- 最近、メールや手紙で「夏の挨拶」を書く機会が増えてきた
- でも、どの言葉を使えば失礼にならないのかいつも不安になる
- 丁寧に伝えたいけれど、かしこまりすぎても浮いてしまいそう
この記事でわかること
- 「時候の挨拶」「暑中見舞い」「残暑見舞い」の違いと使い分け方
- 6〜8月の月別で適した挨拶表現や言い回し
- 相手（ビジネス・親しい人・家族）に合わせた文例・トーン調整のコツ
- お中元や夏ギフトに添える一言の作例
- 書き出し・結びのテンプレート集（計20表現＋場面別4パターン）
- メール・手紙での文体やフォーマットの使い分け
- よくある8つの質問と回答
「夏の挨拶」の基本と応用をおさえておくと安心です。
本記事では、時候の挨拶・暑中見舞い・残暑見舞いの違いや使い分けから、ビジネス・親しい人・贈り物に添える一言まで、具体例とともに紹介します。
文例テンプレートや、メール・手紙での使い分け方もまとめています。
形式的な表現でも、思いやる一文を加えることで印象は良くなります。
寄り添った丁寧な言葉が、自然に書けます。
夏 挨拶とは？目的と種類
夏の挨拶は、相手の体調や近況を気づかう日本独特の慣習です。
昔は安否を知らせる「無事の便り」として使われ、現代でもその精神は受け継がれています。
代表的なのが「時候の挨拶」と「暑中見舞い・残暑見舞い」です。
使い分けることで「敬意や思いやり」が言葉として伝わります。
それぞれの役割や違いを具体例とともに紹介します。
時候の挨拶の概要
時候の挨拶は、日本語独自の美しい文化表現です。
たとえば「猛暑の候」は天候を伝えるだけでなく、暑さを一緒に乗り越える気持ちを含んでいます。
形式的に見える言葉でも、選び方によって気づかいがにじみ出ます。
また、四季折々の表現が豊かなため、季節ごとに覚えておくと便利です。
関係性に応じて表現を調整することで、読み手に安心感や信頼を与えることができます。
暑中見舞い、残暑見舞いの違い
暑中見舞いと残暑見舞いは、時期で分類される季節のあいさつ状です。
じつは、もともと旧暦の「立秋」が基準であるため、年によって時期が変動します。
暑中見舞いは梅雨明け後〜立秋前、残暑見舞いは立秋以降〜8月末が一般的です。
はがきに書く例文や表現にも違いがあり、「ご自愛ください」はどちらにも使える便利な締めくくりです。
違いを理解して使い分ければ、相手に好印象を与えやすくなります。
月別｜夏 挨拶のポイント
夏の挨拶は、月ごとに表現を使い分けると、季節感が自然に伝わります。
6月は梅雨、7月は盛夏、8月は立秋以降の残暑を意識した内容にすると効果的です。
挨拶の言葉に季節の移ろいを反映させることで、思いやりが伝わりやすくなります。
6月から8月までの月別の特徴と、適した挨拶表現を紹介します。
6月（水無月）：梅雨に触れる表現
6月は旧暦で「水無月（みなづき）」と呼ばれますが、じつは「水の月」という意味があります。
「梅雨空が続く中」「雨音に涼を感じる日々」など、梅雨ならではの風景を描くと印象が深まります。
この時期は湿度が高く気温も不安定なため、体調を気づかう表現があると安心感があります。
たとえば「蒸し暑さの中、ご自愛のほどお願い申し上げます」といった文面が適しています。
7月（文月）：暑中見舞いの時期と言葉
「文月（ふみづき）」の由来は、短冊に願いを書く七夕にちなんでいます。
このような背景にふれつつ「暑中お見舞い申し上げます」「盛夏の候」などの表現がよく使われます。
暑中見舞いは梅雨明け〜立秋前までが目安です。
暑さの厳しさをやわらげる言葉とともに、体調を気づかう文面が喜ばれます。
8月（葉月）：立秋以降の残暑挨拶術
「葉月（はづき）」は本来、葉が落ちる時期という意味ですが、実際にはまだ暑さが続きます。
「残暑お見舞い申し上げます」「立秋とは名ばかりの暑さが続いておりますが」といった表現が選ばれます。
季節の境目にふれることで、読み手に余韻と丁寧さを残す挨拶になります。
8月下旬には「夏のお疲れが出やすい頃かと存じます」などの言葉が効果的です。
相手別｜文例集
夏の挨拶では、送る相手に合わせた言葉選びが重要です。
ビジネス向けでは礼儀を重んじた表現が求められ、親しい相手には気さくな言葉が自然に響きます。
お中元などの贈り物に添える一言も、気づかいが伝わる文面にすることで印象が良くなります。
相手別の文例と使い分けのポイントを紹介します。
ビジネス向け書き出し＋結び
ビジネスの場では、読み手に安心感や信頼感を与える表現が大切です。
定番の書き出しと結びの例は以下の通りです。
