8月のビジネス文書で最も迷うのが「盛夏の候と残暑の候、どちらを使うか」という点です。
答えは立秋(毎年8月7日頃)で決まります。立秋前は「盛夏の候」、立秋後は「残暑の候」。
この切り替えさえ押さえれば、取引先・上司宛ての8月の挨拶文はほぼ完成します。
上旬・中旬・下旬別の例文と送付状・メールの完成例を、そのまま使える形でまとめました。
記事冒頭の早見表を見るだけで、今日送る文書の書き出しが30秒で決まります。
・立秋前後の使い分け(盛夏の候 / 残暑の候 / 処暑の候)
・上旬・中旬・下旬別のコピペOK例文
・取引先・上司・送付状・お礼状の完成例
・ご清栄とご健勝の使い分け、拝啓・敬具の正しい使い方
| 時期 | 漢語調(推奨) | 意味・ポイント | 口語調の書き出し |
|---|---|---|---|
| 上旬(〜8/6頃)立秋前 | 盛夏の候・猛暑の候 | 夏の盛り。立秋後は使用不可 | 毎日うだるような暑さが続いておりますが〜 |
| 上旬(8/7頃〜)立秋後 | 残暑の候・晩夏の候 | 立秋後の定番。最も汎用的 | 暦の上では秋となりましたが〜 |
| 中旬 | 残暑の候 | お盆明けの文書にも対応 | 残暑が厳しい毎日が続いておりますが〜 |
| 下旬 | 処暑の候・残暑の候 | 処暑は8月下旬ならでは | 暑さも峠を越えた頃となりましたが〜 |
※立秋の日付は年によって1日前後します。送る前にその年の暦をご確認ください。
この記事の目次
すぐ使える|8月ビジネス例文(立秋前後・用途別)
説明より先に例文をご覧ください。
該当する時期・用途の例文をそのまま使えます。
送る日が立秋の前か後かだけ確認してください。
前なら「盛夏の候」、後なら「残暑の候」。
相手が法人なら「ご清栄」、個人なら「ご健勝」を選べば、ほとんどの場面で通用します。
取引先へのメールでは「残暑の候」を選ぶことが多いです。
立秋前後を問わず8月に使えるため、日付確認が難しい場合の安全策としても重宝しています。
8月の時候の挨拶の基本
手紙やメールの書き出しに時候の挨拶を入れると、相手への気遣いと礼儀が伝わります。
ビジネス文書では「漢語調(〜の候)」を使うのが一般的です。
| 種類 | 使う場面 | 8月の例 |
|---|---|---|
| 漢語調(〜の候) | 手紙・送付状・格式ある文書 | 盛夏の候・残暑の候・処暑の候 |
| 口語調 | メール・やや砕けた文書 | 残暑が厳しい毎日ですが〜 暑さも峠を越えてまいりましたが〜 |
頭語・結語は「拝啓〜敬具」が基本です。
格式の高いお礼状には「謹啓〜謹白」を使います。
メールでは省略して「お世話になっております」から始めるのが一般的です。
ご清栄とご健勝
| 言葉 | 対象 | 意味 |
|---|---|---|
| ご清栄 | 個人・法人どちらにも使える | 健康で繁栄していること。迷ったらこれ |
| ご健勝 | 個人宛てのみ | 健康で元気なこと。「貴社ますますご健勝」は不自然 |
| ご清祥 | 個人宛てのみ | 健康で幸せなこと。やや格調ある表現 |
| ご隆盛 | 法人・組織向け | 勢いよく栄えていること |
法人宛て(貴社〜)→「ご清栄」か「ご隆盛」
個人宛て(〇〇様〜)→「ご健勝」「ご清祥」「ご清栄」どれでもOK
迷ったら「ご清栄」を選べばどちらにも使えます。
盛夏・残暑・処暑の使い分け
立秋(8月7日頃)を境に「盛夏」から「残暑」へ、下旬には「処暑」も使えます。
詳しくは記事冒頭の早見表をご参照ください。
拝啓と敬具
手紙・送付状 → 拝啓〜敬具が基本
格式の高いお礼状 → 謹啓〜謹白
メール → 拝啓・敬具は省略。「お世話になっております」から始める
急ぎの用件 → 前略〜草々(時候の挨拶は省略)
8月上旬の時候の挨拶と例文

上旬は立秋前後で使う言葉が切り替わります。
送る日付を確認してから書き出しを選んでください。
詳しい上旬の例文は「8月上旬の時候挨拶と例文」もご参照ください。
8月に入ったらまずその年の立秋の日付を確認してください。確認さえすれば、あとは迷いません。
8月上旬のメールで最も多い失敗が「立秋後に盛夏の候を使う」ことです。私はスマートフォンのカレンダーに立秋を登録しており、8月の文書を作る際は必ず確認するようにしています。
8月中旬の時候の挨拶と例文
中旬はすでに立秋を過ぎているため「残暑の候」が定番です。
