2月の時候の挨拶、「厳寒の候でいい?」「立春が過ぎたら何を使う?」と毎年迷っていませんか。
2月は立春を境に季節が動くため、言葉選びに悩みやすい月です。
選び方は3ステップ。
① 上旬・中旬・下旬のどれかを確認する
② 相手がビジネスか個人かを考える
③ 時期と用途に合う表現を選ぶ
この基準を押さえれば、2月の時候の挨拶は迷いません。
本記事では、時期別の使い分けと用途別の選び方を整理し、必要に応じてそのまま使える例も紹介します。
2月の時候の挨拶が迷う理由
「例年、2月だけ迷う」という方は多いです。他の月にはない、2月特有の難しさがあります。
立春前後で季節語が揺れる
2月は節分(2/3)と立春(2/4頃)という大きな節目が月初にあります。この2日間で使える言葉が変わるため、上旬の挨拶だけ難易度が上がります。
📌 立春前後で変わる言葉 立春前:「厳寒の候」「寒冷の候」など冬の表現が中心
立春後:「余寒の候」「春寒の候」など春を意識しながら寒さを残す表現に切り替わる
※「余寒の候」は立春後にしか使えません。立春前に使うと意味がずれます。
冬語と春語が混在する
2月全体が「冬の終わり」と「春の始まり」が同居する月です。上旬は冬、下旬は春、中旬はその間——という特性があります。
| 時期 | 気候の特徴 | 主な季節語 |
|---|
| 上旬(〜2/10) | 一年でもっとも寒い。節分・立春あり | 厳寒・寒冷・余寒(立春後)・春寒 |
| 中旬(2/11〜20) | 暦は春、体感は冬。余寒が続く | 余寒・春寒・残寒・梅花(後半) |
| 下旬(2/21〜末) | 雨水(2/19頃)後。梅が咲き始める | 向春・梅花・三寒四温・春隣 |
用途で硬さが変わる
同じ2月でも、取引先への手紙とLINEでは適切な硬さがまったく違います。媒体と相手を先に決めることで、表現の迷いが半分になります。
✅ 硬さの3段階 手紙・挨拶状:漢語調(〜の候)を使う
ビジネスメール・おたより:口語調(〜ですが、いかがお過ごしでしょうか)に変換する
親しい相手・LINE:さらに短く、共感ベースの一言にする
2月上旬の時候の挨拶と例文
上旬の目安とキーワード
上旬(2/1〜10)は節分と立春を挟む特殊な時期です。立春の前か後かで使える言葉が変わります。「送る日」よりも「相手が読む日」を基準に選ぶと、季節感がずれません。
※立春の日付は年によって前後します。カレンダーの日付ではなく「立春の前か後か」で判断するのが安全です。
| 時期 | 漢語調 | 口語調のキーワード |
|---|
| 立春前(立春の前日まで) | 厳寒の候・寒冷の候・晩冬の候 | 寒さ厳しき折・節分を前に |
| 立春を迎えたころ | 立春の候 | 暦の上では春となりましたが |
| 立春後(上旬後半まで) | 余寒の候・春寒の候 | 立春を過ぎてもなお寒い・余寒なお厳しく |
書き出し例文(漢語調)
改まった手紙や挨拶状に向いています。「拝啓〜敬具」の頭語・結語とセットで使いましょう。
厳寒の候(立春前)
拝啓 厳寒の候、貴社ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。平素は格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。
寒冷の候(立春前)
拝啓 寒冷の候、皆さまにはご健勝のこととお慶び申し上げます。平素より大変お世話になっております。
余寒の候(立春後)
拝啓 余寒の候、貴社ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。平素は格別のお引き立てを賜り、厚く御礼申し上げます。
春寒の候(立春後)
拝啓 春寒の候、皆さまにはご健勝のこととお慶び申し上げます。
書き出し例文(口語調)
メールやおたよりには口語調が読みやすいです。「〜の候」を使わず、日常の言葉で季節感を伝えます。
立春前・標準
いつもお世話になっております。寒さが厳しい日が続いておりますが、皆さまにはお変わりなくお過ごしでしょうか。
節分を絡めて
平素よりお世話になっております。節分を前に、まだまだ寒さの厳しい折、貴社ますますご発展のこととお慶び申し上げます。
