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日本一の添乗員が書いた接客の作法がわかる本【読書感想文・書評】添乗とは究極のサービス業

2019年11月20日

日本一の添乗員

親愛なる君へ

  • 「日本一の添乗員の接客の作法が知りたい」
  • 「おもてなしの心が知り、自身のサービス業に活かしたい」
  • 「添乗員としてスキルをさらに伸ばしたい」

この記事はそんな方へ向けて書いています。

数年前に読んだ本ですが『「日本一の添乗員」が大切にする接客の作法』原 好正【著】を読み返しましたので紹介します。

本記事は、『「日本一の添乗員」が大切にする接客の作法』を読んで、自分の心にグッときたところを3つ引用し、読書感想文を書いています。

この記事を読むことで、接客の作法、添乗員の体験談、おもてなしの心を知ることができます。

本記事を書いている私は新卒で旅行社に入社し、法人営業職として18年間勤めました。
国内・海外問わず100本ほどの添乗経験があります。
添乗前は本書を何度も読み返していたものです。

日本一の添乗員が書いた接客の作法がわかる本【読書感想文・書評】添乗とは究極のサービス業

日本一の添乗員

なぜこの本を読もうと思ったのか

添乗員が書いた本は少ないです。
その中でも内容がしっかりしてそうな本だったので購入しました。

著者は日本一と認められた添乗員の賞『ツアーコンダクター・オブ・ザ・イヤー』を受賞しています。
「日本一の添乗員が書いた接客の作法、おもてなしの考え方」を知りたいと思ったのです。

関連記事究極の添乗員とは【ツアーコンダクター・オブ・ザ・イヤーを紹介】

日本旅行の日旅ニュースでは、2014年に「国土交通大臣表彰」も受賞されています。

>> 日旅ニュース

本書は4つの章で構成

目次

第1章.サービスに「正解」は存在しない――接客の心構え
第2章.ツアーコンダクターは「旅の指揮者」――お客さまの満足度を高める方法
第3章.トラブルを「旅の思い出」に変える――トラブルへの対処法
第4章 「笑顔」に始まり、「笑顔」で終わる――コミュニケーションの作法
付録.旅をもっとお楽しみいただくために

『「日本一の添乗員」が大切にする接客の作法』は、こんな人におすすめ【サービス業に携わるすべての人へ】

こんな方におすすめ

  • 添乗員。
  • サービス業に携わるすべての人。
  • 添乗員に興味がある人。

添乗員の方におすすめなのは当然です。
初心者から上級者まで誰が読んでも得るものがありますが、特に経験の浅い方に読んで頂きたいです。
私が「添乗を始めた頃に読んでおけば、防げたトラブルがたくさんある」と感じたからです。

添乗員関連の書籍では、一番勉強になる本です。

添乗員以外のサービス業に携わっている方にも参考になるはず。
サービス業の根底にある「おもてなしの心」がしっかりと書かれているからです。

掲載されている具体的な体験談は添乗中のものですが、お客さまへの考え方・対応の仕方は他のサービス業でも共通です。
仕事に真摯に取り組んでいる方には、得るものがあります。

著者のプロフィールを引用します。

原 好正
1947年生まれ。
グアム島「インターナショナル・ビジネス・カレッジ」卒業後、日本通運に入社し、添乗業務をスタート。
世界各地を訪れるパッケージツアーのほか、企業や各種団体の海外視察旅行などでも添乗員を務める。
2008年1月には、日本旅行グループの添乗員派遣会社である「JATS(ジャッツ)」に移籍。
1973年の初添乗以来、添乗日数は8100日を超え、添乗回数は778回以上、訪れた国は120カ国以上。
2007年に、日本添乗サービス協会がツアーコンダクター(添乗員)の模範として多大な貢献を行った者を表彰する、「ツアーコンダクター・オブ・ザ・イヤー」グランプリ(国土交通大臣賞)を受賞。
2014年4月には「観光関係功労者国土交通大臣表彰」を受賞

