2月の「時候の挨拶(ビジネス)」、何を使うべきか迷っていませんか。
立春と雨水を基準に、上旬・中旬・下旬の違いと正しい使い分けを整理します。
メール・手紙・送付状にそのまま使える例文を、実務目線でまとめました。
2月の時候の挨拶が必要な場面
ビジネスの文書で時候の挨拶を入れる場面は、大きく3つあります。
ビジネスメールと手紙の違い
メールと手紙では、挨拶のスタイルが少し変わります。
| 種類 | 適したスタイル | 例 |
|---|
| ビジネスメール | 口語調が読みやすい | 「立春を過ぎてもまだ寒い日が続きますが…」 |
| 改まった手紙 | 漢語調(〜の候)が格式に合う | 「余寒の候、貴社ますますご清栄のこと…」 |
| 社内連絡 | 省略してもOK | 「寒い日が続きますね。お疲れ様です」 |
✅ 使い分けの基本ルール 「漢語調(〜の候)」は手紙や改まった文書向け。「口語調」はメールや社内文書向け。相手との距離感と媒体で選ぶだけです。
送付状や添え状での使い所
請求書・見積書・応募書類を送るときの添え状。ここにも時候の挨拶を一行入れるだけで、受け取った相手の印象が変わります。
長くなりすぎないことが大切です。
送付状では1〜2行でまとめるのが正解です。
書き出しと結びの基本型
書き出しと結びは、セットで考えます。書き出しが改まった漢語調なら、結びも改まった表現に揃える。これだけで文章全体のトーンがまとまります。
📌 基本の型 書き出し:時候の挨拶 + 相手の繁栄・健康を喜ぶ一言
結び:体調への気遣い + 協力・継続のお願い
2月らしさの判断軸は立春と雨水

2月は暦の春と寒さが同居する
2月は「もっとも寒い月」でありながら、同時に「暦の上では春が始まる月」でもあります。
この二面性が、表現選びを難しくしている正体です。ただ、軸を2つ持つだけで迷いがなくなります。
立春と雨水の目安
| 時期 | 目安日 | 気候の特徴 | 使いやすい表現 |
|---|
| 上旬 | 〜2/10頃 | 一年で最も寒い時期。節分(3日)あり。 | 厳寒・余寒・寒さ厳しき折 |
| 中旬 | 2/11〜20頃 | 立春(4日)後。暦上は春、体感は冬。 | 余寒・春寒・立春とはいえ |
| 下旬 | 2/21〜末 | 雨水(19日)後。梅が咲き始める地域も。 | 梅花・向春・三寒四温 |
✅ 迷ったときの一言判断 「立春(2/4)の前か後か」だけ確認すれば、表現の方向性はほぼ決まります。前なら「冬」、後なら「春へ向かいながらもまだ寒い」のニュアンスで選べば正解です。
相手地域で表現を調整する
時候の挨拶は「一般的な気候感覚」をベースにしています。相手が北海道や東北など寒冷地にいる場合、「梅花の候」などの春の表現は少し早すぎることがあります。
逆に九州・沖縄への手紙なら、下旬は「春の訪れを感じる頃」という表現が自然です。相手の地域の気候をさっと想像してから選んでください。
2月上旬の時候の挨拶例文
立春前後の上旬は、一年でもっとも寒い時期です。「寒さ」を軸にした表現が季節感に合います。
漢語調の書き出し例
取引先や目上の方への改まった手紙に使えます。「〜の候」で終わる形式的な表現です。
例文① 厳寒の候
厳寒の候、貴社ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。
例文② 寒冷の候
寒冷の候、皆さまにはご健勝のこととお慶び申し上げます。
例文③ 節分を絡めた表現
節分を前に、まだまだ寒さの厳しい折、貴社ますますご発展のこととお慶び申し上げます。
例文④ 立春前の表現
立春を前に、一段と寒さが厳しくなってまいりましたが、皆さまいかがお過ごしでしょうか。
口語調の書き出し例
ビジネスメールや、やわらかい印象にしたい場面に向いています。「〜ですね」「〜ております」などで自然につなぎます。
例文⑤
まだまだ寒さの厳しい日が続いておりますが、お変わりなくお過ごしでしょうか。
例文⑥
寒さが厳しい日々が続いておりますが、皆さまにはご健勝のこととお喜び申し上げます。
結びの挨拶例(上旬)
結び①
寒さの続く折、くれぐれもご自愛くださいませ。
結び②
