- 残暑見舞いを送る時期や書き方が正しいか不安
- ビジネスとプライベートで文例を使い分けたい
- 相手に失礼なく、印象の良い文章を作りたい
この記事でわかること
立秋を過ぎた頃、暑中見舞いから残暑見舞いへ切り替える時期は意外と短く、言葉選びや構成に迷う人は少なくありません。
送る相手や場面によって、ふさわしい言葉遣いやマナーも変わるため、毎年悩んでしまう方も多いはず。
この記事では「残暑見舞いの書き方」を基本から解説し、時期や言葉遣い、構成のコツを押さえれば迷わず一通が整う方法を示します。
すぐに使える相手別文例やテンプレートを用意し、状況に応じた一通を自信を持って作成できるようにします。
季節感とマナーを備えた便りは、相手に好印象を与え、関係を温かくつなぎます。
次の便りを、確信を持って届けましょう。
まずは基本と時期
残暑見舞いは、立秋を過ぎてから送る短い季節便りです。
基準は立秋から八月末ごろで、相手の住む地域や天候を思いやります。
語句と結びは残暑用にそろえ、季節感を端的に伝えます。
日付は「晩夏」「立秋」「葉月」などを選ぶと落ち着きます。
目的は、暑さの中の心配りを一通で形にすることです。
基準と型を共有し、短文でも温度のある言葉を選びましょう。
残暑見舞いはいつからいつまで
開始は立秋、終了は八月末ごろが使いやすい運用ラインです。
到着日を逆算し、先方の地域の配達事情を想定して投函します。
九月に入る場合は、季節の近況便りへ自然に切り替えます。
- 切替基準。
立秋より前は暑中、以後は残暑で統一します。 - 配慮の視点。
災害や猛暑の報がある時期は、安否を第一に書き進めます。 - 日付の書き方。
投函日は書かず、「令和◯年 晩夏」などでまとめます。 - スピード対応。
急ぎはがき投函に加え、簡潔なメールで重ねて伝えます。
暑中見舞いとの違いを整理
違いは、暦の境目で語彙が切り替わる点にあります。
線引き後は、表現を残暑用に合わせ、統一感を保ちます。
- 時期。
暑中=立秋の前。
残暑=立秋の後〜八月末ごろ。 - 書き出し。
暑中お見舞い申し上げます/残暑お見舞い申し上げます。 - 日付。
暑中=盛夏。
残暑=晩夏・立秋・葉月・八月。 - 結び。
季節に沿う気づかいで締め、重複表現は避けます。
- 言い換え例。
「お体にご自愛」→「ご自愛ください」。 - 言い換え例。
「暑さ厳しき折」→「残暑なお厳しき折」。
残暑見舞いの基本構成4要素
四要素を流れで並べると、読み手に負担をかけません。
一行ずつ役割を決め、余白を活かすと印象が整います。
- 書き出し。
残暑お見舞い申し上げます。
一行目は独立させ、余白で呼吸を作ります。 - 気づかい。
酷暑の折、健やかにお過ごしのことと存じます。 - 近況や用件。
たとえば「平素のご厚情に感謝申し上げます」。 - 結び・日付・署名。
ご自愛の一文で締め、「令和◯年 晩夏」を添えます。
言葉遣いとNGを先に解決
残暑見舞いは、語彙と結びの整え方で印象が決まります。
迷いどころは、目上への呼びかけ、季節語、配慮の言い回しです。
判断軸を先に定めると、文面づくりが速く安定します。
目上は「お伺い」、日付は「晩夏」など、保守的な線が扱いやすいです。
配慮の文は重複を避け、短く柔らかな語感へ寄せます。
基本線を共有し、以後の文例へ同じ基準を通します。
目上には「お伺い」が無難
目上や取引先には、控えめな敬意が伝わる表現が合います。
「残暑お伺い申し上げます」は、距離感を保ちたい場合に適しています。
「残暑お見舞い申し上げます」は、親しみ寄りで幅広く使われます。
宛先が混在する場合は、「お伺い」へ統一すると整います。
呼びかけの選択だけで、文面の温度が変わります。
- 書き出し。
残暑お伺い申し上げます。 - 書き出し。
残暑お見舞い申し上げます。 - 結び。
残暑なお厳しき折、どうかご自愛ください。 - 結び。
皆さまのご健勝をお祈り申し上げます。
「盛夏」はNG「晩夏」が正解
立秋以後は、季節語を残暑側へ切り替えます。
日付や時候に「盛夏」を残すと、暦とのずれが生じます。
残暑期は「晩夏」「立秋」「葉月」「八月」などが適合します。
はがきは投函日を記さず、季節語で全体を整えます。
- 日付。
令和◯年 晩夏。 - 日付。
令和◯年 立秋。 - 日付。
令和◯年 葉月。 - 避けたい。
令和◯年 盛夏。
「お体にご自愛」等の重複表現
「ご自愛」は「体を大切に」を含む語です。