著者はツアーコンダクター一筋の人生で、添乗日数は8,100日を超え、ご案内したお客さまは2万人以上です。
訪れた国は120ヵ国以上、最も多い渡航先はヨーロッパ、他にも北米、中南米、アジア、アフリカ、オーストラリアと、南極以外のすべての大陸に行っています。
世界一周の添乗も10回です。

さらに著者は努力家です。
語学習得を勉強する姿勢(著者は8カ国語を話せます)、準備期間が少ない中でも図書館へ通い勉強する、身銭を切って体験をするなど、常に新しいものを吸収する姿勢に脱帽です。

書名:『「日本一の添乗員」が大切にする接客の作法』
著者:原 好正
文庫:224ページ
出版社:朝日新聞出版 
発売日:2015/9/18


日本一の添乗員が書いた接客の作法がわかる本を読んで、自分の心にグッときたところベスト3

世界一の添乗員

ドッグイヤー(本の端を折る)の数は41になりました。
何度も読み返してグッときたところ3つを厳選しました。

第1位 お客さまの心を動かすサービスとは

ツアーコンダクターにとって、どのようなお客さまに対しても平等に接するのがサービスの基本です。お客さまのなかにはお得意さまやリピーターがいても同じです。
基本的には、順番に対応します。すべての方が同じようにお金を払ってツアーに参加しているからです。ただし、同時の場合は、年配の方を優先するとよいでしょう。
自分にとっては大勢のお客さまひとりであっても、お客さまから見たらツアーコンダクターと自分は1対1の関係です。お客さまはツアーコンダクターの言動をよく見ています。これはどの接客業でも同じでしょう。
だからこそ、誠実なサービスの積み重ねでしか、お客さまの心を動かすことはできないのだと思います。特別なサービスを提供しようとアイデアを練るのはよいことですが、奇策で一度は喜んでいただけたとしても、そのようなサービスは得てして長続きしません。ツアーコンダクターの場合、お客さまと接する時間が長くなりますから、誠実さというものがより一層重要になってくるのです。
ここでいう誠実さとは、お客さまの気持ちをくみとろうとする気持ちです。ツアーコンダクターである私の場合、お客さまに旅を楽しんでいただくにはどうすればよいかを考えて、何ができるかを考えることにつきます。

誠実なサービスの積み重ねが、お客さまの心を動かす。

いきなり結論ですが、これしかありません。
誠意なのです。

「どんな事態も誠意を持ってことにあたれば解決できる」
私の以前の上司の言葉です。

添乗中や仕事中に「もうダメだ」と思ったことは何度もあります。
その度に「誠意」という言葉を思い出してきました。
背中を押してもらってきたのです。

常にお客さまのことを考える

「こうすればお客さまは喜ぶ」

この方法を知っている人がいれば教えて欲しいですが、簡単にお客さまを喜ばせる方法は存在しません。
添乗マニュアルはあっても、お客様が喜ぶマニュアルはありません。

サービスマニュアルは自分で作り上げるものです。

・今までの経験
・今までの知識
・考え続ける力

3つを総動員して、常に「お客さまのために何ができるか」を考え続けることでサービスができるのです。

失敗することもありますし、成功することもあります。
それはまた次回のサービスのための経験となって自分の血肉になります。

お客さまの心を動かすのに近道はないと、改めて実感しました。

オーロラを見に行くツアーで、オーロラを見ることができなかったら

正解はありません。
やることは常にひとつです。

お客さまのために何ができるか考え続けることです。

本書での対応もケースバイケースです。

・残念なお客さまの気持ちを配慮して、黙って寄り添う。
・帰りの飛行機の席をオーロラが見えるかもしれない左側の窓側に、すべて変更する。

私だったら座席を移動させておくことなど、思いつきません。
どうすべきか、想像ができません。
祈るだけ祈って、オーロラが見えなかったら、何も声かけできずに「お葬式モード」になっていたかもしれません。

