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添乗員の失敗談:お客さまの積み残し3回【8つのミスも公開します】

2019年12月25日

添乗員の失敗談:お客さまの積み残し3回【8つのミスを公開します】
  • 添乗員の失敗談を知りたい

この記事はそんな方へ向けて書いています。

 この記事でわかること

  • 添乗員の失敗談:お客さまの積み残し3回
  • 人数確認のコツ:1人1人
  • 添乗員の8つのミス
  • 添乗員のしてはいけない10の行動

 本記事の信頼性

  • 経歴:新卒で旅行社に入社し19年8ヶ月、出張手配×法人営業×添乗
  • 資格:総合旅行業務取扱管理者、総合旅程管理主任者
  • 添乗:国内・海外計123本で、一般団体・教育旅行・視察旅行

お客様の積み残しは3回あります。
お客さまの積み残しとは「お客さまがバスや飛行機などの乗り物に乗れず、置いていかれること」です。

添乗員の人数確認ミスで発生します。
1番やってはいけないことです。
失敗ばかりの添乗で、1つ1つが勉強です。
置いてかれたことも1回あります。

そんな背景の私が本記事では、添乗員の失敗談「お客さまの積み残し3回」を解説します。
この記事を読むことで「添乗員の積み残しは登竜門」とわかり、失敗を予防できます。

添乗員が忘れてきてはいけないものは「お客さま」です。
記事後半では、添乗員の8つのミスを公開します。

添乗員の失敗談:お客さまの積み残し3回

添乗員の失敗談:お客さまの積み残し3回の体験談

お客さまの積み残し3回の体験談を語ります。

1回目の積み残し:伊豆畑毛温泉・大仙家

お客さまは35名様の企業団体の協力会d。エス。

伊豆畑毛温泉・大山家で宴会・宿泊をして、翌日はゴルフです。

ゴルフの出発時に、悲劇は起こりました。

私の仕事は、朝食後、お客さまをバスへ誘導し、バス車内で人数確認して、ゴルフ場へ出発させること。
ゴルフ場には先輩社員が待機しているので、人数確認して見送るだけです。

