- 「何となく働きながらモヤモヤ感が拭えない。自分のサラリーマン人生、リセットボタンを押したほうがいいんじゃないか」
- 「部下の指導がどうもうまくいかない。甘やかすのも良くないが、厳しくすると嫌われるのではと恐れている」
- 「会社のどこが間違っているのかわからない」
この記事はそんな方へ向けて書いています。
本記事は、『社畜のススメ』藤本 篤志【著】のグッときたところ3つを引用した感想・書評です。
この記事を読むことで、社畜としての新しい生き方がわかります。
本記事を書いている私の社畜歴は19年8ヶ月です。
社畜一筋で身も心も会社に捧げた結果、現在は体と心を壊して休職中です。
Contents
【感想】社畜を辞めたいと思ったら読む本『社畜のススメ』グッときたところベスト3
グッときたところベスト3
- 【第1位】社畜のすすめ
- 【第2位】社畜度テスト
- 【第3位】ダメな社畜にならないために気をつけてほしいこと
【第1位】社畜のすすめ
サラリーマンにとって、親に相当するのが会社、もしくは上司です。栄養とは、経験を含めた知識です。上司に身を委ねるということは、知識の取捨選択をすることなく、会社側が教えようとしていることを実践を通して、すべて受け入れるということなのです。すべてを受け入れることにより、栄養の偏りの結果生じる虚弱体質になる確率は相当軽減され、成熟した大人、つまり歯車を動かす側の立場を十分に担える偏りのない知識が身に付いた、成熟サラリーマンになる土台を築くことができるのです。
「守破離」の守の徹底です。
自分らしさや個性を捨て、下積み期間は模倣する。
「言われた通りにまずは実行しよう、成長に繋がるから」と。
私も入社当時は真似することが精一杯で、「独自性を出そう、自分の色や工夫を加えよう」とは思いませんでした。
余裕もなかったのです。
「守」の時期に必要なのは「模倣と既存の組み合わせ」です。
旅行会社での行程作成もモデルコースの模倣と、過去のコースの組み合わせでした。
スパイスとして、たまに自分が旅行した時に面白かった観光地を混ぜることはしました。
あくまで基本は模倣です。
著者によるサラリーマンの成長ステップ
1.ひたすら知識カードを増やす
2.知識カードを組み合わせる練習を繰り返すことで検索エンジンを磨く
3.応用を実践することで、さらに知識が増え、検索エンジンの能力も向上する
会社員の「守」の時代に叩き込まれた仕事の仕方は役に立っています。
ワークライフバランスはなかったですが、当時の経験が基礎を作りました。
心身に影響が出るようなブラック企業は即刻、見切りをつけるべきですが、ブラック企業でなければ、頭ごなしにサラリーマンを否定する必要はありません。
自分のやり方次第で会社から学べるもの、吸収できるものはあるのです。
「守破離」とは、人が成長していくプロセスの重要性を説いたものです。
「守」の段階では、師に決められた通りの動き、形を忠実に守る。
「破」の段階では、「守」で身につけた基本に自分なりの応用を加える。
「離」の段階では、これまでの形に囚われず、自由な境地に至る。
【第2位】社畜度テスト
社畜度テスト10個を引用します。
□会社の悪評や批判に接したときは、我がことのように腹が立つ
□プライベートで先約があっても、仕事に入ったら仕事をついつい優先してしまう
□家族よりも会社の人と顔を合わせている時間が長い
□会社の同僚や先輩に仕事で差を付けられたくないし、またその努力もしている
□仕事とプライベートのオンオフを明確に使い分けられない
□寝る前にふと考えることは、仕事のことが多い
□休日でも、仕事関連の本や雑誌をよく読む
□社内の派閥やグループ活動に積極的に参加している
□結婚式に呼ぶ知人は半分以上が会社関連の人だった(になるだろう)
□社是、社則など会社の決まりごとは一字一句覚えている
5つ以上当てはまると、立派な社畜です。
私は会社員時代の状況でテストすると、6個、該当していました。
当てはまらなかった4つは、1番目、8番目、9番目、10番目です。
会社への忠誠心はなかったので、会社の悪口は聞き流せました。
当てはまった6個から思い出した具体例は以下の通りです。
- 仕事を最優先
- 家に仕事を持ち帰る
- 常に仕事のことを考えている
- 休日でもビジネス書を読みあさる
- 会社の携帯を休日でも持たされ、外出しても携帯を所持する
24時間、仕事です。
仕事は人生そのものでした。
「人間は仕事をするために生まれてきたんだっけ?」という思いです。
仕事が辛いと人生が辛い。
仕事を辞めたいと、人生を辞めたい。
論理的です。
休職している今、チェックしてみる
休職している現在、チェックしてみると4つ当てはまりました。
下記、具体例です。
- 他の人に負けられないのでブログで努力している
- ブログはプライベートでも常に書いている
- 寝る前も含めて常にブログのことを考えている
- 休日でもブログ関連の本やnoteを読む
セルフブラック企業ですが、好きでやっているので苦になりません。
ブログは「仕事×勉強×遊び」が合体したものです。
気持ちはプロとして書いています。
趣味の家庭菜園ではなく「プロの百姓」です。
原動力は「2度と社畜に戻りたくない」です。
【第3位】ダメな社畜にならないために気をつけてほしいこと
奴隷社畜にならず、クレバー社畜になるための18か条です。
- 配属三ヶ月で自分のセンスを見極める
- 分不相応に焦らない
- 会議では意見、質問をする
- 時の上司に対する感情で会社を評価しない
- 社畜時代は、管理職になるための通過儀礼だと心得る