- 書き出し例：「盛夏の候、貴社ますますご清栄のこととお慶び申し上げます」
- 結び例：「酷暑の折、くれぐれもご自愛くださいませ」
どちらも季節感と敬意が伝わる表現で、ビジネス文書に適しています。
親戚・友人向けカジュアル文
親しい相手には、かしこまりすぎない自然な言葉が心に響きます。
日常の延長線上で使える例文は以下の通りです。
- 書き出し例：「毎日暑いね。元気にしてる？」
- 結び例：「また近いうちに会えるといいね」
健康への気づかいや近況への関心が伝わる文面にすると、あたたかい印象になります。
お中元／夏ギフト対応の一言例
贈り物には、一言を添えることで印象がより丁寧になります。
代表的な例を挙げます。
- 例文1：「夏のご挨拶として、ささやかですがお届けいたします」
- 例文2：「暑さ厳しい折、ひとときの涼をお楽しみいただければ幸いです」
「ご自愛ください」という表現は、明治時代から使われている定番の結び言葉です。
書き出し＆結びのテンプレ集
夏の挨拶文を書くときに、最も迷いやすいのが書き出しと結びの表現です。
形式に合わせた定型句を押さえておけば、どんな場面にも対応できます。
挨拶文は形式のようでいて、相手との関係性や体調を気づかう気持ちを形にしたものです。
テンプレートを使う際も、言葉の持つ意味を理解しながら選ぶことが大切です。
夏の挨拶に使える書き出しと結びの文例をテンプレート形式で紹介します。
挨拶のみ（書き出し）10選
- 盛夏の候、ますますご清栄のこととお慶び申し上げます
- 暑中お見舞い申し上げます
- 厳しい暑さが続いておりますが、いかがお過ごしでしょうか
- 連日の猛暑に、夏の本格化を感じるこの頃です
- 暑さが日ごとに増しております
- 蝉の声に夏の盛りを感じます
- 毎日うだるような暑さですね
- 冷房が手放せない季節となりました
- 日中の陽射しが一段と強くなりました
- 夕暮れの空に、夏の終わりを感じる今日この頃です
相手を気遣う結び文10選
- 厳しい暑さが続きますので、くれぐれもご自愛ください
- 夏風邪など召されませぬよう、どうぞお身体を大切に
- 暑さに負けず、元気にお過ごしください
- 皆さまのご健康を心よりお祈り申し上げます
- どうぞご無理なさらぬよう、お気をつけてお過ごしください
- 夏の疲れが出やすい時期ですので、お気をつけください
- 暑さ厳しき折、何卒ご自愛専一にお願い申し上げます
- ご家族ともども、お元気でお過ごしください
- お身体にお気をつけて、健やかな日々をお送りください
- 残暑なお厳しき折、皆さまのご健勝をお祈りいたします
場面別使いまわし4パターン
- ビジネス（取引先）向け：
書き出し：「盛夏の候、貴社ますますご繁栄のこととお慶び申し上げます」
結び：「酷暑の折、皆様のご健勝を心よりお祈り申し上げます」
「酷暑の折、〜」は、真夏の一時期だけに使える季節限定の表現です - 友人宛のカジュアルな便り：
書き出し：「毎日暑いけど、元気にしてる？」
結び：「体調には気をつけて、また元気な顔を見せてね」 - 親戚への近況報告：
書き出し：「蝉の声がにぎやかな毎日ですが、いかがお過ごしでしょうか」
結び：「どうぞご無理なさらず、お身体を大切にお過ごしください」 - お中元に添える一言：
書き出し：「暑さ厳しい折、ひとときの涼をお届けいたします」
結び：「皆さまのご健康を心よりお祈りいたします」
「ご自愛ください」は、明治時代から続く体調を気づかう丁寧な結びです
使い方ガイドと注意点
夏の挨拶を効果的に使うには、いくつかのポイントと注意点を知っておく必要があります。
たとえば、時期に合わない表現を使うと、違和感を与えることもあります。
ビジネスとプライベートでは適切な文体が異なるため、トーンの調整も重要です。
メールや手紙など媒体によって表現や構成を少し工夫するだけで、伝わり方が変わります。
挨拶文の具体的な使い方と、よくあるミスを防ぐコツを紹介します。
時期と言葉のズレに注意
夏の挨拶では、言葉と時期のズレに気をつけることが重要です。
たとえば、「暑中見舞い」は立秋（8月7日頃）まで、それ以降は「残暑見舞い」を使うのが基本です。
年によって立秋の日付は前後するため、注意が必要です。
7月末に送る場合でも、暦を確認して適切な表現を選びましょう。
「暑中見舞いのつもりで8月中旬に送るのはマナー違反とされる場合があります」
相手別トーン調整のコツ
相手との関係性によって、挨拶文のトーンも調整が必要です。
ビジネスでは「ご清栄」「ご自愛ください」などの形式的な敬語を使うのが基本です。