立春後・標準
いつもお世話になっております。立春を過ぎてもなお寒い日が続いておりますが、皆さまにはいかがお過ごしでしょうか。
立春の節目感
いつも格別のご高配を賜り、ありがとうございます。立春を迎えましたが、まだまだ寒さの続く日々ですね。いかがお過ごしでしょうか。
2月中旬の時候の挨拶と例文
中旬の目安とキーワード
中旬(2/11〜20)は立春後の時期です。「春を言い切らず、寒さへの配慮を残す」のがポイントです。2/19頃の雨水以降は梅花・向春など春寄りの言葉も使えるようになります。
| 時期 | 漢語調 | 口語調のキーワード |
|---|
| 中旬前半(2/11〜18) | 余寒の候・春寒の候・残寒の候 | 立春とはいえまだ寒い・暦では春ですが |
| 中旬後半(2/19〜20) | 余寒の候・梅花の候・向春の候 | 梅の便りも聞かれる・日差しに春の気配 |
✅ 中旬で迷ったら「余寒の候」 中旬前半・後半を問わず使えるのが「余寒の候」です。立春後であれば時期のずれがなく、ビジネスから個人まで幅広く使えます。
書き出し例文(漢語調)
余寒の候
拝啓 余寒の候、貴社ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。平素は格別のご愛顧を賜り、厚く御礼申し上げます。
春寒の候
拝啓 春寒の候、皆さまにはご健勝のこととお慶び申し上げます。平素より大変お世話になっております。
残寒の候
拝啓 残寒の候、貴社ますますご発展のこととお喜び申し上げます。
梅花の候(中旬後半)
拝啓 梅花の候、皆さまにはご健勝のこととお慶び申し上げます。
書き出し例文(口語調)
立春とはいえ
いつもお世話になっております。立春を過ぎてもなお寒さが続いておりますが、皆さまにはお変わりなくお過ごしでしょうか。
暦と体感のズレ
平素よりお世話になっております。暦の上では春となりましたが、まだまだ寒い日が続いておりますね。いかがお過ごしでしょうか。
春の気配入り
いつも格別のご高配を賜り、ありがとうございます。立春とはいえまだ寒い日が続いておりますが、日差しの中に少しずつ春の気配を感じるころとなりました。
梅の便り(中旬後半)
いつもお世話になっております。梅の便りも聞かれるころとなりましたが、皆さまにはいかがお過ごしでしょうか。
2月下旬の時候の挨拶と例文
下旬の目安とキーワード
下旬(2/21〜末)は雨水(2/19頃)後の時期です。春の気配を前面に出せる一方で、「三寒四温」という言葉が表すように寒い日も続きます。地域差が大きい時期でもあります。
| 表現 | 読み方 | ニュアンス | 地域差 |
|---|
| 向春の候 | こうしゅんのこう | 春に向かう頃 | 地域を問わず使いやすい |
| 梅花の候 | ばいかのこう | 梅の花が咲く頃 | 寒冷地の相手には慎重に |
| 三寒四温の候 | さんかんしおんのこう | 寒暖を繰り返しながら春へ | 地域を問わず使いやすい |
| 春隣の候 | はるとなりのこう | 春がすぐそこまで来ている | 詩的でやわらかい印象 |
書き出し例文(漢語調)
向春の候
拝啓 向春の候、貴社ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。平素は格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。
梅花の候
拝啓 梅花の候、皆さまにはご健勝のこととお慶び申し上げます。平素より大変お世話になっております。
三寒四温の候
拝啓 三寒四温の候、貴社ますますご発展のこととお喜び申し上げます。
春隣の候
拝啓 春隣の候、皆さまには益々ご清祥のこととお慶び申し上げます。
書き出し例文(口語調)
春の足音
いつもお世話になっております。寒さもようやくゆるみ始め、春の足音が聞こえてくるころとなりましたが、皆さまにはお変わりなくお過ごしでしょうか。
三寒四温
平素よりお世話になっております。三寒四温の折、寒暖を繰り返しながら春へと向かっておりますが、皆さまにはいかがお過ごしでしょうか。
梅を絡めて
いつもお世話になっております。梅の花がほころぶ季節となりましたが、貴社ますますご発展のこととお慶び申し上げます。
