- バス旅行で添乗するときの「朝と帰りの挨拶」を成功させたい
- 添乗の挨拶に慣れない。毎回緊張するし、噛む、すべる、憂鬱
- おもしろい挨拶で笑わせたいけれど、鉄板ネタや言い回しはある?
この記事はそんな方へ向けて書いています。
この記事でわかること
- 添乗員の「朝、到着前、帰り」の挨拶の流れ
- 挨拶の例文6つ【笑いネタも混ぜる】
本記事の信頼性
- 経歴:新卒で旅行社に入社し19年8ヶ月、出張手配×法人営業×添乗
- 資格:総合旅行業務取扱管理者、総合旅程管理主任者
- 添乗:国内・海外計123回(一般団体・教育旅行・視察旅行)
添乗の心配事の1つは「バス車内の挨拶」でした。
集合場所に向かう電車の中で「ツアーコンダクター入門(JTB)」の挨拶例文を、20回音読したものです。
本記事では、添乗員向けに「朝と帰りの挨拶の流れ」と「挨拶例文」を解説します。
この記事を読むことで、添乗員を印象づける「朝の挨拶」と、ツアーを印象づける「帰りの挨拶」がマスターできます。
「帰りの挨拶」では「一般型と募集型」に分けています。
「笑いが取れる言い回し」も混ぜているので、ご参考ください。
記事後半では「旅館やホテル、見学地、食事場」に到着前の挨拶も解説します。
挨拶でいろいろ試したくなる本
中谷彰宏さんの「なぜあの人は人前で話すのがうまいのか」です。毎回の添乗で試したくなる具体例や工夫が多いからです。7回以上、読みました。10万部突破のロングセラーです。
Contents
添乗員の「朝の挨拶」の流れ、例文
「朝の挨拶」でお客さまの心をつかんでいきましょう。
挨拶の流れ
- 挨拶
- ツアー参加のお礼
- 自己紹介
- 行程の説明
- 注意事項
- ドライバー、ガイドの紹介
- 締め
笑いが取れればベストです。
余裕があるときは、バス移動中に「どうやって笑わせようか、楽しませようか」を考えています。
オーソドックスで堅実な挨拶・案内が大事です。
しかし、笑いがあってこその楽しい旅行です。
朝の挨拶で1番大切なことは「明るさ」です。
第一声の「おはようございますの明るさ」でツアーの印象が決まります。
「おはようございます」さえ明るく言えれば、あとは滑舌が悪くても、たどたどしくても問題ありません。
天気が悪ければ、挨拶だけでも明るくいきましょう。
挨拶の例文
下記例文を読んで、いきなりスラスラ挨拶ができるようにはなりません。
私は添乗が近くなると、声に出して20回は読んでいました。
読んだ回数が、自信に変わります。
積み重ねたものが「言葉のキレ」に変わります。
「声に出して」ブツブツと読んでみてください。
黙読ではなく、声に出すのが良いです。
慣れていない新人添乗員さんは緊張するかもしれません。
「事前の反復練習」で緊張を薄まりますので大丈夫です。
朝、集合場所に向かう途中もサラッと復習しておきましょう。
練習回数が「余裕や自信、落ち着き」にになり、オーラに変わります。
ベテラン添乗員さんも初心を忘れることなく復習がおすすめです。
私が新人のとき「新人ですが一生懸命頑張ります」と挨拶をしたら、同行の先輩に「新人という言葉は使うな」と注意されました。
お客さまには「添乗員が新人かどうか」は関係ないからです。
あくまでお客さまの目の前にいるのは「プロの添乗員」なのです。
新人添乗員さんは堂々としているだけでOKです。
ハッタリもスキルです(冗談ではなく)。
① それでは皆さま、おはようございます。
② この度は株式会社◯◯◯をご利用いただき、誠にありがとございます。
