「厳寒の候?余寒の候?立春後は何を使う?」
毎年2月になると、書き出しの一行で手が止まる方は少なくありません。
2月の時候の挨拶は、立春を境に言葉が切り替わるため、判断が難しい月です。
しかし、迷いをなくす基準は2つしかありません。
- 上旬・中旬・下旬のどの時期か
- 相手との関係性
この2軸で考えれば、例文は自然に決まります。
本記事では、2月の時候の挨拶の例文を上旬から下旬まで一覧で整理しました。
2月の時候の挨拶とは

時候の挨拶とは、手紙やメールの書き出しに添える「季節の一言」のことです。形式として必要なだけでなく、相手への気遣いを自然に伝えられる部分でもあります。
時候の挨拶の基本の型
時候の挨拶は、以下の3つのパーツで構成されます。この型を知っておくと、毎回ゼロから考えなくてすみます。
② 相手の健康・繁栄を喜ぶ一言
③ 「さて、」「つきましては、」で用件へつなぐ
漢語調と口語調の違い
時候の挨拶には「漢語調」と「口語調」の2種類があります。どちらを使うかは、媒体と相手との関係性で決まります。
| 種類 | 形式 | 向いている場面 | 例 |
|---|---|---|---|
| 漢語調 | 〜の候 | 改まった手紙・挨拶状・送付状 | 余寒の候、厳寒の候 |
| 口語調 | 〜ですが、〜ですね | メール・おたより・親しい相手への手紙 | 立春を過ぎてもまだ寒い日が続いておりますが…… |
用途ごとに例文をまとめて確認したい方は「2月の時候の挨拶(ビジネス)」や「2月の時候の挨拶(おたより)」も参考にしてください。 用途に合う言い回しだけを整理しています。
やわらかい言い回しを中心に探している方は「2月の時候の挨拶(やわらかい表現)」も参考になります。 口語調を中心にまとめています。
2月に多い季節語の考え方
2月は「冬の終わり」と「春の始まり」が混在する特殊な月です。使える言葉は時期によって変わります。
| 時期 | 気候の特徴 | 漢語調 | 口語調のキーワード |
|---|---|---|---|
| 上旬 (〜2/10) | 一年で最も寒い 節分・立春あり | 厳寒の候 余寒の候(立春後) | 寒さ厳しき折 節分を前に 立春を過ぎてもなお |
| 中旬 (2/11〜20) | 立春後・暦は春 体感はまだ冬 | 余寒の候 春寒の候 残寒の候 | 立春とはいえ 暦では春ですが 余寒なお厳しく |
| 下旬 (2/21〜末) | 雨水(2/19頃)後 梅が咲き始める | 向春の候 梅花の候 三寒四温の候 | 春の足音 三寒四温 梅の花がほころぶ |
2月上旬の時候の挨拶例文
2月の時候の挨拶の例文は、上旬・中旬・下旬で使い分けるのが基本です。
立春前後で使える書き出し
2月上旬は節分(2/3)と立春(2/4頃)を境に、使える言葉が入れ替わります。
基準は送る日より、相手が読む日を想定して選ぶほうが自然です。
わたしは2月上旬に余寒の候を使い、立春前で早かったと後から気づきました。
2/3に投函して2/5に届くなら、立春後の表現へ寄せると季節感が合います。
ビジネス向けの例文
取引先や目上の相手には、格式と温かみのバランスが大切です。手紙には漢語調、メールには口語調が読みやすいです。
個人向けのやわらかい例文
友人や知人への手紙・メールには、口語調で短くまとめると自然です。
2月中旬の時候の挨拶例文
余寒・春寒・梅花の使い分け
中旬(2/11〜20)は立春後の時期です。「春を言い切らず、寒さへの配慮を残す」のが中旬らしい表現のコツです。中旬前半(〜2/18)は余寒・春寒系、中旬後半(2/19〜)は雨水以降なので梅花・向春系も使えます。
| 言葉 | 読み方 | ニュアンス | 使いやすい時期 |
|---|---|---|---|
| 余寒の候 | よかんのこう | 立春後に残る寒さ。中旬の定番 | 中旬全般・迷ったらこれ |
| 春寒の候 | しゅんかんのこう | 春になっても続く寒さ | 中旬前半・文学的な印象 |
| 残寒の候 | ざんかんのこう | 冬の寒さが残っている状態 | 中旬前半・まだ冬らしいとき |
| 梅花の候 | ばいかのこう | 梅の花が咲く頃 | 中旬後半(雨水以降) |
ビジネス向けの例文
個人向けのやわらかい例文
2月下旬の時候の挨拶例文
雨水以降の季節感の出し方
雨水(2/19頃)を過ぎると、梅の花が咲き始める地域が増えてきます。「春の気配」を前面に出せる時期ですが、まだ寒い日もあります。「三寒四温」という言葉が下旬の気候をよく表しています。
温暖地の相手に向いている:梅花の候・春隣の候
寒冷地の相手には慎重に:梅花の候(まだ梅が咲いていない場合がある)
ビジネス向けの例文
個人向けのやわらかい例文
時期ごとの詳しい判断基準や注意点を確認したい方は「2月上旬の時候の挨拶」「2月中旬の時候の挨拶」「2月下旬の時候の挨拶」も参考にしてください。 立春前後の使い分けや季節語の選び方をより詳しく解説しています。
結びの挨拶 例文

結びは書き出しと対応させるのが基本です。書き出しで「寒さ」に触れたなら、結びも寒さへの気遣いで締めると文章全体が自然にまとまります。
ビジネスで使える結び
体調を気遣う結び
次につながる結びの型
失礼を避ける注意点
時期ズレしやすい表現
| NG表現 | 問題点 | 正しい言い換え |
|---|---|---|
| 初春の候・新春の候(2月に使用) | 1月の表現。2月に使うと時期がずれる | 厳寒の候・余寒の候(時期による) |
| 余寒の候(立春前に使用) | 余寒は立春後に使う言葉 | 立春前は厳寒の候・寒冷の候 |
| 梅花の候(2月上旬・中旬前半に使用) | 下旬(雨水以降)が自然。早すぎる | 上旬なら厳寒の候、中旬なら余寒の候 |
| 春暖の候(2月に使用) | 3月の表現。2月に使うと先取りしすぎ | 向春の候(2月下旬向け) |
硬さが合わない例
メールやおたよりに漢語調(〜の候)を使うと、相手が構えてしまうことがあります。媒体に合わせて口語調に変えましょう。
同語反復を避けるコツ
書き出しと結びで同じ言葉を繰り返すと、文章にメリハリがなくなります。意識して言葉を変えましょう。
(結び)寒さ厳しき折、くれぐれもご自愛ください。
(結び)余寒なお続く折、くれぐれもご自愛くださいませ。
まとめ

2月の時候の挨拶は、2つを先に決めるだけで迷いがなくなります。
② 相手と媒体を確認する:手紙か、メールか、おたよりか、個人か法人か
この2軸を先に決めれば、あとはこの記事の例文をそのまま使えます。
| 時期 | 手紙(漢語調) | メール・おたより(口語調) |
|---|---|---|
| 上旬(立春前) | 厳寒の候・寒冷の候 | 寒さが厳しい日が続いておりますが…… |
| 上旬(立春後) | 余寒の候・春寒の候 | 立春を過ぎてもなお寒い日が続いておりますが…… |
| 中旬 | 余寒の候・春寒の候・残寒の候 | 立春とはいえまだ寒い日が続いておりますが…… |
| 下旬 | 向春の候・梅花の候・三寒四温の候 | 三寒四温の折、春の気配が感じられるころとなりました…… |
以上です。
