- 添乗員に必要な資格試験について知りたい
- 添乗員の資格取得は難しいのかな
こんな疑問に答えます。
本記事の信頼性
- 経歴:新卒で旅行社に入社し19年8ヶ月、出張手配×法人営業×添乗
- 資格:総合旅行業務取扱管理者、総合旅程管理主任者
- 添乗:国内・海外計123本(一般団体、教育旅行、視察旅行)
添乗員の資格取得は難しくありません。
合格率90%以上です。
勉強すれば問題ないです。
本記事では、添乗員になるために必要な資格「旅程管理主任者」について解説します。
この記事を読むことで「旅程管理主任者」の取得方法や難易度、関連資格がわかります。
Contents
添乗員資格「旅程管理主任者」の取得方法と難易度【合格率90%】
添乗員になるには資格「旅程管理主任者」が必要です。
旅程管理主任者とは【2種類】
添乗員資格として知られる「旅程管理主任者」は、旅行業法に基づき、旅行業務の中でツアーコンダクターとしての役割を果たすために必要な資格です。
資格取得すれば添乗員として、国内外の募集型企画旅行(ツアーやパック旅行など)、または受注型企画旅行(社員旅行や修学旅行など)に同行し、主任ツアーコンダクターとして添乗できます。
2種類の旅程管理主任者資格
- 国内旅程管理主任者:国内旅行のみ添乗ができる
- 総合旅程管理主任者:国内・海外旅行の添乗ができる
観光庁長官登録の機関が発行する公的資格です(国家資格ではなく認定資格)。
旅程管理主任者資格を持っていない人が「1人」で添乗することは旅行業法で禁止されています。
添乗業務を2人で行う場合は、どちらか1人が旅程管理主任者資格を持っていれば、もう1人は「資格なし」でも添乗できます。
「旅程管理主任者」の取得方法
旅程管理主任者資格を取得するためには、以下の要件を満たす必要があります。
- 観光庁長官登録の機関が実施する旅程管理研修の修了
- 一定の添乗実務経験
「一定の添乗実務」とは、旅程管理研修修了日の前後1年以内に1回以上、または、旅程管理研修修了日から3年以内に2回以上です。
また「添乗実務」とはツアーに添乗員として同行するか、ツアーコンダクターの派遣会社あるいは日本添乗サービス協会が実施する研修ツアーに参加した場合などをいいます。
基本的には旅行会社や添乗員派遣会社で取得します。
1.第一関門は旅程管理研修の修了(合格)
旅程管理研修の受験資格は次の2つを満たしていないと、受験できません。
- 旅行業(旅行会社など)に従事している
- 添乗員業務研修を受講・終了している
採用試験を受ける前に自分で勉強して「旅程管理主任者」の資格取得はできません。
本屋に行っても「旅程管理主任者」資格のテキストがないのです。
添乗員になるための第1ステップは旅行業界に入る
旅行業に従事してはじめて「旅程管理主任者」の受験資格が得られます。
添乗員になりたい人は、旅行会社または添乗員派遣会社の採用が必要なのです。
» おすすめの添乗員派遣会社3社をランキングで比較【口コミ・評判】
第1ステップは「旅行業界に入ること」ですが「ツアーコンダクターコース(講座)のある専門学校に入学する」という方法もあります。
- ホスピタリティツーリズム専門学校(東京)
- ホスピタリティツーリズム専門学校大阪
- トラベル&コンダクターカレッジ
専門学校のメリットは下記です。
- 確実に資格取得できること
- ネットワークが作れること
添乗経験豊かなベテラン講師に学んでから、旅行管理指定研修を受けるので、理解度、修了テストの結果も違います。
専門学校は同じ志の人間がいます。
講師は添乗員の先輩ですからネットワークが作れます。
相談に乗ってもらうこともできます。
専門学校は旅行全般に関してトータルに学べます。
- 旅行業法や出入国に関する法令
- 航空運賃、航空券の予約・発券手続きなどの旅行の専門知識
- 海外の地理
- 英語をはじめとする外国語の習得と会話
- 一般教養やサービス、マナーなど
専門学校に入るのであれば就職に役立つよう「旅行業務取扱管理者」などの資格は取っておきたいです。
第2ステップは「添乗員業務研修」の受講・終了する
旅行業法や添乗業務を行う上での注意事項などを勉強し、添乗員業務研修を終了することです。
「一般社団法人日本添乗サービス協会」が実施する「基礎添乗業務研修(eラーニング講座)」は、添乗員派遣会社に登録していない方でも受講できます。
「ツアーコンダクターの仕事をしたい」「ツアーコンダクターについて知りたい」と思っている人にはおすすめです。
ツアーコンダクターを職業としてやっていくかどうか判断する良い機会です。
2.第二関門は「添乗業務」を実践
資格取得には「添乗員業務研修終了の前後1年以内に1回以上」もしくは「終了後3年以内に2回以上の添乗業務を実践すること」が必要です。
資格を取得していない人ができる添乗の実務経験は3種類
