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残暑見舞いの基本と送る時期
残暑見舞いは、暑さの続く時期に相手の体調を思いやる便りです。
区切りは二十四節気で、立秋以降に送ると自然で礼を失いません。
暑中見舞いは立秋の前までで、以後は残暑見舞いへ切り替えます。
本文は定型に沿うほど読みやすく、要件も伝わりやすくなります。
迷ったら、当年の暦、到着日の逆算、宛先の格で即決します。
例「残暑の候、みなさまのご健勝を心よりお祈り申し上げます」。
- 切替点:立秋以降は残暑表現
- 中心時期:処暑ごろまで
- 型:時候→安否→近況→結び
立秋~処暑までの目安(2025年版)
2025年の立秋は8月7日、処暑は8月23日です。
この期間は秋の気配を示す語が合い、残暑見舞いへの切替点になります。
送付計画は当年の暦を確認し、投函から到着までを逆算します。
白露は9月7日で、以後は秋の語を使うと文意が整います。
例「立秋の候、みなさまのご健勝とご発展をお祈り申し上げます」。
年で日付が動くため、毎年の確認を前提に運用します。
9月初旬までに届けば可の考え方
原則は8月末ですが、初旬到着でも配慮を添えれば礼を保てます。
遅れの一言と体調への気づかいを加え、秋への移ろいを示します。
例「遅ればせながら、残暑のみぎり、ご自愛のほどお願い申し上げます」。
白露以降は季節の挨拶に移し、近況や予定を簡潔に伝えます。
判断の軸は、到着日、相手の予定、社内基準の三点です。
文面は定型に沿い、語調だけを相手に合わせて調整します。
宛先別に「お見舞い/お伺い」を使い分け
同格や親しい相手は「残暑お見舞い申し上げます」を使います。
目上や取引先は「残暑お伺い申し上げます」も適切です。
両表現は一般的で、敬意の明確化という観点で選ぶと迷いません。
署名前に要件やお礼を一文で添え、読み手の行動を助けます。
例「先日はご高配を賜り、厚くお礼申し上げます」。
- フラット:残暑お見舞い申し上げます
- 目上・社外:残暑お伺い申し上げます
- 添え書き:安否+要件+結び
ビジネスメールの型とNG回避
今日送る一通を整えるには、三つの部品を差し替えるだけで足ります。
件名で要旨と相手を示し、挨拶と安否で温度を整え、近況で要件へ進みます。
結びは期限と方法を並記し、配慮の一句で余韻を残します。
- 件名部品:目的+相手名+日付要素
- 本文部品:季語挨拶+安否+要件
- 結び部品:期限+方法+窓口+体調配慮
件名→挨拶→安否→近況→結びの順
- 件名例:残暑見舞いと面談日程のご相談(御社名)
- 挨拶例:残暑の候、みなさまのご健勝をお祈りします。
- 安否例:酷暑が続きます。ご自愛ください。
- 近況例:来期案件の進捗共有と面談日程の相談をいたします。
- 結び例:〇日までに返信をお願いします。健康をお祈りします。
目上・取引先での敬語と禁則
- 置換表:ご拝見→拝見します/お伺いさせて→伺います
- 敬称基準:御社、貴社、貴店の社内統一を確認
- 確認点:相手名、役職、日付、案件名の照合
ありがちなNGと修正例
- NG:残暑の候!お元気でしょうか
- 修正:残暑の候、みなさまのご健勝をお祈りします。
- NG:〜していただきたく思っております
- 修正:ご対応をお願いします。
- NG:御社様、先方様、顔文字、絵文字
- 修正:御社、先方、記号は必要最小限にする
コピペ可:短文テンプレ(ビジネス)
残暑見舞いは状況に合わせた短文で、礼儀と業務効率を両立できます。
定型は幅広い相手に、休業案内は顧客や取引先への連絡に、返信依頼は案件進行の鍵に使えます。
適切な場面で使えば、短い文でも印象と実務性が高まります。
- 定型:初めての取引先や社外一斉送信
- 休業案内:納期や業務日程に関わる顧客
- 返信依頼:期限や予定が迫る案件
定型(30~60字)×5
- 残暑の候、みなさまのご健勝とご発展をお祈り申し上げます。
- 酷暑が続きます。ご自愛くださいますようお願い申し上げます。
- 残暑お見舞い申し上げます。健康とご活躍をお祈りします。
- 残暑お伺い申し上げます。引き続きお引き立てをお願いします。