朝、お客さまをバスへ誘導し、車内で人数を数えていると1名さま足りません。

「あれ、おかしいな」と思いながら、もう1回数えていたところに幹事様の「もう揃ったので出発します」という声が聞こえました。

幹事様も数えていたのです。

「いや、1名足りない。変更があったのかな」と思いましたが、自信がなく何も言えません。

2回目の人数確認の途中でしたがバスを降り、出発していくバスに「いってらっしゃい」と手を降り続けました。

バスが見えなくなるとき、後方から「俺を置いてくなよ〜」と言いながら、走ってくる取締役の姿が。

やはり人数は1名、足りなかったのです。
取締役はすぐタクシーを拾い、ゴルフ場に直行。

「なんてことをしてしまったんだ。まさか取締役とは」と泣きそうになりました。

いくら幹事様が出発OKを出したとはいえ「1名足りない」と思っていたことを伝えるべきでした。

あとで先輩には叱られませんでしたが、反省です。

以降、人数確認は納得するまで、何回も数えるようになりました。

2回目の積み残し:アメリカ・ダラス

アメリカ・ダラスで悲劇は起こりました。

サブ添乗でアメリカ視察ツアー(ロサンゼルス・ダラス・シアトル)7泊9日に同行。
任された仕事は、バス車内の人数確認です。

生まれて初めてのアメリカ、生まれて初めての流通視察、新鮮でした。

流通視察ツアーは、ひたすら店舗視察です。

  • スーパーマーケット
  • ディスカウントストア
  • ショッピングセンター
  • ドラッグストア
  • ホームセンター

30分刻みで次々と見てまわります。
人数確認の回数も多くなりました。

「アメリカ」と「人数確認」に慣れてきて疲れが出始めるツアー中盤で、ミスを犯しました。

人数確認は毎回バス車内を往復して計2回数えます。
お客さまは25名さまです。

ツアー中盤のダラスでは、疲れと気のゆるみから、なぜか1回しか数えないときがあったのです。
手を抜いたその1回が命取りでした。

バスを出発させ、次の視察先のディスカウントストアで人数確認すると1名様、足りません。

何回数えても、15分待ってみても、状況は変わらないのです。
そのうち他の参加者が「あの人、前の場所を出発するときに車内にいなかったかも」と言いました。

前の視察場所にバスで戻ってみることにしました。
バスで戻ること15分、気持ちは「心配と不安」だけです。

前の視察場所に到着すると、お客さまはお店の入り口で立って待っていました。

「時間よ、戻ってくれ」です。

完全な私のミスです。

バスが到着するやいなや、お客さまに土下座するように謝罪。
お客さまも同行の上司も怒りませんでした。

結果的にスケジュールが狂い、予定していた店舗1ヶ所の見学が無くなりました。
私のミスで全員に迷惑をかけたのです。

その日の夜、ホテルロビーで上司から「良い経験をしたね」と言われて、泣きました。

心にしみる優しさが涙に変わります。
叱ってくれれば泣くことはなかったはず。

失った時間を取り戻せないのが怖いです。

3回目の積み残し:福島県・土湯温泉

2度あることは3度あります。

福島県・土湯温泉で悲劇は起こりました(ホテル名は失念)

企業の44名さまの親睦会旅行。
宴会・二次会まで段取りよく進めていましたが、三次会でやらかしました。

宴会・二次会が終わったあと、幹事様が「三次会は外に出て、ラーメンでも食べに行こう」という流れに。

ラーメン屋がどこにあるのか、わからなかった私はフロントで確認。
ラーメン屋は車で10分の場所にありました。

ホテルが気を利かせてくれ「20名様ならマイクロバスで往復送迎しますよ」と言ってくださいました。

22時過ぎの往復送迎は有難いサービスです。

幹事様に報告すると「それじゃあ希望者だけ集めて、マイクロバスで行こう」となりました。
お客さまの中には、すでに客室へ帰っている人たちもおり、全員に声をかけることは時間的に不可能。