- パッケージ旅行のサブ添乗員:パッケージ旅行に添乗員がつくときは、1人が資格を持った添乗員(主任添乗員、旅程管理主任者)であればよく、資格のない添乗員は何人いても問題なし
- 手配旅行の添乗員:手配旅行の添乗員は資格があっても、なくとも問題なし。無資格でも添乗員として同行でき、添乗実務が経験できる
- 旅程管理主任者が引率する研修旅行に参加:資格を持った旅程管理主任者の指導による実務研修を受けた経験は、添乗実務の経験とみなされる。実務研修は、添乗員派遣会社や日本添乗サービス協会、旅行会社が研修旅行として実施している
添乗業務も問題なければ初めて、旅程管理主任者資格を取得できます。
似た名前で国家資格の「旅行業務取扱管理者」があります。
旅行業務取扱管理者試験に合格すれば取得できます。
対して「旅程管理主任者」は、研修や実務経験が求められることが特徴なのです。
資格取得までに少々時間はかかりますが、決められた研修さえ受講すれば受かります。
難易度の高いものではありません。
合格率90%以上、合格点60点
旅程管理主任者の修了試験は研修の終わりにある簡単なものです(先生が出題箇所を教えてくれました)。
受講と実践業務を勉強していれば合格できます。
落とすための試験ではないので難しくないです。
先生の話をきちんと聞いていれば、90%以上の人は一発合格可能なのです。
実質的には国内添乗員が2日間、海外添乗員が3日間で取得できるのが一般的です。
落ちた人を見たことがありません。
資格をとって添乗員になるまでの流れ
旅行会社や添乗員派遣会社へ入社する
↓
一般もしくは国内の旅程管理指定研修
↓
修了試験に合格
↓
修了証書の交付
↓
添乗実務経験の指導(研修ツアー・サブ添乗)
↓
指定管理業務を行う主任者証の発行
↓
添乗員として1人でツアーに同行できる
添乗員は資格は必要ですが、学歴は不問です。
「適正」と「やる気」さえあれば、どんどんステップアップできますし、やりがいがあります。
たくさんの出会いと経験、視野の広がりで、人生が豊かになっていきます。
楽な仕事ではありませんが、ワクワク・ドキドキする仕事です。
添乗員の関連資格と取得方法
持っておくと仕事の幅が広がる資格を紹介します。
添乗業務に役立ちます。
旅行業務取扱管理者(旅行業界で唯一の国家資格)
旅行業界への就職に有利といわれる国家資格「旅行業務取扱管理者」です。
資格は2種類です。
- 国内旅行業務取扱管理者:国内旅行のみ取り扱う
- 総合旅行業務取扱管理者:国内・海外旅行の両方を取り扱う
誰でも受験可能です。
旅行業務取扱管理者とは、旅行業務全般の管理・監督を行う総責任者です。
旅行者との旅行の契約、クレームの処理などの業務が公正に確実に行われるように、責任をもって管理・監督をします。
旅行業法では、旅行業務取扱主任者を旅行会社の営業所ごとに1人以上(社員10人以上の営業所は最低2人)を選任して、業務にあたらせることを義務づけています。
「旅行業務取扱管理者」を持った人がいないと、旅行会社の営業所は成り立ちません。
旅行業務全般に精通しているので、旅行会社では貴重な存在です。
多くの旅行会社では「旅行業務取扱管理者」の資格を持っている人に「資格手当」を支給したり、昇給や昇進の面でも優遇しています。
「旅行業務取扱管理者」を持っていても「旅程管理主任者」の資格を持っていないことには、パッケージ旅行の主任添乗員としては添乗できません。
就職、転職の際にも「旅行業務取扱管理者」を持っていると、旅行業務に関する一定の知識と事務処理能力があると客観的にみなされるので有利です。
旅行会社に就職してツアーコンダクターを目指す人には、有利になるので資格取得はおすすめです。
添乗員派遣会社に所属する場合は「旅行業務取扱管理者」の豊富な知識は、添乗業務に活きます。
スキルアップのために挑戦する価値はあります。
合格率11〜20%です。
勉強方法
- 高校卒業後、専門学校で勉強
- 大学生、社会人は、通学講座を受講
- 通学が無理なら、通信講座を受講
- 書店で購入できるテキストでの独学
国家試験は、国土交通大臣の事務代行期間が年1回行います。
国内旅行業務取扱管理者は全国旅行業協会が、例年9月に実施しています。
総合旅行業務取扱管理者は日本旅行業協会が、例年10月に実施しています。
体験談
私は書店でテキストを購入し、独学で資格取得しました。
旅行業界に入社し1年目に「国内旅行業務取扱管理者」を取得、3年目に「総合旅行業務取扱管理者」を取得しました。
「総合旅行業務取扱管理者」の合格ラインは全科目で60%以上、必要勉強時間は200時間といわれています。
朝5時に起きて毎日90〜120分勉強を継続しました。
200時間は間違いないです。
問題集を7周するころには、受かる自信が出てきました。
