる午後にしていました。
とはいえお客さまから指定があれば午前中に打ち合わせを入れる時もあります。

人により「午前10時頃から営業に出て、外で昼食後、15時頃に戻ってデスクワーク」の人もいました。
営業スタイルは人それぞれです。

だいたい19:30まで仕事をしていたので、1日12時間拘束です。
休憩2時間を引くと、平均して1日10時間労働です。

 デスクワークでやること

  • メールチェック
  • 国内・海外の業務出張手配(列車、航空券、ホテルなど)
  • 国内・海外の団体案件(社員旅行、視察旅行、研修旅行)の見積もり、行程作成
  • その他、契約書作成、行程の調整、手配確認、終了案件の精算書・請求書作成など

手配は手配担当に依頼しますが、自分でやる場合もあります。

 見積もりでやること

  • 団体案件の見積書、プレゼン資料の作成
  • ツアー行程表の作成(所要時間、観光時間の調査など)
  • 各協力機関(飛行機、ホテル、観光地、レストランなど)の情報収集

旅行会社の仕事は「確認、確認、確認」なので、細かい仕事が多いです。

なお団体案件には自分で添乗することもあります。
具体的には年に6回、国内・海外問わず添乗していました。

自分で営業して仕事を取り、コースを作り、手配して、添乗する。

法人営業の醍醐味です。

私は自腹で下見へ行き、行程を練り上げました。
お客さまに喜んでもらえた時は幸せです。

法人営業には3つの種類がある

 法人営業は3種類

  1. 新規営業
  2. 紹介営業
  3. 深耕営業

1.新規営業

要は「飛び込み営業」です。

今では飛び込み営業をしている旅行会社は少ないです。
私は5年飛び込み営業を経験しました。

会社周辺のビルに片っ端から飛び込み「営業チラシと名刺」を置いてくるのです。
大学病院の医局へ3年飛び込み営業をしていた時期もありました。

意外と興味なさそうな会社から、後日連絡があるのが驚きでした。

具体的な飛び込み営業のコツは「【旅行会社の営業マン向け】飛び込み営業の3つのコツ【8つの手順・営業トーク例も解説】」に書いています。

2.紹介営業

得意だったのは「紹介営業」です。

とはいえお客さまに「誰か紹介してください」と言って紹介してくれるお客さまはいません。

タイミングと日頃の信頼関係が大事です。

よくあったのは、添乗で一緒になったお客さまから仕事をもらうことです。
「添乗は最大のセールス機会」と言われています。
お客さまと寝食をともにすることで仲良くなれ、仕事につながりやすいです。

3.深耕営業

「ルート営業」と言われるものです。

担当している企業に、何か仕事がないか深掘りしていく営業です。

基本はヒアリングですが、意外と掘り出しものがあるものです。

  • 「例年の視察旅行の予定はありますか?」
  • 「海外出張手配で困っていることはありませんか?」
  • 「来年は30周年ですね。周年行事の予定はありますか?」
  • 「新入社員は何名様の予定ですか?新入社員研修はどちらで開催予定ですか?」

仕事のチャンスが転がっているものです、

法人営業のお客さまとは?

法人営業のお客さまは「企業」だけではありません。
個人以外はすべて営業対象です。

 営業対象と獲得できそうな案件

  • 企業 → 社員旅行、視察旅行、研修旅行、報奨旅行、出張手配
  • 学校 → 修学旅行
  • 病院 → 医局旅行、学会出席の手配、医学学会の集客・手配・運営
  • 宗教団体 → 宗教団体旅行
  • 官公庁 → 国際会議運営、慰安旅行、視察旅行
  • NPO法人 → 視察旅行
  • 農協 → 慰安旅行、視察旅行

担当分野は「企業」でしたが、一時期は大学病院の先生の出張手配、学校団体の修学旅行案件も取り扱っていました。

国際会議や米国流通視察の添乗経験もあります。
団体旅行はパイが大きいので、一度取れるとかなりの収益が見込めます。

ただ安定しているのは企業の出張手配です。

大手企業では毎日出張があるので「出張手配を受注契約」できると継続的な収入につながります。
野球に例えると「団体旅行」がホームラン「出張手配」がヒットのイメージです。

法人営業に必要なスキルや資格は?

法人営業に必要なスキルは2つだけあればOKです。

  • 聞く力
  • 紹介してもらう力

本質はお客さまから信頼を得ることです。
信頼がお金に変わるからです。

なお資格は不要です。

強いていえば「総合旅行業務取扱管理者」の資格があると就職や転職には強いです。
旅行業に必要な最低ベースの知識がある証拠だからです。

ただし、必須な資格ではありません。

当社でも資格を持っていない人はいます。
実際に仕事をすると勉強する暇がなく、40歳を過ぎても持っていない人はいるのです。

会社より「資格手当て」や「資格が管理職昇進の条件」もありますので、持っていたほうが得です。

法人営業に英語資格は不要です。
添乗員派遣会社の添乗員であれば、ある程度(英検2級)の英語力は必要ですが、営業マンに英語力はいりません。

名刺に「総合旅行業務取扱管理者」と書かれているのは、お客さまの信頼につながります。

法人営業は未経験でもできる?