年度末を絡めて
いつも格別のご高配を賜り、ありがとうございます。今年度も残りわずかとなりましたが、皆さまにはお変わりなくお過ごしでしょうか。
結びの挨拶の定番パターン

結びは書き出しと対応させるのが基本です。書き出しで「寒さ」に触れたなら、結びも寒さへの気遣いで締めると文章全体が自然にまとまります。書き出しと同じ言葉は使わないように意識しましょう。
体調を気遣う結び
上旬・中旬向け
寒さ厳しき折、くれぐれもご自愛くださいませ。敬具
余寒を絡めて
余寒なお厳しき折、くれぐれもご自愛くださいませ。敬具
下旬・三寒四温
三寒四温の折、どうぞご自愛くださいませ。
おたより・やわらかめ
寒暖差の大きい時期が続きます。ご家族皆さまどうぞご自愛ください。
繁栄や活躍を祈る結び
発展祈念・標準
貴社のますますのご発展と皆さまのご健勝をお祈り申し上げます。敬具
自愛と発展の組み合わせ
余寒なお厳しき折、皆さまのご健勝と貴社のますますのご発展をお祈り申し上げます。敬具
年度末を絡めて
今年度の締めくくりにあたり、貴社のご発展と皆さまのご活躍をお祈り申し上げます。敬具
春を絡めて
春暖の候に向けて、皆さまのご健勝と貴社のご発展をお祈り申し上げます。敬具
今後のお願いで締める
継続のお願い
寒さの続く折、どうぞご自愛ください。引き続きよろしくお願い申し上げます。
ご検討のお願い
ご多忙のことと存じますが、ご検討のほどよろしくお願い申し上げます。末筆ながら、皆さまのご健勝をお祈り申し上げます。
用途別の使い分け
ビジネス文書(手紙・送付状)
改まった手紙や送付状には漢語調(〜の候)が適しています。「拝啓〜敬具」の頭語・結語とセットで使い、時期に合わせた季節語を選びましょう。
送付状テンプレ(中旬・余寒の候)
拝啓 余寒の候、貴社ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。 さて、◯◯年◯月分の請求書をお送りいたします。 ご査収のほど、よろしくお願いいたします。 末筆ながら、余寒なお厳しき折、くれぐれもご自愛くださいませ。 敬具
ビジネスメール
メールは漢語調(〜の候)を使わず、口語調に変換するのが基本です。書き出しの挨拶は2〜3文にとどめて、本題をすぐ後に続けましょう。
📌 ビジネスメール・書き出しの型 「いつもお世話になっております。」(書き出しの定番一文)
+ 時候の一言(季節の言葉+気遣い)
+ 「さて、〜の件でご連絡いたしました。」(用件へつなぐ)
上旬・立春前
いつもお世話になっております。寒さが厳しい日が続いておりますが、皆さまにはお変わりなくお過ごしでしょうか。さて、〜の件でご連絡いたしました。
中旬・余寒
平素よりお世話になっております。立春を過ぎてもなお寒い日が続いておりますが、いかがお過ごしでしょうか。さて、〜の件でご連絡いたしました。
下旬・春の気配
いつも格別のご高配を賜り、ありがとうございます。三寒四温の季節を迎えましたが、皆さまにはお変わりなくお過ごしでしょうか。さて、〜の件でご連絡いたしました。
下旬・年度末
いつもお世話になっております。今年度も残りわずかとなりましたが、貴社ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。さて、〜の件でご連絡いたしました。
個人向け(やわらかい表現)
友人・知人・おたより向けには、口語調でさらに短くシンプルにまとめます。「季節の一言+相手への気遣い」の2文で十分です。
上旬・友人向け
2月に入り、寒さがいっそう厳しくなりましたね。お元気でお過ごしでしょうか。
中旬・おたより向け
暦の上では春となりましたが、まだまだ寒い日が続いていますね。体調にはくれぐれもお気をつけください。
下旬・友人向け
梅の花がほころぶ季節になりましたね。春の訪れが待ち遠しい今日このごろ、いかがお過ごしでしょうか。
下旬・デイサービス向け
寒さの中にも春の気配が感じられるころとなりました。日差しが少しずつ柔らかくなり、春の訪れが待ち遠しい季節です。皆さまお変わりなくお過ごしでしょうか。
よくある質問と注意点
「立春の候」はいつからいつまで使えますか?