「添乗員のサービスの追求にゴールはない、それだけやりがいのある仕事なのだ」と改めて考えさせられました。

第2位 交渉は笑顔で粘り強くが基本

旅行中はイレギュラーな出来事も多く起こります。「飛行機が飛ばない」「ホテルの部屋が用意されていない」「レストランの予約時間が違う」などといった不測の事態を切り抜ける方法を探すのも、ツアーコンダクターの役目です。
そのとき必要になるのが、交渉能力です。
交渉能力といっても、特別な才能が必要というわけではありません。
たとえば、ホテルの部屋がひとつ足りなかったとき。一番大切なのは、笑顔で紳士的に話をすることです。
たとえホテルに宿泊するお客の立場とはいえ、「そっちが間違ったんだから、すぐに部屋を用意しろ!」などと強い口調で命令するのは絶対にいけません。とくに欧米の人には、たとえ相手がお客であっても「人として対等である」という意識があるため、上からものを言うと、かえって交渉は難航します。
たとえば、
「ごきげんいかがですか?今日も寒いですね。ところで、部屋のことなんですが、予約したはずの私の部屋がないんだけれど、どうにかなりませんか?」などとやわらかい口調で、まずはお願いをします。
そのときも、現地の言葉を使うのがベストです。そのほうが会話もスムーズですし、先ほども言ったように気持ちも通いやすくなります。
また、一度「無理です」「ダメです」と言われてもすぐに引き下がらないこと。
「そこをなんとかならないかな」
「どんな部屋でもいいから」
と粘り強く交渉します。そのときも、笑顔と紳士的な態度を忘れてはいけません。
相手も人間ですから、失礼な態度をとる人を助ける気にはなりません。反対に印象がよい人であれば、なんとかしてあげたいと思うのが人情でしょう。
トラブルが起こっても、交渉次第で挽回できるケースも多いものです。

本書から交渉の仕方を学びました。
添乗員の交渉の仕方について、ここまで具体的に書かれている本はありません。

交渉のコツは3つです。

・高圧的にならないこと。
・笑顔で交渉すること。
・あきらめないこと。

本書を読んでから、旅行に関わる様々な協力機関(ホテル、バス、列車、飛行機、食事施設、観光施設など)と交渉するときは、上記3つを心がけました。

相手のミスで窮地に立たされることは多数あります。

・宴会場が、舞台付きじゃなかった。
・貸切で予約したレストランが、貸切じゃなくなっている。
・ホテルの部屋数が足りない。
・バスが道を間違える。
・飛行機の出発時間が、整備不良のため大幅に遅れる。

こちらのミスでピンチの陥ることもあります。

・バスの配車場所が間違っていた(配車図が印刷でずれる)
・人数の確認間違いで、前の立ち寄り場所に一人置いてきている。
・視察予定の店舗が休業日だった。

他にもたくさんあります。

相手のミスでも、こちらのミスでも、重要なことは先ほどの3つです。

・高圧的にならないこと。
・笑顔で交渉すること。
・あきらめないこと。

高圧的になっても解決しません。
相手の焦りや、反発につながります。
相手の協力が得られなければ、添乗は前に進まない職業です。

笑顔で粘り強く交渉するしかないのです。

この手法でどれだけピンチを脱出したか数え切れません。
たくさんの窮地を救ってくれました。

ときどき協力機関に高圧的になっている人を見かけますが、良い印象を抱きません。
事態が好転する確率を自ら下げるようなものです。
反面教師にしています。

第3位 上手に休むのも仕事のうち

また、何事も楽しむためには、元気でなければなりません。疲れ切っているときは、それが好きなものであっても楽しむ余裕がなくなってしまうでしょう。とにかく、きちんと休息をとって、心身が健康な状態を保ちたいものです。
とはいっても、繁忙期など、ときには、どうしても疲れやストレスがたまってしまうこともあるでしょう。ツアーコンダクターの場合、朝から晩までお客さまと一緒なので、なかなか気の休まる時間がないのも事実です。
だからこそ、「上手に休むスキル」を磨く必要があります。
私がひとつ心がけているのは、お客さまにつき合いすぎないことです。
お客さまから「食事をご一緒しませんか?」「食事の後、飲みに行きませんか?」などとお誘いをいただく場合もありますが、いつもつき合っていては体が持ちません。そのときの状況にもよりますが、体と相談して「お誘いいただき、たいへんうれしいのですが、残念ながら、これから部屋でやらなければならない仕事がございまして」などとお断りする場合もあります。
ただ、愛想が悪いと誤解をされてしまってはつまりませんので、第4章で紹介している「コミュニケーションの作法」を参考になさってください。