法人営業は未経験でもできます。

最初は誰でも未経験です。
新入社員も未経験で入社して、営業していきます。

経験の有無は関係ありません。

「やる気と努力」があれば大丈夫です。

勉強は必要

お客さまもネットで旅行情報を調べているので、こちらも日頃から相応の勉強、情報収集が必要です。

旅行業はサービス業の中でも変化があり、見えない商品を扱うので情報量が勝負です。

ありきたりの企画では満足しないお客さまもいらっしゃいます。

企画を目新しいものにするために、日頃から勉強です。

旅行業は世界中が勉強の対象になるので、範囲は広く、奥は深いです。

まさに新羅万象を相手にする仕事なので、やりがいもあります。

これから旅行業の法人営業を目指す人へ【デメリットと魅力】

旅行会社の法人営業の仕事内容

法人営業の2つのデメリット

  1. クレーマーがいる
  2. 添乗できない旅行会社もある

1.クレーマーがいる

18年の法人営業経験で、ひどいクレーマーは3人いました。
異動にでもならない限り、担当すると数年は逃げられません。

真面目な人、ガマンしてしまう人、責任感が強い人は頑張ってしまうので、最悪、私のように体を壊します。

ひどい目にあったり、嫌な気持ちになったりしたら、すぐ上司に相談です。
私の場合は上司がパワハラだったので、どこにも逃げられませんでした。

2.添乗できない旅行会社もある

旅行会社により、団体案件を受注しても、添乗員派遣会社に添乗を任せる会社もあります。

理由は2つです。

  • 営業マンが添乗に行くと営業の時間が減る
  • 添乗はプロにお願いしたほうが安心

添乗に行きたくない人にはラッキーです。
しかし添乗したい人にはデメリットです。

大手旅行会社は添乗業務を添乗員派遣会社に任せることが多いです。
添乗に行きたい人は、添乗に行ける中小企業や、添乗員派遣会社に入ると確実です。

なお添乗員の実態は、以下です。

  • 添乗員:ほとんどは女性
  • バスガイド:99.9%は女性
  • 添乗員の9割:添乗員派遣会社の所属(女性が75%、男性が25%)
  • 添乗員の1割:旅行会社所属の添乗(経験上、男性が多い。営業マンは男性が多いため)

» 添乗員、現地係員、現地添乗員の違いとは【バスガイドとの5つの違い】

法人営業の魅力:旅行を自分で創り、自分で添乗すること

自分で営業して仕事を取り、自分でコースを作り、自分で手配して、自分で添乗する。

法人営業の最大の魅力です。

旅行は「形のない商品」と言われます。
形のないものを自分の手で、形あるものに変えて、お客さまへ提供する。

「夢や思い出を売っている」とも言えます。

物は壊れ、なくなりますが「思い出」は死ぬまで消えません。
お客さまの人生のアルバムに「思い出」として残ります。

旅行に行っても残る物は「思い出」だけです。

  • 見た景色
  • 食べたもの
  • 買った土産

自分で感じたものだけが残ります。
旅行は「面白かった」「つまらなかった」と感じ方は人それぞれです。
旅行業の難しい点でもあり、面白い点でもあります。
形のない商品だからこそ「信頼」が必要です。

夢ある旅行が「悪夢」にならないよう、自分で添乗の仕上げをして、お客さまの喜びを直接感じることが法人営業の最大の魅力なのです。

「感動創造ビジネス」とも言われます。

お客さまとの信頼関係を積み上げるのが、法人営業の基本

お客さまとの信頼関係がない限り、旅行商品は売れません。

理由は「旅行は形のない商品」なので、事前に確認できないからです。
「信頼」という裏付けが必要です。

 信頼してもらう方法は2つ

  • 日頃の小さな問題解決を重ねる
  • 事前に下見に行って、確かめる

問題解決に役立つ本は「世界一やさしい問題解決の授業」です。
117ページの薄い本ですが、すぐに使える本質がつまっています。

下見に行くと、一発で信用されます。

「足と時間」を使っている労力、気持ちが伝わるからです。
「百聞は一見にしかず」です。

コツコツと信頼が積み上がってくると、一気にあふれ出す瞬間があります。
面白いように仕事が収穫できるときです。

旅行はやり直しがきかないので、一度失敗すると取り返しがつきません。
「別の日に旅行しよう」と言うことは不可能なのです。

信頼を失うのも一瞬なのです。

旅行業は1回1回がその場限りのものであることを肝に命じて、プロに徹する必要があります。
プロに仕事のミスは許されないのです。

信頼の積み重ねがお客さまの安心につながります。

とはいえ散々ミスをしてきた私の経験は「添乗員の失敗談:お客さまの積み残し3回【8つのミスも公開します】」で解説しています。

法人営業スキルを最速で身につける方法

失敗することです。

正確に言えば「仕事を取るまで」は、失敗経験を積むことです。

営業のやり方に正解はないので、色々な方法を試して、うまくいかない経験を積むことです。

失敗から、下記などがわかってきます。

  • 自分にはこの営業スタイルが合っている
  • お客さまにはこういう営業スタイルが良い
  • このポイントを押さえると意外と喜ぶお客さまは多い

日々の試行錯誤、改善は続きます。

仕事を取ってからは失敗は許されませんので、慎重に確認して、誠意ある回答を積み上げていきます。

あとは実際に仕事をしていけば、なんとかなります。

まとめ:旅行会社の法人営業の仕事内容を理解して、挑戦してみよう

まとめ:旅行会社の法人営業の仕事内容を理解して、挑戦してみよう

旅に出ると非日常の光景が広がり、新鮮な感動になって心を刺激します。
日常から離れるとリラックスした気持ちになったり、普段の忙しさで忘れていた時間を取り戻すきっかけにもなります。

そうした感動のお手伝いをしているのが旅行業です。

旅行は形がない商品で、同じ土地を訪問しても感じ方は千差万別です。
天候にも左右され、同行メンバーでも、異なる面白さがあります。

以上です。

P.S. 旅行業界はまだまだ面白さがある世界なのです。

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