厳寒の折、皆さまのご健康をお祈り申し上げます。
2月中旬の時候の挨拶例文
立春(4日頃)を過ぎると、暦の上では春です。ただ体感はまだ寒い。「まだ寒いけれど、春へ向かっている」このニュアンスを出すのが中旬の挨拶のコツです。
📌「余寒」は立春後に使う言葉 「余寒(よかん)」は立春後に残る寒さのことです。立春前に使うと意味がずれるので注意してください。中旬以降の表現として使うのが正確です。
漢語調の書き出し例
例文⑦ 余寒の候
余寒の候、貴社ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。
例文⑧ 春寒の候
春寒の候、皆さまにはご健勝のこととお慶び申し上げます。
例文⑨ 残寒の候
残寒の候、貴社ますますご発展のこととお喜び申し上げます。
例文⑩ 立春を絡めた表現
立春の候、寒さの中にも春の兆しを感じる頃となりました。
口語調の書き出し例
例文⑪
立春を過ぎてもなお寒さが続いておりますが、皆さまにはお変わりなくお過ごしでしょうか。
例文⑫
立春とはいえまだ寒い日が続いておりますが、ご健勝のこととお慶び申し上げます。
例文⑬
日差しに少しずつ春の気配を感じるころとなりましたが、いかがお過ごしでしょうか。
例文⑭
梅の便りも聞かれるころとなりましたが、皆さまにはお変わりございませんか。
結びの挨拶例(中旬)
結び③
余寒なお厳しき折、どうぞご自愛くださいませ。
結び④
まだ寒い日が続きます。お体にはくれぐれもお気をつけください。
2月下旬の時候の挨拶例文
雨水(19日頃)を過ぎると、梅の花が咲き始める地域も増えてきます。春の気配を前面に出せる時期です。年度末が近づく感覚とも合わせやすいのが2月下旬の挨拶の特徴です。
漢語調の書き出し例
例文⑮ 梅花の候
梅花の候、貴社ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。
例文⑯ 向春の候
向春の候、皆さまにはご健勝のこととお慶び申し上げます。
例文⑰ 雨水の候
雨水の候、貴社ますますご発展のこととお喜び申し上げます。
例文⑱ 春隣の候
春隣の候、皆さまにはますますご清祥のこととお慶び申し上げます。
口語調の書き出し例
例文⑲
寒さもようやくゆるみ始め、春の足音が聞こえてくるころとなりました。
例文⑳
日ごとに日差しが柔らかくなり、春の近さを感じるころとなりました。
例文㉑
三寒四温の折、寒暖を繰り返しながら春へと向かっております。皆さまにはお変わりなくお過ごしでしょうか。
例文㉒
梅の花がほころぶ季節となりました。今年度も残りわずかとなりましたが、いかがお過ごしでしょうか。
結びの挨拶例(下旬)
結び⑤
春暖の候に向けて、皆さまのご健勝をお祈り申し上げます。
結び⑥
寒暖の差が続く時季ですので、どうかご自愛くださいませ。
そのまま使える用途別テンプレ

書き出し・本文の導入・結びをセットにしたテンプレです。◯◯の部分を差し替えるだけで使えます。
お礼メールのテンプレ
先日の打ち合わせや訪問後のお礼メールに使えます。中旬〜下旬想定のやわらかい口語調です。
📧 お礼メール用テンプレ
件名:先日のご面談のお礼 ◯◯株式会社 ◯◯様 いつもお世話になっております。 立春を過ぎてもなお寒い日が続いておりますが、いかがお過ごしでしょうか。 先日はお忙しいところお時間をいただき、誠にありがとうございました。 ◯◯についてご丁寧にご説明いただき、大変参考になりました。 引き続きどうぞよろしくお願いいたします。 まだ寒さが続きます。くれぐれもご自愛くださいませ。 ◯◯(署名)
依頼メールのテンプレ
初めてご連絡する相手や、やや改まった依頼に使えます。上旬〜中旬想定です。
📧 依頼メール用テンプレ
件名:◯◯のご依頼について ◯◯株式会社 ◯◯様 突然のご連絡をお許しください。 ◯◯株式会社の◯◯と申します。 余寒の候、ご健勝のこととお慶び申し上げます。 このたびは◯◯の件につきまして、ご相談させていただきたく、ご連絡差し上げました。 ご多忙のところ恐れ入りますが、ご検討いただけますと幸いです。 寒さ厳しき折、どうぞご自愛くださいませ。 ◯◯株式会社 ◯◯(署名)
