11月のビジネスの時候挨拶｜上中下旬×例文と結び

• 「11月の時候の挨拶、どう書けば丁寧で堅すぎないんだろう」
• 「メールと手紙、どこまで形式を変えればいいのか迷う」
• 「上司や取引先に失礼なく、季節感を出したい」

11月の時候の挨拶は、季節の変わり目を品よく伝えるビジネススキルです。

この記事では、上旬・中旬・下旬の使い分けや、相手別・媒体別にふさわしい表現を解説しました。
漢語調と口語調を整理し、フォーマルにも自然にも使えるテンプレと語彙表を用意しています。

5分で印象の整った挨拶文を作成でき、毎年更新できる定番文も育ちます。 

基本ガイド（まず読む）

11月の文面づくりは、季節の移り変わりを正しく捉えることが要です。
相手や媒体に合わせて、言い方や語の硬さを切り替えるだけで印象は変わります。
まず、上旬から下旬までの区切りを共有し、語感の合う表現を選ぶ準備をします。
次に、漢語調と口語調の違いを押さえ、関係性に合う文体を選びます。
さいごに、メールと手紙の形式差を確認し、頭語や結語の要否を判断します。

上旬・中旬・下旬の時期目安と選び方

上中下の区切りを数えやすく定義し、語感の合う季節語を使い分けます。
日付の目安が定まると、表現の幅がぶれず、読み手の体感季節ともずれにくくなります。
上旬は1〜10日、中旬は11〜20日、下旬は21日以降と定義します。
11月は秋から初冬へ移るため、前半は秋寄り、後半は寒さを意識した語が合います。
文案の冒頭に、温度や天候の話題を1つ入れ、地域差は本文で補います。
締めは、日付の区切りと体感の両方を見て、無理のない語を選ぶことです。

• 上旬目安：1〜10日
• 中旬目安：11〜20日
• 下旬目安：21日〜月末

漢語調とビジネス口語調の使い分け

関係性と媒体に応じて、漢語調と口語調を切り替えます。
儀礼性の高い場や、改まった依頼では漢語調が適します。
日常連絡や、スピード重視の調整では口語調が読みやすいです。
漢語調は「向寒の候」のように、型を使って格を整えます。
口語調は「朝夕の寒さが増してきました」のように、自然で具体の言い方を選びます。
頼みごとは期限と行動を明示し、結びは相手の負担が軽い表現で整えます。

• 漢語調：儀礼性重視、語を固定して統一
• 口語調：要件直結、短文で明快
• 統一：一通内で文体混在を避ける

メール／手紙で異なる形式（頭語・結語）

メールは簡素な礼句が基本で、手紙は頭語と結語の型を守ります。
手紙では冒頭に頭語、末尾に対応の結語を置き、形式で安心感をつくります。
メールでは、件名と宛名、礼句、要件、期日、結び、署名を簡潔に並べます。
手紙は「拝啓」「敬具」などの対応で整え、社内では略式を選ぶ場合もあります。
メールは「あいさつ＋要件＋期限＋お願い＋署名」で、次の行動が一読でわかります。
問い合わせ先を結びに明記し、行き違いの連絡を減らします。

• 手紙：頭語と結語の対応を保持
• メール：簡素な礼句と署名を固定
• 共通：要件と期限の明示

11月の代表語と使いどき

11月は、二十四節気で「立冬」と「小雪」を含む月です。
この時期の言葉は、寒さの兆しを伝える一方で、余韻のある温かさも残します。
時期ごとの語を知ると、形式に頼らず自然に季節を伝えられます。
文面は、地域の気温や行事を意識し、相手が感じる季節感とずれないようにすることが大切です。

向寒・深冷・落ち葉（全般〜中下旬）

落ち着いた印象を与えたいなら、11月中旬以降は「深冷」がおすすめです。
「向寒」は幅広く使える万能語で、取引先や上司宛てにも適します。
「落ち葉」は社内向けやメッセージ文に柔らかく使えます。

