春の挨拶文を書こうと思っても、毎年似た表現になってしまい、手が止まることは多いです。
春の挨拶文で決めることは、送る月・相手・目的の3つだけです。
3つが決まれば、あとは合う型を選ぶだけで、書き出しも結びもスムーズに整います。
この記事では、春の挨拶文を3月・4月・5月別に整理し、メール・手紙・個人向けで使い分けやすい例文をまとめました。
ビジネスにも私用にもそのまま使いやすいよう、書き出しと結びをセットで紹介します。
春の挨拶文で迷う理由
春の挨拶文が難しく感じる理由は、3つあります。それぞれの解決策を先に知っておくと、例文選びがスムーズになります。
3月〜5月で季節の話題が変わる
「春」とひとくくりにしても、3月・4月・5月では季節感がまったく違います。同じ「春の挨拶」でも、月によって使える言葉が変わります。
| 月 | 気候・行事 | 使いやすいキーワード |
|---|
| 3月 | 卒業・異動・春分・彼岸。まだ肌寒い日もある | 春暖・早春・春めく・別れと出会い |
| 4月 | 入学・新年度・桜。新しいスタートの月 | 桜・新緑・春爛漫・新年度・心機一転 |
| 5月 | 連休・新緑・立夏(5/5〜5/6頃)。初夏の気配 | 新緑・薫風・若葉・連休明け・初夏 |
ビジネスと私用で文体が変わる
相手との関係性によって、適切な硬さが変わります。取引先への手紙と友人へのLINEでは、使う言葉がまったく異なります。
📌 相手別・文体の3段階 取引先・目上:漢語調(〜の候)+敬語で格式を保つ
仕事仲間・知人:口語調(〜ですが)+ですます調でやわらかく
友人・家族:短文+共感ベースの一言でシンプルに
書き出しと結びの作り方が難しい
書き出しは「季節の一言+相手への気遣い」、結びは「自愛か発展祈念」——この型を知っておくだけで、どの月でも迷わず書けます。
まず結論:春の挨拶文は3つで決まる
迷ったときに立ち返れる、シンプルな判断軸です。
送る月(3月・4月・5月)
まず「何月に送るか」を決めます。月が変わると使える言葉も変わるので、これが最初の判断基準です。
相手(取引先・上司・友人)
次に「誰に送るか」を確認します。相手との関係性が、文体の硬さと長さを決めます。
目的(連絡・お礼・門出)
最後に「何のために送るか」を決めます。単なる近況連絡なのか、お礼なのか、異動・卒業の節目に送るのかで、本題の流れが変わります。
✅ 3つを先に決めれば迷わない 例:「4月に」「取引先へ」「新年度のご挨拶として」送る
→ 桜や新年度を絡めた漢語調の書き出し+貴社の発展を祈る結びで完成します。
3月の春の挨拶文(書き出し・結び例文)
3月の書き出し例文
3月は「春の始まり」と「別れの季節」が重なる月です。卒業・異動・年度末といった節目の話題と組み合わせると、3月らしい挨拶文になります。まだ寒い日もあるので「春めいてきた」という表現が季節感に合います。
手紙① 春暖の候
拝啓 春暖の候、貴社ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。平素は格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。
手紙② 早春の候
拝啓 早春の候、皆さまにはご健勝のこととお慶び申し上げます。平素より大変お世話になっております。
メール① 春めく季節
いつもお世話になっております。春めいてきた今日このごろ、皆さまにはお変わりなくお過ごしでしょうか。
メール② 年度末を絡めて
いつもお世話になっております。今年度も残りわずかとなりましたが、皆さまにはいかがお過ごしでしょうか。
メール③ 春分・彼岸
いつもお世話になっております。春分を迎え、日ごとに暖かさが増してまいりましたが、皆さまにはお変わりございませんか。
個人向け・やわらかめ
春らしい陽気になってきましたね。お元気でお過ごしでしょうか。年度末でお忙しい毎日かと思います。
3月の結び例文
発展祈念・手紙向け
貴社のますますのご発展と皆さまのご健勝をお祈り申し上げます。敬具
自愛・春の気候変化
寒暖差の大きい時季ですので、どうぞご自愛くださいませ。
年度末・門出を絡めて
新年度に向けてお互い良いスタートが切れますよう、お祈り申し上げます。
個人向け・やわらかめ
春は別れと出会いの季節ですね。新しい環境でもお元気で過ごしてください。
3月に入れやすい季節の話題
📌 3月の話題ネタ 卒業・修了:「この春ご卒業とのこと、誠におめでとうございます」
年度末・異動:「今年度も大変お世話になりました」
春分・彼岸:「春分を迎え、日ごとに暖かさが増してまいりました」
桜の開花:「桜の開花が待ち遠しい季節になりましたね」
4月の春の挨拶文(書き出し・結び例文)
4月の書き出し例文
4月は新年度・入学・桜と、一年でもっとも「スタート」の雰囲気が強い月です。桜や春爛漫の言葉を一つ添えるだけで、4月らしい明るい書き出しになります。
手紙① 春爛漫の候
拝啓 春爛漫の候、貴社ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。平素は格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。
手紙② 陽春の候
拝啓 陽春の候、皆さまにはご健勝のこととお慶び申し上げます。平素より大変お世話になっております。
メール① 桜を絡めて
いつもお世話になっております。桜の季節を迎え、新年度がスタートしましたが、皆さまにはいかがお過ごしでしょうか。
メール② 新年度の挨拶
いつもお世話になっております。新年度を迎え、気持ち新たにスタートを切られていることと存じます。いかがお過ごしでしょうか。
メール③ 春暖かく
いつもお世話になっております。春の陽気が心地よい季節となりましたが、皆さまにはお変わりなくお過ごしでしょうか。
個人向け・やわらかめ
桜の季節になりましたね。新年度のスタート、いかがでしょうか。こちらもあわただしく過ごしています。