「お体にご自愛ください」は意味が重なり、くどい印象になります。
簡潔に伝えるなら「ご自愛ください」で足ります。
丁寧度を上げるなら「ご自愛のほどお願い申し上げます」も使えます。
相手の状況に触れる一言を添えると、配慮が伝わりやすくなります。
- 基本形。
ご自愛ください。 - 丁寧形。
ご自愛のほどお願い申し上げます。 - 避けたい。
お体にご自愛ください。 - 一言。
残暑なお厳しき折、健やかな日々をお祈りいたします。
相手別の実用文例
文面は、関係性、目的、季節語の三つを合わせると整います。
関係性は敬語の段を決め、目的は用件の長さを決めます。
季節語は冒頭と結びと日付で統一し、時期感をずらしません。
次のカードを入れ替えるだけで、場面に合う一通が完成します。
ビジネス(取引先・上司)
- 冒頭カード。
残暑お伺い申し上げます。
平素のご厚情に御礼申し上げます。 - 要件カード。
納期の共有/ご注文のお礼/夏季休業のご案内。 - 結びカード。
猛暑が続く折、貴社のご発展をお祈りいたします。
今後とも変わらぬお引き立てをお願い申し上げます。 - 日付カード。
令和◯年 晩夏 ◯◯株式会社 ◯◯部 氏名。
親戚・友人向けカジュアル
- 冒頭カード。
残暑お見舞い申し上げます。 - 近況カード。
暑さが続く折、みなさまの元気な日々を願っています。 - 一言カード。
近くに来たら、ひと休みしていってください。 - 日付カード。
令和◯年 晩夏 氏名・住所。
暑中見舞いへのお礼・返信
- 冒頭カード。
残暑お伺い申し上げます。 - 受領カード。
先日は丁寧なお見舞いを頂戴し、ありがたく拝読しました。 - 結びカード。
残暑なお厳しき折、どうかご自愛ください。 - 日付カード。
令和◯年 晩夏 氏名。
メールで送る場合の注意点
メールの残暑見舞いは、件名と署名で第一印象が決まります。
本文は短く、誰の端末でも崩れない文字だけで構成します。
絵文字や依存文字は避け、読み手の環境差を前提に整えます。
業務連絡は一行で明示し、送信時刻と返信の負担にも配慮します。
以下に、件名と署名の型、文字の注意、休業案内の要点を示します。
件名の付け方と署名の型
件名は「差出人」と「目的」を同時に示すと判別が速くなります。
本文はあいさつ→配慮→用件→結びを固定し、署名で連絡先を明示します。
署名は部署と電話、メール、住所を固定順で並べ、確認を容易にします。
- 件名。
残暑お伺い申し上げます(◯◯株式会社/営業部◯◯)。 - 件名。
残暑お見舞いと夏季休業のご案内(◯◯商事)。 - 本文骨格。
あいさつ→配慮→用件一行→結び。 - 署名型。
会社名/部署/氏名|電話|メール|住所|Web。
絵文字・依存文字の回避
依存文字は表示崩れや意味の誤読を招くため使いません。
代替は、全角かなと漢字、半角英数字、一般的な記号にそろえます。
段落は短く分け、要点は箇条書きで視線を誘導します。
- 避ける。
絵文字、半角カナ、①②③、特殊記号。 - 代替。
(1)(2)(3)/一二三/通常表記の英数字。 - 体裁。
長文は段落分割、要点は箇条書き。
夏季休業案内を添えるコツ
休業情報は期日と窓口を先頭に置き、影響範囲を一行で示します。
期間、対象業務、緊急連絡先、再開日を順に並べます。
納期や面談に関わる変更点は、番号付きで明記します。
- 記載順。
期間→対象→緊急連絡→再開日→影響→お願い。 - 例。
夏季休業:8/13〜8/16|受注と出荷は休止|緊急:○○。 - 結び。
ご理解のほどお願い申し上げます。
はがき作成の実務
完成度は、配置、表記、季節語、配慮の四点で決まります。
まず宛名面の流れを固め、次に敬称と差出人の置き方を決めます。
日付は季節語で統一し、文面と色柄の調子を合わせます。
喪中は色と語を控えめにし、余白で落ち着きを出します。
縦書き・宛名・差出人の基本
宛名面は縦書きが基準です。
宛名は中央やや右へ大きく、差出人は左下へ小さくまとめます。
敬称は個人に様、団体は御中で統一します。
会社あては会社→部署→役職→氏名→敬称の順にします。
- 郵便番号。
七けたを枠に記し、住所は上から下へ丁番地へ流します。 - 宛名。
氏名は大きめ、連名は行を分けて整えます。 - 差出人。
住所氏名と連絡先を左下に小さく配置します。
日付は「令和◯年 晩夏」等
残暑期は、季節語の日付で季節感をそろえます。
「盛夏」は暑中の語のため、残暑では用いません。
表記は文末に置き、署名の直前で締めます。