③ 私は本日より2日間、皆さまとご一緒させて頂きます添乗員の◯◯◯◯と申します。(自己紹介では名前を覚えてもらう工夫もありです)
◯◯◯◯と書いて◯◯◯◯と言います。
今日は漢字だけでも覚えてください(明日は顔も覚えてください。違う添乗員についていかないように)
出身地は◯◯県です(出身地を話しておくと、同じ出身地のお客さまがツアー中に話しかけてきます)
私は添乗員ですので何かお困りごとご不明な点などございましたら、いつでもお申し付けください。
皆さまのご旅行が楽しい思い出になるよう精一杯努めてまいりますので、2日間どうぞよろしくお願いいたします。(もし拍手があれば「◯◯(人数)名様」とは思えない拍手をありがとうございますと言ったり、窓ガラス割れんばかりの拍手をありがとうございますと言ったり、皆さまお元気ですばらしいですね、と言ったりしてお返しします)
④ 本日の行程を簡単にご案内いたします。
これより◯◯インターより高速道路に入りまして、第1回目の休憩は1時間後を予定しております(具体的なサービスエリア名は確約できないので言わない)。
その後、午前中は一ヶ所◯◯をご見学いただき、昼食は12時30分頃の予定で名物◯◯をお召し上がり頂きます。
午後は二ヶ所、◯◯と◯◯をご見学いただき、本日お泊まりの草津温泉・◯◯旅館には16時30分頃に到着の予定です。
本日の行程は以上です。
詳細につきましては、その都度ご案内いたします。
なお明日の行程については、明日ご案内いたします。
⑤ 皆さまへ5つのご協力のお願いがございます。
(1)シール:当日お渡ししたシールはわかりやすいところ、目立つところに貼ってもらう(ツアー参加の証、入場券の代わりになる、など)
(2)座席について
- 座席指定:座席指定であれば1日このままなのか、座席変更のタイミングをあるのか、案内
- シートベルト:全席にもれなく付いている。お客さまの安全のためにも着用お願いしますとメリットを伝える
- リクライニングシート:禁止であれば、車内平和のために、などで伝える。ボタンは気のせいです、とか
- 携帯電話、ゲーム機:マナーモード(音が出ないように)や通話について控えてもらう、など
- 飲食:食べること(アメ、ガムはOKなど)や飲むこと(アルコールなど)について
- タバコ:車内禁煙かどうか、電子タバコは?サービスエリアや観光地でまとめて吸うようにお願いする。バスに灰皿が付いている場合は高級インテリアと言って笑いをとる。高級インテリアにはゴミは入れないように
(3)貴重品・健康の管理(貴重品は自己管理をお願いする。気分がすぐれない方などは申し出るように)
(4)集合時間:時間厳守の協力のお願い(時間を守らないと他のお客さまに迷惑。行程に支障をきたす)
(5)添乗員の連絡先:行程中、迷子になりそうな観光地の解決策として、業務用携帯電話をお伝えする(携帯から発信やメモで控えてもらう)
※バス内のお手洗いがある場合は案内する(走行中のみ利用できることを伝え、休憩時は外のお手洗いを利用して頂く)
⑥ 最後にドライバーさん、ガイドさんを紹介いたします。
ドライバーさんは安全運転に努めて頂く◯◯バス会社の◯◯さんと、ガイドさんは◯◯さんに来ていただいております。(バスの乗り間違えがないようバスの色も説明しておく → 最初の休憩地で案内するのもあり)
⑦ それでは2日間、皆さまの良い思い出となるよう精一杯務めてまいりますので、どうぞよろしくお願いいたします(最後にもう一度、自分の名前を繰り返してもOK)
「朝の挨拶の流れ」に沿い「7ヶ所に杭を打つ」ように話していきます。