目安は「立春を迎えたころ」です。立春の前に使うと季節感が早く、2月中旬以降に続けると遅い印象になりやすいです。迷う場合は、立春後に幅広く使える「余寒の候」を選ぶと安全です。
※寒さが残る地域や年は、立春後もしばらく「余寒」「春寒」の表現が自然です。
「余寒の候」はいつからいつまで使えますか?
立春(2月4日頃)以降から2月末頃まで使えます。「余寒」は立春後に残る寒さを指すため、立春前には使えません。3月に入ると季節感がずれてきます。2月中旬で迷ったときにもっとも使いやすい言葉です。
「厳寒の候」と「余寒の候」はどう違いますか?
「厳寒」は一年でもっとも寒い時期(主に1月〜立春前)を表し、「余寒」は立春後に残る寒さを表します。立春(2/4頃)を境に使い分けるのが基本です。立春前は「厳寒の候」、立春後は「余寒の候」に切り替えてください。
おたよりに「余寒の候」は堅すぎますか?
おたよりには口語調の方が読みやすいです。「立春を迎え、日差しに少しずつ春の気配を感じるころとなりました」「暦の上では春となりましたが、まだまだ寒い日が続いています」のような表現をおすすめします。
時期に合った季語を外さないための最短ルールは?
「立春(2/4頃)の前か後か」を確認するだけで、大きくは外れません。前なら「厳寒・寒冷」系、後なら「余寒・春寒」系を選ぶ。下旬は「向春・三寒四温」系に切り替える。迷ったら「余寒の候」(手紙)か「立春を過ぎてもなお寒い日が続いておりますが……」(メール)を使えば、2月全体でほぼ使えます。
2月に「初春の候」は使えますか?
使わない方がよいです。「初春」「新春」は1月の表現です。2月に使うと季節感がずれます。同様に「春暖の候」は3月の表現なので、2月下旬に先取りして使うのも避けてください。
まとめ:2月は時期と用途で選ぶ

2月の時候の挨拶は、3ステップで選べば迷いません。
📌 3ステップで選ぶ ① 時期を確認する:上旬・中旬・下旬のどれか(上旬なら立春前か後かも確認)
② 用途を決める:手紙なら漢語調、メール・おたよりなら口語調
③ この記事の例文を当てはめる
| 時期 | 手紙(漢語調) | メール・おたより(口語調) |
|---|
| 上旬(立春前) | 厳寒の候・寒冷の候 | 寒さが厳しい日が続いておりますが…… |
| 上旬(立春後) | 余寒の候・春寒の候 | 立春を過ぎてもなお寒い日が続いておりますが…… |
| 中旬 | 余寒の候・春寒の候・残寒の候 | 立春とはいえまだ寒い日が続いておりますが…… |
| 下旬 | 向春の候・梅花の候・三寒四温の候 | 三寒四温の折、春の気配が感じられるころとなりました…… |
✅ どうしても迷ったときの最終判断 手紙:「余寒の候」(立春後〜2月末まで使える。中旬・下旬前半まで幅広く対応)
メール:「立春を過ぎてもなお寒い日が続いておりますが……」(中旬まで自然に使える)
この2つを覚えておくだけで、2月の大半はカバーできます。
以上です。