- 例。
令和◯年 晩夏/立秋/葉月/八月。
デザイン選びと配慮(喪中)
喪中では、言葉と色の抑制が穏やかな印象を生みます。
落ち着いた地に素朴な図柄を合わせ、文面は安否を中心に据えます。
余白を広げると、紙面全体の緊張がやわらぎます。
- 色選定。
白、生成、淡い藍、灰がかった青。 - 図柄選定。
無地、葉、空の色、抽象のグラデーション。 - 語選定。
近況は控えめ、結びは「ご自愛ください」。
Q&Aとテンプレ配布
判断基準を先に示し、運用手順と文例を続けます。
届く時期を基準に語を決め、書き出しと日付語を揃えます。
遅れた場合は、初秋の挨拶へ移し、配慮の一言で締めます。
場面別のテンプレを差し替えで使える形に並べます。
立秋前後の境目はどう書く
結論は到着基準です。
立秋前に届く見込みなら暑中、後に届く見込みなら残暑にします。
立秋をまたぐ場合は残暑で統一し、日付語と結びも残暑側へ揃えます。
- 暑中。
暑中お見舞い申し上げます/日付は盛夏など。 - 残暑。
残暑お見舞い申し上げます/日付は晩夏・立秋・葉月・八月。
8月末を過ぎた場合の対処
九月以降は、初秋の挨拶に移すと自然です。
遅延の一言と要件一行で簡潔に整えます。
喪中や災害関連は、安否と健康への配慮を先頭に置きます。
- 切替挨拶。
初秋の候/秋の初めの折。 - 日付。
長月なども選択肢。
コピペ可テンプレート集
- ビジネス。
残暑お伺い申し上げます。
平素のご厚情に御礼申し上げます。
残暑なお厳しき折、皆さまのご健勝をお祈りいたします。
令和◯年 晩夏 ◯◯株式会社 ◯◯部 氏名。 - 親しい相手。
残暑お見舞い申し上げます。
暑さが続く折、みなさまの健やかな日々を願っています。
近くに来たら、ひと休みしていってください。
令和◯年 晩夏 氏名・住所。 - 返信。
残暑お伺い申し上げます。
先日は丁寧なお見舞いを頂戴し、ありがたく拝読しました。
残暑なお厳しき折、どうかご自愛ください。
令和◯年 晩夏 氏名。 - 九月以降。
初秋の候、健やかにお過ごしのことと存じます。
便りが遅れましたが、変わらぬお付き合いを願っております。
令和◯年 長月 氏名。
残暑見舞いの書き方に関連したよくある質問7つ
1.残暑見舞いの例文をおしゃれに仕上げるコツは?
おしゃれな残暑見舞いは、季節感のある言葉や和紙風の背景、淡い色合いを組み合わせると効果的です。書き出しや結びは簡潔にし、相手を思う一文を添えると印象が柔らかくなります。絵柄は夏の名残を感じさせる涼やかなものを選びましょう。
2.残暑見舞いをカジュアルな例文で書くには?
カジュアルに書く場合は、季節の挨拶を短めにし、近況や感想を交えて親しみやすくします。「まだ暑い日が続くね」など日常会話に近い表現を使うと柔らかい雰囲気になります。語尾は軽やかにまとめると読みやすくなります。
3.残暑見舞いはいつ送るのが正しいですか?
残暑見舞いは立秋の翌日から8月末までが目安です。地域や天候で体感季節が異なるため、相手に合わせることも大切でしょう。9月に入る場合は初秋の挨拶へ切り替えると自然な印象になります。
4.暑中見舞いハガキの選び方は?
暑中見舞いハガキは涼しげな色使いや夏らしい絵柄を選びます。和紙調や写真入りなど、相手の好みに合わせると印象が良くなります。用途がビジネスか個人かでデザインを変えることも効果的です。
5.暑中見舞いへの返事の例文は?
返事は頂いたお礼から始めます。次に相手の健康を気づかう一文を添え、最後に季節の挨拶で締めると良いでしょう。時期が立秋を過ぎていれば残暑見舞いとして返信します。
6.暑中見舞いを友人に送る例文は?
友人宛は堅苦しさを避け、日常会話に近い調子で書きます。近況や共通の話題を盛り込み、「体に気をつけて」など温かい一言を添えると親しみやすい印象になります。
7.暑中見舞いをビジネス向けに書くポイントは?
ビジネス向けでは、礼儀正しい挨拶文と相手企業の発展を祈る一文を盛り込みます。
装飾や絵柄は控えめにし、書式や敬語を整えることで信頼感が高まります。
»【暑中見舞いのビジネス例文3選】信頼を育てる書き方+テンプレート
まとめ
残暑見舞いは、送る時期、言葉、文例、送付形態を順に決めると形が整います。
相手の立場や季節感に寄せると、印象が柔らかくなります。
本文の結びや日付語は季節と揃え、色や図柄は状況を踏まえて選びます。
一度この流れを覚えれば、来年も再来年も迷わず送れます。
以上です。