- 「不幸にならない方法を知りたい」
- 「幸福になる方法を知りたい」
この記事はそんな疑問を持つ方へ書いています。
『不幸論』中島 義道【著】を読みました。
本記事は『不幸論』を読んで、グッときたところを3つ引用した書評です。
この記事を読むことで、不幸とは何かがわかり、幸福になる方法がわかります。
Contents
【書評】『不幸論』不幸を避けるために自分本位で動く
本書を手に取った理由
本のタイトルから下記を期待したからです。
・不幸にならない方法がわかる
・幸福になる方法がわかる
本書を読んだ正直な感想としては「書いてあることが難しくて理解できないところが多い」です。
読み終わった後に、線を引いた箇所だけ読み直しても難しく感じます。
本書は「少し読みごたえのある深い哲学書」です。
わかりやすさ、読みやすさは期待しないほうが良いです。
「読みごたえや、思考の材料」としての読書であれば期待できます。
『不幸論』は6つの章で構成
目次
第1章.幸福のための条件
第2章.さまざまな幸福論
第3章.幸福がもたらす害悪
第4章.相対的不幸の諸相
第5章.「死」という絶対的不幸
第6章.自分自身の不幸を生きる
文章がやさしく感じた章はありません。
簡単な本ではないです。
深い本です。
『不幸論』は、こんな人におすすめ
こんな方におすすめ
- 不幸に興味がある人
- 幸福に興味がある人
- 生き方について考えたい人
考えることが好きな人にはおすすめです。
難解なためじっくり腰をすえて考えをめぐらすことができるからです。
著者:中島 義道のプロフィール
1946年福岡県生まれ。1977年東京大学人文科学研究科修士課程修了。1983年ウィーン大学哲学科修了。哲学博士。
現在、電気通信大学教授。専攻は時間論、自我論、コミュニケーション論。
哲学が好きな一般の人たちを対象に哲学の道場「無用塾」を主宰している
書名:『不幸論』
著者:中島 義道
文庫:206ページ
出版社:PHP研究所
発売日:2002/10
『不幸論』のグッときたところベスト3
グッときたところベスト3を引用します。
【第1位】自分本位に動く
私は半隠遁が実現できたら、嫌われてもいいと思った。そうしたら、(少なからぬ人から)好かれるようになってしまった。
貧乏でもいいと思った。そうしたら、金持ちになってしまった。
少年のころから人間関係がうまくいかず、友人もいなくて寂しい思いをしていた。半隠遁に突入して、独りになりたいと念願した瞬間、多くの友人や理解者に恵まれた。わかってもらいたいと思っていたとき、だれ一人としてわかってくれなかった。だが、わかってくれなくていいと居直ったとたんに、多くの人がわかってくれるようになった。
徹底的に自分本位に動いているうちに、逆に人間関係はスムーズに運ぶようになった。
かつて、アレも欲しい、コレも欲しいと思っていたときは、何も与えられなかった。今、アレも要らない、コレも要らないと思っていると、次々に与えられるようになってしまったのである。
これはどうしたことだろう。こうした現状を、私は虚ろな眼で眺めている。
そして、疑いなく私は幸福ではないのである。自分が不当に恵まれていることが新たな負い目となって、私をグサグサ刺しつづける。
「熱心に仕事をしなくなったら、仕事がたくさん舞い込んできた」
「ブログを手抜きして書くようになったら、検索上位表示されるようになってきた」
そんな言葉を言ってみたいです。
旅行会社で必死に仕事をしていた頃は、どんなにたくさん仕事をしても評価は一緒でした。
それだったら仕事をしないほうが得ですが、「誰も褒めてくれないことだからこそ自己肯定感が上がる」と自分を言い聞かせていたものです。
「相対的自己評価の方法」とでも言うのかもしれません。
捨てれば入ってくる
引用した文章から「捨てれば入ってくる」ことを思い出しました。
下記のとおりです。
・会社を辞めると言ったら、2ヶ月有給休暇の取得を許された。
・2ヶ月の有給休暇を取得して会社のキャリアを捨てたら、積立式の保険金が期日満了でふってきた。
・会社に復職しないと決めたら、適応障害と診断され休職を延長できた。
・会社の給与を捨てたら、傷病手当金が入ってきた。
・休職中に始めた英語、数学、国語の勉強を捨てたら、ブログのやる気が出てきた。
・ランニングの日課13kmを10kmにしたら、読書の時間ができた。
・昔に読んだ本を捨てたら、捨てた本がブログネタになった。
・会社のストレスを捨てたら、体重が増えた。