朝からダラダラ話しても、頭に入らないもの。
「朝の挨拶」の内容は、別の場所で繰り返し伝えても問題ありません。
繰り返したほうが「大事なんだな」と認識してもらえます。
挨拶は「添乗の本質」ではない
添乗の本質
- 行程を管理する
- 安全を確保する
本質をおさえたうえでの挨拶が「スパイス」です。
「参加してよかった。楽しかった、また来たい」と思ってもらえるよう気持ちを込めていくのです。
挨拶は「添乗成功への手段」でしかありません(大事ですが)。
余談:出身地の話
なお「朝の挨拶」の自己紹介に、出身地を混ぜるのは効果的です。
自分の出身地の話をされると嬉しいからです。
自分の出身地に「遊びに行ってみました」と聞くと嬉しいです。
褒められているわけでもないのに好感を抱きます。
出身地の話になると盛り上がり、仲良くなることがあります。
人間は「自分の出身地の話」が好きなのです。
朝の挨拶が終わるとホッとします。
添乗員の「見学地に到着前の挨拶」の流れ、例文
挨拶の流れ
- 到着の案内
- 見学地の名前、概要説明(パンフレットが事前にあれば車内配布。なければ到着後、配布)
- 見学方法、写真
- トイレ、喫煙所の案内。売店や周辺の情報
- 出発時間の案内
- 次の場所までの所要時間
- 貴重品の注意
見学地が広く見学時間が足りそうもない時は、見どころを絞り見学方法を説明します。
挨拶の例文
① お疲れ様でした。
まもなく◯◯◯園に到着します。
ガイドさんに入り口まで案内していただきますが、私は先に行って入場券を購入して入り口でお待ちいたします。
② 観光地の概要説明(パンフレットが事前にあれば車内配布。なければ到着後、配布)をする。
広い園内の場合は、見どころやおすすめ見学ルートや徒歩での移動距離・時間なども案内します。
ショーの時間や撮影禁止、喫煙禁止などの注意点も必要です。
③ 園内は自由にご見学いただきますが、入場券で入場できる施設は◯◯と◯◯で、あとの施設は別途入場料がかかります。
入場希望の方は、別途入場券を購入されて入園されますようお願いいたします。
写真撮影も可能ですので、カメラをお持ちの方はご用意ください。
④ トイレ、喫煙所の案内。売店の名物や周辺の情報を案内する(適宜)
⑤ バスの出発時間ですが、◯時◯分を予定しております。
⑥ 次の目的地◯◯◯までには約◯時◯分かかりますので、お手洗いをおすませのうえバスにお戻りください。
⑦ それではまもなく到着しますので、貴重品をお持ちのうえバスをお降りください。
見学先の現地の人が概要説明をしてくれる場合もあります。
観光地で全体写真を撮るケースもあります。
「朝の挨拶」で事前に写真を撮る観光地を案内しておきましょう。
お客さまには写真を撮られる心構えがあるからです。
最初の40分は現地ガイドと一緒にまとまって見学、残りの30分は自由行動で各自バスに集合といったパターンもあります。
雨の場合、屋外の観光地は傘が必要になる場合もあります。
バスに傘の積み込みがあるかどうか(数本しかないことが多い)の確認はツアー開始の前にしておきましょう。
貸し出しも行っている観光地もあります(広い観光地では100本の傘がストック)。
広い施設の場合は、時間に遅れてくる方もいらっしゃるので、わかりやすい案内が必要です。
添乗員の「食事場所に到着前の挨拶」の流れ、例文
挨拶の流れ
- 到着の案内
- 昼食場所の名前、座席情報(タバコ、トイレ)
- 料理メニュー、飲み物の紹介(支払い方法)
- トイレ、タバコ案内。土産店や周辺の情報
