- 「6月上旬って、どんな時候の挨拶が正解なんだろう」
- 「メールや手紙の書き出しが、いつも味気ない気がする…」
- 「ちゃんとした文章を書いて、相手に好印象を持ってもらいたい」
この記事でわかること
- 「6月上旬」に適した代表的な時候の挨拶の言葉(初夏・芒種・麦秋)
- ビジネス・学校・メール・手紙など、目的別の書き出しと結びの例文
- 相手との関係性や地域性に応じた挨拶文の工夫ポイント
- 季語や時候の言葉を選ぶ際の注意点とポジティブな表現のコツ
- よくある質問8つ+回答
6月上旬は、春の余韻と夏の気配が交差する繊細な季節です。
移ろいを丁寧に表す「時候の挨拶」は、手紙やメールに「季節感と心配り」を添えます。
本記事では「初夏の候」「芒種の候」「麦秋の候」といった季語の意味と使い方をはじめ、ビジネスや学校向けの例文、地域性や関係性に応じた表現の工夫も紹介します。
あいさつ文に自信が持てるようになり、形式的なやりとりに「やさしさと信頼」を加えられます。
時候挨拶を上手に活かすことで、言葉の印象が磨かれていきます。
6月上旬に使える時候の挨拶とは
6月上旬は、春の名残を残しつつ、夏が静かに近づいてくる時期です。
日差しが強くなり、湿度も高まりはじめますが、まだ梅雨入り前の穏やかな空気も感じられます。
そんな季節をやさしく伝えるには、時候の挨拶が効果的です。
今回は、6月上旬にぴったりの挨拶を3つ紹介します。
初夏の候
「初夏の候」は、6月らしい爽やかさを伝える代表的な表現です。
暦のうえでは立夏(5月上旬)を過ぎると、初夏と呼ばれるようになります。
暑すぎず、爽やかさの残る気候を反映した言葉として自然に使えます。
たとえば、「初夏の候、みなさまにおかれましてはご健勝のこととお喜び申し上げます」が一般的です。
芒種の候
「芒種の候」は、稲や麦に見られる“芒(のぎ)”が語源の季節語です。
毎年6月5日ごろに訪れる芒種は、田植えの目安となる時期です。
日本の自然と農のリズムを感じさせる、落ち着いた雰囲気のある表現です。
たとえば、「芒種の候、ますますご清祥のこととお慶び申し上げます」などが挙げられます。
麦秋の候
「麦秋の候」は、ちょっと意外性のある表現です。
“秋”とあるのに6月に使う理由は、麦の収穫期が今であるためです。
この表現には、季節の知識と文学的な味わいが含まれています。
たとえば、「麦秋の候、みなさまのご健勝をお祈り申し上げます」と使うと印象的です。
ビジネスシーンでの使い方3選
ビジネス文書では、はじまりと終わりの印象が、信頼感や心づかいにつながります。
季節の言葉を上手に使えば、定型的な文面でもぐっと親しみやすくなります。
ここでは、6月上旬にぴったりな書き出しと結びの表現を紹介します。
1.手紙での書き出し例
たとえば「芒種の候」とは、稲や麦に芒(のぎ)が出る季節のことです。
このように自然や農のリズムにふれた表現は、落ち着きと知性を感じさせます。
以下のような文例があります。
- 初夏の候、みなさまにおかれましてはお健やかにお過ごしのことと拝察いたします。
- 芒種の候、貴社いよいよご清栄のこととお慶び申し上げます。
- 麦秋の候、みなさまのご健勝を心よりお祈り申し上げます。
時候の言葉は単なる装飾ではなく、相手との距離を縮める役割を持っています。
2.メールでの書き出し例
メールでも、一言季節感を入れるだけで印象が大きく変わります。
特に6月は、暑さや梅雨入りを控えた微妙な気候が続きます。
以下は気軽に使える例文です。
- いつもお世話になっております。
- 初夏を迎え、いかがお過ごしでしょうか。
- 梅雨入り間近の折、ご自愛のほどお願い申し上げます。
短くても、相手を気づかう気持ちは伝わります。
3.結びの文例
結びでは「これからの季節に配慮する」という視点が大切です。
雨や暑さが本格化する前のこの時期だからこそ、やさしい締め方が生きてきます。
- 季節の変わり目ですので、くれぐれもご自愛ください。
- 今後ますますのご発展をお祈り申し上げます。
- 引き続きご厚誼のほど、よろしくお願い申し上げます。
ビジネスの場でも、言葉に“心を添える”工夫が信頼につながります。
季節感を取り入れた表現のポイント
時候の挨拶は、単なるあいさつを超えて、相手との関係づくりに役立つ手段です。