- 他人の悪口は言わない
- すべて一歩早く
- 他の世代を見下さない
- 社内人脈は成り行きではなく意図的に広げる
- 社内報など社内情報には気を配る
- 成功者の結果だけを見ない
- 通勤電車では読書を
- 継続的な情報収集を心がける
- 余計な評判は気にしない
- できない理由を真っ先に考えない
- 自分の「見え方」を意識する
- 目先の勝ち負けにこだわらない
- 謙虚さは最大の武器と心得る
情報収集は社畜でも社畜でなくても大事です。
電車に乗るとTwitterをやりたくなります。
ただ、ある程度まとまった時間であれば読書がおすすめです。
Twitterは隙間時間にやるのがベストです。
本がなければ中吊り広告を見て、世の中のトレンドをつかむのもありです。
『社畜のススメ』をなぜ読もうと思ったのか
社畜ワードに惹かれて
「社畜」というキーワードに惹かれて購入しました。
本書は、社畜のススメではありません。
社畜礼賛というよりは「ビジネスマンとしての働き方について書かれている」という印象です。
社畜19年8ヶ月の自分とは何か【チェックリスト】
私は旅行会社の社畜として19年8ヶ月勤務し、体と心を壊しました。
現在は会社に籍は残しつつ、2019年2月より休職しています。
社畜時代は何の疑問も持たず、下記スタイルで仕事をしました。
チェックリストです。
- 朝7時に出社して、早朝の時間を有効活用して仕事をする(前業代はつけず)
- 数年前までどんな仕事をしても残業代は月に20時間までしかつけられなかった
- 自分が悪くなくても、仕事を取るためにお客さまにはとりあえず謝っておく
- お客さまのリクエストにNO回答はしない(必ず代案がある)
- 仕事は相手が期待する100%以上のものを提出する
- 社内の嫌な仕事も断らず、すべて引き受ける(無理な場合は何かしらの代案をだす)
- 社内の誰もやりたがらないボランティア活動を7年間、我慢して活動する
- 部長には意見しない
- 社内評価を必要以上に気にする
- 早く帰ることに罪悪感を感じる
- 有給休暇や夏休みは取らない(仕事が溜まるから)
- 休日出勤をして仕事を終わらせる(残業代がつくのでタイムカードはつけない)
- 添乗の下見に自腹で行く(これは半分遊びだから喜んで行きました)
- 自腹でボールペンを購入する
- 仕事が終わらないため深夜3時まで仕事をして、翌日は休日にも関わらずお客さまのところへ謝罪に行く
- 最寄駅付近で倒れてしまうくらい仕事をしても会社を辞めない、改善しない
- 慢性蕁麻疹になっても1年半、我慢して仕事を続ける
- 「慢性蕁麻疹、抑うつ、睡眠導入剤」の3種類の薬を1年半、飲みながら仕事に邁進する
- 転職が選択肢に入っていない
上記を「社畜」と言います。
自分の意思を失い、思考停止で、我慢しながら死んだように仕事を続ける。
毎日会社を辞めたい、死にたいと思いながら、死んだように仕事を続ける。
奴隷のように腐った目をしながら、何度でも立ち上がりながら仕事を続ける。
会社員時代は地獄絵図でした。
離職者が多いので、後輩が育ちません。
「会社を辞めたい」と思っても、給与は下がる、条件は悪くなるなどの負のイメージから抜け出せず、会社にしがみついていました。
なお前業のメリット、残業のデメリットについては「早朝に仕事をするメリット7つと残業のデメリット3つ【前業のススメ】」で詳しく解説しています。
社畜はスキル面では重要
社畜であることは「自分の能力を引き出せ、スキルアップできるという面から見れば、大事なことなんじゃないか」と考えを新たにしました。
ただ、私の場合は社畜期間が長すぎました。
社畜は長くて10年もやれば十分です。
心と体を壊しては意味がありません。
『社畜のススメ』は社畜に辞めたい人におすすめ
こんな方におすすめ
- 社畜になりたくない若いサラリーマン
- 社畜をやめたい上司、先輩サラリーマン
- 経営者
著者:藤本 篤志のプロフィール
1961(昭和36)年大阪生まれ。大阪市立大学法学部卒。
USEN取締役、スタッフサービス・ホールディングス取締役を歴任。
2005年、(株)グランド・デザインズを設立して代表取締役に就任。
6つの章で構成【書籍情報】
目次
第1章.「自分らしさ」の罪
第2章.個性が「孤性」になる悲劇
第3章.会社の「歯車」となれ
第4章.ビジネス書は「まえがき」だけ読め
第5章.この「ウソ」がサラリーマンをダメにする
第6章.「クレバーな社畜」がベストの選択
書名 | 『社畜のススメ』 |
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著者 | 藤本 篤志 |
単行本 | 191ページ |
出版社 | 新潮社 |
発売日 | 2011/11/1 |
まとめ:社畜を辞めたいと思ったら読む本『社畜のススメ』
完璧な社畜時代は、1日16時間、働きました。
朝6時に出社して、ロクに昼食も取らず24時まで仕事です。
残業代はナシです。
「最大限、仕事をした」という充実感と満足感に浸っていました。
完全にブラック社畜です。
会社のために働く自分に酔っていたのです。
入社3年目くらいまでに読んでおくと吉
入社3年目くらいなら、働き方を修正しすいからです。
「こんな働き方もあるよ」と語りかけてくるビジネス書です。
社畜という守の時代にいかに基礎を吸収すべきか。
社畜を違った角度から見られる1冊です。
以上です。
P.S. 社畜から自由になろう。
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