周りにいる人たちに声をかけて、15分後に集合時間を設定し、遅れた方は置いていく段取りになりました。

集合時間に合わせてマイクロバスを配車し、お客さまをロビーで待ちます。
マイクロバスに15名さまが乗車しました。

「何人集まるか」はわかりませんので、人数確認のしようがありません。
集合時間になったら出発するだけです。

集合時間になりましたが、参加を予想していたお客さまが来ていません。
「もう少し待ったほうが良いかもしれない」と思ったので、3分待ちました。

待っても来られないところを見ると、幹事様が「もう行こう」とおっしゃり、スッキリしないまま出発です。
ラーメン屋では盛り上がり、私も一緒に食べ、飲みました。

頃合いを見はからって、マイクロバスの迎えを呼び、無事にホテルに帰着。
ホテルに到着すると幹事様の意向で、四次会は部屋で飲むことに。

部屋に行くと「少し待っても来なかったお客さま」がいました。

そこからは悲惨です。

翌日、2日目の行程が終わるまで、私の顔を見るたびにネチネチと「ラーメン食べたかったなぁ〜、あぁ〜ラーメン」と嫌味を言い続けられるハメになったのです。

お客さまに「少し待ったんですよ」と言ってもダメでした。
延々と嫌味を言い続けられ、2日目は消耗していきました。

食べ物の恨みは恐ろしいです。

幹事様に報告しましたが苦笑い。

人数確認は難しい状況でした。
そのために集合時間を設定して、置いていく方式をとったのです。

置いていかれたお客さまは、そんなことはどうでもいいことです。
「ラーメンを食べれなかった」という残念な気持ちがすべてです。

気持ちはわかります。
同じ立場なら「せっかく旅行に来て、貴重な機会にラーメンを食べれなかった」なら残念です。

思うのは「5分だけ待ってみる」選択肢もありました。

他のお客さまも待っているので難しいですが、あの状況であれば許されます。
「15分待ったんですよ」と言えます。

食べ物に関することは注意ですね。

お客さまの積み残しは登竜門:人数確認のコツは1人1人

お客さまの積み残しは登竜門:人数確認のコツは1人1人

積み残しは誰もが通る道です。

人数確認の損失はとてつもなく大きい

できて当たり前だからです。

ただみんな自分から口にはしませんが、裏ではやらかしてます。

3回は多いほうかもしれませんが。

旅にトラブルはつきものですが「お客さまの積み残し」はダメージが大きいです。

「人数確認」は簡単そうに見えますが、失敗のリターンはとてつもなく大きいです。
「スケジュールと時間と信頼」を、一瞬で失うからです。

添乗の基本動作:人数確認が最重要

何よりも気が抜けない仕事なのです。
添乗を成功させるコツは「人数確認を間違えないこと」です。

先輩方に積み残しの失敗があるかどうか聞くと、たいてい1回はやらかしてます。
積み残しの失敗をした人は気にすることはないです。

みんな、似たことを何かしらやらかしているのです。

失敗しないに越したことはありませんが、失敗したら乗り越えるだけ。
笑い話に変えるために、成長していくだけです。

みんなが自然と通るため「獣道」と呼ばれています。

人数確認の解決策:1人1人数えること

1人1人、数えることです。
納得いかなければ、不安が少しでもあるならば、3回でも4回でも丁寧に数えるのです。

 失敗例

  • 「にー、しー、ろー、やー」とまとめて数える
  • 1列ごとに「4、3、4」とまとめて数える
  • 子どもを数え忘れる
  • 人数変更になったことを忘れて、数える
  • 目で見える範囲で数える(車内を歩かない)
  • 時間に追われているからといって焦って数える
  • 1回しか数えない(最低2回は数えること)

上記に気をつければミスは防げます。
みなさん、失敗していますので大丈夫です。

添乗員の仕事は「数える」ことです。

【経験談】添乗員の8つのミス

添乗員の8つのミスを公開します。
失敗談がわかり、ミス予防に役立ちます。

その1:スーツケースの積み残し

神奈川県・箱根高原ホテルでスーツケースの積み残しをしました。

お客さまは教育旅行の団体です。

チェックアウト最終日、お客さまごにスーツケースを廊下に出してもらう段取りでした。

スーツケース(40個)は添乗員が貸切バスに積み込みますが、5個、ホテルに残したまま出発してしまったのです。

新宿に着いてからスーツケースがないことに気づきました。

冷や汗が出ましたね。

積み残しの理由は、端っこの一部屋のお客さまがスーツケースを「廊下ではなく窓の外」に置いたことです。
なぜ「窓の外に置いたのか」と言うと、バスへの距離が近かったからです。

お客さまは「バスまでの積み込みが楽だと思うから、窓の外にスーツケースを置きます」と声かけしてくださいました。

私は他のスーツケースを積み込みしながら返事をしましたが、他のスーツケースを積み込むのに必死で「窓の外」に置いてある5個のスーツケースのことは忘れてしまっていました。

死角で見えなかったことも原因です。

いつもと違うことはしないことです。
単純作業に違うことを取り入れるとミスの元です。

その2:ドライバーさんの道間違い

新潟県・月岡温泉へ向かう添乗で、貸切バスのドライバーさんが道を間違えました。

1日目、関越道を途中下車し、昼食後です。
ドライバーさんが道を間違えて、インターから高速に乗れません。

私は途中でドライバーさんの様子がおかしいことに気づきましたが、時すでに遅し。
ドライバーさんはインターの乗り口がわからず、次のインターまで一般道で行くことにしましたが、次のインターでも乗り口がわかっていないようです。
グルグルと高速道路に乗れず、一般道を徘徊する始末。

しばらくして、ようやく高速道路に乗れましたが予定より1時間ロス。
すべての段取りが狂いましたが、ホテルには17時に到着できました。
宴会開始18時30分には間に合い、とりあえずセーフです。