4月の結び例文
発展祈念・手紙向け
新年度のご発展と皆さまのご活躍をお祈り申し上げます。敬具
自愛・春の陽気
春とはいえ気温の変わりやすい日が続きます。どうぞご自愛ください。
新年度を絡めて
新しい環境での日々がよいスタートとなりますよう、お祈り申し上げます。
個人向け・明るく
新年度、お互い良い一年にしましょうね。また連絡します。
新年度の一言の作り方
4月ならではの「新年度らしさ」を一言で伝えるには、相手の立場を思い浮かべながら書くのがポイントです。
✅ 新年度の一言パターン 相手が異動・着任した場合:「新任地でのご活躍をお祈り申し上げます」
相手が変わらず同じ職場の場合:「新年度もどうぞよろしくお願いいたします」
入学・入社した方へ:「新しい環境でのご活躍を、心よりお祈り申し上げます」
5月の春の挨拶文(書き出し・結び例文)
5月の書き出し例文
5月は新緑と連休が重なる月です。立夏(5/6頃)以降は「初夏」の表現も使えます。連休明けは相手の状況への気遣いを一言添えると自然な入り方になります。
手紙① 新緑の候
拝啓 新緑の候、貴社ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。平素は格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。
手紙② 薫風の候
拝啓 薫風の候、皆さまにはご健勝のこととお慶び申し上げます。平素より大変お世話になっております。
メール① 新緑を絡めて
いつもお世話になっております。新緑の美しい季節となりましたが、皆さまにはお変わりなくお過ごしでしょうか。
メール② 連休明け
いつもお世話になっております。連休も明け、皆さまにはお忙しい日々をお過ごしのことと存じます。
メール③ 初夏の気配
いつもお世話になっております。若葉が目に鮮やかな季節となりましたが、皆さまにはいかがお過ごしでしょうか。
個人向け・やわらかめ
新緑がきれいな季節になりましたね。連休はゆっくりできましたか。こちらはあっという間に終わってしまいました。
5月の結び例文
発展祈念・手紙向け
貴社のますますのご発展と皆さまのご健勝をお祈り申し上げます。敬具
自愛・気候の変わり目
気温の変わりやすい季節が続きます。どうぞご自愛くださいませ。
初夏を絡めて
初夏の爽やかな季節、皆さまにとって実り多い日々となりますよう願っております。
個人向け・やわらかめ
気持ちのいい季節ですね。また近いうちに話しましょう。
新緑・連休明けの気遣い
📌 5月の気遣いワード 連休明けの多忙:「連休明けでお忙しい時期かと存じますが……」
五月病への配慮:「新生活にも慣れてきたころでしょうか。無理せずお過ごしください」
初夏の体調:「気温の変化が大きい時季です。どうぞご自愛ください」
ビジネスで使える春の挨拶文
取引先向けの例文
取引先への手紙には漢語調(〜の候)が格式に合います。月ごとの季節語を入れ替えるだけで3月〜5月すべてに対応できます。
3月・手紙
拝啓 春暖の候、貴社ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。平素は格別のご愛顧を賜り、厚く御礼申し上げます。さて、このたびは〜の件でご連絡いたします。末筆ながら、春とはいえ寒暖差の続く折、くれぐれもご自愛くださいませ。敬具
4月・手紙
拝啓 陽春の候、貴社ますますご発展のこととお喜び申し上げます。平素より格別のお引き立てを賜り、誠にありがとうございます。さて、このたびは〜の件でご連絡いたします。新年度のご発展をお祈り申し上げます。敬具
5月・手紙
拝啓 新緑の候、貴社ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。平素は格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。さて、このたびは〜の件でご連絡いたします。末筆ながら、皆さまのご健勝をお祈り申し上げます。敬具
3〜5月・メール共通
いつもお世話になっております。〇〇の季節となりましたが、皆さまにはお変わりなくお過ごしでしょうか。さて、〜の件でご連絡いたしました。引き続きよろしくお願いいたします。
やわらかいビジネス例文
日常的にやり取りのある相手やメールには、口語調でやわらかくまとめる方が読みやすいです。
3月・メール
お疲れさまです。年度末のお忙しい時期、いかがお過ごしでしょうか。引き続きよろしくお願いいたします。
4月・メール
お疲れさまです。新年度がスタートしましたね。新しい環境には慣れてきましたか。今後ともよろしくお願いします。
5月・メール
お疲れさまです。連休も明け、またお忙しい日々が続いていることと思います。引き続きよろしくお願いいたします。
朝礼・スピーチ
おはようございます。桜も満開になり、新年度のスタートにふさわしい季節となりましたね。今月もよろしくお願いします。
NG例と直し方
| NG例 | 問題点 | 言い換え |
|---|
| 春暖の候(3月以外に使用) | 3月の表現。4〜5月に使うと時期がずれる | 4月は陽春の候、5月は新緑の候 |
| 新緑の候(4月に使用) | 新緑は5月の表現。4月に使うと先取りしすぎ | 4月は陽春の候・春爛漫の候 |
| メールに「〜の候」をそのまま使用 | メールには漢語調は堅すぎる印象になることがある | 「桜の季節となりましたが……」と口語調に変換 |
| 書き出しと結びで同じ言葉を繰り返す | 文章にメリハリがなくなる | 書き出しで使った言葉は結びでは別の表現に変える |
親しい相手への春の挨拶文
近況+季節の一言の型
親しい相手への挨拶文は「季節の一言+近況報告か相手への関心」の2文で十分です。長くしすぎると返信しにくくなります。
3月・友人向け
春らしい陽気になってきたね。年度末でバタバタしてるけど、そっちはどう?