一方で、親しい相手には「暑いけど元気にしてる？」のようなカジュアルな表現も好まれます。
相手が目上かどうかを判断基準にすると選びやすくなります。
親しい相手にあえて堅い表現を使うと、かえって距離を感じさせてしまうこともあります。
メール・手紙でのフォーマット事例
メールや手紙で挨拶文を使う場合、フォーマットの違いに注意しましょう。
メールでは「冒頭の挨拶＋本文＋結び」で簡潔にまとめます。
たとえば、「暑中お見舞い申し上げます。ご自愛くださいませ」といった短文が使われます。
手紙では前文・主文・末文の三段構成が基本で、より丁寧な書き方が求められます。
宛名や日付のずれは、メールでは目立ちやすいミスの一つです。
返信が必要かどうかによっても、表現を変える工夫があります。
避けたいNG表現の具体例と理由
夏の挨拶で避けたい表現として「ご多忙の折〜」など過度に堅い言い回しや 「ご自愛くださいませ」など気取りすぎた文末は、親しい相手には不自然です。
また、猛暑や体調不安を過度に強調するとネガティブな印象を与えるため注意が必要です。
夏の挨拶で、よくある質問8つ
1．夏の挨拶をビジネスで使うときの注意点はありますか？
ビジネスで夏の挨拶を送る場合は、時候の言葉を正確に使い、敬語や結びの表現も丁寧に整えましょう。
堅すぎず柔らかすぎない文章を意識するのがポイントです。
取引先との信頼関係構築にも役立ちます。
»【ビジネス向けの夏の挨拶】上司や取引先に好印象な例文とマナー集
2．カジュアルな夏の挨拶はどんな相手に使えますか？
夏の挨拶をカジュアルに伝える場合は、親しい友人や家族、趣味仲間などが対象になります。
形式よりも気持ちを込めた一文を心がけると、相手との距離が縮まるかもしれません。
3．手紙で夏の挨拶を書くときの基本構成は？
夏の挨拶を手紙に書く際は、「書き出し→近況→本文→結び」の構成が一般的です。
最初に季節の挨拶を入れると、自然で読みやすい印象になります。
句読点や行間にも配慮すると好印象です。
»【夏の手紙の挨拶文マナー】失礼にならない書き方＋時期別の文例集
4．夏の挨拶文の書き出しにはどんな表現が適していますか？
「盛夏の候」「暑さ厳しき折」など、時期に応じた季語がふさわしいです。
やわらかい印象を出したいときは「蝉の声が響く季節となりました」など情景を入れると親しみやすくなります。
5．やわらかい時候の挨拶にするにはどうすればいいですか？
「毎日アイスが欠かせない陽気ですね」「夕暮れに涼を感じる頃となりました」など、日常を交えた表現にするとやわらかい印象になります。
ビジネス文でも応用可能です。
6．夏の挨拶でよく使われる締めの言葉にはどんな例がありますか？
「ご自愛ください」「暑さにお気をつけて」「健やかにお過ごしください」などが一般的です。
相手との関係性や文面のトーンに応じて調整するのがおすすめです。
7．7月の挨拶をカジュアルに伝えるには？
「毎日暑いですね。元気にしていますか？」といった気軽な書き出しがおすすめです。
メールやLINEでも使える内容にすれば、自然に季節の挨拶を伝えられます。
»【7月のカジュアルな挨拶】書き出しのおすすめフレーズ＋メール短文例
8．初夏の挨拶にはどんな表現が向いていますか？
「新緑の香りが心地よい季節となりました」「風薫る季節」など、爽やかさを感じさせる言葉が適しています。
5月下旬〜6月上旬におすすめの書き出しです。
まとめ：季節の気遣いで印象UP
本記事では、月別・相手別・場面別に合わせた挨拶文の使い方を紹介しました。
夏の挨拶は、形式的なやりとりではなく、相手を思いやる大切なコミュニケーションです。
ポイントを押さえれば、メールや手紙でも自然に気づかいを届けられます。
活用ポイント
- 時候の挨拶と暑中・残暑見舞いは時期と意味を正しく使い分ける
- 6〜8月の月別に応じて、言葉や気候表現を調整する
- 相手（ビジネス／親しい人／親戚）に応じてトーンを変える
- 書き出しと結びはテンプレを使いながらも自分らしく整える
- メール・手紙では構成や長さのバランスを意識する
夏の挨拶は「ひと言」を変えるだけで、印象も信頼感も変わります。
すぐに送れるテンプレートや文例も紹介しているので、手元に置いておくと安心です。
夏の挨拶は、形式的なやりとりに見えても、関係性を深めるきっかけになります。
以上です。
P.S.「定型文＋気づかい」で印象は変わります。
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