「観光・旅行教科書 旅行業務取扱管理者」が良さそうです。
- Amazon口コミが良い
- 2023年4月出版で新しい
- JTBトラベル&ホテルカレッジ出版
何種類も手を出すより1冊を7回繰り返すのがおすすめです。
英語の能力を測る試験
英語力は海外ツアーの添乗に欠かせません。
英会話能力は必須です。
- 現地ガイド、ホテル、レストラン、観光施設などでのやりとり
- トラブル解決のための交渉、説得
英語以外の語学もできれば望ましいですが、ツアーコンダクターを目指すなら、まずはある程度の英語力を身につけておく必要があります。
英検(実用英語技能検定)
- 「読む、書く、聞く、話す」の英語能力を測る
- 試験実施:年3回
- 「1級、準1級、2級、準2級、3級、4級、5級」の7つ
- 1〜3級は、1次と2次の試験(1次:熟語、文法、語法、英作文、読解、リスリング、2次:面接形式)
旅行会社や添乗員派遣会社の採用時に、能力をアピールできるように「実用英語技能検定」2級以上に合格しておくのがベターです。
「実用英語技能検定」は、通称「英検」で親しまれている、英語力評価で有名です。
添乗員になってからも英語能力のブラッシュアップは必要です。
英検や「TOEIC」の英語の能力を測る試験を利用して、英語能力のレベルアップを心がけていきましょう。
TOEIC
- 試験実施:1、3、5、7、9、10、11月の年7回
- リスニングとリーディングの各100問ずつ
- それぞれ5点〜495点の5点きざみの配点、トータル10点〜990点のスコア
「TOEIC」は、合格・不合格という検定ではなく、スコア(点数)で英語のコミュニケーションがどの程度できるか測るテストです。
難易度が一定なので、受験のたびに英語力の伸びがわかります。
目標スコアを設定しながら、英語能力向上に励めます。
日頃から新聞、雑誌などで英語の文章を読んだり、市販のCD教材やテレビ・ラジオの英語番組を聴いたり、コツコツ努力を重ねていくことが大事です。
添乗員派遣会社「旅行綜研」では、海外添乗に出れる基準として「TOEIC 550点以上」を掲げています。
添乗員に必要な英語力については「添乗員に必要な英語力は英検2級以上【毎日音読でひたすら爪をとぐ】」で解説しています。
英語の勉強方法のわかりやすい書籍や動画
その他の関連資格
旅行地理検定
2種類あります。
- 国内旅行地理検定:日本の地勢と環境、観光地・観光資源の名称などの知識を認定する資格
- 海外旅行地理検定:外国の地勢と環境、観光地・観光資源の名称などの知識を認定する資格
共通して2級~4級に関しては、インターネット試験に対応しています。
テキスト、問題集は「旅行地理検定公式サイト」のJTB総合研究所の教材がおすすめです。
教材を7回反復したら、国内地理検定2級に合格しました。
世界遺産検定
- 2006年に始まり、年4回開催
- 20万人超が受検し10万人以上が認定
- 2014年からは文部科学省の後援事業に
世界遺産検定のテキスト、問題集は「世界遺産検定公式サイト」をご参考ください。
その他
- インターネット旅行情報士検定
- 通訳案内士
- 観光英語検定
- JATAトラベル・カウンセラー制度
- 日本の宿 おもてなし検定
- クルーズアドバイザー認定制度
- イベント業務管理士
- イベント検定・ユニバーサルイベント検定・スポーツイベント検定
まとめ:森羅万象の勉強をするのが添乗員
添乗員資格の取得は、旅行業界でのキャリアをスタートさせる重要なステップです。
資格取得に向けた準備を進め、目標に向かって確実に進んでください。
添乗員としての経験を積むことで、旅行業界でのキャリアを広げ、充実した仕事生活を実現できます。
添乗員になるには「旅行管理主任者」だけでOK
スキルアップとして上記の「総合旅行業務取扱管理者」「英検、TOEIC」などの勉強は大事です。
添乗の幅が広がるからです。
旅行業全体を知って添乗をするのと、知らずに添乗するのでは添乗経験から得られるものが異なります。
知識が経験を濃いものにしてくれます。
森羅万象の勉強
世界の地理や歴史、情勢などを知っておくことも大事です。
世界各国の生活習慣、宗教や文化、歴史について学ぶとともに、政治の情勢や経済状況などテレビ、新聞、インターネットを駆使して常にアンテナを張りめぐらせることが重要です。
他にも幅広い一般教養やマナー、社会常識など森羅万象の勉強が必要なのです。
添乗員になったからもう勉強しなくていいことはありません。
添乗員は自分でどんどん勉強してスキルアップしていかないと地位も収入も上がらない厳しい職業です。
勉強したことは残ります。
以上です。
P.S. 時間を作り出し、少しずつ勉強してみましょう。
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