その一言が、あなたの文章全体を好意的に印象づけることもあります。
ここでは、6月上旬らしい表現の使い方を、3つの視点から紹介します。
相手との関係性を考慮する
相手が取引先なのか、友人なのかによって、自然な言い回しは変わります。
言葉づかいに気を配ることは、読み手への思いやりそのものです。
- ビジネス向け:芒種の候、貴社ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。
- 親しい関係:初夏を迎え、気持ちのよい季節になりましたね。
地域や天候に合わせた表現
たとえば、梅雨入りして湿気の多い地域と、カラッと晴れた地域では、同じ「6月」でも感じ方が違います。
挨拶のなかでその違いを反映させると、読み手に「わかってもらえてる」と感じてもらえます。
- 梅雨入りの地域:雨が続きますが、どうかお体にお気をつけください。
- 晴れの多い地域:初夏の陽気が心地よく感じられるこの頃です。
ポジティブな言葉選び
6月の空模様は不安定ですが、そんな時期だからこそ「前向きなひと言」が響きます。
気持ちのよい季節感や自然の美しさを表現するだけで、相手の印象も和らぎます。
- × 梅雨でじめじめしていますが…
- ○ 雨に映えるあじさいが美しい季節となりました
6月上旬の時候挨拶で、よくある質問7つ
1.6月の時候挨拶は、ビジネスでどう使えばよいですか?
ビジネス文書では「芒種の候」「初夏の候」などが一般的です。
相手の会社の立場に配慮しながら、丁寧語を使った文面で挨拶すると信頼感につながるでしょう。
2.5月下旬から6月上旬の時候挨拶は何を使えばいいですか?
この時期は「薫風の候」「新緑の候」「初夏の候」などがよく使われます。
気温が高まりつつある初夏の印象をやわらかく伝える表現が自然です。
3.6月の挨拶文の書き出しはどう始めればよいですか?
書き出しには「初夏の候、貴社ますますご清栄のこととお慶び申し上げます」のように、季節感と丁寧さを含めるのが基本です。
読み手に安心感を与えられます。
4.6月下旬に使える時候挨拶は何ですか?
6月下旬は梅雨本番のため「長雨の候」「梅雨の候」などが使われます。
湿気や体調を気づかう言葉を添えると丁寧な印象になるでしょう。
5.学校向けの6月の時候挨拶はどう書けばいいですか?
学校へのおたよりや文書では「初夏の候」「梅雨入りが近づいてまいりましたが」といったやわらかい表現が適しています。
子どもや保護者に寄り添う口調が好ましいです。
6.初夏の時候挨拶にはどんな言葉がありますか?
「初夏の候」「青葉の候」「新緑の候」などが代表的です。
いずれも6月上旬から中旬にかけての季節感を伝える定番の挨拶表現として使われます。
7.6月中旬にぴったりの時候挨拶はありますか?
6月中旬は「芒種の候」「麦秋の候」がよく使われます。
麦の収穫や田植えなど、自然のうつろいを感じさせる表現が特徴的でしょう。
8.6月らしい季節の言葉にはどんなものがありますか?
6月には「あじさい」「梅雨」「麦畑」「衣替え」などの言葉があります。
季語としては「梅雨寒」「青梅雨」などもあり、挨拶文に使うと季節感がより豊かになります。
まとめ
この記事では、場面に合わせた書き出し・結び表現や、相手との距離感に配慮した使い分けをまとめました。
6月上旬の時候の挨拶は、春から夏への移ろいを伝える言葉選びが重要です。
ポイントまとめ
- 「初夏の候」は6月上旬全般に使える、爽やかな印象の定番表現
- 「芒種の候」は6月5日前後の農事に由来する時節感のある丁寧語
- 「麦秋の候」は文学的な響きを持ち、印象に残る個性的な季語
- ビジネス文書では、書き出し・結びの定型例を組み合わせると自然
- メールでは「初夏を迎え…」「梅雨入り間近の折…」など短い気づかいが有効
- 相手との関係性や地域の気候に応じて、表現を微調整するのがコツ
- 6月中旬以降には「長雨の候」「梅雨の候」などへの切り替えが必要
挨拶文の冒頭や結びに季語をひとつ入れてみることです。
文章の印象が変わり、相手への配慮が自然に伝わるからです。
テンプレだけに頼らず、意味や時期を知って使い分けることが信頼につながります。
以上です。
P.S. 季節を感じる表現をひとつ取り入れてみると、印象も自然と変わっていきます。