- 出発時間、集合場所の案内
- 次の場所までの所要時間
- 貴重品の注意
いつも笑いを忘れないことが大事です。
「お腹減りましたか?」と問いかけ「お腹が減っていても、減ってなくても昼食の時間ですので召し上がってください」と車内の空気次第で話すこともあります。
挨拶の例文
① お疲れ様でした。
まもなく昼食場所に到着します。
② 今日の昼食場所は、◯◯◯というお店です。
◯◯◯に到着しましたら、食事をする場所まで私がご案内いたしますのでバスを降りましたらご一緒に移動をお願いいたします。
店内は禁煙となり、本日は2階席で椅子・テーブル席でご用意しております。
喫煙所はお店の出口に設けられています。
③ メニューは、名物の◯◯◯料理をお召し上がりいただきます。
飲み物は食後のコーヒーを注文予定ですので、店内でアイスかホットかを伺います(清算方法の案内)
④ なお店内には土産店も併設しておりますので、お時間のある方はご覧ください。
このあたりの◯◯◯という特産品も販売しております。
⑤ バスの出発時間ですが、◯時◯分を予定しております。
バスはただいま停車する駐車場に停まっていますので、出発時間までにお戻りください。
⑥ 次の目的地◯◯◯までには約◯時◯分かかりますので、お手洗いをおすませのうえバスにお戻りください。
⑦ それではまもなく到着しますので、貴重品をお持ちのうえバスをお降りください」
昼食会場に到着したら、バスの駐車場所、出発時間を再度案内します。
食事場所で忘れ物が多く出ますので、忘れ物の注意喚起は必要です。
食事場所でも下記を確認して、案内します。
- 手配内容の食事が配膳されているか
- 席割が正しいかどうか
- アレルギーのある方の席がどこか(事前にアレルギー対応を依頼していた場合)
- 料理の説明があるかどうか
- 飲み物の注文
- トイレや喫煙の場所
- 履物の間違いに注意
根底は、お客さまが安全に楽しく旅行できるかどうかです。
添乗員の「宿泊施設に到着前の挨拶」の流れ、例文
バス車内で、大まかに旅館・ホテルに到着してから翌日の出発までの流れを説明します。
挨拶の流れ
以下の順番で、順序よく説明していきます。
- 到着の案内
- 温泉・ホテルの概要紹介(臨機応変)
- 部屋割の説明、非常口案内。貴重品。Wi-Fi
- 夕食内容・宴会場の場所、集合時間
- お風呂
- 朝食
- チェックアウト方法、出発時間、売店
宿泊施設内での案内は2つの理由から、あまりおすすめできません。
- お客さまは早く客室に入りたいという気持ちになっている
- 案内できる場所を確保できるかどうかという問題がある
ホテルのフロント担当者から、館内の説明をしてもらうこともありますが、事前に確認し車内で案内ができれば時間節約になりお客さまから喜ばれます。
ホテル到着して館内で説明を受けると、それだけで15〜20分の時間をいただくケースもあります。
旅館の場合は、車内で事前に説明、鍵は部屋置きにしておき、到着後は部屋へ直行がベストです。
ホテルの場合は、鍵はフロントで受け取ります。
挨拶の例文
① 皆様、バスの長旅、お疲れ様でした。
まもなく本日お泊まりの◯◯温泉・◯◯旅館に到着します。
② 温泉の特徴、ホテルの概要・立地、ホテルから徒歩圏内で行ける場所の説明をしてもよい。
③ これからお部屋割表を配布しますので、お1人様一枚ずつお受け取りください。
皆様、お部屋割表は行き渡りましたでしょうか。
内容について簡単に説明いたします。
まずお名前はありますでしょうか?