4月・友人向け
桜、もう見た?新年度スタートしたね。お互い頑張ろう。
5月・友人向け
新緑がきれいな季節になったね。連休どうだった?またゆっくり話したいな。
やわらかいメール
桜の季節になりましたね。新しい環境には慣れてきましたか。こちらも少しずつ落ち着いてきました。
体調を気遣う結び
3月・寒暖差
春とはいえ寒暖差の大きい日が続くね。体調に気をつけてね。
4月・新生活
新生活、無理しすぎないようにね。またゆっくり話しましょう。
5月・連休明け
連休明けはなんとなくしんどいよね。ゆっくりペースを戻してね。
共通・シンプル
季節の変わり目だから体には気をつけてね。また連絡します。
久しぶり連絡の例文
久しぶりに連絡するときは、「ご無沙汰しています」を最初に入れると自然な入り方になります。季節の話題はその後に一言添えるだけで十分です。
久しぶり① フレンドリー
ご無沙汰してます。桜が咲いてるのを見てふと思い出しました。元気にしてる?
久しぶり② やや丁寧
ご無沙汰しています。春の陽気が気持ちよい季節になりましたね。お元気でお過ごしでしょうか。
久しぶり③ 新年度
ご無沙汰しています。新年度が始まり、ふとご連絡したくなりました。最近どんな様子ですか。
久しぶり④ 新緑
しばらくご無沙汰していました。新緑がきれいな季節になりましたね。お変わりありませんか。
よくある質問
春の挨拶文はいつからいつまで使えますか?
一般的に3月〜5月が「春の挨拶」として使える時期です。立春(2/4頃)以降を春とする考え方もありますが、時候の挨拶では3月から春らしい言葉に切り替えるのが自然です。5月上旬の立夏(5/5〜5/6頃)以降は「初夏」の表現に変えるとより季節感に合います。
「春暖の候」は何月まで使えますか?
3月が中心です。4月に入ると「陽春の候」「春爛漫の候」の方が季節感に合います。5月は「新緑の候」「薫風の候」に切り替えてください。
メールに「〜の候」を使っても問題ありませんか?
初めての相手や改まった内容なら問題ありません。日常的にやり取りがある相手には「桜の季節となりましたが……」という口語調の方が自然に読めます。相手との関係性で使い分けてください。
新年度の挨拶メールはいつ送るのがよいですか?
4月1日〜上旬が一般的です。遅くとも4月中旬までに送るのが無難です。下旬以降になると「新年度が始まったばかりですが……」という書き出しが不自然になるため、「春の陽気が続きますが……」という時候の表現に切り替える方がスムーズです。
おたよりの春の挨拶文で気をつけることはありますか?
おたよりには漢語調(〜の候)より口語調の方が読みやすいです。子どもや利用者の日常の様子を一言添えると、季節の挨拶と本題が自然につながります。例:「桜の花びらが舞う中、子どもたちは元気に過ごしています」
まとめ:春の挨拶文は型で早く書ける

春の挨拶文は、3つを先に決めれば型通りに作れます。
📌 3つを決めるだけで完成する
① 送る月:3月・4月・5月のどれか
② 相手:取引先・仕事仲間・友人のどれか
③ 目的:連絡・お礼・門出のどれか
| 月 | 手紙(漢語調) | メール(口語調) | 個人・LINE |
|---|
| 3月 | 春暖の候 早春の候 | 春めいてきた今日このごろ…… 年度末のお忙しい時期…… | 春らしくなったね 年度末バタバタしてる? |
| 4月 | 陽春の候 春爛漫の候 | 桜の季節を迎え…… 新年度がスタートしましたが…… | 桜見た? 新年度どう? |
| 5月 | 新緑の候 薫風の候 | 新緑の美しい季節となりましたが…… 連休も明け…… | 新緑きれいだね 連休どうだった? |