お盆の時期と重なることが多いため、ご休暇中・お盆明けを意識した一言を添えると気が利いた印象になります。
中旬は「残暑の候」ひとつ覚えればほぼ対応できます。お盆明けなら「ご休暇はいかがでしたでしょうか」を一言添えると相手への配慮が伝わります。
お盆明けの文書は相手もバタバタしていることが多いため、時候の挨拶は短くまとめて本題に早く入る方が喜ばれます。「残暑の候」の一文と「ご休暇明けいかがでしたでしょうか」で十分です。
8月下旬の時候の挨拶と例文
下旬は「処暑の候」が8月ならではの表現で、使うと季節感が際立ちます。
「残暑の候」も引き続き使えます。
「処暑の候」は8月下旬にしか使えない表現です。ひと手間かけた印象を与えたいなら処暑の候、迷うなら残暑の候で問題ありません。9月に入ったら「初秋の候」に切り替えましょう。
「処暑の候」は格式があるため、メールよりも手紙や送付状向きです。相手に季節感を伝えたい文書に使うと、丁寧さが際立ちます。
用途別の完成例文|送付状・お礼状・案内状
前文(時候の挨拶)から末文(結び)まで、そのまま使える完成例文です。
〇〇の部分を書き換えてご使用ください。
送付状
お中元のお礼状
取引先・目上の方への結びは「くれぐれもご自愛くださいますようお願い申し上げます」を定型文として覚えておくと迷いません。
立秋前後を問わず使えるため、8月を通じて使いまわせます。
残暑見舞いをはがきで送る場合の文例は「残暑見舞いの書き方と例文まとめ」もあわせてご参照ください。
送付状は「拝啓〜敬具」の形式を守ると取引先への印象が格段に良くなります。
メールで済ませがちな書類送付も、重要な案件では紙の送付状を添える方が信頼感が出ます。
8月に使える結びの言葉
書き出しの季節語と結びで同じ言葉は繰り返さないようにしましょう。
「お体にご自愛ください」は「ご自愛」だけで体を大切にする意味になるため、「どうかご自愛ください」が正しい形です。
・暑さ厳しき折から、皆様のご健勝をお祈り申し上げます。
・まだまだ暑い日が続きますが、どうかご無理なさいませんよう。
・暑さも峠を越えてまいりましたが、引き続きご自愛くださいませ。
・秋の訪れとともに、皆様のご健勝をお祈り申し上げます。
・今後ともお引き立てのほど、何卒よろしくお願い申し上げます。
・涼しくなりましたら、ぜひ改めてお伺いしたく存じます。
・秋涼の候にはお会いできることを楽しみにしております。
よくある疑問
まとめ|8月は立秋の日付だけ確認すれば迷わない

8月の時候の挨拶は「立秋前は盛夏の候、立秋後は残暑の候」
これだけ覚えれば、ほとんどの場面で対応できます。
立秋の日付(毎年8月7日頃)は年によって1日前後するため、8月の文書を送る前に確認する習慣をつけておくと安心です。
☑ 立秋前(〜8/6頃):盛夏の候・猛暑の候
☑ 立秋後(8/7頃〜):残暑の候・晩夏の候(盛夏の候は使用不可)
☑ 8月下旬:処暑の候・残暑の候
☑ 法人→「ご清栄」、個人→「ご健勝」、迷ったら「ご清栄」
☑「どうかご自愛ください」(「お体にご自愛」は重複)
☑ メールでは拝啓・敬具を省略するのが一般的
① 立秋前(〜8/6頃) → 盛夏の候
② 立秋後(8/7頃〜) → 残暑の候(「盛夏の候」は使わない)
③ 法人宛て → ご清栄
④ 個人宛て → ご健勝またはご清栄
この4つを覚えておけば、8月のビジネス文書で大きく失敗することはほとんどありません。
8月の時候の挨拶を詳しく確認したい方:
・8月の時候挨拶の基本と使い分け
・8月上旬の時候の挨拶と例文
夏全体の時候の挨拶を確認したい方:
・夏の時候の挨拶例文一覧(6月・7月・8月)
暑中見舞い・残暑見舞いの文例:
・暑中見舞い・残暑見舞いの文例まとめ
・残暑見舞いの書き方と例文まとめ
カジュアルな夏の挨拶:
・夏のカジュアル挨拶例文まとめ
本記事は手紙のマナーや時候の挨拶の一般的な慣例をもとに作成しています。
・国立天文台「暦象年表」(立秋・処暑など節気の日付)
・日本郵便「暑中見舞い・残暑見舞い関連」(送付時期の目安)
・一般社団法人 日本手紙協会が推奨する手紙のマナーに基づく時候の挨拶の慣例
※本記事は、一般的な手紙のマナー・時候の挨拶の慣例・二十四節気(国立天文台の暦象年表に基づく)を参考に、実務での活用を想定して作成しています。
立秋・処暑などの節気の日付は年によって前後しますので、送る前にその年の暦をご確認ください。