お名前に間違いがないかご確認ください。
本日の皆様のお部屋は4階、5階になっております(本館、新館の案内もする)
階数をお忘れになった場合は、鍵のキーナンバーをご覧ください。(オートロックなど鍵の使い方も案内する)
最初の2桁が階数を表示しております。
たとえば1131号室ですと11階です(例)
旅館に到着なさいましたら、お忘れ物なさいませんようお荷物はすべてお持ちのうえバスをお降りください。
お部屋の鍵は皆様のお部屋に届けられておりますので、そのままお部屋へお進みください(鍵を部屋置きにしている場合)
お部屋のドアに皆様のお名前を掲出しておりますので、すぐおわかり頂けます(名前の掲出は要確認)
お部屋に入られましたら、万が一に備え非常口の確認をお願いします(トラブル防止のため案内する)
貴重品についてはお部屋の金庫をご利用ください(金庫の使い方。貴重品はフロント預けの場合もある。Wifi利用できる場合はパスワードを部屋割表に記載)
④ 本日の夕食ですが、2階の宴会場◯◯◯で18時30分より宴会形式での開始ですので、お時間までにご集合ください。
名物◯◯の和食膳となり、120分飲み放題です。(飲み放題の内容は宴会場で再度案内)
舞台付宴会場で、カラオケもご用意しております。
なお二次会については、宴会場でご案内させていただきます(幹事さんから案内すること場合がある。ケースバイケース)
⑤ お風呂ですが、1階に大浴場◯◯で本日は24時まで、翌日は6時からご入浴いただけます。
男女入れ替えはございません。
なお大浴場にはバスタオルはございませんので、お部屋に備え付けのタオルをご利用ください。
⑥ 朝食ですが、1階◯◯レストランで、7時より和洋中ブッフェです。
お好きなお時間にお越しください。
なお朝食券の提出は必要ございませんが、お部屋番号を聞かれますので係員にお伝えください。
⑦ 明日の出発時間は9時です。
それまでにお部屋の鍵を1階フロントにご返却いただき、お部屋の冷蔵庫の飲み物などのご利用分の清算をお願いいたします。
なお売店は1階フロント脇にあり、本日21時まで、明日7時30分より営業しております。
以上です。
何かご質問はございますか?
それでは本日は朝早くからお疲れ様でございました。
宴会場◯◯でお待ちしておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。
ありがとうございました」
上記挨拶は旅館・ホテルにより内容は変わります。
例文を見ながら、旅館・ホテルに確認をしていきましょう。
長い挨拶ですので、間延びしがちです。
要点を押さえ、お客さまの反応を見ながら簡潔な案内に切り替えても良いです。
笑いをはさめる余裕があれば、随所にスパイスとして入れていきましょう。
なお到着後はバス車内に荷物は残さないよう案内をする必要があります。
メリットは3つです。
- 荷物の事故がなくなる
- 紛失があった時に乗務員に疑いがかからない
- 荷物をバスに取りに戻るという事態を避けられる
ここまで1日お疲れ様でした。
旅館・ホテルでフロント担当者との打ち合わせが終わったら、部屋で少しでも休みましょう。
宴会同席の場合も気を抜くことなく、メリハリをつけて気を使っていきます。
添乗員が宴会で挨拶することはありません。
ただ社員旅行や修学旅行などでは、流れや注意事項などの案内するケースもあります。
» 添乗員の宴会挨拶(始め、終わり)の例文【宴会の流れ、やること】
参考動画:ホテル到着前の挨拶(日本旅行の平田さん)
日本旅行の有名な添乗員「平田さん」のホテル到着前の挨拶です。
何度見ても、笑えます。
添乗員の「最後の挨拶」の流れ、例文2つ+笑い
「最後の挨拶」では「笑い」を混ぜます。
ツアーがうまくまわっていれば、お客さまはリラックスしているはず。
笑いをとり「笑顔」でバスから降りてもらいましょう。
ツアーがうまくまわらず(ミスや渋滞、不手際など)、笑いを取る雰囲気ではない場合は注意です。
火に油を注ぐからです。
挨拶の流れ
- 到着案内
- ツアー参加、ご協力のお礼
- 旅行の振り返り
- ドライバー、ガイドのお礼
- 締め
「最後の挨拶」は旅行の締めですので、短くするのがコツです。
ダラダラと長くなると、間延びした印象です。
大事なのはツアー参加のお礼です。
思い出のシーンを振り返りつつ、感謝の気持ちを話していきます。
感謝さえ伝えられればOKです。
お客さまと一緒に過ごしたことをネタに、1つでも笑いが取れればカッコいいです。
名残惜しい気持ちになっているお客さまもいらっしゃいます。
「帰りの挨拶」で楽しい旅行の余韻を残しつつ、バスを到着させます。
挨拶の例文2つ
- 基本例文
- 募集型例文
基本例文
① お疲れ様でした。
あと◯◯分で◯◯駅付近(出発地)に到着します。
お忘れ物なさいませんようにそろそろ準備をお願いいたします(車内ゴミの案内)
② それではここで簡単に最後のご挨拶を申し上げます。
この度は株式会社◯◯◯をご利用いただき、誠にありがとございました。
③ ◯日間を振り返ってみて、いががでしたでしょうか?