請求書送付状のテンプレ
請求書や見積書を郵送するときの添え状です。簡潔にまとめるのがポイントです。
📄 請求書送付状テンプレ
拝啓 余寒の候、貴社ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。 さて、◯◯年◯月分の請求書をお送りいたします。 ご査収のほど、よろしくお願いいたします。 ご不明な点がございましたら、お気軽にお申しつけください。 末筆ながら、寒さの続く折、くれぐれもご自愛くださいませ。 敬具
間違いやすい表現とチェック項目
前後月の季語と混同しない
2月に隣接する1月・3月の表現を混同してしまうミスが多いです。送付前に確認してください。
| 表現 | 正しい使用月 | よくある間違い |
|---|
| 初春の候・新春の候 | 1月 | 2月に使ってしまう |
| 余寒の候 | 立春後(2月中旬〜) | 立春前の2月上旬に使う |
| 梅花の候 | 2月下旬〜3月 | 2月上旬に使ってしまう |
| 春暖の候・春分の候 | 3月 | 2月下旬に先取りして使う |
書き出しと結びの重複を避ける
書き出しで「寒さ厳しき折」と書いたのに、結びでも同じ表現を繰り返すと読みにくくなります。
✅ 重複を防ぐ簡単なルール 書き出し:季節の表現(例:「余寒の候」)
結び:体調への気遣い(例:「ご自愛ください」)
この役割分担をするだけで、自然に重複を避けられます。
敬語と社名表記の最終確認
- 「貴社」(書き言葉)と「御社」(話し言葉)を使い分けているか
- 「拝啓〜敬具」「謹啓〜謹白」の頭語・結語がセットになっているか
- 社名に(株)など略称を使っていないか
- 二重敬語(「〜させていただきます」の多用)になっていないか
- 「ご自愛ください」の前に「お体に気をつけて」を重ねていないか
よくある質問
「余寒の候」はいつから使えますか?
立春(2月4日頃)以降が正確な使用タイミングです。「余寒」は立春後に残る寒さを指す言葉のため、立春前に使うと意味がずれてしまいます。2月上旬は「厳寒の候」「寒冷の候」を使うのが自然です。
ビジネスメールに「〜の候」は堅すぎますか?
初めての相手や改まった内容のメールなら「〜の候」でも問題ありません。ただし、日常的にやり取りがある相手には「立春を過ぎてもまだ寒い日が続きますが…」という口語調の方が読みやすくて自然です。相手との距離感で選んでください。
社内メールにも時候の挨拶は必要ですか?
社内メールへの時候の挨拶は必須ではありません。「お疲れ様です」や「いつもありがとうございます」で始めるのが一般的です。ただし、全社向け通知や年次の重要な連絡などでは、冒頭に一言添えると印象が良くなります。
相手が北海道など寒冷地の場合、表現を変えるべきですか?
変えた方が自然です。2月下旬に「梅花の候」を使っても北海道ではまだ雪の中です。寒冷地への手紙では「余寒」「春寒」など「まだ寒い」ニュアンスの表現が2月下旬まで使えます。相手の地域の気候を少し意識するだけで、より心のこもった挨拶になります。
「ご清栄」と「ご清祥」の違いは何ですか?
どちらも「健康で幸せに過ごしていること」を表しますが、使い方が少し異なります。「ご清栄」は個人にも法人にも使えます。「ご清祥」は主に個人宛てに使います。法人(会社)宛てには「ご清栄」「ご隆盛」「ご発展」の方が適切です。
まとめ

2月のビジネス向け時候の挨拶、ポイントを整理します。
📌 2月の時候の挨拶 選び方まとめ 上旬(〜2/10頃):厳寒・寒冷・節分を絡めた表現
中旬(2/11〜20頃):余寒・春寒・立春とはいえ…
下旬(2/21〜末):梅花・向春・三寒四温・雨水
「立春(4日)の前か後か」を確認するだけで、表現の方向性はほぼ決まります。前なら「冬」、後なら「春へ向かいながらもまだ寒い」で選べば大きく外れることはありません。
漢語調(「〜の候」)は手紙・改まった文書向け、口語調はメール向けと使い分けると、読む相手に自然な印象を与えられます。
迷ったときは、この記事の例文をそのまま使ってください。◯◯の部分を差し替えれば、すぐに使える状態になっています。
以上です。