以前、視察旅行の添乗をしていたころには、夜中に呼び出されて、「参加者全員にこの資料を配っておいてくれ」などといった頼みごとをされたこともありました。
そのときは「かしこまりました!」と受け取ったうえで、ホテルのボーイに部屋番号を書いた紙とチップを渡して代行してもらいました。お金はかかりましたが、それくらい体を休める時間は重要だと思います。

上手に休むスキルは重要です。

添乗は体力勝負だからです。
本書を読んでからは意識して休みを取るようになりました。

体験談

添乗員時代の私は、ついついお客さまにつきあい過ぎてしまいました。
視察旅行や社員旅行などの添乗で、夕食後は二次会、三次会に同席し、深夜まで飲んでしまうのです。
最長で朝3時くらいまで飲んだこともあります。
まともに睡眠が取れないので、翌日は疲労困憊で添乗をしていました。
お客さまとの飲みが楽しいと、ついつい合わせてしまうのです。

お客さまからは「そんなに常に気を張っていると疲れちゃうよ」とよく言われたものです。

「いい加減は、良い加減」という言葉をいただいたくらいです。

よほど休むのが下手だったのです。
休職してしまうわけです。

上手に休み、メリハリのある添乗ができるようになると、自分にも余裕が出てきます。
余裕が出てくると、お客さまにできるサービスを考えられたり、突発的なトラブルにも対応できるものです。

ただでさえ疲れる旅行が、仕事になればさらに疲れるのは当たり前です。
常にお客さまと行動をする添乗員は、気の使い方も細やかでなければいけません。

上手に休んで、余裕を持っておくことが大事なのです。

引用文の最後の「ホテルのボーイに資料を配ってもらう」という工夫は「なるほどな」とうなづきました。
このような添乗で使える具体的な工夫が、本書には散りばめられています。

日本一の添乗員が書いた接客の作法がわかる本【読書感想文・書評】『「日本一の添乗員」が大切にする接客の作法』原 好正【著】デメリット、メリットのまとめ

世界一の添乗員

本記事では『「日本一の添乗員」が大切にする接客の作法』原 好正【著】の読書感想文を書きました。

この本1冊で得られるものが多い、深い本です。

本書のデメリット、メリットをまとめます。

デメリット

強いてデメリットをあげるとすれば、国内旅行についてはあまり書かれていないことです。

ただ、本書に書かれている考え方、行動の仕方は、国内添乗でも十分応用できるものです。
国内のおすすめレストランや国内添乗のおすすめホテル、添乗失敗談などを期待されている方は、本書は適していないと感じます。

メリット

・おもてなしの心
・添乗員体験談
・トラブル回避法
・トラブル対処法
・添乗員の努力の仕方
・細かい気配り、工夫
・笑いのとり方
・おいしいお店の見つけ方・選び方
・失敗しないメニューの選び方
・見ていただきたい景色ベスト3
・何度でも食べたくなる名物料理ベスト3

本書を読めば上記がわかります。

私は今は休職して添乗から離れてしまっていますが、当時は添乗前にパラパラと本書をめくったものです。
その時々で目に止まる文章は異なりますが、本書には挫けそうになる自分を支えてもらいました。

今でも添乗員は「究極のサービス業」という誇りを持っています。

今もなお現役の添乗員さんと、サービス業に従事する方へエールと一緒に本書を捧げます。

以上、『日本一の添乗員が書いた接客の作法がわかる本【読書感想文・書評】添乗とは究極のサービス業』の記事でした。

こーいちより

P.S. おもてなしの作法を学び、仕事に応用しよう。



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