道中何事もなく無事にここまで来られましたのも皆さまのご協力のおかげで、旅を順調に行程(台本)どおりに無事に終えられそうで、皆さまに感謝しております。
人数は減りもせず、増えもせず、増えたのはお土産だけで良かったと、しみじみ感じています。
長時間のバス旅行ですので、知らず知らずのうちに疲れもたまっていると思いますので、ご自宅に着きましたらゆっくりとお風呂に浸かりお休みいただき、明日からの社会復帰に備えていただければと幸いです。
至らない点、行き届かない点が多々あったかと思いますが、これに懲りず今後ともよろしくお願いいたします。
旅はご自宅に着くまでです。
「やっぱり家が落ち着くな〜」と思った時が旅の終わり。
ご自宅でお土産を開けながら、旅の思い出を振り返ってみてください。
夜も遅いので、ご自宅に着くまでどうかお気をつけてお帰りください(明日から仕事の場合は「すぐの社会復帰は難しいと思いますが頑張って下さい」など言うこともあります)
④ 最後になりましたが、この2日間安全第一で運転していただいたドライバーの◯◯さん、ガイドをしていただきました◯◯さん、ありがとうございました。
⑤ 最後に皆さまへ弊社をご利用いただいたことを感謝申し上げます。
ありがとうございました。
募集型の例文(要点のみ、ときどき笑い)
皆さま、お疲れさまでございました。
バスはまもなく◯◯へ到着します。
✔︎ 到着後の流れ
- 到着後は流れ解散(バスを降りてから1本締めはしない)
- 集合場所は自転車が多いので注意(轢かれないように)
集合場所は通行人も多いので注意(楽しそうに降りるのがポイント) - 忘れ物の注意喚起(携帯、財布、カギ、定期券、イヤリング、電源コード、ポケベル、株券・債券など)
忘れ物があった場合は、代表者様へ連絡するので10分は電話を気にして
お子さんを忘れない(3日以内に取りに来てもらわないと添乗員になってしまう、私の部下 or 上司) - 棚の上の荷物はバスが止まってから取るように(お土産を忘れると私もしくはドライバーへのプレゼントと解釈するシステム)
走行中は危ないので、バスが止まってから焦らずに取る(焦ると忘れ物が増える) - 感染対策のお願い:バス車内のゴミ持ち帰り、ドリンクホルダー、リクライニングシート、カーテンをもとに戻す
- シール:ご自宅までシールをつける方がいる(帰り道、弊社の宣伝はしなくてOK)
シールは今すぐ剥がしてOK(剥がしていいが、前の座席にペタペタつけないで)
✔︎ 旅行の振り返り
- 観光地を1つ1つ振り返り、どんなことがあったか
振り返った後で「いかがでしたか?」と聞くと拍手が来るので「あおっているようで、すみませんでした」と笑いをとる - ご協力のお礼(団体旅行の集合時間、感染症対策)
- 健康の管理(バス旅行は意外と疲れる。バスに揺られていると知らず知らずのうちに疲れが溜まるものだから)
- 思い出(お風呂に浸かりながら、お土産を開けながらちょっぴり今日の思い出を振り返っていただければ嬉しいです。どこの旅行会社だったかなぁと振り返るのがポイント)
✔︎ ドライバーさんへお礼
安全運転に努めていただきました◯◯交通のドライバー、◯◯さん、本日1日ありがとうございました。
※行程を相談してもらっているはずなので、合わせてお礼
✔︎ 最後のお礼
- 最後にみなさまのご健康とご多幸をお祈りして、お礼のご挨拶に代えさせていただきます
- 本日は◯月◯日、皆さまの貴重な1日を◯◯社に費やしていただいたこと感謝申し上げます。