ミスの原因は、昼食場所の駐車場が手配できていなかったこと

昼食場所の蕎麦屋に到着すると、駐車場の手配ができていなかったらしく、観光バスを停める場所がありません。

我々はそのままバスを降り、問題ありませんでしたが、ドライバーさんは怒ってしまったのです。
ドライバーさんは昼食会場に姿を見せず、ガイドさんと2人で昼食を取りました。

バスに戻ってみると「駐車場が手配できていなかったから、昼食は食べない」の一点張りです。

「参ったな」と思いながら、昼食施設の人に頼んで「弁当」を作ってもらいました。
ドライバーさんに渡しましたが、出発まで食べませんでした。

最悪の事態へ向かいます。
ドライバーさんは「怒りと空腹」から、道を間違えたのです。

お客さまには叱られはしなかったものの、1時間もの時間を奪ってしまったのは残念です。

この件があってから、駐車場の手配・確認を徹底するようになりました。

» こんなバス運転手や添乗員は困る【実体験から添乗員が告白】

その3:リポビタンDを飲んで眠れなくなる

タイの初添乗です。

緊張を要する視察添乗でした。

  • タイは初めて
  • 海外添乗に慣れていな
  • 目上の人ばかりで気を使う

3拍子揃っており、初日から疲労困憊です。

「疲れが回復するように」と、寝る前にリポビタンDを飲んでしまいました。

結果、カフェインのせいで朝まで眠れません。
疲れも取れません。

2日目も早朝からやることがありましたので、体に応えました。

これ以降、リポビタンDは朝に飲むようになりました。
少々、疲れが残っていても踏ん張れます。

その4:グアムで自由行動中にケガをする

グアム添乗の自由行動での出来事です。

先輩のサブで初めてグアムに行きました。
添乗は先輩の段取りで問題なく進行。

5時間フリータイムがあり、先輩と「恋人岬」に行くことになりました。

移動手段は自転車です。

暑かったのでビーチサンダルで行くことにしました。
これが失敗でした。

途中、自転車のチェーンがはずれて、転んでしまったのです。

グアムのアスファルトは普通ではありません。
サンゴが混ざっているので、滑りやすく、転んでケガをすると変な切れ方をします。

私の足には転んだ傷が残っています。
見るたびにグアムを思い出します。

結局、恋人岬までは傷口にスカーフを巻きながら行きました。
恋人岬の売店のスタッフにオキシドールを借りて、消毒しました。

先輩に迷惑と心配をかけました。

グアムでの自転車は要注意です。

その5:京都での一方通行

初めての京都添乗です。

京都は修学旅行やプライベートで行ったことがあるだけです。

協力会旅行なので、コース作成は自分でやっています。
NAVTIMEで時間と距離を測りながら、コースを作成しました。

準備万端で当日を迎えましたが、想定よりもバスの移動時間がかかるのです。

一方通行だったからです。

京都は一方通行が多く、迂回しなくてはいけないケースが多いのです。

想定外でした。

余裕を持ったコースを作っていたので、影響はありませんでしたが反省です。

京都では一方通行を考慮して、コースを作ることです。

その6:弥彦山クライミングカーが運休

新潟県・弥彦山クライミングカー」が、運休になっていたことがありました。

弥彦山はロープウェイで山頂まで上がれます。
その時の添乗では弥彦山ロープウェイを使用せず、山頂近くまでバスで移動し、クライミングカーに乗って山頂に行くショートカットの予定でした。

当日、クライミングカー乗り場に到着すると「強風で運休」とのこと。

完全に私の事前の確認不足です。

あたふたしましたが、お客さまには隣の弥彦タワーだけ上がってもらい、景色を楽しんでもらいました。

ロープウェイならまだしも、クライミングカーでも運休するのです。

その7:サンフランシスコ空港での係員の英語がわからない

海外視察添乗に行き始めたばかりの頃の話です。

ロサンゼルスとサンフランシスコの視察を終え「あとは飛行機に乗って帰るだけ」で起きた出来事です。

サンフランシスコ空港に到着し、先輩添乗員が先導してゲートをくぐります。
お客さまは後について、ゲートをくぐり、最後尾にはサブ添乗の私がついています。

ちょうど私の目の前のお客さまが、ツアー中に足を骨折してしまい、松葉杖をついていました。
そのお客さまが松葉杖のままゲートをくぐろうとした時、空港係員に英語でまくしたてられたのです。