- 厳しい残暑が続きますが、益々のご発展をお祈りいたします。
休業案内/お礼併記の型
- 残暑の候、平素より格別のご厚情に感謝申し上げます。〇日〜〇日まで夏季休業いたします。
- 残暑お見舞い申し上げます。先日はお心遣いをいただき感謝申し上げます。休業は〇日〜〇日です。
- 残暑お伺い申し上げます。日頃のご厚情に感謝し、休業期間〇日〜〇日をご案内します。
返信・再訪依頼の一言
- 残暑お見舞い申し上げます。お手すきの際にご返信いただけますと幸いです。
- 残暑の候、先日の件につきご連絡を賜れますようお願いします。
- 残暑お伺い申し上げます。再度お伺いできればと存じます。ご都合をお知らせください。
カジュアル用テンプレ(友人・家族)
夏の終わりに送る一言は、相手の表情を思い浮かべながら選びます。
季語入りは季節を感じさせ、近況は会話のきっかけになります。
改行や句読点の工夫は、短文でも読みやすさを保つポイントです。
- 季語入り:夏の終わりの挨拶に
- 旅行・帰省:写真や話題を添えて
- 改行・句読点:やり取りを心地よく
季語入りの一言テンプレ
- 残暑お見舞い申し上げます。夏の疲れは出ていませんか。
- 立秋を過ぎても暑いね。体に気をつけて過ごしてね。
- 夜風に秋を感じる頃。元気でいてね。
- 処暑を迎えても、まだ日差しが強いね。
- 涼しい風が待ち遠しいね。体調崩さないようにね。
旅行・帰省の近況を添える文
- 残暑お見舞い申し上げます。家族で海に行ってきました。
- 立秋を過ぎましたが、暑さが続きますね。帰省してのんびりできました。
- 処暑を迎えましたが、夏らしい日々です。旅行先でくつろいでいます。
LINE/メールでの改行・句読点
- 1〜2文ごとに改行
- 句読点は少なめ
- 5行以内にまとめる
時候語・結びの言葉リスト
残暑見舞いの一文は、相手の心に季節の風景を届けます。
時候語は気温や日差しの変化を、結びは健康や穏やかな日々を願う気持ちを表します。
相手の顔を思い浮かべながら選ぶと、文章がより温かみを帯びます。
- 残暑の候:暑さ続く中での気遣いに
- 処暑の候:涼しさを感じ始めた頃に
- 晩夏のみぎり:夏の終わりを伝えたい時に
残暑の候/処暑の候/晩夏のみぎり
- 残暑の候:立秋後も暑さが続く時期に
- 処暑の候:暑さが和らぎ始める頃に
- 晩夏のみぎり:夏の終わりをしみじみ伝える時に
健勝祈念/ご自愛/清祥の使い分け
- 健勝祈念:健康と活躍を願うフォーマル表現
- ご自愛:体調を崩さぬよう気遣う時に
- 清祥:健康で穏やかに過ごしている様子を祝う意味
季節語をビジネスに馴染ませるコツ
- 文章全体のトーンと一致させる
- やや堅めの語調に整える
- 相手の近況に触れてから使うと自然
返信・お礼・お中元の書き方
残暑見舞いやお中元への返信は、感謝と次の行動を端的に伝えることで相手の安心感につながります。
礼状は得意先や取引先に、形式を守りつつ温かみを添えるのが理想です。
お中元礼は、品物の感想や使い道を添えると印象が良くなります。
受領連絡は、今後の予定や対応内容を明記して信頼感を高めます。
- 礼状:得意先や新規取引先への丁寧な感謝
- お中元礼:品物の感想や季節感を一言
- 受領連絡:次の行動や日程を具体的に
礼状テンプレ(ビジネス文)
- 残暑お見舞い申し上げます。お心遣いをいただき感謝申し上げます。
- 立秋を過ぎても暑さが続きます。ご厚情を賜り御礼申し上げます。
- 処暑の候、平素よりお引き立てを賜り厚くお礼申し上げます。
お中元のお礼を兼ねる文
- 残暑お見舞い申し上げます。お中元の品を頂戴し、心より感謝申し上げます。
- 立秋を過ぎましたが厳しい暑さが続きます。お中元のお心遣いに御礼申し上げます。
- 処暑の候、素敵なお品をお贈りいただき厚くお礼申し上げます。
受領連絡と次アクション
- 残暑お見舞い申し上げます。確かに受領いたしました。次回打合せで活用いたします。
- お品物を受け取りました。関係各所に共有の上、手配を進めます。
- 頂戴した品を確認いたしました。近日中にお礼に伺います。
残暑の挨拶で、よくある質問8つ
1.暑中見舞いと残暑見舞いの例文はどう違いますか?