どうもありがとうございました。
※拍手が来るので「◯◯(自分の名前)と申します」で笑いが取れます。
本日は◯◯(自分の名前)がご案内いたしました。
ご自宅までお気をつけてお帰りくださいませ。
ありがとうございました。
最後の挨拶でいただくお客さまの拍手はうれしいものです。
最後の挨拶のまとめ
以下、大事な順番です。
- お礼を伝える
- 伏線を回収する
- 笑いをとる
「旅行に参加してよかった。楽しかった。また来たい」と思ってもらえるように「伏線の回収」です。
伏線回収とは「一緒に体験したことや良かった点の振り返り」です。
トラブルもあったかもしれませんが、良い思い出に変えて「帰りの挨拶」で締めます。
しつこく謝罪しても、後味が悪くなるだけです。
挨拶後は「添乗の疲れや安堵感」を感じているかもしれません。
バス到着後は「車内の忘れ物確認」で終了です。
「帰りの挨拶」が終わるとガッツポーズなのです。
※募集型ツアーのアンケート配布で笑いを取る方法
アンケート配布後に「添乗員の評価もあるようなので、みなさまの温かい目で、温かい評価をよろしくお願いします」と、ひと言そえると安定して笑いが取れます。65歳の現役添乗員・梅村達さんの「旅行業界グラグラ日誌」で勉強させていただきました。
まとめ:添乗員の挨拶をマスターしよう
事前確認で、挨拶の内容は変わる
骨子は解説してきたとおりですが、雰囲気やお客さまにより話す内容は変わります。
常に二手、三手、先を読んだ確認で「案内+段取り」がまわります。
ダンドリとは、入念に準備です。
準備をしたら、次は準備を捨てる勇気を持つことが大切。
ダンドリの悪い人は準備したことが捨てられません。
せっかく準備したからといってこだわってしまいます。
流れにより準備したものを活かそうすると、バランスも効率も悪くなることがあります。
準備してきた段取りに、とらわれないことも大事です。
挨拶よりも大事なことは確認
確認をしなくては何の挨拶もできません。
事前確認でトラブルを避けられ、無用な案内をせずに済むのです。
トラブルが起きてからでは遅いです。
すべて「想定の範囲内」と言えるように確認です。
添乗の挨拶は、確認8割です。
確認で余裕が生まれ、笑いも取れます。
確認が先で、話し方は後回しでいいのです。
私は失敗ばかりでしたが、確認だけはするようにしていました。
添乗員の仕事は行程管理なのです。
基本は「お客さまのことを考える」
不安を先回りして解決し、安心してもらいましょう。
- 休憩が取れる時間
- 食事が取れる時間
- 移動に要する時間
これだけでも「ポイントがわかっているな」の印象を抱きます。
「よく気を使ってもらっている」と。
挨拶ネタでは下記確認がおすすめです。
- 天気予報(気温)
- 交通情報(渋滞)
- 注意報・警報
- 旅行先ニュース
トラブルにも直結するので大事です。
挨拶に必要なのは勇気
心を奮い立たせて、カッコ良く、かましてやりましょう。
お客さまと会話するイメージです。
お客さまの声にならない「サイレントの反応」を感じ取りながら、反動を利用して話ができるとラクです。
失敗ばかりでしたが、お役に立てれば幸いです。
挨拶で笑いが取れると病みつきです。
以上です。
P.S. 理想はディズニーランドのジャングルクルーズ「宮垣船長」ですね。
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