お客さまは英語はわかりません。
お客さまは困った顔で、後ろにいた私のほうを振り返り「なんて言っているの?」と尋ねました。

私も困った顔で後ろを振り返り、誰かに聞きたいです。

添乗員に振り返ることは許されません。

私は松葉杖が英語で「crutch」と言うことを調べておいたので、とりあえず係員に「He needs crutch」とだけ伝えました。
係員は英語で何か言い始めましたが、お客さまにも私にもわかりません。

お客さまが「どうしたらいいの?」と言いましたので、私は適当に知ったかぶりをして「行っていいみたいですよ」と答えて、ゲートを無理やり通過させました。

空港係員は怪訝そうでしたが、何も言わずにお客さまを通過させてくれました。
よくわかりませんが、通れたのです。

英語の勉強の必要性を痛感した出来事でした。

英語はヒアリングが必要です。
時にはハッタリも必要です。

その8:サイパン修学旅行で、お酒を買おうとした生徒に注意したら地獄を見た

サイパンでの修学旅行添乗の話です。

昨日のことのように覚えています。
過去で1、2を争うミスでした。

ミスというか、なんというか、やり切れない気持ちになったのです。

80人の高校生を連れて、サイパンへ添乗

添乗員は私と先輩の計2名です。

2日目のサイパン終日観光の午後、現地のスーパーマーケットで買い物の時間がありました。

私はやることがないので、店内をブラブラと散策していました。
そのとき、カートを転がす女子生徒が目の前を通過。

カートの中を見ると、お酒が入っていました。
サイパンも未成年は飲酒禁止です(21歳以上)

私は「お酒は禁止だよ」と言い、カートからお酒を取り上げ、元の場所に戻したのです。

そのときは女子生徒は何も言いませんでしたが、この行為が後に尾を引くことになりました。

ホワイトボードに「消すな、バカ」の文字

その日の夜、ホテル内の見回りをして、ツアーデスクに戻ってくるとホワイトボードにマジックで「○○号室に来い」の文字が書いてありました。

私は「生徒同士の伝言掲示板に使われちゃったな」と思いながら、二重線で文字を消しました。

再度、見回りに行き、ツアーデスクに戻りました。
何気なくホワイトボードに目をやると、今度は「消すな、バカ」と書いてあります。

私は意味がわかりませんでした。

しばらくして、先輩も見回りから戻ってきましたが、先生も一緒でした。

先輩は「女子生徒があなたを探しているみたいだよ」と言いました。
先生は「スーパーでお酒のことを注意されたのを根に持っているみたいです」と言いました。

ホワイトボードに書いてあった言葉は、すべて私に向けられた言葉だったのです。

先生から事情を聞くと、女子生徒の要望は「謝ってほしい」とのことでした。

こちらは悪くありません。
当然の注意をしたまでです。

「旅のしおり」にも「飲酒禁止」と書いてあります。
先輩は「謝る必要はない」と言ってました。

結局、ホテルロビーに女子生徒2人、担任の先生1人、先輩と私の計4人で話し合いです。

とりあえず私は不快な思いをさせてしまった事実について謝罪しました。

女子生徒は気持ちが収まらない様子です。
「お父さんの自殺した保険金で旅行に来たのに、こんな気持ちにされて」とか理不尽なことを言ってきます。

長い沈黙の時間もありながら、話し合いは終了。
結局、先生もその場を収められませんでした。

生徒の言いなりになる先生は弱く、かわいそうに見えました。

3日目、4日目は女子生徒の目を意識して、辛い添乗になったのを覚えています。

注意するのは添乗員ではなく先生なのです。

添乗員のしてはいけない行動10か条【クレームにつながる】

添乗員のしてはいけない行動10か条【クレームにつながる】

 添乗員のしてはいけない行動10か条

  1. 業界用語を使う
  2. 集合時間に遅れる
  3. 知ったかぶりをする
  4. お客さまの悪口を言う
  5. 税関でトラブルを起こす
  6. お客さまからお金を借りる
  7. お客さまのクレームを処理しない
  8. 特定のグループだけと仲良くする
  9. お客さまよりたくさんの買い物をする
  10. 税関申告書や質問書などに虚偽の記入を勧める