• 向寒：フォーマル、11月全般
• 深冷：改まった挨拶、中下旬
• 落ち葉：日常文、親しみを添える

立冬・冷雨（上旬〜中旬）

季節の節目を印象づけたいなら「立冬」、天候の描写を加えたいなら「冷雨」です。
相手の状況を思いやる一文を加えると、ビジネス文にも温度が生まれます。

• 立冬：季節の始まりを伝える
• 冷雨：寒さの中の気遣いを表す
• 結び：相手の健康を案じる言葉で締める

初冬・小雪（中旬〜下旬）

年末が近づくころの静かな空気を伝えるには、「初冬」や「小雪」が合います。
いずれも丁寧な印象を与え、取引先や顧客宛ての文に向きます。

• 初冬：柔らかい語感、穏やかな印象
• 小雪：暦に忠実、信頼感を演出
• 応用：年末前の案内や挨拶状に最適

用途別テンプレ（コピペ可）

以下のテンプレートは、場面別にコピペして使えます。
1行追加するだけで印象が変わるカスタム例も紹介します。

案内・依頼・お礼の書き出し

• 案内：「〇〇開催のご案内を差し上げます」→「初冬の折、〇〇開催のご案内を差し上げます」
• 依頼：「〇〇の件、ご確認をお願いいたします」→「ご多忙のところ恐れ入りますが、〇〇の件ご確認をお願いいたします」
• お礼：「ご協力いただきありがとうございました」→「冷え込むなか、ご協力いただきありがとうございました」

フォーマル結び／口語結びの定型

• フォーマル：「末筆ながら、皆さまのご健勝とご発展をお祈り申し上げます」
• 口語：「季節の変わり目ですので、どうぞご自愛ください」
• カスタム例：「ご多忙と存じますが、今後ともよろしくお願いいたします」

社内向け・社外向けの差し替え語彙

• 社外：「貴社」「ご担当者様」「ご多忙のところ恐縮ですが」
• 社内：「みなさん」「〇〇部のみなさま」「お手数をおかけしますが」
• 共通：「ご確認ください」「よろしくお願いいたします」

NGと迷いやすいポイント

「11月って秋？冬？」――そんな迷いから誤用は始まります。
本来の時期や文体を意識するだけで、相手に伝わる文章になります。
ここで紹介する3つの視点を意識すれば、文章の温度がちょうどよく整います。

季節感のズレと誤用を避けるコツ

• NG：「爽秋の候」→11月下旬は遅い
• OK：「初冬の候」「向寒の折」
• 万能：「寒さが増してまいりました」

相手・媒体に合わない文体選択の回避策

• 社外でNG：「〜ですね」「〜でしょうか」→軽く感じる
• 社内でNG：「貴社益々ご清祥のこととお慶び申し上げます」→堅すぎる
• 理想：「お変わりなくお過ごしでしょうか」「お疲れさまです」

略語・口語の度合いと敬語の整え方

• NG：「ご連絡させていただきありがとうございます」
• OK：「ご連絡ありがとうございます」
• 補足：社外では「ご確認をお願いいたします」、社内では「ご確認お願いします」で十分

11月の時候挨拶（ビジネス）で、よくある質問7つ

まとめ

挨拶文づくりは「迷わず・時短・丁寧」が合言葉です。
11月の表現は、冬の始まりを穏やかに伝えるチャンスでもあります。
ここで紹介した3つの視点を意識すれば、次の季節にも応用できます。

上中下旬×媒体×文体の3軸で迷わない

• 上旬：晩秋・紅葉で余韻を伝える
• 中旬：立冬・冷雨で季節の変化を描く
• 下旬：初冬・小雪で穏やかな締めくくりに

媒体別に口調を調整すれば、どんな相手にも心地よく届きます。

短文テンプレ＋語彙表で時間短縮

• 冒頭：「初冬の候、貴社ますますご清栄のこととお喜び申し上げます」
• 本文：「冷え込みが増してまいりましたが、お元気でお過ごしでしょうか」
• 結び：「今後ともご厚誼のほどお願い申し上げます」

短文テンプレと語彙表を手元に置けば、わずか5分で上品な挨拶文が完成します。

毎年使える更新手順のメモ

• ①前年の文をコピー
• ②季語・時候表現を差し替える
• ③文体を相手別に調整
• ④声に出して読み、語感を確認

この4ステップを繰り返すことで、「自分らしい言葉の定番」が育ちます。

以上です。