・会社で得ていた仕事の刺激を捨てたら、新しいことをしたい気持ちになった。
・会社での人間関係を捨てたら、別の場所で新しい人間関係ができた。
捨てれば、入ってくるのです。
捨てるとどうなるか先が見えないので、なかなか捨てづらいですが、捨てれば入ってきます。
入ってくることがわかると捨てることが怖くありません。
捨てれば入ってきますので大丈夫です。
逆に言うと、捨てないと入ってこないのです。
欲しいものや手に入れたいものがあれば、まず捨てましょう。
捨てれば入ってきます。
会社を辞めても大丈夫です。
会社のキャリアを捨てても大丈夫です。
捨てないと何も変わらないのです。
【第2位】どうしようもない不平等
われわれは生きているかぎり、さまざまな不幸に取り囲まれている。それは、あらためてここに挙げるまでもなく、だれでも知っていることである。だが不思議なことに、大多数の者はそれを正確に論ずること、いや言葉にすることすら厭がる。
まず、生まれたときからわれわれを襲うのは、どうしようもない不平等である。
ある人は生涯健康を保つことができ、ある人は仕事において全く報われずに、人生を終える。ある人はすばらしい友人や恋人や師に恵まれ、ある人はこれらを熱烈に望みながらも何も与えられずに年老い、そして死んでいく。ある人は美しい肉体と高い知能を与えられ、ある人は醜い肉体と貧弱な頭脳を与えられて生きるほかなく、そして死んでいく…
人間は生まれた時から不平等です。
身体能力から頭の良さなど全てが一律ではないです。
同じ条件で生まれてくる人など誰もいません。
人と比較すると不幸になります。
生まれついての環境や自分の外見や資質については変えようのない部分もあるからです。
どうしようもないこともあるのです。
「人間は生まれながらにして不平等だ」というところに共感しました。
最後は誰でも死んでいきます。
平等にみんな、いつか死んでいくのです。
生きる時間は人それぞれですが、死ぬことは全員同じです。
人と比べずに、共通の死に向かって生きる。
幸福の第一歩です。
【第3位】傷つけ合う
私は他人をーいかなる他人でもーある程度傷つけても、悲しませても、苦しめてもいいと思っている。いや、他人をある程度傷つけ、悲しませ、苦しませることなしには、その人と真摯につき合うことはできないと思っている。ということは、自分自身も他人から相当程度苦しめられても、傷つけられても、悲しまされてもしかたないということだ。
私は、互いにある程度傷つけ合うこうした関係から、真実で豊かな人間関係が開かれると信じているのであるが、現代の「普通の」日本人はとうていこれを受け入れてくれないであろう。
人間同士が傷つけ合うのは必然です。
その人との距離が近ければ近いほど、お互いを傷つけてしまうのは避けられないことです。
自分の持っているトゲは、距離が近い人には突き刺さってしまいます。
会社の同僚とか友人よりも距離のある人とは、喧嘩にすらなりません。
映画『シザーハンズ』で感じたこと
映画『シザーハンズ』でも、自分のハサミで大好きな人を傷つけてしまいます。
好きだから近づきたいけれど、近づくと自分のハサミで傷つけてしまう。
人間も同じです。
相手に近づきたいけれど、近づくと自分のトゲで傷つけてします。
それを怖がっていたら、いつまでたっても仲良くもなれません。
人間の心は傷つくことで強くなる面もあるのです。
どんどん自分を出すことです。
本書では「傷つけ合う関係から良い人間関係が造られていく」と述べられています。
まとめ:捨てることも捨てられることも不幸ではない
ダラダラ読んでいると頭に入ってこない本です。
一気に読んだ後にじっくり考えるのが良いです。
考えを改めて認識できました。
・捨てれば入ってくる
・捨てることは良いこと
捨てることは不幸ではありません。
捨てられることも不幸ではありません。
幸福になるために必要なことだからです。
これからも得るためにどんどん捨てていきます。
こういちより
P.S. 捨てることで幸福になろう。
無料体験で読み放題(※ 無料期間中に解約すればお金はかかりません)
・Prime Reading | 30日間の無料体験:約1,000冊(本、マンガ、雑誌)
・Kindle Unlimited | 99円で3ヶ月間お試し:200万冊以上が読み放題
・Amazon Audible | 3ヶ月無料(プライム会員限定):12万以上の作品が聴き放題
関連記事【自分を救うのは自分だけ】適応障害でも不幸にならない方法を解説
関連記事【初心者向け】哲学の面白さがわかる本【読書感想・書評】