就職・転職なりたい!ツアーコンダクター」を参考に、体験談から解説します。

添乗当初はお客さまとの距離感がつかめず、クレームをいただきました。
添乗中にクレームが来ると、残りの時間が辛くなります。

死んだ時間にならないためにも、クレームの予防が大事です。

「添乗員のしてはいけない行動」はどれも基本的なことですが、意識するだけで変わります。

大事なのはお客さまにまっすぐ向き合うことです。
投げる球種はストレートだけで十分なのです。

1.業界用語を使う

業界用語を使われてもお客さまはわかりません。

  • チェックインしてください
  • チェックアウトしてください
  • キャリアはティージーです
  • イミグレでイーディーカードをご提示ください

チェックイン、チェックアウトも業界用語です。

中学生でもわかる言葉で言い換えます。

2.集合時間に遅れる

最初の「空港集合」や「バス出発場所」に遅刻するとアウトです。

最初の集合で「添乗員の印象」が決まります。

 体験談

羽田空港9時30分集合のツアーです。
空港へ向かうリムジンバスが台風で遅れて、9時20分に到着しました。
お客さまは全員そろっています。
全員の信頼を失い、信頼を取り戻すには1日では足りませんでした。

最初の集合では、お客さまより早く来ていることが大事です。

集合時間に間に合っていても、お客さまより遅かったら遅刻です。
空港周辺は渋滞することもあるので余裕のある行動が大事です。

 遅刻しないための3つの行動

  • 空港には余裕を持って着いている
  • ホテルではモーニングコール、目覚まし時計の併用
  • 最初の集合場所には、30分前からお客さまを待ち構える

交通の乱れが予想されるときは前泊です。

遅刻はすべてを灰色に変えます。

3.知ったかぶりをする

お客さまは「添乗員はなんでも知っている」と思って、質問してきます。
知っている場合は良いですが、知らない場合は対処法が大事です。

  • 「知りません」と答える
  • 生半可な返事をして誤魔化す
  • 確認して、後で回答する

誤魔化すと後で恥をかいたり、信頼を失います。

確認して、後で回答をすれば良いのです。

知ったかぶりをしないだけで良いのです。

4.お客さまの悪口を言う

悪口はNGです。

聞いたお客さまは添乗員のことを信頼できなくなるからです。

  • ○○さんは手がかかる
  • ○○さんは批判的に接してくる
  • ○○さんは下品で日本人として恥ずかしい

上記の言葉を他のお客さまの前で言ってはいけません。

他人の悪口を聞いたお客さまは「自分のことも同じように他人に言われているのではないか」と添乗員を見ます。

遅刻常習やマナーが悪いお客さまには工夫します。

  • 人前で注意しない
  • 人の目のつかない場所で1対1で話す

海外旅行中のマナー違反はたいていの場合、悪意というより無知によります。

5.税関でトラブルを起こす

成田税関によると、添乗員の違反が増加しているといいます。

「お客さまの超過手荷物を持ってあげる」という軽微なものから、禁制品の持ち込みなど悪質なものまであります。

お客さまの超過手荷物を持ってあげたくなる気持ちはわかります。
旅程管理者として、断らなくてはいけません。

帰国日の前日に「超過手荷物を持ってあげることはできない」と案内しておくのが良いです。
捕まった事例も上げておけば、まず頼んでくる人はいません。

添乗員の違反は本人だけでなく、委任会社にも最大の恥辱です。
責任問題にまで発展するケースがあります。
最後の税関で引っかからないよう注意です。

お客さまを喜ばせたいかもしれませんが、正攻法が1番です。

6.お客さまからお金を借りる

お客さまからお金は借りてはいけません。

  • トラブルのもと
  • 信用問題になる
  • ストレスになる

「借りた、借りてない」でトラブルです。
返し忘れはトラブルの元です。

貸したお客さまも「いつ返してくれるのだろう」と、いらぬ心配をすることになり、添乗員に不信感を抱きます。