暑中見舞いは梅雨明けから立秋前まで、残暑見舞いは立秋以降に送ります。
例文も季節感を反映し、暑中見舞いは夏真っ盛りの表現、残暑見舞いは秋の気配を感じさせる表現にするのが自然です。
2.残暑見舞いのおしゃれな例文には、どんな工夫がありますか?
季節を感じる言葉に加え、個性を出す工夫がポイントです。
例えば季語や趣のある挨拶を入れたり、手描きのイラストや淡い色合いの便箋を使うと、品よくおしゃれに仕上がります。
» 残暑見舞いのおしゃれ例文テンプレ3選【失敗しない言い換え+NG例】
3.時候の挨拶をやわらかい表現にするには?
堅い漢語調を避け、口語や日常的な言葉に置き換えるとやわらかい印象になります。
例えば「晩夏の候」を「夏の終わりの空気を感じる頃」にするなど、情景が浮かぶ表現が効果的です。
4.暑中見舞いで使える時候の挨拶には何がありますか?
暑中見舞いでは「盛夏の候」「炎暑のみぎり」など、真夏の暑さを表す時候の挨拶が定番です。
送る相手や場面に合わせて、カジュアルには「暑い日が続きますね」といった表現も使えます。
5.残暑の手紙の例文はどう作れば良いですか?
残暑の手紙では、季節の移ろいと相手の健康を気遣う文が基本です。
「立秋を過ぎましたが暑さが続きます」と始め、近況や感謝の言葉を添えて、結びに再会や健勝を祈る一文を加えます。
6.残暑見舞いの結びの挨拶はどうすれば良いですか?
結びの挨拶は相手の健康や幸せを祈る言葉で締めます。「ご自愛ください」「健やかな日々をお過ごしください」などが一般的で、相手や場面に応じて柔らかく変えると好印象です。
7.残暑見舞いはいつまでに送れば良いですか?
残暑見舞いは立秋から8月末までが目安ですが、地域や気候により9月初旬まで受け取られることもあります。
遅くとも暑さが落ち着く時期までに届くようにしましょう。
8.カジュアルな残暑見舞いの例文にはどんな表現がありますか?
友人や家族には「夏の終わり、元気に過ごしてる?」など親しみやすい表現が向きます。
季節の出来事や近況を交えて書くと、相手も気軽に受け取りやすくなります。
まとめ(チェックリスト)
残暑見舞いは、送り手の気持ちがそのまま届く文です。
誰に・いつ・どの型で送るかを決め、語調を揃え、送信前に確認すれば、確実に好印象を残せます。
- 相手別の型選び:ビジネス・友人・家族
- 語調の整合:漢語調か口語調か統一
- 送信前チェック:誤字・宛先・添付物
誰に・いつ・どの型で送るか
- 相手:ビジネス・友人・家族など関係性別
- 時期:立秋〜9月初旬まで
- 型:フォーマル・カジュアル・お礼兼用
語調(漢語調/口語調)の整合
- ビジネス:漢語調(例:ご清栄・ご健勝)
- カジュアル:口語調(例:元気にしてる?)
- 混在は避け、全体を統一
送信前の最終チェック3項目
- 誤字脱字がないか
- 宛先や敬称が正しいか
- 添付や同封物が揃っているか
以上です。
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