信用問題に発展してしまうのです。

お金は、借りたほうは忘れやすく、貸したほうは忘れないもの。

お客さまどうしの貸借にも注意するよう助言です。

7.お客さまのクレームを処理しない

添乗中はさまざまなクレームがあります。
添乗員の範疇外のクレームがあるものです。

  • 同室者のいびきが大きい
  • ホテルの客室からの眺めが良くない
  • 飛行機の座席を通路側でリクエストしたのに、叶わなかった

些細なクレームでも本人には大きな問題なのです。
添乗員は誠意を持って、その場その場で対処する気持ちが大切です。

クレームやリクエストの対応を先延ばしにすると、小さな不満から大きな問題に発展します。

できるだけすぐに対応です。

お客のクレームやリクエストを引き受けたからには、中途半端にならようにすべきです。
場合により、会社から預かった資金の活用という手もあります。

大事なことは帰国後、会社までクレームを持ち込まない努力です。

8.特定のグループだけと仲良くする

添乗員も人間ですので、お客さまでも気の合う人、気の合わない人がいるのは当然です。

添乗員は個人的な感情を抑えないと務まりません。

気の合わない人への対処方法は、こちらから近づくことです。
逃げるから噛みつかれ、苦手意識を持つ悪循環になるからです。

食事のテーブルでも同席する相手を毎回変えます。

つねに公平・中立の立場でいるのが最善です。

ベテラン添乗員の言葉で「気の合う人は黙っていても好感を持ってくれるので、常に気の合わない人と多く接するようにしている」と聞いたことがあります。

至言です。

9.お客さまよりたくさんの買い物をする

添乗員は友人や知人、会社の同僚、家族からお土産を頼まれることもあります。
とはいえお客さまの前で買い物に集中してしまうのはいけません。

「仕事せずに何をしている」と感じるお客さまもいるからです。

添乗員の買い物には違和感があります。
勉強のための試食ならまだしも、お土産の購入はスマートではありません。

買うならお客さまに目立たないようにです。

買い物は「個人行動」に見えるので、誤解を招く恐れがあるのです。

10.税関申告書や質問書などに虚偽の記入を勧める

税関申告書の記入で、脱税行為の相談にのってはいけません。

お客さまの中には税関で詰問されると「添乗員から勧められた」などと逃げ口上を言う人もいます。
また質問書の記入の際に、ひどい下痢をしているのに適当に書かせてはいけません。
もしお客さまがコレラ患者なら大騒動です。

わからないことを「早く楽になりたいから」といって、適当な言質を与えてはいけません。

あとでしっぺ返しがきます。

添乗員のミスは問題発見の味方です

添乗員のミスは問題発見の味方です

添乗員は人間なので「ついうっかり」はあります。

私はたくさんのミスをしてきました。

他にも「お酒を飲みすぎない」や「お客さまの個人情報を守る」も大事です。

根底は「公平に誠意を持って行動する」です。
意識するだけでだいぶ印象は変わります。

「自分だけは大丈夫だろう」の考えは捨てて、信頼関係を壊してしまう行動・言動に注意です。

したことは返ってくるからです。

たくさんのミスをしています。
失敗、トラブルばかりです。

「トラブルのない旅行はない」と言いますが、添乗も同じです。

何かしら、小さなミスはあります。
添乗員の目の届かない場所で、起きている場合もあるのです。

ミスが見つかれば、仕組みを改善するだけ。
ミスは問題発見の味方です。

「仕組みに問題がありますよ」と教えてくれるのがミスです。

改善さえすれば、ミスなど存在しないのです。
日本添乗サービス協会の「基本忘るべからず集」は過去の自分に読ませたいです。

最後に添乗で役立った本を紹介します。

以上です。

P.S. どんどんミスして、仕組み改善しよう。

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